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11月に勉強のやる気が落ちるのはなぜか—9月の谷とつながる2学期の過ごし方|武蔵野個別指導塾

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文化祭の飾りが外れた翌週に手が止まるのは、行事に使っていた放課後が行き先のないまま空くからです。その時間を曜日ごとに書き出し、行事の間に薄くなったノートに付箋を貼るところから始めてください。

11月に勉強のやる気が落ちるのは、気持ちが弱いからではありません。行事が終わって放課後の時間が急に空き、期末テストはまだ先に見え、日の短さで一日が早く閉じたように感じる。この三つが同じ週に重なるからです。立て直しは、やる気が戻るのを待つことではなく、行事に使っていた時間の行き先を決めることから始まります。そのうえで、行事の期間に薄くなったノートのページと、9月の谷で曖昧にしたままの単元を1つずつ拾い、11月の1週間を小さく組み直してください。

よくあるのは、文化祭が終わって教室の飾りが外された翌週の放課後という場面です。窓に貼ってあった色紙ははがされ、黒板の横には画びょうの穴だけが並んでいます。先週まではこの時間、段ボールを切ったり衣装を縫ったりして、遅くまで教室に残っていました。今日は帰りのホームルームが終わると、もうやることがありません。家に着くころには外が暗く、カバンを床に置いたまま、気づけば夕食の時刻です。机の上には、行事の前に開いたきりのワークが同じページのまま載っています。

なぜそうなるのか

2学期は、気持ちの谷が二度来やすい学期です。一度目は夏休み明けの9月、二度目は行事が終わった後の11月です。図1のように、9月の谷を抜けると体育祭や文化祭の準備で気持ちが持ち上がり、行事が終わったところでもう一度沈みます。行事をどの月に置くかは学校によって違うので、谷の位置は前後にずれますが、山と谷の並び方はよく似ています。

図1 2学期に気持ちが沈みやすい二つの谷と、その前後の出来事

行事が、放課後の時間の型ごと持っていった

行事の準備の期間は、放課後の過ごし方が外から決まっていました。何時に集まり、何を作り、何時に帰るか。自分で決めなくても体が動く毎日です。行事が終わると、その型が一度に外れます。空いた時間は本来なら勉強に回せる時間ですが、行き先の決まっていない時間は、いちばん楽な過ごし方に流れていきます。加えて、大きな行事をやり切った直後は、何をしても手応えが小さく感じられます。拍手をもらった舞台の翌週に、ワークの答え合わせはあまりに地味です。やる気が消えたというより、時間の型と手応えの両方が同時に抜けた状態だと考えてください。

期末の前の谷間に、9月のつけが回ってくる

11月は、中間テストがある学校ならそれが終わり、期末テストの範囲表はまだ配られていない時期にあたります。締め切りが見えないと、勉強は「いつでもできること」になり、いつでもできることは「今日でなくてよいこと」に変わります。

そこへ9月のつけが重なります。夏休み明けの9月は、生活の時刻が戻りきらないまま授業が進みます。その時期に習った単元を、なんとなくわかった気持ちのまま通り過ぎると、11月の授業でその上に次の単元が積まれたとき、急に問題が解けなくなります。数学なら前の単元の計算が次の単元の途中で顔を出し、英語なら9月に習った文法が11月の長い文に混ざってきます。わからない問題が増えると、勉強そのものが重くなり、それがやる気の低さに見えます。

日が短くなり、一日が早く終わったように感じる

11月は、部活を終えて校門を出るころにはもう暗くなっています。夏なら「まだ夕方」だった時刻が、11月には「もう夜」に見えます。暗くなってから家に着くと、それだけで一日が終わった気持ちになり、勉強は「残った時間でやること」の側へ押しやられます。寒さで暖かい場所から離れにくくなることも重なります。時計の時刻は同じでも、窓の外の暗さが、勉強を始める合図を遅らせるのです。

中3と高3は、入試までの距離が目に見えてくる

中3と高3にとって11月は、入試の日付が実際の距離として見えてくる月です。高3なら、大学入学共通テストの本試験は2027年1月16日と17日で、11月の半ばから数えて残りは2か月ほどです。中3なら、都立高校の推薦に基づく選抜の検査が1月26日と27日、学力検査に基づく選抜(第一次募集)の学力検査が2月21日に置かれています。日付が近づいて見えると、やるべき量に対して時間が足りない気がして、何から手をつけても焦りが消えません。距離が見えたのは前に進んだからなのに、見えた分だけ足が重くなる。その重さが行事の後の空白と同じ週に来るのが、中3と高3の11月です。

今夜からの手順

1. 行事に使っていた時間を、曜日ごとに書き出す

ノートの最後のページかメモ用紙を1枚用意し、月曜から日曜までの7行の表を作ります。各行に、先月まで行事の準備に使っていた時間を書き込みます。「月 放課後45分」「水 家で衣装づくり1時間」くらいの書き方で足ります。次に、その時間が今は何に使われているかを横に書きます。書いてみると、空欄か「なんとなく画面を見ていた」「横になっていた」が並ぶことがよくあります。

ここで、空いた時間を全部勉強で埋めないことが肝心です。書き出した時間の半分ほどを勉強に回し、残りは休む時間として表に書き込みます。行事の間ずっと走り続けていたのですから、休む時間をはっきり決めておく方が、勉強に回した時間も守りやすくなります。休みを「余った時間」ではなく「予定の一つ」として書くのがこつです。

2. 行事の期間に薄くなったノートのページを探す

各教科のノートを開き、行事の準備をしていた数週間のページをめくってください。板書を写しただけで自分の書き込みが一つも無いページ、日付だけ書いて途中で終わっているページ、そもそも書いていない授業。そこに付箋を1枚ずつ貼ります。教科ごとに付箋が何枚になったかを数えると、どの教科が行事のあおりを一番受けたかが目で見えます。

付箋を貼ったページは、期末テストの範囲に入る見込みの高い部分です。範囲表が配られる前でも、授業が終わった所からなら準備を始められます。1日に取り組むのは付箋1〜2枚分、時間にして20〜40分が目安です。教科書の該当ページを読み直し、ワークの同じ単元を3〜5問解いて、解けたら付箋をはがします。はがした付箋をノートの表紙の裏に並べて貼っていくと、片づいた量が手元に残り、週末の振り返りにもそのまま使えます。

3. 9月に習った単元を1つだけ拾い直す

9月の谷で曖昧にした単元は、全部をやり直す必要はありません。数学か英語のどちらかで、今の授業でつまずいている所の一つ手前にある単元を1つだけ選びます。選び方は、今の授業の問題を解いて手が止まった行を見て、そこで使っている計算や文法がどの単元のものかを、教科書の目次でたどるだけです。

見つかったら、その単元の例題だけを2〜3問、教科書を開いたまま解きます。ワークの応用問題までは進みません。例題が教科書を閉じても解けるようになったら、拾い直しはそこで終わりです。目的は9月を取り戻すことではなく、11月の授業の足元を固めることなので、深追いはしないでください。この作業は土曜の予備の時間に回すと、平日の期末の準備を崩さずに済みます。

4. 11月の1週間を、空ける日と予備の日つきで組む

図2は、11月の1週間の組み方の一例です。平日のうち4日は、期末の範囲、つまり手順2で付箋を貼ったページに20〜40分を使います。残りの1日は勉強を入れずに空けておきます。図2では水曜を空けていますが、部活や習い事がいちばん遅くまでかかる曜日に合わせて決めてください。土曜は予備の日で、平日にできなかった分の回収と、手順3の9月の単元に使います。日曜は翌週の見通しを立てる10分ほどの見直しだけにして、あとは休みます。

図2 11月の1週間の組み方。平日4日に範囲、1日は空け、土曜を予備に

空ける日を最初から作っておくのは、行事の後の疲れが思ったより長く残るからです。毎日に予定を入れると、1日崩れただけで「もうだめだ」と全部が止まります。空けた日があれば、崩れた日の分を移す先があり、計画が一度の失敗で終わりません。空けた日に何も移す物がなければ、そのまま休んだ日として数えてかまいません。

平日の時間は、行事の前にやっていた量より少なめから始めます。行事の前に毎日1時間やっていた人でも、行事の翌週は30分前後から入り、2週目に少しずつ戻していきます。最初の週に「前と同じ量」を求めないことが、11月の谷を浅くする近道です。

5. 暗くなる前の時間に、その日の一番軽い一枚を置く

11月は、家に着く時刻にはもう外が暗いことが多く、夕食の後になると「今日はもう終わり」という気持ちが強くなります。そこで、帰宅してから夕食までの間に、その日の勉強のうちいちばん軽いものを一枚だけ置きます。漢字の練習を1ページ、英単語を10語ほど声に出して確かめる、理科の用語の一問一答を1ページ。10分前後で終わる量です。

夕食の後に残すのは、手順2の付箋のページのように考える必要のある勉強です。軽い一枚が夕食前に済んでいると、夕食の後に机へ戻るときの重さが違います。帰ったらすぐ部屋の明かりをつける、カーテンを閉めて外の暗さを視界から外す、というのも11月ならではの小さな工夫です。窓の外が見えなくなるだけで、「もう夜だ」という合図が一つ減ります。

6. 週末に、気分ではなくページ数で1週間を振り返る

日曜の見直しの10分では、その週に何ページやったかだけを数えます。付箋を何枚はがしたか、ワークを何ページ進めたか、9月の単元の例題を何問解いたか。気分の点数はつけません。11月は、やる気の手応えそのものが低めに感じられる月なので、気分で振り返ると「今週もだめだった」に寄りがちです。ページ数なら、少なくても進んだ分がそのまま残ります。

数え終わったら、翌週の平日4日に、次の付箋のページを1〜2枚ずつ割り振ります。期末の範囲表が配られたら、その日のうちに範囲表と付箋のページを突き合わせ、範囲に入っていない付箋は外し、範囲に入っているのに付箋の無い所を足してください。範囲表は、それまでの準備の答え合わせとして使えます。

学年と時期で変わるところ

同じ11月でも、学年によって谷の深さと、1週間のどこに重心を置くかが変わります。図3は、学年ごとの11月の重心をまとめたものです。

図3 学年ごとに変わる、11月の1週間の重心

中1にとっては、中学で初めての2学期です。行事の規模が小学校より大きく、準備でどれだけ疲れるかを本人も読めません。期末に実技の教科の筆記がある学校では、テストの教科の数も多くなります。中1の11月は、手順2の付箋のページを中心にして、9月の単元の拾い直しは数学だけに絞ると、量が膨らみすぎません。

中2は、部活でも行事でも任される役が増える学年です。行事の準備で背負っていた分が大きいほど、終わった後の空白も大きくなります。部活の大会と行事の後片づけが重なる週は、空ける日を2日にしてもかまいません。中2の2学期は、教科の内容も前の単元の上に積み上がる所が増えるので、手順3の拾い直しを土曜に毎週1つずつ続けておくと、冬に効いてきます。

中3は、期末と入試の両方を抱えます。都立高校の一般入試では、中学3年の評定から調査書点を出し、学力検査のある5教科は評定をそのまま、学力検査の無い実技の4教科(音楽、美術、保健体育、技術・家庭)は評定を2倍にして数えます。芸術や体育の学科など、これとは別の扱いをする所もあります。評定がどの時期の成績をもとに決まるかは、学校の説明を確かめてください。中3の11月は、平日は期末の準備に使い、土日に入試の問題を少しずつ入れる形が組みやすく、期末が終わったら重心を入試の側へ移します。推薦に基づく選抜を考えている人は、検査が1月26日と27日なので、冬休みに入る前に何を準備するかを学校の先生に確かめておくと慌てずに済みます。

高1と高2は、2学期が長く、学期末の定期考査が学期の成績に直結します。高2にとっては、受験学年に入る手前の最後の2学期でもあります。期末の範囲を軸にしつつ、苦手な科目の単元を1つだけ、手順3と同じやり方で拾い直しておくと、高3の春に戻る場所が減ります。

高3は、11月の谷が「やる気のなさ」よりも「焦り」の形で出やすくなります。共通テストの本試験まで2か月ほどの時期なので、平日の時間の大半を入試の科目に使い、学校の課題は提出の期限が近い物から片づけます。それでも予備の日を1日残す組み方は変えません。焦っている時期ほど、崩れた分を移す先が要るからです。

時期で見ると、範囲表が配られてから期末までは、空ける日は残したまま、平日の時間を30〜60分に延ばします。このあいだは9月の単元の拾い直しをいったん止め、期末を優先します。期末が終わってから冬休みまでの間は、期末で解けなかった問題に付箋を貼り、冬休みにやる物として残しておきます。そして夏休み明けの9月にやる気が落ちた人は、11月にも同じ形の谷が来ると先に知っておくだけで、来たときに「自分だけがおかしい」と慌てずに済みます。

よくある失敗と直し方

失敗1 行事の翌週に「取り戻す」計画を立てて、3日で崩れる

文化祭が終わった週末に、遅れを一気に取り戻そうと平日を毎日2時間で埋める計画を立て、水曜には止まってしまう。行事の後によく見る崩れ方です。なぜそうなるかというと、空いた時間を全部勉強で埋めたうえに、行事の疲れを計画の中に一行も数えていないからです。直し方は、最初の1週を「戻す週」と決めることです。量は行事の前より少なめにし、空ける日は余ったら探すのではなく、先に表へ書き込んでから他の曜日を埋めます。崩れた日の分は、その空けた日か土曜の予備に移せば足ります。

失敗2 範囲表が配られるまで待ってしまう

「範囲がわからないから、まだ始められない」と待っているうちに、11月の前半が過ぎていく形です。締め切りが見えないと始められないのは自然なことですが、範囲表が配られるころには、行事の期間のノートの穴が手のつけにくい大きさになっています。直し方は、手順2の付箋を範囲表より先に使うことです。授業の終わった所はいずれ範囲に入る見込みが高いので、そこから手をつけ、範囲表は後から答え合わせとして重ねます。

失敗3 入試までの日数を毎日数えて、焦りで手が止まる

中3と高3に多い失敗です。カレンダーや手帳に残りの日数を毎日書き込み、数字が減るたびに胸が苦しくなって、結局その日は何も進まない。なぜそうなるかというと、日数は毎日確実に減るのに、やった量はどこにも見えていないからです。減る数字だけを見続けると、焦りだけが積み上がります。直し方は、日数を見るのを週に1回、日曜の見直しの時だけにすることです。毎日見るのはその日に進んだページ数のほうにして、減る数字と増える数字を同じ紙に並べておきます。

よくある質問

来年の9月にやる気を落とさないために、夏休みの終わりにできることはありますか

あります。夏休みの最後の1週間に、2学期の最初の2週間の時間割と下校の時刻を、紙に書き出しておくことです。9月の谷は、夏休みの生活の時刻から学校の時刻へ切り替える段差で深くなります。始業の何日か前から、起きる時刻と、夕方に机へ向かう時刻だけを学校のある日に合わせておくと、段差が小さくなります。あわせて、学校の年間の予定表で、行事の準備がいつ始まるかを見ておくと、9月のうちに勉強の量を少し前倒しにする判断ができます。

中1の9月と中3の9月では、やる気の落ち方は違いますか

違うことが多いです。中1の9月は、初めての夏休み明けで、生活の時刻を戻すことそのものに手間取る落ち方です。中3の9月は、夏で部活を引退した人の場合、放課後の時間がまとまって空き、11月の行事の後と同じ「行き先の無い時間」が先に来ます。つまり中3は、2学期のうちに同じ形の空白を二度経験することがあります。9月にそれを経験した中3は、11月の谷の前に、空いた時間の行き先を先に決めておけるという強みも持っています。

9月も11月も毎年やる気が落ちます。怠けているのでしょうか

時期が決まって来る落ち込みは、行事や学期の区切りに沿って起きるもので、怠けとは別の物です。毎年同じ月に来るとわかっているなら、その月だけ平日の量を少なめに設計し、予備の日を1日増やしておけば足ります。ただし、2学期に限らず一年を通して気持ちが沈んだままになる、眠れない日や体のだるさが何週間も続く、というときは勉強のやり方の問題ではありません。家の人に話し、学校や医療機関に相談してください。

保護者が手を貸すなら

行事が終わった週は、まず行事の話を聞いてください。「文化祭、どうだった」と聞かれて話せる場があると、行事が気持ちの中できちんと終わります。終わった行事の話を遮って「もう勉強に戻りなさい」と言うと、空いた時間は勉強ではなく反発で埋まりがちです。

見守る線は2週間です。行事の翌週は、机のワークが同じページのままでも様子を見ます。2週目に入っても動かないようなら、「範囲表が出たら一緒に見ようか」と、紙を一緒に見る約束だけを交わします。11月は夕食の時刻をなるべく動かさないことも、手助けの一つです。夕食の前後で勉強の区切りをつけているお子さまにとっては、夕食が時計の代わりになっているからです。

個別指導で確かめること

11月の授業でつまずいた問題から単元を一つずつさかのぼり、9月に習った単元の例題が教科書を閉じても解けるかどうかまで戻って確かめます。解ければそこから先は期末の範囲に戻り、解けなければその例題を授業の最初の10分で解き直してから範囲に進みます。あわせて、行事の期間のノートに貼った付箋の枚数を教科ごとに見て、どの教科から期末の準備を始めるかの順番をその場で決めます。

まとめ

行事が終わった週の空白は、勉強から逃げた時間ではなく、行事に預けていた放課後が行き先の札をつけないまま戻ってきた時間です。9月の谷を一度越えてきた2学期の後半に、同じ形の谷がもう一度来ているだけだと思えば、慌てる理由は一つ減ります。画びょうの穴だけが残った壁の前で手が止まる放課後に、その時間を曜日ごとに書き出した一枚が、11月の谷を渡る最初の板になります。

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