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英単語は1日何個ずつ覚えるか—新しい語と戻す語の割り振り、学年と目的で変える量|武蔵野個別指導塾

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平日30分の高1なら、新しく覚える語は20個、前の日までの語を確かめる戻す語は30個から。1日の時間と1語にかかる時間で数を逆算する手順と、数を増やす合図・減らす合図を1週間の割り振り表と並べて載せています。

1日に新しく覚える英単語の数は、やる気で決める数ではありません。1日に使える時間と、1語にかかる時間から逆算して出す数です。たとえば平日に30分を取れる高1で、1語を覚えるのに1分かかるなら、新しく覚える語は20個です。前の日までに覚えた語をもう一度言えるか確かめる語(ここでは「戻す語」と呼びます)は、30個が始めの数です。中1が定期テストのためにつづりまで覚えるなら、15分で新しい語は5個です。学年と目的で数が変わるのは、1語に求めること(意味だけか、読みか、つづりまでか)が変わり、1語にかかる時間が変わるからです。そして数は、気分では動かしません。1週間の記録を見て、日曜にだけ変えます。

よくあるのは、4月の高1が、買ったばかりの単語帳の最初の頁に、太いペンで「1日100個」と書く場面です。初日は夜までかかって100個に目を通し、2日目も100個進みます。3日目は部活で帰りが遅くなり、その日の分を翌日に回します。翌日は200個になり、前の日までの語を見返す時間はどこにも残りません。2週目の小テストで最初の頁の語が出たとき、手が止まり、本人は「やったはずなのに」とつぶやきます。書いた数は高い志から出たものでした。ただ、毎日の時間に置き換えられていなかったのです。

「1日100個」が続かないのは、今日の新しい語が明日の戻す語になるから

単語帳の数は、その日だけで閉じる数ではありません。今日新しく覚えた語は、明日の机の最初に「まだ言えるか」を確かめる語になります。今日100個を進めれば、明日は新しい100個の手前に、昨日の100個が待っています。1日の数を決めるときに見落とされやすいのは、この持ち越しです。英単語の覚え方を毎日の習慣にしようとする生徒ほど、今日の数だけを見て、明日に回る重さを数えていません。

教室で単語帳を見せてもらうと、その跡がそのまま残っています。鉛筆の点や線が最初の何十頁かに固まり、その先は買ったときのままです。前の週の範囲から出た小テストで書けなかった語を一緒にたどると、多くは1回目に見たきりで、2回目に会っていない語です。覚える力が足りなかったのではなく、2回目に会う時間が計画の中に無かったのです。

時間で数えると、理由がはっきりします。たとえば、日本語を隠して意味を言えるまでに1語あたり1分かかる生徒が、1日30分で100個を進めようとすると、1語に使えるのは18秒です。18秒は、英語と日本語を一度見比べるには足りても、隠して言えるかを確かめるところまでは届きません。頁は進んだのに、言える語はほとんど増えていない。4月の終わりによく起きるのは、この食い違いです。

反対に、100個を言えるところまで覚えるのに要る時間を出してみます。新しい語に1語1分で100分です。戻す語には1日の時間の3分の1を先に取る(取り方は次の節の手順3で書きます)ので、新しい語の100分は全体の3分の2にあたり、戻す語にさらに50分が要ります。合わせて150分、2時間半です。図1のように、30分しかない机に150分の計画を載せていたことになります。

図1 1日100個と1日20個で、1日に要る時間を比べた図

100という数がどこから来たのかも、疑っておく値打ちがあります。学習指導要領を開くと、高校の英語コミュニケーションⅠで新しく出てくる語は400〜600語程度、Ⅱでさらに700〜950語程度、Ⅲでも700〜950語程度と書かれています。Ⅲまで取った場合を足し合わせても、高校で新しく加わる語は1,800〜2,500語程度です(Ⅱ・Ⅲまで取るかどうかは、通う高校の科目の組み方と本人の選択で変わります)。1日100個を30日続けると3,000個で、この足し算をひと月で追い越してしまいます。受験用の単語帳には教科書の外の語も載っていますが、それでも100という数が、教科書の語の量からも、手元の時間からも出てきた数ではないことはわかります。

学年と目的で数が変わるのは、1語に求めることが違うからです。中学の定期テストでは、教科書の新出語のつづりを書かせる問題がよく出ます。つづりまで書けるようにするには、意味を言えればよい語より、1語に長い時間がかかります。大学受験の長文を読むための語は、まず意味を言えれば先へ進めます。同じ30分でも、1語に2分かかる覚え方と1分で済む覚え方では、数がちょうど倍違います。だから「高1なら何個」「中2なら何個」と学年だけで決まる数はありません。決まるのは、1日の時間と、1語の時間です。

1日の時間から数を逆算する6つの手順

手順1 英単語に使える時間を、いちばん短い平日で決める

英単語に使える時間を、平日と休日に分けて書き出します。部活のある日、塾のある日、何もない日で時間が違うなら、いちばん短い平日を基準にします。いちばん忙しい日にも続く数でなければ、その日に計画が切れ、翌日に2日分が積まれるからです。たとえば平日は30分、土曜も30分、日曜は40分、という書き方です。「時間があれば」「できるだけ」は書きません。毎日のスケジュールに、分の数字で書ける時間だけを使います。

手順2 1語にかかる時間を、タイマーで測る

新しい語を10個選び、タイマーを押してから、日本語を隠して10個とも意味を言えるまで続けます。定期テストのためならつづりを書けるまで、英検のためなら意味と読みを言えるまで、と目的に合わせて「言える」の中身を先に決めておきます。止めたときの時間を10で割ると、1語の時間です。戻す語も同じように10個で測ります。たとえば新しい語10個に10分、戻す語10個に200秒かかったなら、1語1分、戻す語1つ20秒です。測るのは最初の日だけではありません。数を増やしたいと思ったときに、もう一度測ります。

手順3 時間の3分の1を先に戻す語に取り、残りで新しい語の数を出す

1日の時間の3分の1を、先に戻す語に取ります。残りの3分の2を新しい語の1語の時間で割ると、新しく覚える語の数が出ます。図2のように、30分なら戻す語に10分で、20秒で割って30個です。残りの20分を1分で割って、新しい語は20個になります。

図2 1日30分から新しい語と戻す語の数を逆算する流れ

先に戻す語の枠を取るのは、後に回すと、新しい語で時間を使い切った日に戻す語が0になるからです。戻す語の30個には、前の日の新しい語の全部を入れ、残りの枠に、それより前の日で言えなかった語を古いものから入れます。言えなかった語には、単語帳の語の横に鉛筆で小さな点を打っておくと、どれを入れるかで迷いません。戻す語1つに20秒かかる人なら、戻す語の枠は、1日の時間を分で書いたときの数字と同じ個数になると覚えておくと、計算が速くなります。30分なら30個、15分なら15個です。

手順4 目的と期日から、もう1つの数を出して比べる

手順3の数は、時間から出た数です。もう1つ、目的と期日から数を出し、2つを比べます。

出た2つの数のうち、小さいほうを使います。期日から出た数のほうが大きいときに、数だけを上げてはいけません。1語の時間は変わらないので、上げた分はそのまま「見ただけの語」になります。動かすのは、1日の時間か、期日のほうです。学年と目的ごとの始め方を並べると、次のようになります。

学年と目的 1日の時間 1語に求めること 1語の時間 新しく覚える語 戻す語
中1・定期テスト 15分 意味・読み・つづり 2分 5個 15個
中3・英検 30分 意味と読み 1分20秒 15個 30個
高1・大学受験 30分 意味 1分 20個 30個

どの行も、戻す語1つを20秒、戻す語に1日の時間の3分の1として計算した例です。手順2で測った時間が違えば、数も変わります。表の数が合わなかったら、表を直さずに、自分の測った時間で計算し直してください。

手順5 1週間に割り振り、1日は新しい語を0にする

1週間のうち6日は新しい語を進め、1日は新しい語を0にして、その週の新しい語を全部確かめる日にします。高1・平日30分の例なら、1週間の割り振りは次の表のとおりです。

曜日 新しく覚える語 戻す語 時間
月 20個 30個 30分
火 20個 30個 30分
水 20個 30個 30分
木 20個 30個 30分
金 20個 30個 30分
土 20個 30個 30分
日 0個 120個 40分
1週間 120個 300個 220分

日曜の120個は、月曜から土曜までの新しい語を20個ずつ足した数で、1つ20秒なら40分です。この割り振りで1週間に120個進むので、言えない語の見当が1,200語なら、10週間で新しい語はひと通り終わります。ひと通り終えたあとに単語帳をどう回すかは別の段取りなので、1日の数とは分けて考えます。

手順6 記録を3つだけ付け、日曜に見る

記録は3つだけです。その日の新しい語の数、前の日の新しい語のうち言えなかった数、かかった時間です。単語帳の頁の端でも、手帳の1行でもかまいません。凝った表を作ると、表を作ることで満足してしまいます。日曜にこの3つを7日分並べ、次の週の数を決めます。数を動かす合図は、次の節に書きます。

調子のよい日に増やし、休んだ分を足す——数が崩れる4つの場面

調子のよい日に、その場で数を増やしてしまう

20個がするすると終わった日に、「今日は30個いける」と足してしまう。その日は新しい語だけで30分を使い切り、翌日は戻す語の30個の枠が前の日の語だけで埋まって、それより前に言えなかった語が入りません。手順3の割り振りが、1日の思いつきで崩れます。こう変えます。数を変えるのは日曜だけにし、図3のように、前の日の語で言えなかった割合を7日分並べて決めます。

図3 日曜に記録を見て、次の週の数を決める合図

前の日の新しい語のうち言えなかった語が2割以下の日が6日そろい、どの日も時間内に終わっていたら、増やす合図です。手順2の10個の測り方で1語の時間を測り直し、速くなった分だけ数を増やします。たとえば1語の時間が48秒に縮んでいたら、20分で25個です。言えなかった語が4割以上の日が3日続いたとき、または戻す語が時間内に終わらない日が3日続いたときは、減らす合図です。新しい語を4分の1減らします(端数は切り上げ)。20個なら、2割は4個、4割は8個が線で、減らすときは15個にします。減らした分の時間は、1語にかける時間に回ります。どちらの合図も出ていなければ、数はそのままです。

戻す語を後回しにしてしまう

新しい語から始めると、気持ちは前へ進みます。けれども30分のタイマーが鳴ったとき、戻す語は手つかずで残ります。こう変えます。机に向かったら最初の10分は戻す語、と順番を固定します。タイマーを10分と20分の2回に分けて押すと、境目を越えにくくなります。

目を通した語を、覚えた数に入れてしまう

最後の頁まで目を通したことを、覚えた数として記録してしまう。こう変えます。その日の終わりに日本語を隠して言えた語だけを、新しく覚えた語に数えます。言えなかった語は、翌日の戻す語に入れます。記録の数は小さくなりますが、翌日に確かめたとき言える語の数と、記録の数が合うようになります。記録と手応えが合っていることのほうが、大きな数より役に立ちます。

休んだ日の分を、次の日に足してしまう

熱を出した翌日に、2日分の40個をやろうとする。1語1分なら新しい語だけで40分、戻す語の10分を足すと50分で、30分の机には載りません。こう変えます。休んだ分は足しません。次の日は、いつもの20個と30個に戻します。遅れた1日分は、区切りの日を1日延ばして吸い込みます。日曜の戻す日を新しい語の日に替えて取り返すのも避けます。戻す日が消えた週は、言えなかった語が積もったまま次の週に入るからです。

確かめの問題

問1 ある生徒は、英単語に1日36分を使えます。新しい語1つを覚えるのに90秒、戻す語1つを確かめるのに16秒かかります。1日の時間の3分の1を先に戻す語に取るとき、戻す語と新しく覚える語は、それぞれいくつにすればよいでしょうか。

問2 意味を言えない語が665語あり、自分で決めた区切りの日まで7週間です。新しい語を進めるのは週に5日(残りの2日は戻す日)で、時間から出した数は1日17個でした。期日から出る1日の数はいくつでしょうか。また、どちらの数を使い、区切りの日に間に合わせるには何を動かせばよいでしょうか。

問3 新しい語を1日12個進めている生徒の、ある週の記録です。前の日の新しい語のうち言えなかった数は、月2個・火1個・水5個・木5個・金6個・土3個でした。戻す語はどの日も時間内に終わっています。次の週の新しい語の数はいくつにすればよいでしょうか。

答えと考え方

問1 36分の3分の1は12分で、720秒を16秒で割ると、戻す語は45個です。残りの24分は1,440秒で、90秒で割ると新しく覚える語は16個です。

問2 665を、7週間×5日の35日で割って、期日から出る数は1日19個です。時間から出た17個のほうが小さいので、17個を使います。17個では1週間に85個、7週間で595個にとどまり、70個が残ります。8週目には終わるので、数を19個に上げるのではなく、区切りの日を1週間延ばすか、1日の時間を足して手順3で計算し直します。

問3 12個の2割は2.4個なので、2個以下の日は月と火の2日だけで、増やす合図は出ていません。4割は4.8個なので、5個以上の日は水・木・金で、3日続いています。減らす合図です。12個の4分の1は3個なので、次の週は9個にします。

保護者が家でできること

声をかけるなら、数より前の日の語に向けてください。「今日は何個やったの」と聞くと、お子さまは数を大きく答えたくなります。「昨日の語から3つだけ聞いていい?」と、英語を見せて意味を言ってもらうほうが、その日の机に戻す語の10分があったかどうかが、親子のどちらにもわかります。言えなかった語があっても、その場で教え込む必要はありません。「それは明日の戻す語に入れておこう」で十分です。

確かめるのは、手順6の3つの記録です。日曜の夜に、7日分の「言えなかった数」と「かかった時間」を一緒に眺めてください。増やすか減らすかを決めるのはお子さまで、合図の線はもう決まっています。保護者が見るのは、記録が毎日付いているかどうかだけで足ります。

言わないほうがよい言葉と、その言い換えです。

個別指導で確かめること

授業の始めに、前の週の新しい語から講師が10語ほどを抜いて聞き、記録の「言えなかった数」と照らします。記録より言えない語が多ければ、数を決め直す前に、「言える」の中身(日本語を隠して言っているか)から確かめ直します。高1で中学の教科書の語に言えない語が目立つときは、高校の単語帳の数を決める前に、中学の語まで戻って確かめます。

まとめ

単語帳の最初の頁に書いた「1日100個」は、消して書き直してかまいません。書き直す数は、手順2で測った1語の時間と、明日の朝の机に残る時間から出した数です。今日の20個は、明日の最初の10分に、戻す語としてもう一度目の前に戻ってきます。その10分を勘定に入れた数だけが、毎日続く1日の数になります。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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