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炎色反応の覚え方—語呂と色の一覧、出る元素|武蔵野個別指導塾

リアカー無きK村で始まる語呂を7つに切って元素と色に結び、銅の青緑とバリウムの黄緑を言い分けるところまで、花火の色と一緒に持ち帰ってください。
| 元素記号 | 元素名 | 炎の色 | 語呂の部分 | 周期表の位置 |
|---|---|---|---|---|
| Li | リチウム | 赤 | リアカー | 1族・2周期 |
| Na | ナトリウム | 黄 | 無き | 1族・3周期 |
| K | カリウム | 赤紫 | K村 | 1族・4周期 |
| Cu | 銅 | 青緑 | 動力 | 11族・4周期 |
| Ca | カルシウム | 橙(だいだい) | 借ると | 2族・4周期 |
| Sr | ストロンチウム | 紅(くれない) | するもくれない | 2族・5周期 |
| Ba | バリウム | 黄緑 | 馬力 | 2族・6周期 |
よく使われる語呂は「リアカー無きK村、動力借るとするもくれない馬力」です。高校の化学基礎で最初に押さえる元素は、この7つです。
よくあるのは、1月の化学の授業で「夏の花火を思い出してください」と言われる場面です。暖房の低い音だけが鳴る教室の窓の外で、葉を落としたイチョウが凍えたように立っています。黒板には Li から Ba まで記号が7つ。8月の河原で見た赤も緑も目の奥に残っているのに、どの記号の色かと聞かれると、一つも出てこない。手元のノートでは、色の欄だけが白く空いています。次の小テストで問われるのは、その7行です。
一覧の読み方
炎色反応は、ある種の金属元素を含む物質を炎に入れたとき、炎がその元素ならではの色に染まる現象です。表の1行は「この元素が炎の中にあれば、この色が出る」という対応を示しています。主語は物質ではなく元素です。塩化ナトリウムでも水酸化ナトリウムでも炭酸ナトリウムでも、ナトリウムを含んでいれば炎は黄色になります。だから炎の色を見れば、粉の中にどの元素がいるかを言い当てられる。化学基礎の最初のあたりで、成分元素を調べる方法として登場するのはこのためです。
右端の列の数字は、周期表の住所です。「族」は縦の列の番号、「周期」は横の行の番号を指します。7つの元素を住所で並べ直すと、図1のようになります。

図1のとおり、1族が3つ、2族が3つ、11族が1つです。1族の Li、Na、K は上から赤、黄、赤紫。2族の Ca、Sr、Ba は上から橙、紅、黄緑。銅だけが遷移元素の列から加わり、青緑を出します。同じ2族でも、灰色の枠の Be と Mg は炎色反応を示しません。「2族だから色が出る」という理屈は、ここで崩れます。
色の呼び名には、教科書や資料によって幅があります。Li は「赤」「深赤」、Sr は「紅」「深赤」、Ca は「橙」「橙赤」、K は「赤紫」「紫」、Ba は「黄緑」「緑」と書かれることがあります。定期テストなら、授業で使っている教科書の言葉で答えてください。ルビジウム Rb の深赤、セシウム Cs の青紫まで載せる資料もありますが、最初の7つが言えてから足せば間に合います。
色が出る仕組み
炎の熱を受けると、原子の中の電子はエネルギーの高い状態へ押し上げられます。押し上げられた電子が元の状態へ戻るとき、余ったエネルギーが光になって出ていきます。その光の色が元素ごとに決まっているので、炎を見れば元素を見分けられます。テストでここまで問われることは多くありませんが、「なぜ元素で色が決まるのか」に答えを持っていると、表がただの暗号ではなくなります。
実験の手順
学校の実験は、次の順で進みます。
- ガスバーナーの空気を調節し、炎を青くする。
- 白金線の先を濃塩酸につけて外炎に入れ、炎に色がつかなくなるまで繰り返す。
- 調べたい物質の水溶液を白金線の先につける。
- 外炎に入れ、炎の色を見る。
- 別の試料に移る前に、2 の洗い方に戻る。
どの手順にも理由があります。炎が黄色いままだとナトリウムの黄と区別がつかないので、まず青くします。外炎を使うのは、温度が高く、炎そのものにほとんど色がないからです。濃塩酸で洗うのは、線に残った金属を揮発しやすい塩化物に変えて飛ばすためで、前の試料が残っていれば色は混ざって読めません。線が白金なのは、高温でも反応しにくく線自身の色が出にくいからで、ニクロム線で代用する学校もあります。
カリウムだけは少し厄介です。わずかなナトリウムが混ざると、黄色に隠れて赤紫が見えなくなります。このときは青いコバルトガラスを通して見ると、黄色がさえぎられて赤紫が残ります。濃塩酸は先生の指示のもとで扱う薬品なので、家で試さないでください。
花火との関係
夏の夜空に開く色の多くは、この反応です。花火玉には「星」と呼ばれる火薬の粒が詰まっていて、そこに金属の化合物が混ぜてあります。色と元素の組み合わせは次のとおりです。
| 花火の色 | 主に使われる元素 |
|---|---|
| 赤 | ストロンチウム Sr |
| 緑 | バリウム Ba |
| 黄 | ナトリウム Na |
| 橙 | カルシウム Ca |
| 青 | 銅 Cu |
| 紫 | ストロンチウム Sr と銅 Cu を混ぜる |
花火の赤の主役は、リアカーの Li ではなく Sr です。銅は実験の表では青緑ですが、花火では塩素を含む物質と組み合わせて青を出します。紫はカリウムの色ではなく、Sr の赤と Cu の青を混ぜて作ることが多い色です。白や銀の強い光は、アルミニウムやマグネシウムの粉そのものが燃える光で、炎色反応とは別の仕組みです。
覚え方
語呂はまず一息で言える形にします。「リアカー無きK村、動力借るとするもくれない馬力」。言い回しが少し違う形も出回っていますが、中身は同じです。言えるようになったら、図2のように7つに切ります。

リアカーの「リ」が Li で「アカ」が赤。無きの「な」が Na で「き」が黄。K村の「K」がカリウムで「村」が紫(むらさきの「むら」)。動力の「どう」が銅で「力(りょく)」が緑。借るとの「か」が Ca で「と」が橙。橙は「だいだい」とも「とう」とも読み、語呂は「とう」の音を借りています。するもくれないの「する」が Sr で「くれない」が紅。馬力の「ば」が Ba で「力」が緑。図2の赤い字だけを拾って読むと、色の順番がそのまま流れます。
ここで語呂の弱点を直します。村は紫まで、力は緑までしか教えてくれません。そこで、自分の頭に映る絵を一言ずつ足します。K村は夕暮れの村にして「空が赤紫」。動力の銅は、古い10円玉や銅像に吹く緑青を思い浮かべて「銅は青緑」。緑青は炎の色そのものではなく、思い出すための目印です。馬力の馬には草を食べさせて「馬は黄緑」。どれも理屈は要りません。自分で作る絵なら、もっとばかばかしくてかまいません。
語呂が出るようになったら、並べ替えます。周期表の上から、1族は Li 赤、Na 黄、K 赤紫、2族は Ca 橙、Sr 紅、Ba 黄緑、そして銅が青緑。語呂の順と周期表の順の2本の道を持っておくと、片方が詰まったときにもう片方から入れます。Na の黄だけは台所にも道があります。みそ汁がふきこぼれたとき、ガスコンロの炎が一瞬黄色くなるのは、塩分に含まれるナトリウムの色です。
練習の組み方は単純です。白い紙に7行の枠だけを引き、何も見ずに記号と色を埋めます。書けなかった行に印をつけ、翌日、3日後、1週間後に同じことをします。表を見ながら写す練習は、手が覚えた気になるだけで、テスト中の白紙の前では役に立ちません。
もう1つ、逆向きの札を作ります。テストは「Na の色は」だけでなく「黄色い炎が出た。元素は」とも聞いてきます。語呂は元素から色へしか流れないので、カードの表に色を、裏に元素を書きます。「赤は Li、紅は Sr、橙は Ca」「緑の仲間は Ba と Cu」。色を聞かれて記号がすぐ出れば、1月の教室でも8月の河原でも迷いません。
テストでの出方
定期テストでは、表の穴埋めがそのままよく出ます。入試に近づくほど、炎色反応だけで完結する問いは減り、気体の発生や沈殿の結果と組み合わせて物質を特定する問いに変わります。実験の手順や理由を文章で問う正誤問題も定番です。形の違う3問で確かめてください。
例題1 色を答える
次の元素の炎色反応の色を答えなさい。(1) Li (2) Cu (3) Ca
答え: (1) 赤 (2) 青緑 (3) 橙。Cu を「緑」で止めないこと、Ca を「赤」と書かないことが分かれ目です。同じ知識を逆から聞く形もあります。「黄緑色の炎を示す元素を選びなさい」と聞かれたら、選択肢には Cu が混ぜてあると思ってください。逆向きの札は、この形のために作っています。
例題2 物質を特定する
白い粉末 A に塩酸を加えると気体が発生し、その気体を石灰水に通すと白くにごった。粉末が溶けた後の液を白金線につけて外炎に入れると、炎は橙色になった。A として考えられる物質の化学式を答えなさい。
答え: CaCO₃(炭酸カルシウム)。石灰水の白濁で発生した気体は二酸化炭素とわかり、A には炭酸イオン CO₃²⁻ が含まれていると読めます。橙の炎で金属はカルシウムに決まります。炎の色は物質の半分しか教えません。残りの半分を別の実験から持ってくる、この組み立てが入試の形です。炭酸カルシウムは水にほとんど溶けないので、塩酸に溶かしてから炎に入れる筋書きになっている点も見ておいてください。
例題3 正誤を見抜く
次のア〜エのうち、誤っているものを1つ選びなさい。
- ア 白金線は濃塩酸で洗ってから使う。
- イ 試料を変えるときは白金線を洗い直す。
- ウ マグネシウムの化合物を炎に入れると黄緑色を示す。
- エ 炎色反応は、元素が化合物の中にあっても観察できる。
答え: ウ。マグネシウムは炎色反応を示しません。黄緑はバリウムです。2族という理由だけで色を当てはめると、この問いで落ちます。正誤問題は、文の中の元素と色の組だけを抜き出して読むと、迷う時間が減ります。
まちがえやすいところ
1つめは、赤の仲間の取り違えです。Li、Sr、Ca はどれも赤のほうに寄っていて、語呂の言葉なしでは区別がつきません。Li と Sr を入れ替える、Ca を赤と書く。図3のように色で束ねてから言い分けるのが近道です。Li は「リアカーの赤」、Sr は「するもくれないの紅」、Ca は「借るとの橙」と、語呂の言葉ごと口に出してください。

2つめは、緑の仲間を「緑」で済ませることです。図3の真ん中の組は、語呂だとどちらも「力」で、緑までしか言っていません。答案に書くのは Ba が黄緑、Cu が青緑です。花火の知識が先に入っている人は Cu を「青」と書きがちですが、化学のテストで求められるのは実験の色である青緑です。語呂に足した「馬は黄緑」「銅は青緑」が、ここで効きます。
3つめは、光れば炎色反応だと思い込むことです。中学で見たマグネシウムリボンの白くまぶしい光は、金属そのものが燃えている光で、炎色反応ではありません。花火の白や銀も同じです。Mg は2族ですが、図1の灰色の枠のとおり炎色反応を示しません。問題文に「白い光を出して燃えた」とあれば燃焼の話、「炎が橙色になった」のように炎の色を述べていれば炎色反応の話です。
確かめの問題
紙に書いてから答えを見てください。1問でも詰まったら、語呂のどの部分で止まったかを確かめ、そこだけ札に戻します。
- 炎色反応で黄色を示す元素を、元素記号で答えなさい。
- Ba の炎色反応の色を答えなさい。
- 語呂の「K村」が表す元素の名前と、正確な色の言葉を答えなさい。
- 白金線を洗うときに使う薬品の名前を答えなさい。
- 花火の赤に主に使われる元素の名前を答えなさい。
答え
- Na。台所のふきこぼれの色です。
- 黄緑。「緑」だけでは足りません。
- カリウム、赤紫。村が教えるのは紫までです。
- 濃塩酸。線に残った金属を揮発しやすい塩化物にして飛ばします。
- ストロンチウム。赤でも Li ではありません。
次に覚える一覧
周期表の一覧は、1族と2族という住所の読み方を支えるので、図1の場所が全体の中に収まります。イオン化傾向の一覧は、K、Ca、Na、Cu がそのまま並ぶ列なので、炎の色の次に問われる反応のしやすさへつながります。イオン式の一覧は、炎で調べた金属が水溶液の中では Na⁺ や Ca²⁺ の形でいることを書き表す道具になります。個別指導では、色が言えるかどうかの手前に戻り、周期表で1族と2族の列を指せるか、水溶液の中の金属をイオンで書けるかまで確かめます。
まとめ
1月の教室で閉じたノートの中でも、8月の河原でも、炎の色を決めているのは元素です。台所のふきこぼれの黄も、白金線の先に灯る小さな色も、夜空いっぱいの色も、同じ7行で読めます。語呂の言葉はいつか古びても、炎の色は古びません。
次の夏、夜空に緑が開いたら、それはバリウムです。
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