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武蔵野市立第三中学校—校風と内申の付け方、定期テストと高校入試への道筋|武蔵野個別指導塾

標準服を定めず私服で通う第三中。中3の11月の期末テストが調査書の評定にどう届くのか、「責任ある自由」と9教科の評価規準から読み解いていきます。
| 項目 | 内容(学校の公表から) |
|---|---|
| 所在地 | 武蔵野市吉祥寺東町1丁目 |
| 最寄り駅 | JR中央線・京王井の頭線の吉祥寺駅(北口から徒歩13分)。西荻窪駅北口からはバスも使える |
| 設置 | 武蔵野市立(公立)・男女共学 |
| 生徒数 | 全校306名、うち新入生95名(2026年4月の学校だより) |
| 開校 | 1951年(昭和26年) |
| 服装 | 標準服を定めず、私服で登校(生徒手帳) |
| 確かめた年度 | 2026年度(令和8年度)の学校経営計画・教育課程・年間行事予定・生徒手帳 |
よくあるのは、部活の見学から帰ってきた小6のお子さまが、玄関で靴を脱ぎながら「三中って制服がないんだよ」と言う場面です。吹奏楽部の音が4階から降ってきたこと、先輩が自分の服で走っていたこと。話はそこで終わり、テストや内申の話は一言も出てきません。けれど保護者の頭には、あの自由な空気の中で成績はどう付くのか、という問いが残ります。その問いには、学校が自分で公表している文書から答えられます。
学校が掲げる目標と校風
第三中学校の教育目標は、開校以来の5つの標語でできています。「知性豊かな人になろう」「情味のある人になろう」「品の良い人になろう」「健康な人になろう」「骨身を惜しまず働く人になろう」。2026年度の学校経営計画は、この5つを別々の目標として並べるのではなく、互いに関連し補い合うものとして扱う、と書いています。生徒手帳にも同じ5つが「私たちの目標」として載り、それぞれに具体的な行動が3つずつ添えられています。たとえば「知性豊かな人」には、疑問はすすんで解決する、という一行があります。
校風の芯にある言葉は「責任ある自由」です。校長は2025年4月付の文書で、これを「自治の力」のことだと説明しています。自由とは思うままに行動することではなく、今自分が何をすべきかをまず自分で考え、次に他者との関わりの中で考え、最適な答えを出す経験を重ねることだ、という立場です。さらに、成功体験だけでなく失敗体験もしてほしい、行動の主体は生徒で、教員は放っておくのではなく気づきを促す、とも書いています。図1のように、考える、関わる、決める、振り返る、の4つが輪になって回るのが、この学校の言う自治の形です。

この考え方は、きまりの書き方にもはっきり出ています。生徒手帳の服装の項には、本校では標準服を定めていない、と明記され、その理由として、中学校生活にふさわしい服装を生徒自身が良識をもって判断できる力を育てることも学習だから、と説明があります。基準を具体的に定める必要が出たときは生徒会を中心に検討する、とも書かれています。服を決めるのは生徒、困ったら生徒会で話し合う。小6のお子さまが見学で感じた「制服がない」という驚きは、学校の教育方針そのものに触れた瞬間だったわけです。
一方で、自由はゆるさと同じではありません。学校経営計画の「目指す学校像」には、けじめがあり落ち着いた環境で生活できる学校、という項目があります。生徒手帳の生徒心得には、始業のチャイムの8時25分に着席していなければ遅刻とする、自転車通学は禁止、登校してから放課後まで学校の外に出ない、といった具体的な線が引かれています。毎朝8時25分から10分間の朝読書も年間を通して行われています。枠ははっきりしていて、その枠の中で何を選ぶかを生徒に任せる。これが第三中の「自由」の実際の姿です。
行事は「三大行事」と呼ばれる体育祭、くぬぎ祭、合唱コンクールが柱です。2026年度は体育祭が6月6日、くぬぎ祭が10月16日と17日、合唱コンクールが3月5日の予定です。11月の学校だよりによると、くぬぎ祭は2026年で第41回を数え、テーマは「心」でした。1年生はセカンドスクールで調べたことを展示し、2年生は学年劇、3年生はクラス劇を、脚本選びから照明まで生徒が試行錯誤して作ったと書かれています。
部活動の開設一覧(2026年度)には、吹奏楽、園芸、パソコン、調理、美術の文化系と、卓球、バドミントン、野球、サッカー、バスケットボール(男女)の運動系が並びます。学校の定める部活動のきまりでは、活動は2月から10月が午後6時まで、11月から1月が午後5時30分まで。試験1週間前は原則として部活動を禁止し、試合などで特別に活動する場合は保護者の了解を得た部員だけが1時間程度活動できる仕組みです。3年生が引退した後に部活に参加するのは、原則として都立入試の合否が出てから、とも決められています。部活の熱と受験の段取りを、学校がきまりとして切り分けているのが特徴です。
内申(評定)の付け方
まず国と東京都の共通の仕組みから押さえます。中学校の各教科の成績は、3つの観点で評価されます。知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度の3つです。それぞれをA・B・Cで評価し、その3つを総括して5段階の評定を出します。通知表に載る5や4は、この総括の結果です。高校入試で使う「内申」は、この評定を指します。
第三中学校は、この仕組みを読むための材料をかなり公開しています。学校のサイトの「学習関連資料」には、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭、英語の9教科すべてについて、年間指導計画、教科目標、評価の観点及びその趣旨、単元ごとの評価規準が2026年度版で載っています。たとえば数学の1年の最初の単元「正負の数」では、知識・技能の欄に素因数分解の意味を理解していること、思考・判断・表現の欄に正負の数の加法を東西の移動をもとに考えて説明できること、主体的に学習に取り組む態度の欄に学んだことを生活や学習に生かそうとしていること、といった具体の物差しが並びます。単元ごとに、何ができればその観点を満たすのかが文字になっているのです。
教育課程(2026年度)には、年間指導計画と評価計画を作り、単元ごとの評価方法と評価資料を改善して「指導と評価の一体化」を図る、とあります。ここから読めるのは、評定が定期テストの点数だけで決まるのではなく、単元ごとに決めた評価資料(テスト、レポート、発表、振り返りの記述など)を積み上げて出される、という設計です。一方で、定期テスト、提出物、授業中の発言や記述が評定の中でそれぞれどのくらいの重みを持つのかという配分は、学校の公表文書には書かれていません。ここは教科ごとに違いうる部分なので、保護者が面談で確かめる項目になります。
第三中で特に目を留めたいのが、学校全体の研究テーマです。2026年度の学校経営計画は、研究テーマ「主体的に取り組む態度の育成」を前年度から引き継ぎ、他の人と考えを交流しながら課題を解決する授業を充実させる、と書いています。さらに、すべての授業で「本時の目標」を示し、授業の最後に振り返りを行う、とも明記しています。教育課程には「振り返りシート」を使って自分の学習を客観的に捉えさせ、自己調整力を高める、という記述もあります。3つ目の観点である「主体的に学習に取り組む態度」は、粘り強く取り組んだか、自分の学び方を調整しようとしたかを見る観点です。学校が研究テーマとしてこの観点を正面に据えている以上、毎時間の振り返りに何を書くかは、軽い作業ではありません。「楽しかった」で終わる振り返りと、「最初は符号を逆にしていたが、数直線で確かめて直した」と書く振り返りでは、残る記録が違います。
数学と英語では、東京都のガイドラインに基づく少人数・習熟度別の授業が行われています。クラスが分かれても、評価の観点と評価規準は教科で共通です。どのコースにいるかより、その単元の評価規準に照らして何ができているかが問われる、と考えておくとよいでしょう。
次に、市全体の数字の読み方です。東京都教育委員会が2026年3月に公表した中学校ごとの評定の資料では、学校名は伏せられています。だから「第三中の評定はいくつ」とは誰にも言えません。使える数字は市と都の全体の値です。武蔵野市の市立6校について、学校ごとの評定の平均を並べた中央値は3.25で、都全体(576校)の中央値は3.2648でした。わずかに都を下回っています。ただし評定の平均は、学力の分布でも上下するので、この数字だけで評価が厳しいとは言い切れません。それでも、武蔵境で中学生を見てきた私たちの実感として、武蔵野市の市立中学は他地域に比べて内申を取りにくい地域だと考えています。数字が小さく見えても安心材料にはならない、という前提で準備するのが現実的です。
定期テストと1年の流れ
2026年度の年間行事予定表を見ると、第三中の定期テストは年5回です。図2のように、5月14日と15日の中間テスト、6月24日から26日の期末テスト、9月9日と10日の中間テスト、11月10日から12日の期末テスト、2月24日から26日の学年末テストという並びになっています。学期は3学期制で、終業式は7月17日と12月25日です。

この日程には、高校入試につながる大事な特徴があります。2学期の期末テストが11月の上旬に置かれていることです。その後、11月末から12月初めにかけて全学年の三者面談が組まれています。中3にとっては、11月の期末テストが、調査書に載る評定が固まる前の最後の大きな試験になります。夏休みが明けて9月の中間テストまでの間には10月のくぬぎ祭の準備も入り、3年生は10月末から11月初めに進路面談もあります。行事と面談の合間に11月の期末が来る、という流れを、中3の夏の時点で家族で共有しておくと慌てずに済みます。
3年生には、定期テストとは別に「復習確認テスト」が7月1日と9月30日に予定されています。1、2年の内容をどこまで覚えているかを確かめる場で、ここでつまずいた単元は、そのまま入試の学力検査の弱点になります。テストの結果を返されたら、点数より先に、どの学年のどの単元で落としたかを書き出す。その一手間が冬の勉強の地図になります。
部活動はテストの1週間前から原則として止まります。つまり、5回の定期テストの前には、毎回1週間のまとまった時間が生まれます。この1週間を「テスト勉強を始める週」にしてしまうと間に合いません。範囲表が配られた日から逆算して、提出物の仕上げと解き直しをこの1週間より前に済ませ、最後の1週間は弱点の確認に使う、という順番が無理のない形です。
学校は、地域の人材を活用した「土曜日・定期考査前の学習支援教室」や「夏休み学習教室」も教育課程に書いています。放課後には学校図書館を自習の場として開放するとも書かれています。学校の中に使える場所があるかどうかは、実施の日程とともに学校だよりや配布物で確かめておくとよいでしょう。
1年生の秋にはセカンドスクール(2026年度は9月28日から10月2日)、2年生の7月初めには職場体験、3年生の5月には修学旅行があります。どれも総合的な学習の時間と結びつき、事前学習と事後学習を含めて行われます。行事の多い学校は、行事の前後に提出物の締め切りが重なりやすい学校でもあります。カレンダーの上で行事とテストを並べて見る習慣が、内申を守る土台になります。
高校入試へのつなぎ方
都立高校の一般入試では、学力検査の得点と調査書点を合わせて選考します。東京都教育委員会が2026年9月に公表した令和9年度の入学者選抜実施要綱では、全日制の学力検査と調査書点の比率は原則として7対3で、学力検査を700点、調査書点を300点に換算します。これに中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の結果を20点満点で加え、総合得点は1020点満点になります。
調査書点の計算では、学力検査を行う5教科(国語・数学・英語・社会・理科)の評定はそのまま、学力検査を行わない4教科(音楽・美術・保健体育・技術・家庭)の評定は2倍して数えます。図3のように、5教科で最大25、実技4教科で最大40、合わせて65が満点です。実技4教科の比重の大きさがよくわかります。調査書点の上では、美術で評定が1つ上がることは、数学で1つ上がることの2倍の重さを持つのです。

調査書に載るのは、中学3年の評定です。実施要綱は、12月31日現在の第3学年の評価を記入し、その際は第3学年の1学期と2学期の成績を十分に参考にする、と定めています。第三中の日程に当てはめると、中3の6月の期末テストと11月の期末テストを中心とした2つの学期の学びが、調査書の数字に直結します。中1と中2の評定は都立の一般入試の調査書点には入りませんが、私立高校の推薦や併願の相談では中1や中2の成績を見る学校もあるので、志望校の募集要項で確かめる必要があります。
推薦入試では、各都立高校が調査書の評定または観点別の評価のどちらかを点数化し、面接や作文などと合わせて選考します。観点別の評価を使う学校では、特定の観点の配点を高くすることもあります。主体的に学習に取り組む態度の観点が重く扱われる場合、第三中が研究テーマとして力を入れている振り返りの積み重ねが、評価の材料として効いてくる可能性があります。
令和9年度の入試では、7対3と10対0の両方で計算して高い方を使う方式を、市内の武蔵野北高校と板橋区の北園高校の2校が新たに取り入れることも、都教委の要綱に書かれています。それでも大半の学校では調査書点が合否に関わることは変わりません。内申は入試の前に持ち点として手元に置いておくもの、と考えるのが基本です。
第三中の年間行事予定には、3年生の進路説明会が6月と10月、進路面談が10月末から11月初め、私立高校の入試相談が12月15日からと記されています(3年生の進路関係の日程は前年度を参考にしたもので変わる可能性がある、という注記つき)。11月の期末テストで評定がほぼ見え、三者面談で受験校を話し合い、12月の入試相談に進む、という一本の線です。この線の上で、内申はすでに決まった数字として扱われます。数字を大きく動かせるのは、11月の期末テストまでです。
保護者が学校で確かめること
面談や保護者会で、そのまま聞ける形にしておきます。
- 各教科で、定期テスト、提出物、授業中の記述や発表は、評定の中でそれぞれどのくらいの重みですか。
- 「主体的に学習に取り組む態度」は、振り返りシートやノートのどんな記述で見ていますか。望ましい書き方の例はありますか。
- 学習関連資料にある評価規準のうち、この学期に評価の材料にする単元はどれですか。
- 数学と英語の習熟度別のクラスで、評価の物差しや定期テストの問題は共通ですか。
- 提出物の締め切りに遅れた場合、評価はどう扱われますか。
- 中3の調査書に載る評定は、どの時点までの成績で決まりますか。11月の期末テストの後に挽回の機会はありますか。
- 定期考査前の学習支援教室や夏休み学習教室は、今年度いつ、どの学年が対象で開かれますか。
- 部活動の特認活動がテスト前に入る場合、学習の時間をどう確保すればよいですか。
答えを聞いたら、その場でメモを取り、お子さまと共有してください。評価の物差しを本人が知っているかどうかで、毎日の授業の受け方は変わります。
個別指導で確かめること
教室では、学校が公開している単元ごとの評価規準を手元に置き、テストで落とした問題がどの観点のどの規準に当たるのかを、お子さまと一緒に照らし合わせます。つまずきが前の学年の単元にあれば、その単元まで戻って解き直し、振り返りの一文が自分の言葉で書けるところまで確かめます。
まとめ
制服のない学校で、何を着るかを自分で決める3年間を過ごすお子さまにとって、評定もまた誰かに付けられるのを待つ数字ではありません。評価規準を読み、11月の期末から逆算して手を動かした分だけ、「責任ある自由」は調査書の65点満点の中に姿を現します。
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