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TOEICとは—L&RとS&W、点数の見方と受ける意味|武蔵野個別指導塾

聞く・読むのL&Rと話す・書くのS&Wは別の試験で、結果は合否でなく点数で返ります。同じ600点でも内訳で読み方が変わる理由を、図と自作の例題で確かめられます。
TOEICは、英語で仕事や日常のやりとりがどこまでできるかを、点数で返す試験です。合格も不合格もありません。提出先の指定がなければ、入口は聞く力と読む力を測るL&Rです。話す力と書く力を測るS&Wは、別の試験として受けます。
| 項目 | L&R(Listening & Reading) | S&W(Speaking & Writing) |
|---|---|---|
| 測る力 | 聞く・読む | 話す・書く |
| 問題と時間 | リスニング100問・約45分、リーディング100問・75分 | Speaking 11問・約20分、Writing 8問・約60分 |
| 答え方 | マークシート | 試験会場のパソコン |
| 点数 | 合計10〜990点(5点刻み) | 各0〜200点(10点刻み) |
| 受験料(公開テスト・税込) | 7,810円(紙の公式認定証なしは7,700円) | 10,450円 |
受験料は2026年11月6日に公式の案内で確かめた額です。S&Wは追加申込の期間に額が変わるので、申し込む前にその回の案内を見直してください。
よくあるのは、大学の入学オリエンテーションの掲示の前で足が止まる、という場面です。履修の案内の隣に、英語のクラスや単位にTOEICのスコアを使うという一枚が貼ってあります。高校で取った英検の合格証はある。けれど掲示が求めているのは級ではなく点数で、L&Rという記号の意味もわからない。配られた資料を鞄に入れたまま、次の会場へ流されていきます。
TOEICは1つの試験ではありません
「TOEIC」と書かれていても、中身は1つではありません。図1のように、L&RとS&Wは測る力も答え方も点数の形も違う、別々の試験です。L&Rは解答用紙に答えをマークし、S&Wは試験会場でパソコンとヘッドセットを使います。

L&Rの200問は、出題の形が毎回同じです。下の表の順に進み、前半の約45分は放送を聞き、後半の75分は自分で時間を配ります。
| 区分 | Part | 内容 | 問題数 |
|---|---|---|---|
| リスニング | Part 1 | 写真の描写 | 6問 |
| リスニング | Part 2 | 問いかけへの応答 | 25問 |
| リスニング | Part 3 | 会話 | 39問 |
| リスニング | Part 4 | 説明文 | 30問 |
| リーディング | Part 5 | 短文の穴埋め | 30問 |
| リーディング | Part 6 | 長文の穴埋め | 16問 |
| リーディング | Part 7 | 1つの文書の読解29問、複数の文書の読解25問 | 54問 |
問題は英文で構成されていて、英文和訳も和文英訳も出ません。訳せるかどうかではなく、英語のまま処理できるかを問われる試験だと考えてください。Part 1とPart 2は放送される英文が問題用紙に印刷されておらず、1度きりの放送で答えます。聞き逃した英文を読み返す手段は、最初からありません。
S&Wは、Speakingが音読、写真の描写、質問への応答、提示された情報にもとづく応答、意見を述べる問題の順に11問。Writingは写真を見て文を書く問題が5問、Eメールを作る問題が2問、意見を書く問題が1問で、最後の1問に30分が割り当てられています。
もう1つ、受ける場の違いがあります。公開テストは実施団体の国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が決めた日時と会場で受けます。IPテストは学校や企業などが日時と場所を決めて実施する団体向けの制度です。マークシート方式は公開テストと同じ200問の形式ですが(オンライン方式は約1時間・90問)、IPテストでは公式認定証もデジタル公式認定証も発行されません。掲示に「TOEIC」とあったら、L&RかS&Wか、公開テストかIPテストかの2点を先に読み分けてください。
990点の仕組み—合計の裏に2本の点があります
L&Rの結果は、リスニング5〜495点、リーディング5〜495点、トータル10〜990点のスコアで、どれも5点刻みです。足し算の形をしていますが、正解した数をそのまま点にした値ではありません。表示されるのは素点(Raw Score)ではなく、スコアの同一化(Equating)という統計処理を通した換算点(Scaled Score)です。公開テストは毎回新しい問題で実施されるので、回ごとに評価の基準がずれないよう、難しさを調整しています。正解1問につき5点のように単純に割り当てて計算しているわけではありません。
試験の問題と解答は公表されず、問題用紙も回収されます。つまり、試験のあとで自己採点をして点を当てることはできません。手応えと点数がずれても、あわてる必要はありません。前回との差も5の倍数で出ます。10点や15点の上下に気持ちを預けるより、どちらのセクションが動いたかを見てください。
その代わり、はっきり決まっていることがあります。採点は正解数にもとづいて行われ、誤った解答は減点されません。迷った問題も、時間が足りずに読めなかった問題も、どれか1つにマークしたほうが損をしません。公式の案内も、最後の問題まで解答欄にマークするよう勧めています。
結果は試験日から17日後にインターネットで表示され、19日後にデジタル公式認定証が発行されます。紙の公式認定証は、申し込みのときに希望した人へ試験日から30日以内に送られます。日米の祝日の影響で遅れることがあると案内されているので、提出の期限が近い人は余裕を見て回を選んでください。S&Wは各0〜200点の10点刻みで、スコアをもとにした評価がSpeakingは8段階、Writingは9段階で付きます。Speakingには、発音、イントネーションとアクセントの評価も3段階で加わります。
合計より先に内訳を読みます
同じ合計でも、持っている力は同じではありません。図2のように、リスニング360点とリーディング240点の600点と、リスニング240点とリーディング360点の600点は、トータルでは並びます。けれど次にやるべき勉強は、ほとんど逆です。

公式のレベル別評価(Score Descriptors)は、リスニングを495〜375、370〜275、270〜5の3段階に、リーディングを495〜425、420〜325、320〜225、220〜5の4段階に区切っています。図2の例1は、聞く力が370〜275、読む力が320〜225の帯です。この読む力の帯は、本文と同じ表現が使われた事実の問題には答えられても、言い換えや複数の文にまたがる情報の結びつけに苦しみやすいと説明されています。例2は聞く力が270〜5、読む力が420〜325の帯で、こちらは短い描写や簡単な語彙の聞き取りにとどまりやすい一方、読めば主旨と事実情報をつかめます。例1は読む量を増やす時期に、例2は音に慣れる時期に入ります。同じ600点が、別々の計画へ割れていくのです。
世界の国や地域で外国語の力の指標に使われるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)との対照も、公式の表は2つのセクションを別々に示しています。数字は各レベルに対応する最低スコアで、あくまで目安です。
| CEFR | Listening | Reading |
|---|---|---|
| C1 | 490〜 | 455〜 |
| B2 | 400〜 | 385〜 |
| B1 | 275〜 | 275〜 |
| A2 | 110〜 | 115〜 |
| A1 | 60〜 | 60〜 |
例1はリスニングがB1、リーディングがA2。例2はリスニングがA2、リーディングがB1です。600という合計を見ているうちは、この食い違いが消えています。結果ではこのほかに、項目別正答率(Abilities Measured)も確かめられます。答え合わせができない試験で弱点を探す手がかりは、ここにあります。
英検との違いは合否と物差しの形にあります
英検には1級、準1級、2級、準2級プラス、準2級、3級、4級、5級の8つの級があり、受ける級を選んで合否を受け取ります。TOEIC L&Rに級はありません。図3のように、英検が階段なら、TOEIC L&Rは1本の物差しです。同じ形式の試験を受けた結果が、10〜990点のどこかに置かれます。

もっとも、英検に点数が無いわけではありません。成績表には全級共通の英検CSEスコアが表示され、合否もこのスコアで判定されます。たとえば2級の合格基準スコアは一次試験が1520、二次試験が460です。階段の一段ごとに合格の線が引かれている、と読めば実態に近いでしょう。
測る技能のまとめ方も違います。3級以上の英検は、リーディング、ライティング、リスニングに面接形式のスピーキングを加えた4技能を、一次試験と二次試験で測ります。TOEICで4技能をそろえるなら、L&RとS&Wを別々に受けます。題材も違い、TOEICは日常生活やグローバルビジネスの場面を想定して作られています。
スコアの期限の考え方も押さえてください。開発元のETSはTOEIC L&Rのスコアの有効期限を2年と設定していますが、2年を超えたスコアを認めるかは提出先の方針で決まります。英検は留学に使う場合、合格証明書の発行日から2年が有効期限で、留学以外の活用なら取得した資格は半永久的なものとされています。ただし、どちらも提出先が独自に期限を定めていることがあります。
級と点数を比べるときは、CEFRを間に置いた目安にとどめてください。測る技能も場面も違う試験を、1つの数字で置きかえることはできません。
受ける意味は提出先と現在地で決まります
公式の案内が挙げる使い道は、学生なら就職活動やインターンシップの選考、大学院の入学試験、単位認定など、社会人なら昇進や昇格の要件などです。大学院の入学試験では「英語試験免除」「推薦入試の出願要件」「合否判定」の基準として使われる例があります。ただし、何点を求めるか、そもそも認めるかは提出先ごとに違います。大学入試でも同じで、扱いは大学ごとに異なるため、募集要項で確かめるほかありません。
迷ったら、次の順で決めてください。
- 提出先の書類を開き、試験の名前、求める点、スコアの期限、公式認定証が要るかの4つを書き出します。書類に書いてあることが判断の土台で、友人の体験談は土台になりません。
- 提出先がまだ無いなら、L&Rを1回受けて現在地を測ります。形式が毎回同じなので、次に受けたときに前回と比べやすいからです。
- 返ってきた内訳で、次の3か月の配分を決めます。合計ではなく、低いほうのセクションと項目別正答率から手を入れます。
点数で返る試験のよさは、届いていない距離がそのまま次の計画に変わるところです。読む点があと30点足りないなら、その30点をどのPartで取るかを考えられます。保護者の方がお子さまに勧めるときも、「取っておきなさい」で終えず、どこに出す点なのか、まだ出す先が無いなら何を測るための1回なのかを一緒に確かめてください。
受けなくてよい場合もはっきりしています。海外の大学への出願で別の試験が指定されているなら、その指定に従うのが先です。話す力を証明したいのにL&Rを受けても、話す力の証明にはなりません。測りたい力と試験の種類が合っているかを、申し込む前に確かめてください。
例題で確かめる
本番の問題ではなく、形式だけをまねて作った問題です。
問1(Part 5の形)空所に入る語を選んでください。
Ms. Ono asked the staff to submit their travel reports ——- Friday.
- by (B) until (C) during (D) among
答えは(A)です。「小野さんは職員に、金曜日までに出張報告書を出すよう頼みました」という文で、出すという動作は1回で終わるので、期限を示すbyを使います。untilは「その時まで続く」動作に使う語で、ここでは合いません。duringは期間を表す名詞と組み、amongは「3つ以上のものの間で」を表します。意味を訳す前に、動詞が1回で終わるのか続くのかを見れば、数秒で絞れます。
問2(Part 2の形)問いかけに合う応答を選んでください。本番ではどちらも放送で流れ、問題用紙には印刷されません。
Where should I put these boxes?
- Next to the copier. (B) Yes, I bought them. (C) Last Tuesday.
答えは(A)です。文頭のWhereが聞き取れた時点で、求められているのは場所だとわかります。(B)のYesは、疑問詞で始まる問いへの答えにはなりません。boughtは箱から連想しやすい語で、音につられると選びたくなります。(C)は時を答えていて、Whenの問いなら合います。文全体を聞き取れなくても、最初の1語で選択肢の多くを落とせます。
問3(点数を読む)リスニング300点、リーディング200点、トータル500点の結果が返ってきました。公式のレベル別評価とCEFRの対照表で、それぞれどこに当たるでしょうか。
リスニングは370〜275の帯で、CEFRはB1の範囲(275〜)です。リーディングは220〜5の帯で、CEFRはA2の範囲(115〜)です。合計の500だけを見ると力が均等に中くらいに見えますが、実際には読む側に一段の遅れがあります。次に手を入れるなら、語彙と文法を確かめ直しながらリーディングからです。
まちがえやすいところ
いちばん多いのは「1問5点」という思い込みです。5点刻みで200問なら、そう数えたくなります。けれど200問に5点をかければ1000点で、990点と合いません。点数は換算点なので、正解の数を5倍しても自分の点にはなりません。
「495点を超えれば合格」という読み方も誤りです。合格の線はそもそもありません。990点の半分という数字に意味はなく、求められる点は提出先が決めます。
種類の取り違えは、提出のときに痛い目にあいます。提出先がL&Rを求めているのにS&Wを受けても、点の数え方が違います。公式認定証を求められているのにIPテストの結果しかない場合は、受け付けられるかを提出先に問い合わせることになります。IPテストの結果の扱いは提出先の規定しだいです。
時間配分の誤りも点に響きます。リーディングの終盤を空欄で残す人がいますが、誤った解答は減点されないので、空欄にしておく理由がありません。リスニングは放送に合わせて進むのに対し、リーディングは75分を自分で配るので、終わりから逆算してマークする時間を残してください。
最後に、古い点を今の力と読むことです。2年前の高い点は、当時の力を示しているにすぎません。ETSが最新のスコアの参照を勧めているのはそのためです。
よくある質問
英検2級を持っていれば、TOEICは受けなくてもよいですか
提出先が英検を認めているかどうかで決まります。TOEICのスコアを指定している提出先なら、英検の合格証は代わりにならないことがあります。指定がなく自分の力を測りたいだけなら、受けない選択もあります。ただ、点数で返る試験を1度受けておくと、聞く力と読む力の差が数字で見えるようになります。
公開テストと学校の団体受験は、どちらを受ければよいですか
提出先が公式認定証を求めているなら公開テストです。学内のクラス分けのように、学校が指定するIPテストで足りる場面もあります。マークシート方式なら公開テストと同じ200問の形式なので、練習としての価値は変わりません(オンライン方式は約1時間・90問です)。外に出すスコアかどうかで分けてください。
英語に自信がなければ、TOEIC Bridgeから受けるべきですか
公式はTOEIC Bridgeを、英語を基礎から学びたい人やTOEIC Testsに挑戦する前の力試しに使える初・中級者向けの試験と案内しています。提出先がTOEIC L&Rを指定しているなら、遠回りせずL&Rを受けてください。低い点が出ても、それは今週の勉強の出発点として使えます。
今週の進め方
まず、提出先の書類を開いて4つの項目を書き出します。提出先が無い人は、受ける回を1つ決めてください。公開テストの2027年1月10日の回は申込が2026年11月26日15:00まで、1月24日の回は2026年12月9日15:00までです。そのうえで、公式サイトのサンプル問題を1度解き、Part 1とPart 2の英文が印刷されない感覚を体で確かめます。個別指導では、Part 5でつまずく人なら中学の品詞と時制まで戻り、聞き取れない人なら音と綴りが結びついているところまで戻って確かめます。
まとめ
TOEICはL&RとS&Wの2本で、L&Rの990点は合否の線ではありません。求められる点も、提出先が決めます。提出先の指定を読み、内訳を読み、低いほうから手を入れる。掲示の前で止まった足は、その順番で動き出します。
600という1つの数字を2つに割って読めた人から、次の勉強は迷わなくなります。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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