
武蔵野個別指導塾の特徴
冷蔵庫と付箋で英単語を覚える—家の中に貼る語の選び方と、はがす日|武蔵野個別指導塾

付箋は扉の目の高さに5枚から。表に問い、のりの下に答えを書き、家族が1日1問聞いて別の日に3回言えたら、はがして卒業の頁へ。減っていく扉が、効いている扉です。
冷蔵庫の付箋で英単語は覚えられます。ただし条件が3つあります。貼るのは、学校の小テストや単語帳で一度つまずいた語だけにすること。答えは付箋の裏の、のりの下に隠すこと。そして、貼る前に「はがす日」の決め方を家族で決めておくこと。この3つがそろえば、冷蔵庫の前に立つ数秒が、1日に何回も来る小さな確かめの時間に変わります。反対に、範囲の語を片端から貼り、表に英語と日本語を並べて書き、はがす日を決めないままなら、付箋はやがて台所の模様になります。本人の目は、扉の上を素通りするだけです。付箋は覚えるための紙というより、覚えたかどうかを確かめて、1枚ずつはがしていくための紙です。
よくあるのは、中2のお子さまがいる家の台所で、冷蔵庫の扉が付箋で埋まっている場面です。たとえば黄色と水色の付箋が40枚。古い付箋は角が反り返り、新しい付箋がその上に半分重なって、下の語はもう読めません。冷凍室の扉まで垂れ下がった列もあります。顔を近づけると、とっくに書ける apple まで貼ってある。本人は毎朝その扉を開けて麦茶を注ぎますが、視線は取っ手と麦茶のポットにしか向いていません。扉に積もっているのは、貼った日の熱心さだけです。
付箋で埋まった扉が、台所の模様に変わるわけ
冷蔵庫が英単語に向いている理由ははっきりしています。家の中で、1日に何度も、必ず前に立つ場所だからです。朝ごはんの前、学校から帰ったとき、夕食の支度を手伝うとき、寝る前に水を飲むとき。そのたびに扉の前で数秒止まります。机に向かう決心も、単語帳を開く手間も要りません。この「決心の要らない数秒」を英単語に回せるところが、冷蔵庫の付箋の強みです。
ただ、その強みは「数秒しかない」ことと裏表です。40枚の付箋を数秒で読み切ることはできません。読み切れない量を前にすると、目はどれか1枚に止まらず、全体をひとつの景色として眺めて終わります。教室でも似たことが見えます。50語が並んだ確かめのプリントを配ると、上の数行には書き込みがあるのに、下へ行くほど手が止まり、最後の数行が空いたまま返ってくる。量が多すぎると、どこから手をつけるかを決める前に時間が終わるのです。冷蔵庫の扉では、それが毎朝くり返されています。
二つ目の理由は、出口が無いことです。はがす合図を決めずに貼り始めると、覚えた語も覚えていない語も、同じ大きさ、同じ色で扉に並び続けます。毎日見ているのに、どれが自分の弱い語なのかが扉からは読めません。新しい付箋は空いている場所か、古い付箋の上に貼られます。すると、いちばん長く残っている語、つまりいちばん覚えにくい語ほど下に隠れていきます。弱い語から順に見えなくなる。扉の上では、そういう逆さまのことが起きています。
三つ目は、表に英語と日本語を並べて書いてしまうことです。英語と意味を1行に並べた付箋は、目に入った瞬間に答えも目に入ります。思い出す手間が一度も起きません。学校の小テストの紙には、答えは書いてありません。冷蔵庫の前で一度も「思い出す」をしていない語は、紙の上でも出てきません。見た回数は多いのに書けない、という答案になります。
四つ目は、場所と色で覚えてしまうことです。付箋の語を教室で聞くと、「冷蔵庫の右上の、黄色いやつ」と貼ってある場所は正確に言えるのに、語そのものが出てこないことがあります。毎日同じ位置に同じ色で貼ってあると、扉の前では「あの位置のあれ」として思い出せます。扉の前を離れると、その手がかりが消えます。
図1のように、扉を埋めた付箋と、目の高さに5枚だけ貼った付箋とでは、同じ数秒でも目の止まり方がまるで違います。少ない枚数を、見やすい高さに、答えを隠して貼り、はがす合図を決めておく。冷蔵庫を英単語の場所にするには、この4つを貼る前に決めることが要ります。

5枚を選び、裏に答えを書き、家族の1問で点を付ける手順
ここからは、塾で家庭に勧めている始め方の例です。たとえば中2で、家での英語の勉強が1日30分ほど、学校で週に1回単語の小テストがある、という条件で書きます。条件が違うときの直し方は、手順の9で触れます。
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日曜に15分とって、貼る語を5枚分だけ選ぶ。選ぶ元は3つです。学校の単語の小テストで落とした語。単語帳で覚え直しても、次の日にまた止まった語。教科書の本文を読んでいて、前に覚えたはずなのに意味が出てこなかった語。貼らないのは、もう書ける語と、まだ一度も机で覚えていない語です。冷蔵庫は初めて覚える場所ではなく、覚えたつもりで落ちた語を拾い直す場所です。初めての語を扉に回すと、付箋が単語帳の代わりになり、枚数がすぐにふくらみます。5枚という数は、開けるたびに1枚ずつ確かめても、1日のうちに全部へ目が届く量として決めています。
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1枚に1語、表には問いだけを書く。表に何を書くかは、その語を落とした場面で決めます。小テストで日本語を見て英語を書けなかった語なら、表に日本語、裏に英語。本文で英語を見て意味が出てこなかった語なら、表に英語、裏に日本語です。たとえば weather を小テストで書けなかったなら、表に「天気」、裏に weather と「名詞」。本文で through の意味が出なかったなら、表に through、裏に「〜を通って」と「前置詞」。品詞を添えるのは、答えるときに「どんな働きの語か」まで一緒に思い出す癖をつけるためです。動詞なら、borrow の裏に「借りる」と書き、その横に borrow a book のような2語か3語の短い形を添えておくと、何を借りるのかまでまとめて思い出せます。
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答えは裏の、のりの下に書き、表の角に点を打つ場所を空ける。付箋はのりが上の端にしか付いていないので、下の端をめくれば裏が見えます。裏の上の部分はのりで扉に貼りつくため、答えは裏の下半分に書きます。ペンは水にぬれてもにじみにくい油性の太いものにし、一歩下がっても読める大きさで書きます。表の右下の角は空けておき、家族の1問に答えられた日に点を打つ場所にします。図2のように、表は問いと点、裏は答えと品詞、と役割を分けておくと、扉の前でやることが迷わず決まります。

- 本人の目の高さに、取っ手の側へ寄せて貼る。本人が冷蔵庫の前にまっすぐ立ったとき、目が当たる位置から下へ手のひら1枚分までの帯に貼ります。扉を開ける直前に手を伸ばす取っ手の側に寄せると、開けるたびに顔がそちらを向きます。家の中のほかの場所と比べると、次のようになります。
| 場所 | 向くか | 理由 |
|---|---|---|
| 冷蔵庫の扉、取っ手の側の目の高さ | 向く | 開ける前に必ず顔が向き、数秒止まる |
| 扉の上の端・冷凍室の扉 | 向かない | 見上げるか、しゃがむ位置で、目が行かない |
| コンロに近い冷蔵庫の横の面 | 向かない | 湯気と油で文字がにじみ、付箋がはがれ落ちる |
| 洗面所の鏡の横 | 2か所目に向く | 歯みがきの間、同じ向きで立ち止まる |
| 玄関のドアの内側 | 向かない | 出かける前は急いでいて、立ち止まらない |
2か所目を使うのは、冷蔵庫の5枚がうまく回り出してからにします。初めから貼る場所を増やすと、どこに何を貼ったかを本人が追えなくなります。
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扉を開ける前に1枚だけ、答えを言ってからめくる。本人の確かめは、冷蔵庫を開ける前に1枚です。表を見て、答えを小さく声に出してから、下の端をめくって裏を見ます。言えなかったときも「出てこない」と口に出してからめくります。1回に何枚も見ようとしないことが、続けるこつです。朝に1枚、帰ってきて1枚、と開けるたびに1枚なら、1回は10秒ほどで終わります。
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家族が1日に1問だけ聞き、言えた日に点を1つ打つ。夕食の前など、家族の手が少し空いたときに、家族が1枚を選んで表を読み上げます。本人は扉に背中を向けて答えます。扉を見ないで答えるのは、貼ってある位置や色を手がかりにさせないためです。家族は付箋の下をめくって裏と照らし、合っていたら表の角に点を1つ打ちます。点は1日に1つまでで、同じ日に何回言えても1つと数えます。外れたら点は打たず、その付箋は夜に本人が新しい付箋に書き直して、同じ場所に貼り替えます。書き直した付箋の点は、また空の角から始まります。書き直す手間が、そのまま外した語をもう一度手で書く練習になります。
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点が別の日に3つそろったら、はがしてから離れた場所で最後の1問を聞く。点が3つそろった付箋は、家族がはがして手に持ち、居間や廊下など冷蔵庫の見えない場所で、もう一度だけ聞きます。言えたら、その付箋は卒業です。言えなかったら、新しい付箋に書き直して扉へ戻します。
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はがした付箋は、ノートの「卒業の頁」に日付を書いて貼る。はがした付箋は捨てずに、英語のノートの最後の見開きなどに、はがした日の日付と一緒に貼り直します。付箋ののりはまだ効くので、ノートの上でも下の端をめくれば裏の答えが見えます。次の日曜、新しい語を選ぶ前に、その週に卒業した付箋を本人が表から確かめます。言えた付箋はそのまま頁に残し、言えなかった付箋は書き直して冷蔵庫へ戻します。
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日曜に、はがれた枚数で次の週の枚数を決める。たとえば5枚が1週間で全部卒業したなら、次の週は1枚か2枚足します。反対に、はがれた付箋が0枚の日曜が2回続いたら、枚数を減らし、貼っている語を机で覚え直してから貼り直します。家での英語の時間が1日30分より短いなら、5枚より少なく始めて構いません。残った付箋は、日曜に貼る位置を入れ替えます。
1週間の割り振りは、たとえば次のようになります。
| 曜日と時間帯 | やること | かかる時間 |
|---|---|---|
| 日曜 | 卒業の頁の確かめ、はがれた枚数を数える、新しい語を選んで書く、残った付箋の位置を入れ替える | 15分 |
| 月〜土の朝 | 冷蔵庫を開ける前に1枚、答えを言ってからめくる | 10秒ほど |
| 月〜土の夕方 | 家族が1枚選んで1問、言えたら点を1つ | 1分 |
| 月〜土の夜 | 外した付箋を新しい付箋に書き直して貼り替える | 外した日だけ3分 |
この表で、家での時間がいちばん長いのは日曜の15分です。平日は合わせても数分しか使いません。冷蔵庫の付箋は、机での勉強の時間を削らずに足せる確かめなので、平日の時間を増やしたくなったら、付箋の枚数ではなく机の時間のほうを見直します。
付箋が増えるだけで減らない家で起きていること
範囲の語を全部貼ってしまう
定期テストが近づくと、範囲に入った新しい語を全部付箋に書いて貼りたくなります。これをすると一晩で扉が埋まり、場面の台所と同じ姿になります。付箋を書く時間も、思った以上にかかります。たとえば1枚を書くのに1分かかるなら、30語を書くだけで30分になり、家での英語の1日分がまるごと消えます。こう変えます。範囲の語を覚えるのは机と単語帳で、冷蔵庫に回すのは、机で覚えたあとの確かめで落ちた語だけにします。テストが近い時期ほど、冷蔵庫の枚数は増やさず、選ぶ語を厳しくします。
表を見た瞬間に裏をめくってしまう
答えを隠しても、めくる指が先に動けば、付箋はただの「表と裏のある紙」です。思い出そうとする前に答えを見てしまいます。こう変えます。めくる前に必ず声に出す、を家の決まりにします。言えなかったら「出てこない」と言ってからめくる。声に出したかどうかは台所にいる家族にも聞こえるので、確かめたつもりで終わることが減ります。
貼ってある場所で答えてしまう
同じ位置に何週間も貼ってあると、扉の前では言えるのに、学校の紙の上では出てこない、ということが起きます。こう変えます。日曜に、残った付箋の位置を全部入れ替えます。左上にあった語を右下へ、上の段を下の段へ。家族の1問では本人が扉に背を向け、卒業の前の最後の1問は、はがしてから冷蔵庫の見えない場所で聞きます。
はがした付箋を捨てるか、はがさずに貼りっぱなしにしてしまう
はがす合図を決めないと、付箋は扉に残り続けます。逆に、合図を決めても、はがした付箋をすぐ捨ててしまうと、覚えたつもりの語がまた抜けたときに気づけません。こう変えます。はがした付箋は日付と一緒に卒業の頁へ移し、次の日曜に一度だけ確かめます。図3のように、付箋には「貼る」から「卒業の頁」までの通り道と、言えなかったときに扉へ戻る道の両方を用意しておきます。扉の付箋が週ごとに入れ替わっているなら、その通り道が動いている証拠です。

確かめの問題
問1 中2のAさんは、学校の小テスト(日本語を見て英語を書く形)で Wednesday が書けませんでした。Bさんは、教科書の本文に出てきた island の意味が言えませんでした。2人はそれぞれ、付箋の表と裏に何を書けばよいでしょうか。
問2 家族が月曜の夕方と夜に1回ずつ同じ付箋を聞き、本人は2回とも言えました。水曜の夕方にも言えました。この付箋の角には、点がいくつ打たれているでしょうか。また、この付箋はもうはがしてよいでしょうか。
問3 たとえば扉に8枚を貼って始めた家で、4回目の日曜になっても、卒業の頁に移った付箋が1枚もありません。家族の1問でも、ほとんど外れます。次の日曜にすることを2つ答えてください。
答えと考え方
問1 Aさんは、表に「水曜日」、裏ののりの下に Wednesday と「名詞」。Bさんは、表に island、裏に「島」と「名詞」。表に書く側は、その語を落とした場面に合わせます。Aさんは日本語から英語を書く場面で落としたので、冷蔵庫でも日本語を見て英語を思い出します。Bさんは英語を見て意味を言う場面で落としたので、表は英語にします。Wednesday は読まない d を含むので書くときに落としやすく、island は読まない s を含む語ですが、どちらも表に書くのは問いだけ、という決まりは変わりません。
問2 点は2つです。点は1日に1つまでと決めているので、月曜に2回言えても1つ、水曜の1つと合わせて2つになります。まだはがしません。別の日にもう1回言えて点が3つそろったら、はがしてから冷蔵庫の見えない場所で最後の1問を聞き、言えたら卒業の頁へ移します。
問3 1つ目は、枚数を減らすことです。はがれた付箋が0枚の日曜が2回続いた時点で、減らす合図はもう出ています。次の週はたとえば8枚の半分の4枚まで減らし、開けるたびの確かめが1日のうちに全部へ届くようにします。2つ目は、貼っている語を机で覚え直してから貼り直すことです。家族の1問でほとんど外れるのは、扉に回す前の段階で覚えていない語が混じっているしるしです。初めて覚える語を冷蔵庫に回していないか、選んだ元を見直します。
保護者が家でできること
家族の役目は、1日に1問だけ聞くことと、点を打つことです。それ以上はしません。1日に何問も聞くと台所が試験会場になり、お子さまは冷蔵庫の前を早足で通り過ぎるようになります。聞く時間は、夕食の支度の途中や食器を並べる前など、毎日だいたい同じ頃に決めておくと、お子さまのほうから扉に背を向けて待つようになります。
聞くときは、付箋の表を読み上げるだけにして、ヒントを足さないでください。言えたら点を打ち、「2つ目」と数だけ伝えれば十分です。外れたときは裏を見せて、「夜に書き直して貼っておいて」と頼んで終わりにします。外れた語を何度も言わせ直すと、1問の軽さが消えます。
言わないほうがよい言葉と、言い換えの例です。
- 「まだこれ覚えてないの」は、「今日は外れ。書き直して戻しておこう」に。
- 「こんなに貼っても意味ないでしょ」は、「日曜に何枚はがれたか、一緒に数えよう」に。
- 「全部はがして片づけなさい」は、「点が3つの付箋から、はがしていこう」に。
- 「貼っておいたから覚えて」と家族が選んだ語を貼るのはやめ、貼る語はお子さまが小テストや単語帳から選ぶ形にします。
週の確かめは、扉に残っている枚数ではなく、卒業の頁に増えた枚数で見てください。日曜の朝にノートを開いて、その週に移った付箋を一緒に数える。それだけで、冷蔵庫の付箋が続いているかどうかがわかります。
個別指導で確かめること
付箋の点はそろうのに、学校の小テストで同じ語をまた落とすなら、付箋の表と裏の向きが小テストの問われ方と合っていないか、つづりの一部だけを覚えた語が混じっていることが多いです。授業では、学校の小テストの答案と卒業の頁を机に並べ、どちら向きの問いで落としているか、つづりのどの文字で手が止まっているかまで戻って確かめ、扉に戻す語と机で覚え直す語をその場で分けます。
まとめ
冷蔵庫の付箋が英単語の道具になるのは、貼る語を落とした語だけに絞り、答えを裏ののりの下に隠し、家族の1日1問で点を数え、点がそろったらはがして卒業の頁へ移す、という通り道ができたときです。扉に何枚貼ったかは、何も教えてくれません。はがした付箋が卒業の頁に1枚ずつ増えていく家では、冷蔵庫の扉はいつも少しだけ空いています。
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