
武蔵野個別指導塾の特徴
漢文の句法の一覧—否定、疑問、反語、使役の形|武蔵野個別指導塾

否定、疑問、反語、使役の句形を、目印の字と文末の読みの組で表にし、不必と必不のように順番で意味が変わる形まで書き下し文で確かめます。小テストの朝は表を隠して言えるかで仕上がりを測ってください。
句法は、次の順で覚えると小テストに間に合います。
- 句形を、否定・疑問・反語・使役の4つの束に分ける。
- 束ごとに、目印の字と文末の読みを一組で覚える(不なら「ず」、使なら「しむ」)。
- 型だけで止めず、自作の短い文を書き下して声に出す。
- 不必と必不のように、字の順番で意味が変わる形は別に押さえる。
- 前の晩は表を見て覚え、当日の朝は表を隠して書き下せるかを確かめる。
よくあるのは、漢文の小テストの前の朝、通学の電車で教科書の句法のページを開いたまま、目だけが上下して何も残らない、という場面です。「豈」も「安」も「使」も見たことはあるのに、問題の文に出てくると読めない。前の晩に引いた線は、朝になると色が増えただけで、どの線が何を意味していたのか思い出せません。表を「眺めて覚える物」から「読むときに使う道具」に変えると、この朝は変わります。
書く前にすること
書き下し文を書く前に、まず文の中から目印の字を探します。句法の問題の文には、ほとんどの場合、目印になる字が1つか2つ入っていて、その字が読み方と文末の形を決めます。「不」「非」「無」「未」があれば否定の束、「何」「安」「誰」や文末の「乎」「哉」があれば疑問か反語の束、「使」「令」があれば使役の束です。目印の字を丸で囲み、どの束かを文の横に書く。この一手間をしてから読み始めると、途中で迷いません。
次に、句法とは別に、訓読の基本を3つだけ思い出しておきます。1つ目は返り点です。レ点は1字だけ上に返り、一二点は2字以上離れた所へ返り、上下点は一二点をはさんでさらに返ります。2つ目は置き字です。「於」「而」「矣」「焉」のように、読まずに前の語の送り仮名に意味を預ける字があります。「而」は順接なら前の語に「て」を送り、逆接なら「ども」を送ります。3つ目は再読文字です。「未」は「いまだ」と読んでから下へ降り、戻ってきて「ず」と読む、1つの字を2回読む字で、書き下し文では1回目を漢字、2回目をひらがなで書きます。この3つがあやふやだと、句形を覚えていても書き下し文の形が崩れます。
目印の字が見つかったら、暗記のためのメモを作ります。おすすめは、図1のような句形カードです。1枚のカードを4段に分け、上から「型」「読み」「意味」「自作の例」を書きます。たとえば否定の基本なら、型は「不A」、読みは「Aせず」、意味は「Aしない」、自作の例は「不読書」で、書き下すと「書を読まず」です。4段目の自作の例が要になります。教科書の例文は長く、読めた気になっても句形そのものを覚えたことにはなりません。3字か4字の短い文を自分で作り、それを書き下せるかで覚えたかどうかを測ります。

カードは、表の行の数だけ作ります。作る順番は、否定、使役、疑問、反語です。否定と使役は文末の読みが「ず」と「しむ」で一定なので先に片づき、疑問と反語は文末の形が似ていて見分けに時間がかかるので後に回します。カードができたら、前の晩に型を見て読みを言い、翌朝は読みを隠して型だけから書き下す。この二度の確かめを前提にして、次の節の表を読んでください。
書き方の手順
書き下し文は、次の5つの手順で書きます。
- 返り点のとおりに読む順番を決める。レ点、一二点、上下点の順に優先順位が上がる。
- 助動詞と助詞にあたる字をひらがなに直す。「不」は「ず」、「也」は「なり」、「之」が「の」の意味なら「の」、「乎」は「や」か「か」。
- 置き字は書かず、前の語の送り仮名に意味を移す。「於」は「に」「より」、「而」は「て」「ども」。
- 再読文字は1回目を漢字、2回目をひらがなで書く。
- 文末の形で、疑問か反語かを決める。疑問は連体形に「や」「か」、反語は未然形に「ん」「んや」。
手順の2で、どの字をひらがなにするかは、句形の表と一緒に覚えると迷いません。「非」は動詞「あり」に打消の「ず」が付いた「あらず」の「あら」に当たるので「非ず」と漢字のまま、「無」も形容詞なので「無し」と漢字のまま、「不」は助動詞なので「ず」とひらがなです。「使」は助動詞「しむ」にあたるのでひらがな、「をして」もひらがなです。
ここからが句形の表です。図2のように、4つの束にはそれぞれ目印の字と文末の読みがあります。否定は「不」「非」「無」で文末は「ず」や「無し」、疑問は「何」と文末の「乎」で「や」「か」、反語は「豈」「安」で「んや」、使役は「使」「令」で「しむ」です。この4つの組を先に頭に入れてから、表の行を1つずつ確かめてください。

否定の句形です。
| 型 | 読み | 意味 | 自作の例と書き下し |
|---|---|---|---|
| 不A | Aせず | Aしない | 不読書 書を読まず |
| 非A | Aに非ず | Aではない | 非我友 我が友に非ず |
| 無A | A無し | Aがない | 無水 水無し |
| 未A | 未だAせず | まだAしない | 未学 未だ学ばず |
| 勿A | Aする(こと)勿かれ | Aするな | 勿去 去る勿かれ |
| 不必A | 必ずしもAせず | 必ずAするとは限らない | 不必勝 必ずしも勝たず |
| 必不A | 必ずAせず | きっとAしない | 必不勝 必ず勝たず |
| 不常A | 常にはAせず | いつもAするとは限らない | 不常見 常には見ず |
| 常不A | 常にAせず | いつもAしない | 常不見 常に見ず |
| 無不A | Aせざる(は)無し | Aしないものはない | 無不喜 喜ばざる無し |
| 不可不A | Aせざるべからず | Aしなければならない | 不可不学 学ばざるべからず |
| 非不A | Aせざるに非ず | Aしないのではない | 非不知 知らざるに非ず |
「不」は用言を打ち消し、「非」は体言を打ち消し、「無」は存在を打ち消します。「勿」は「無し」の命令形で、禁止になります。「無」「毋」「莫」も禁止で「なかれ」と読むことがあります。部分否定と全部否定は、「不」が副詞の前にあるか後ろにあるかで決まります。「不」が前なら「必ずしも」「常には」と「も」「は」を送って部分否定、副詞が前なら「必ず」「常に」と送って全部否定です。二重否定は打ち消しを2つ重ねて強い肯定にする形で、「無不」は「しないものはない」、「不可不」は「しなければならない」と訳します。
疑問と反語の句形です。
| 型 | 読み | 意味 | 自作の例と書き下し |
|---|---|---|---|
| 何A | 何ぞA(連体形) | どうしてAするのか | 子何来 子何ぞ来たる |
| 安A | 安くにかA(連体形) | どこにAするのか | 君安在 君安くにか在る |
| 誰A | 誰かA(連体形) | 誰がAするのか | 誰知之 誰か之を知る |
| A乎 | A(連体形)か | Aするのか | 子知之乎 子之を知るか |
| 豈A乎 | 豈にAんや | どうしてAしようか、いやAしない | 豈知之乎 豈に之を知らんや |
| 安A | 安くんぞAん | どうしてAしようか、いやAしない | 安知之 安くんぞ之を知らん |
| 誰A乎 | 誰かAんや | 誰がAしようか、いや誰もAしない | 誰知之乎 誰か之を知らんや |
| 不亦A乎 | 亦Aずや | なんとAではないか | 不亦善乎 亦善からずや |
| 何如 | 何如(いかん) | どのようであるか | 其人何如 其の人何如 |
| 如A何 | Aを如何せん | Aをどうしようか | 如此何 此を如何せん |
「何」は「なんぞ」と読めば理由を、「なにを」と読めば対象を問います。「安」は「いづくにか」と読めば場所を問う疑問で、「いづくんぞ」と読めば多くは反語です。同じ字が疑問にも反語にもなるので、表の上から4行と下の行を見比べてください。違いは文末だけです。疑問は「知る」と連体形で止めて「か」を付け、反語は「知ら」と未然形にして「ん」「んや」を付けます。「乎」は疑問なら「か」「や」、反語なら「や」と読みます。「何如」と「如何」は字の順が逆で、「何如」は様子を問い、「如何せん」は方法を問います。「不亦A乎」は反語の形をした詠嘆で、「なんとAではないか」と訳します。
使役の句形です。
| 型 | 読み | 意味 | 自作の例と書き下し |
|---|---|---|---|
| 使AB | AをしてBしむ | AにBさせる | 使人見之 人をして之を見しむ |
| 令AB | AをしてBしむ | AにBさせる | 令子学書 子をして書を学ばしむ |
| 命AB | Aに命じてBしむ | Aに命じてBさせる | 命臣読書 臣に命じて書を読ましむ |
「使」「令」「教」「遣」は、どれも「しむ」と読みます。させる相手に「をして」を送り、動作の語は未然形にして「しむ」を付けます。「見しむ」は上一段の「見る」の未然形、「学ばしむ」「読ましむ」は四段の未然形です。「命」「召」「遣」のような動詞のあとに動作が続くときは、「命じて」「召して」と読んでから「しむ」を補います。使役のついでに、受身も2行だけ置きます。「見A」「被A」は「Aる」「Aらる」で「Aされる」、「為A所B」は「AのBする所と為る」で「AにBされる」です。「見笑」なら「笑はる」、「為人所欺」なら「人の欺く所と為る」です。
例文で見る
自作の短い文を2つ、書き下し文と訳と一緒に見ます。1文に句形を2つ以上入れてあるので、目印の字を囲んでから読んでください。
例文1は「王使臣求賢。賢者未至。」です。書き下し文は「王、臣をして賢を求めしむ。賢者未だ至らず。」、訳は「王は家臣に賢い人を探させた。賢い人はまだ来ない。」です。前の文の目印は「使」で、使役の束です。「臣」に「をして」を送り、「求む」を未然形「求め」にして「しむ」を付けます。「求む」は下二段なので、未然形は「求め」です。後ろの文の目印は「未」で、再読文字です。「いまだ」と読んで下へ降り、「至る」を未然形「至ら」にしてから戻り、「ず」と読みます。書き下し文では「未だ」と漢字、「ず」とひらがなです。この2文で良いのは、使役の「をして」と再読文字の2回読みが、どちらも文末の「しむ」「ず」で終わる点です。文末が決まると、途中の送り仮名も自然に決まります。
例文2は「人皆言難。豈難乎。学而不止、無不成。」です。書き下し文は「人皆難しと言ふ。豈に難からんや。学びて止まざれば、成らざる無し。」、訳は「人は皆、難しいと言う。どうして難しいことがあろうか、いや難しくはない。学んでやめなければ、成し遂げられないものはない。」です。2文目の目印は「豈」と文末の「乎」で、反語の束です。「難し」を未然形「難から」にして「ん」を付け、「乎」を「や」と読みます。ここで「豈に難しきか」と連体形にすると疑問になり、意味が反対に近くなります。3文目には「而」と「無不」があります。「而」は置き字なので書かず、前の「学ぶ」に「て」を送って「学びて」とします。「無不成」は二重否定で、「成らざる無し」と読み、強い肯定「必ず成し遂げられる」の意味になります。この文で良いのは、反語の「んや」と二重否定の「ざる無し」が1つの文に並び、どちらも「否定の形で強く肯定する」という共通の働きを見せている点です。句形は1つずつ覚えますが、テストの文では2つ3つが重なって出ます。短い自作の文で重ね方に慣れておくと、本番で目印の字を見落としません。
まちがえやすいところ
1つ目は、部分否定と全部否定の取り違えです。図3のように、「不必勝」と「必不勝」は使う字が同じで、順番だけが違います。「不」が前にある「不必勝」は「必ずしも勝たず」で、「必ず勝つとは限らない」という部分否定です。「必」が前にある「必不勝」は「必ず勝たず」で、「きっと勝たない」という全部否定です。誤りは、どちらも「必ず勝たない」と訳してしまうことです。どこが違うかというと、「不」は自分より下にある語をまとめて打ち消すので、「不」が「必」の上にあれば「必ず」という副詞まで打ち消され、「必ずとは言えない」になります。直した読みは、「不」が副詞の上にあるときだけ「必ずしも」「常には」と「も」「は」を送る、です。送り仮名が部分否定の印になります。

2つ目は、疑問と反語の文末の取り違えです。「子知之乎」を「子之を知らんや」と書いたら誤りです。「豈」や「安くんぞ」のような反語の目印が無く、文末に「乎」があるだけなら、まずは疑問として「子之を知るか」と連体形で止めます。逆に「豈知之乎」を「豈に之を知るか」と書くのも誤りで、「豈に」があれば未然形に「んや」を付けて「豈に之を知らんや」です。どこが違うかというと、反語は「知らない」という答えを含んだ問いなので、推量の「ん」が要ります。直し方は、文頭の目印と文末をセットで見ること、そして訳に「いや、そうではない」を足して意味が通るかを確かめることです。通れば反語、通らなければ疑問です。
3つ目は、使役の「をして」を落とすことと、「使」を動詞として読むことです。「使人見之」を「人を使ひて之を見る」と読むと、王が自分で見たことになり、意味が変わります。正しくは「人をして之を見しむ」で、見るのは「人」です。どこが違うかというと、「使」は「つかふ」という動詞ではなく、助動詞「しむ」の目印であり、させる相手には必ず「をして」を送ります。直すときは、「誰が」「誰に」「何を」させるのかを先に日本語で言ってから、「をして」と「しむ」の位置を決めてください。「令」「教」「遣」が「しむ」と読むことも、ここで一緒に確かめます。
よくある質問
句形はいくつ覚えればよいですか
小テストに出る範囲なら、否定、疑問、反語、使役の4つの束と、使役の表に添えた受身の2行で、上の表の行の数で足ります。全部を一度に覚えるより、束ごとに「目印の字と文末の読み」の組を先に固め、行はあとから増やす方が早く身につきます。限定、比較、抑揚などの句形は、この4つが読めるようになってから足してください。
書き下し文は現代仮名遣いで書いてもよいですか
書き下し文は歴史的仮名遣いで書くのが基本です。「言ふ」「笑はる」「ゆゑに」のように、現代の発音と字が違う語が出ます。学校やテストで現代仮名遣いの指示があればそれが優先ですが、指示が無いときは歴史的仮名遣いで書き、送り仮名も活用に合わせてください。迷う語は、カードの「読み」の段に仮名遣いまで書いておくと、朝の確かめで一緒に覚えられます。
テストではどんな形で出ますか
出方は主に4つです。返り点を付けさせる、書き下し文を書かせる、現代語に訳させる、句形の名前を答えさせる。どの形でも、目印の字を見つけて束を決め、文末の読みを決める、という手順は同じです。確かめとして3問を置きます。「令弟習字」「不必往」「豈忘之乎」を、見ずに書き下してみてください。答えは順に「弟をして字を習はしむ」「必ずしも往かず」「豈に之を忘れんや」です。3問とも正しければ、表の行をカードに移す作業に進めます。
親の手伝い方と個別指導で確かめること
家でできる手伝いは、カードの型だけを読み上げて、お子さまに読みを言ってもらうことです。保護者の方が漢文を読めなくても、カードの上の段を読むだけなので手伝えます。言えなかったカードを横に分け、翌朝にもう一度そのカードだけを読み上げてください。個別指導では、部分否定と全部否定の送り仮名、疑問と反語の文末、使役の「をして」の3点を、お子さまが自作した文で確かめています。表を見ながら読めることと、表を見ずに書き下せることは別です。小テストの前に確かめるのは後者です。
まとめ
句法の表は、覚えるためではなく、文を読むときに手に取る道具です。目印の字で束を決め、文末の読みで形を決め、自作の短い文で書き下す。この三つが手になじんだ朝は、「豈」の字を見た瞬間に、文末の「んや」が先に浮かびます。表を閉じても読める、その一点が、小テストの朝に持って行く全部です。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
武蔵境駅徒歩30秒、講師1人に生徒1人の完全1対1。授業のあいだ、先生は隣を離れません。いまの詰まりを、無料相談でそのまま話してください。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




