
武蔵野個別指導塾の特徴
社会の自由研究—地域を調べるテーマとまとめ方|武蔵野個別指導塾

駅前の古い地図の看板から問いを作り、昔と今を比べる、交差点で数える、保護者と行く聞き取りの3つの調べ方と、模造紙の配置までを手順の順に置いています。
地域を調べる社会の自由研究は、次の 5 つのどれかから選べば、2 週間で形になります。
| テーマ | 調べ方 | 日数の目安 |
|---|---|---|
| 駅前の昔と今の地図を比べる | 看板の古い地図を写し、今の地図と重ねる | 3 日 |
| 交差点を通る人と車を数える | 朝と夕方に 10 分ずつ数えて表にする | 4 日 |
| 玉川上水をたどる | 橋を 1 つずつ歩き、名前と向きを記録する | 2 日 |
| 商店街の店の人に聞く | 許可をもらい、保護者と一緒に 3 つ聞く | 5 日 |
| 坂と橋の名前を集める | 地図から名前を拾い、由来で分類する | 3 日 |
選ぶ基準は「歩いて行ける」と「自分で数えられる」の 2 つです。本で調べるだけの研究は、写した文の長さで終わってしまいます。足で測った数が 1 つあるだけで、研究は自分の物になります。
よくあるのは、駅前のロータリーの隅に立つ古い地図の看板の前で足を止める、という場面です。色のあせた板に、今は無い道と、今も同じ名前の交差点が並んでいます。お子さまが「この道、今はどこ」と指さし、保護者の方が「そこは今のバス通り」と答える。その 2 分の会話が、もう研究の動機です。看板の地図を写真に撮り、家の地図と見比べれば、最初の表は今日の夜にできます。
テーマの選び方
地域の研究は、テーマを「場所」と「問いの型」の組で決めます。場所は、駅前、通学路、公園、商店街、川や上水のどれかです。問いの型は、図1のように「比べる」「数える」「たどる」「聞く」の 4 つです。駅前の古い地図は、この 4 つのどこからでも入れる題材です。

「比べる」は、昔の地図と今の地図を並べて、消えた物と残った物を数える型です。武蔵野市の武蔵境駅は、1889 年 4 月 11 日に甲武鉄道の新宿と立川の間が開通したとき、境駅という名前で開業しました。開業から 130 年以上がたっています。その後に駅の名前が変わり、1917 年には今の西武多摩川線にあたる多摩鉄道が開業しています。看板の地図に描かれた線路が 1 本か 2 本かを見るだけで、その地図がいつごろの物かの見当がつきます。
「数える」は、同じ場所で、時間帯や曜日を変えて数を取る型です。交差点を通る自転車の数、バス停に並ぶ人の数、商店街のシャッターが閉まっている店の数など、目で数えられる物なら何でも題材です。数える型の強みは、結果が必ず数字になることです。表とグラフが自然に描けます。
「たどる」は、線状に伸びる物を歩いて記録する型です。玉川上水は、1653 年に多摩川の羽村から四谷大木戸まで約 43 km が掘られた水路で、武蔵野市や三鷹市、小金井市を通ります。高低差は約 92 m しかなく、1 km 進んで約 2 m しか下がらない計算です。橋を 1 つずつ渡りながら、橋の名前、水の流れる向き、川幅の見た目を記録するだけで、江戸時代の土木の工夫に触れる研究になります。水路のそばは柵があっても足元が悪い所があります。必ず大人と一緒に歩いてください。
「聞く」は、店の人や近所の方に話を聞く型です。いちばん記憶に残り、いちばん準備が要ります。聞き取りの手順は次の節で詳しく書きます。
小学生なら「比べる」か「数える」から 1 つ、中学生なら 2 つの型を組み合わせると、考察に厚みが出ます。たとえば「昔の地図で畑だった所を今の地図で探し、そこに建っている物の種類を数える」のように、比べる型と数える型をつなぐと、問いが 1 本の線になります。
進め方
進め方は、問いを 1 行で書く、記録の表を先に作る、現地に行く、帰ったらその日のうちに表を埋める、の 4 段です。順番を守るだけで、途中で止まる研究がぐっと減ります。
問いは「何が、どのくらい、どう違うか」の形にします。「駅前の様子を調べる」では広すぎます。「駅前の看板の地図と今の地図で、同じ名前が残っている交差点はいくつあるか」まで絞ると、何を数えればよいかが決まります。
記録の表は、現地に行く前に作ります。数える型なら、次のような表を 1 枚のノートに書いておきます。
| 日付 | 時刻 | 場所 | 人 | 自転車 | 車 | 天気 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 8 月 7 日 | 8 時 00 分から 10 分 | 駅前の交差点 | ||||
| 8 月 7 日 | 17 時 00 分から 10 分 | 駅前の交差点 | ||||
| 8 月 9 日 | 8 時 00 分から 10 分 | 駅前の交差点 |
測る項目は、数える物を 3 種類以内にします。4 種類以上を同時に数えると、見落としが増えます。きょうだいや保護者の方と分担して、1 人 1 種類にすると正確です。10 分で数えた値は、6 倍すれば 1 時間あたりの目安になります。たとえば 10 分で車が 37 台なら、1 時間では 222 台という見当です。あくまで見当なので、表には 10 分の値をそのまま書き、1 時間あたりの値は考察で使います。
条件をそろえることも大切です。朝と夕方を比べるなら、同じ交差点の同じ角に立ち、同じ 10 分間を数えます。雨の日と晴れの日が混ざると、天気の違いなのか時間の違いなのかが見えなくなります。天気の欄は、そのために置きます。
地図を比べる型なら、看板の地図を正面から撮り、家で今の地図と同じ縮尺に合わせます。地図の縮尺が 2 万 5 千分の 1 なら、地図上の 4 cm が実際の 1 km です。看板の地図に縮尺が書かれていないときは、駅から交差点までのように、今も残る 2 点の距離を手がかりにして大きさを合わせます。歩いて距離を測るなら、自分の歩幅を先に決めます。10 歩の長さを巻き尺で測って 10 で割ると、1 歩の長さです。10 歩が 6 m なら 1 歩は 60 cm で、500 歩で 300 m です。
聞き取りの型は、図2の 5 つの手順で進めます。

第 1 に、許可をもらいます。店に入る前に、保護者の方から「小学生の自由研究で、お店のことを 3 つだけ伺ってよいですか」と声をかけてもらいます。忙しい時間を避け、断られたら「ありがとうございました」と言って次の店へ行きます。第 2 に、必ず保護者と一緒に行きます。1 人で店や家を訪ねることはしません。第 3 に、質問は 3 つに絞ります。「いつからこの場所にお店がありますか」「駅前で変わったと思うことは何ですか」「昔はどんなお客さんが多かったですか」のように、相手が答えやすい順に並べます。第 4 に、答えはその場でノートに書きます。録音や写真は、相手に「録音してよいですか」と聞いて、よいと言われたときだけです。第 5 に、お礼を言って、研究にどう使うかを伝えます。「学校に出す模造紙に、お店の名前は書かずに、聞いた話を載せます」と伝えれば、相手も安心します。
聞いた話を書くときは、「◯◯さんによると」の形で、自分の意見と分けて書きます。1 人の話は 1 人の記憶です。2 人目、3 人目に同じ質問をして、答えが同じ所と違う所を表にすると、聞き取りが研究になります。
現地から帰ったら、その日のうちに表を埋めます。翌日に回すと、数字は覚えていても天気や時刻を忘れます。表の下に「気づいたこと」を 2 行だけ書く欄を作り、「自転車は朝のほうが多かった」「看板の地図には今の図書館が無かった」のように、短く残しておきます。この 2 行が、考察の下書きになります。
まとめ方
まとめは、模造紙 1 枚かレポート 4 枚のどちらかです。どちらでも、見出しは「動機、方法、結果、考察、感想」の 5 つで組みます。地域の研究は地図と表が主役なので、図3のように、紙の真ん中に地図と表を置き、文はそのまわりに配ります。

題名は、紙の上の帯に、問いの形で書きます。「駅前の交差点を通る自転車は、朝と夕方でどちらが多いか」のように、問いがそのまま題名になると、読む人は最初の 1 秒で研究の中身をつかめます。
動機は、看板の前の場面をそのまま書きます。「駅前の古い地図の看板を見て、今は無い道があることに気づいた」で十分です。方法は、いつ、どこで、何を、どう数えたかを、表の形で書きます。文で書くより短く、読む人が同じことを再現できます。
結果は、表とグラフです。朝と夕方の比較なら棒グラフ、日ごとの変化なら折れ線グラフ、全体に占める割合なら円グラフです。グラフには、縦軸の単位と、数えた時間の長さを必ず書きます。「10 分間に通った数」と書いていないグラフは、読む人が 1 時間の値と勘違いします。
地図を比べる型は、昔の地図と今の地図を同じ大きさで左右に並べ、残っている物に緑、消えた物に赤の印を付けます。印の数を数えて表にすれば、「比べる」型にも数字が入ります。
考察では、数えた結果から言ってよいことと、今回は言えないことを並べます。「朝のほうが自転車が多かった。通学と通勤の時間だからだと考える」が、言えること。「夕方は買い物の人が多いはずだが、今回は自転車しか数えていないので、人の目的まではわからない」が、言えないこと。この 2 つを並べて書ける研究は、読む人の信頼を得ます。感想は、調べる前と後で自分の見方がどう変わったかを 3 行で書きます。
聞き取りを載せるときは、店の名前と人の名前を書きません。「駅前で 40 年以上お店を続けている方」のように書き、話の中身だけを載せます。相手にそう伝えたとおりにすることが、聞き取りの最後の手順です。
うまくいかないとき
数える日に雨が降った、という失敗がいちばん多いです。雨の日の数は、捨てずに表に残してください。「雨の日は自転車が晴れの日の半分以下だった」という結果は、それ自体が発見です。予定していた比較ができなかったことを方法の欄に書き、代わりに何を比べたかを書けば、失敗が研究の一部になります。
看板の地図が古すぎて、今の地図と合わせられないこともあります。そのときは、駅と、今も残る 1 つの交差点の 2 点だけを頼りに、おおまかに重ねます。ぴったり合わないことは考察に書きます。「古い地図は縮尺が今と違い、正確に重ねられなかった」という一文は、嘘を書かない研究の証拠です。
聞き取りで断られ続けることもあります。3 軒に断られたら、その日はやめて、別の日の別の時間帯に行きます。開店直後と昼の混む時間は避けます。それでも聞けなかったときは、聞き取りの型を外し、数える型に切り替えて、断られた経験を感想に書きます。
数えた数が少なすぎて、差が出ないこともあります。朝 12 台、夕方 14 台では、違いがあるとは言えません。その場合は「この数では差があるとは言えない」と書き、数える時間を 10 分から 20 分に伸ばしてもう 1 回測ります。測り直した結果を並べて書けば、研究の手順そのものが考察になります。
よくある質問
地域の研究は、図書館で調べるだけでもよいですか
本だけで組み立てることもできますが、足で測った数が 1 つも無い研究は、本の要約になりがちです。図書館で調べた昔の様子を「予想」に使い、現地で数えた数を「結果」に使うと、本と現地の両方が生きます。順番は、現地が先、本が後でもかまいません。
聞き取りの相手が見つかりません
商店街の店のほかに、公園で毎朝会う近所の方や、家族の中でその町に長く住んでいる人も立派な相手です。祖父母に「子どものころの駅前」を聞くのも聞き取りです。相手が誰であっても、保護者と一緒に、3 つの質問で、お礼まで同じ手順で進めます。
写真は何枚くらい載せますか
模造紙なら 3 枚から 4 枚です。看板の地図、今の同じ場所、数えた交差点の 3 枚があれば足ります。写真には必ず「いつ、どこで撮ったか」を 1 行で添えます。人の顔が写った写真は、載せる前に写っている人の許可が要るので、顔が写らない角度で撮ります。
親の関わり方と個別指導で確かめること
保護者の方にお願いしたいのは、現地に一緒に行くことと、店の人に最初の一声をかけることの 2 つです。数えるのも、表を埋めるのも、お子さまの手に任せてください。親が代わりに数えた研究は、考察で手が止まります。個別指導では、問いが 1 行で書けているか、表の項目が問いと合っているか、考察に「言えないこと」が入っているかの 3 点を見ます。この 3 点がそろえば、地域の研究は学年が上がっても同じ型で続けられます。
まとめ
地域を調べる自由研究は、場所と問いの型を 1 つずつ選び、記録の表を先に作って、歩いて数えるところから始まります。聞き取りは許可と保護者の同伴が前提で、聞いた話は自分の意見と分けて書きます。考察には、言えることと言えないことの両方を置きます。駅前の古い看板の前で立ち止まった 2 分が、130 年以上の町の時間をたどる研究の、最初の 1 行です。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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