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工作の自由研究—仕組みがわかる工作と、まとめ方|武蔵野個別指導塾

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輪ゴムの車、空気砲、段ボールの橋など家で作れる10の工作を、確かめる仕組みと測る項目つきで並べ、巻く回数と走った距離の記録表から模造紙の配置まで、作って終わりにしない手順を示します。

工作の自由研究は、作って終わりにせず、「何を 1 つ変えると、どう変わるか」を測った時点で研究になります。家にある物で作れて、仕組みを自分の言葉で書ける工作を 10 個選びました。

工作 確かめる仕組み 変えて測ること 目安の時間 大人と一緒にする工程
輪ゴムで走る車 伸ばしたゴムが戻る力 巻く回数と走った距離 半日 段ボールをカッターで切る
振り子 糸の長さと往復の時間 糸の長さと 10 往復の秒数 2 時間 なし
段ボールの歯車 歯の数と回る回数 歯の数の組み合わせ 1 日 カッターで歯を切る
竹串のてんびん 支点からの距離と重さ 硬貨の枚数と位置 半日 竹串の先を切る
ペットボトルの動滑車 引く力と引く長さ 滑車の数と引いた糸の長さ 半日 ボトルに穴をあける
ビー玉の坂道コース 高さと速さ 転がし始める高さと飛び出す距離 1 日 カッターで切る
段ボールの空気砲 押し出された空気の進み方 穴の大きさと届く距離 2 時間 カッターで穴をあける
浮沈子 空気の縮みと浮き沈み 中の空気の量 1 時間 なし
段ボールの橋 形と強さ 橋の形と載せられる本の冊数 1 日 カッターで切る
新聞紙の塔 筒と三角形の強さ 柱の形と高さ 半日 なし

よくあるのは、8 月の半ばの午後、床いっぱいに段ボールを切り開いて、カッターと木工用の接着剤とペットボトルのふたを並べたところで、何を作るかがまだ決まっていないという場面です。段ボールは切り開いた時点で満足感があり、そこから先が止まります。この止まった時間に、作る物ではなく「測る物」を先に決めると、残りの手順がひとつながりになります。作る時間は半日、測る時間は 1 時間、まとめる時間は 1 日。工作の自由研究の時間配分は、作ることに寄りすぎないほうがうまくいきます。

テーマの選び方

工作の自由研究で評価されるのは、仕上がりの見た目ではなく、仕組みが自分の言葉で説明されているかどうかです。だから選ぶ基準は「かっこいいか」ではなく、「作ったあとに何を 1 つ変えて測れるか」です。輪ゴムの車なら巻く回数、振り子なら糸の長さ、橋なら形。変える物が 1 つ決まっている工作は、作る前から研究の形が見えています。

図1のように、上の 10 個は確かめる仕組みで 3 つに分かれます。力と動きの仲間は、輪ゴムの車、振り子、歯車、てんびん、動滑車、坂道コースです。力を入れた分だけ何かが動く、という関係を数で追えるので、表とグラフが作りやすく、小学校高学年から中学生に向きます。空気と水の仲間は、空気砲と浮沈子です。目に見えない空気を相手にするので、動いた紙片の距離や沈むまでの押し方といった「見える物」に置き換えて測ります。形と強さの仲間は、段ボールの橋と新聞紙の塔です。材料は同じでも、形を変えると載せられる重さが変わります。壊れるまで載せる実験なので、結果がはっきりしていて低学年でも扱えます。

図1 家で作れる10の工作を、確かめる仕組みで3つに分けた図

学年で分けるなら、低学年は浮沈子、新聞紙の塔、空気砲のように、作る工程が短くて結果が目で見える物が向きます。高学年は輪ゴムの車、振り子、橋のように、条件を変えて 3 回ずつ測り、平均を出して折れ線や棒のグラフにする物が向きます。中学生は歯車、動滑車、坂道コースのように、理科で習う言葉(歯数の比、仕事、位置エネルギー)と結びつけて考察が書ける物を選ぶと、レポートの考察に厚みが出ます。

用意する物は、段ボール、カッター、はさみ、木工用の接着剤、セロハンテープ、竹串、輪ゴム、たこ糸、ペットボトルとそのふた、ビー玉、定規、メジャー、ストップウォッチ(スマートフォンの時計で足ります)、記録用のノートです。カッターの作業と、竹串の先を切る作業は大人と一緒にします。竹串の先は切り落とすか、セロハンテープを何重にも巻いて覆います。接着剤を温めて使う道具は熱くなるので、使うなら大人が持ちます。段ボールの切り口は手を切ることがあるので、切り口に触るときは軍手をするか、テープで縁を覆います。

もう 1 つ、選ぶ前に決めておきたいことがあります。作った物を「完成品」として写真に撮る日を決めることです。工作は作りながら直したくなり、直しているうちに測る時間が消えます。完成の日を決めて、その日からは直さず測る、と区切ると、研究の部分が残ります。

進め方

輪ゴムで走る車を例に、作る、測る、記録するの 3 段で進めます。ほかの工作でも、変える物と測る物を入れ替えれば同じ手順で進みます。

作る工程は 4 つです。まず段ボールを縦 10 cm、横 20 cm に切って車体にします。この切る作業はカッターを使うので大人と一緒にします。次に、ペットボトルのふた 4 個の中心に竹串を通して車輪にします。ふたの中心に印をつけ、大人が目打ちか千枚通しで穴をあけてから竹串を通すと、中心がずれにくくなります。車軸の竹串は、車体の前後に貼ったストローの中を通して回るようにします。最後に、後ろの車軸に輪ゴムの片方を引っかけ、もう片方を車体の前に貼った竹串の切れ端に引っかけます。後ろの車輪を手で逆向きに回すと、輪ゴムが車軸に巻きつきます。手を離すと、伸ばされたゴムが縮んで車軸を回し、車が前に走ります。

測る工程では、変える物を 1 つだけにします。ここでは「巻く回数」です。床の材質、出発の位置、手の離し方は毎回そろえます。巻く回数を 5 回、10 回、15 回、20 回と変え、それぞれ 3 回ずつ走らせて、出発点から止まった位置までの直線距離をメジャーで測ります。曲がって走ったときも、出発点から止まった点までの直線で測ると決めておけば、迷いません。

記録の表は、測る前に作っておきます。表の形が先にあると、測り忘れがなくなります。

巻く回数 1 回目 (cm) 2 回目 (cm) 3 回目 (cm) 平均 (cm)
5 回 118 125 111 118
10 回 225 240 231 232
15 回 330 318 342 330
20 回 388 402 380 390

この表はある夏の記録の一例で、数字そのものは家の床や輪ゴムの太さで変わります。平均は 3 回の合計を 3 で割ります。5 回巻きなら 118 と 125 と 111 の合計 354 を 3 で割って 118、10 回巻きなら 696 を 3 で割って 232 です。図2のように、平均を棒グラフにすると、巻く回数を増やすほど距離が伸びること、ただし 15 回から 20 回の伸びが 5 回から 10 回の伸びより小さいことが一目でわかります。この「伸びが小さくなる」ところが、考察で書くことの種になります。

図2 輪ゴムの車の巻く回数と走った距離の平均を示した棒グラフ

測る項目を増やすなら、距離の次に「走った時間」を加えます。出発から止まるまでをストップウォッチで測れば、距離を時間で割って平均の速さが出ます。巻く回数で速さがどう変わるかという、もう 1 つの問いが生まれます。ただし問いを増やすのは、最初の表が埋まってからです。

ほかの工作の測り方も同じ考え方です。振り子なら、糸の長さを 25 cm、50 cm、100 cm と変え、それぞれ 10 往復の時間を 3 回測ります。1 往復の時間は 10 往復の時間を 10 で割って出します。糸の長さが 25 cm のとき 10 往復はおよそ 10 秒、100 cm のときおよそ 20 秒になることが多く、長さを 4 倍にすると往復の時間はおよそ 2 倍です。おもりを重くしても往復の時間はほとんど変わらない、というのも自分で測って確かめられます。歯車なら、大きい歯車を 1 回転させたとき小さい歯車が何回転するかを数えます。歯の数が 24 と 12 なら、小さい歯車は 2 回転することが多く、歯の数の比と回転数の比が逆になる関係が見えます。てんびんなら、支点から 10 cm のところに同じ硬貨を 3 枚、反対側の 15 cm のところに 2 枚を載せると、10 かける 3 も 15 かける 2 も 30 でつり合います。動滑車なら、荷物を 30 cm 持ち上げるのに糸を何 cm 引いたかを測ります。動滑車が 1 つなら 60 cm 引くことが多く、引く力は半分近くに軽く感じます。摩擦があるので、ぴったり半分にはなりません。

空気砲は、段ボール箱の 1 面に直径 10 cm ほどの丸い穴をあけ(カッターなので大人と一緒に)、反対の面を両手で叩きます。押し出された空気のかたまりが、まわりの空気を巻き込みながら輪の形になって進みます。人の顔や目に向けて撃たないと最初に決めます。測るときは、床に置いたティッシュの紙片が動くかどうかを、箱からの距離を 50 cm ずつ変えて調べます。穴の直径を 5 cm、10 cm、15 cm と変えると、届く距離が変わります。浮沈子は、水を満たしたペットボトルに、少しだけ空気を入れた小さな容器(しょうゆ入れなど)を浮かべ、ふたを固く閉めて、ボトルの横を手で押します。押すと中の空気が縮んで押しのける水の量が減り、浮力が小さくなって沈みます。手を離すと空気がもとに戻って浮きます。中の空気の量を変えて、沈むまでに必要な押し方の強さがどう変わるかを比べます。

段ボールの橋は、同じ大きさの段ボール 2 枚で、平らな橋と、山折りを 3 つ入れた橋を作り、2 つの机の間に渡して本を 1 冊ずつ載せます。何冊目で曲がり始めたかが結果です。段ボールの中の波の向きでも曲がりやすさが変わるので、波が橋の長さの方向に走る物と、幅の方向に走る物を作って比べると、もう 1 つの結果が取れます。新聞紙の塔は、新聞紙を細く固く巻いた筒を柱にして、三角形に組んだ段と四角形に組んだ段を作り、同じ高さで上に本を載せて、どちらが先に崩れるかを比べます。

まとめ方

模造紙でもレポートでも、並べる順番は同じです。題名、動機、材料と作り方、仕組み、結果、考察、感想の 7 つを、この順に置きます。工作の研究は作り方の説明に紙面を使いすぎて、結果と考察が隅に追いやられがちです。図3のように、模造紙では左の 3 分の 1 を動機と作り方と仕組みに、真ん中と右の 3 分の 2 を結果のグラフと考察に使うと、研究の中身が目に入る紙になります。

図3 模造紙の配置の例。題名、動機、作り方、仕組み、結果、考察、感想の置き方

仕組みの説明は、「力を入れる」「何かが変わる」「動く」の 3 コマで書くと、短くても筋が通ります。輪ゴムの車なら、「車輪を逆に回すと輪ゴムが車軸に巻きついて伸びる」「手を離すと伸びたゴムが縮む力で車軸が回る」「車軸が回って車輪が床を押し、車が前に進む」の 3 文です。1 コマに 1 文、主語をはっきり書き、「すごい力で」「いい感じに」のような量のわからない言葉を使わないのが型です。3 コマの横に、段ボールの断面や車軸の向きを描いた簡単な絵を添えると、読む人は文と絵を行き来して理解します。絵は写真ではなく、自分で描いた線の図のほうが仕組みが伝わります。写真はどこを見ればよいかがわからないからです。

結果はグラフで見せます。巻く回数のように横軸がとびとびの値なら棒グラフ、糸の長さを細かく変えたときのように連続した値なら折れ線グラフが向きます。縦軸の目盛りは 0 から始め、単位を書きます。平均をグラフにし、3 回の記録は表に残します。グラフの題名は「巻く回数と走った距離」のように、横軸と縦軸の名前を「と」でつないだ形にすると、何を比べたかが伝わります。

考察は、結果から言える関係と、そうなった理由の候補を分けて書きます。「巻く回数を増やすほど距離は伸びたが、15 回から 20 回では伸びが小さかった」が結果から言える関係です。理由の候補は 2 つ以上並べます。「ゴムが伸びきって、それ以上巻いても縮む力があまり増えなかったのかもしれない」「出発のとき車輪が床で空回りしていたのかもしれない」のように、「かもしれない」で結び、次にどんな実験をすれば確かめられるかを 1 行添えます。「輪ゴムを 2 本にして同じ回数を巻き、伸びが変わるかを見る」のように、確かめ方まで書いてある考察は、自分で考えた証拠になります。

中学生のレポートなら、題名、目的、仮説、方法、結果、考察、感想の順にし、仮説を「巻く回数が 2 倍になれば距離もおよそ 2 倍になるだろう」のように、数で書きます。仮説が外れても減点ではありません。外れた理由を考察で書けるので、むしろ書きやすくなります。方法には、そろえた条件(床の材質、出発の位置、手の離し方)を必ず書きます。そろえた条件が書いていない方法は、他の人が同じ実験をできないからです。

感想は最後に 3 行だけにします。「楽しかった」で終わらせず、「作る時間より測る時間のほうが長かった」「次は走る時間も測りたい」のように、やったことに結びついた一文を書きます。

うまくいかないとき

車がまっすぐ走らないのは、車軸の竹串が曲がっているか、ふたの穴が中心からずれているかのどちらかであることがほとんどです。直せるなら直し、直せないなら「出発点から止まった点までの直線距離」で測ると決めて、そのまま測ります。曲がって走ったこと自体を結果に書き、「左に曲がる回が多かった。左の前輪の穴がずれていたためかもしれない」と考察にすれば、失敗が研究の一部になります。

記録が毎回ばらつくときは、3 回では足りないので 5 回に増やし、いちばん大きい値といちばん小さい値を除いた平均を出す方法があります。その方法を使ったときは、方法の欄に「5 回測り、最大と最小を除いた 3 回の平均」と書きます。ばらつきの大きさそのものを、「同じ 10 回巻きでも 15 cm の差が出た」と結果に書くのも立派な記録です。

作ったのに動かないときは、動かなかった条件を記録します。「輪ゴム 1 本では車軸が回らず、2 本にしたら動いた」「振り子のおもりが軽すぎて、糸がたるんだ」のように、動かなかった条件と動いた条件の境目は、仕組みの説明そのものです。動かなかった写真を撮っておくと、まとめのときに使えます。

時間が足りなくなったときは、作り方の説明を短くし、表とグラフと考察を残します。測る回数を 3 回から 2 回に減らしても、表の形はそのままにして、空いた欄には「時間切れで未測定」と正直に書きます。空欄を埋めた表より、空欄の理由が書いてある表のほうが信用されます。

よくある質問

工作だけで自由研究と言えますか

作った物を飾るだけなら工作で、1 つの条件を変えて測った表が 1 枚あれば研究です。違いは作る物の難しさではなく、表があるかどうかです。簡単な工作でも、巻く回数と距離の表が 1 枚あれば、仕組みの説明と考察が書けます。

作る物が決まらないときはどうすればよいですか

10 個の一覧から、家にすでにある材料だけで作れる物を 1 つ選びます。買い物に行く日を作ると、その日で止まります。段ボールとペットボトルと輪ゴムがあるなら車、ペットボトルとしょうゆ入れがあるなら浮沈子、新聞紙しかないなら塔です。材料から逆に決めるのが、いちばん早い決め方です。

中学生でも工作のテーマでよいですか

中学生は、工作に理科の言葉を結びつけると研究になります。動滑車なら仕事の大きさ、坂道コースなら位置エネルギーと運動エネルギー、歯車なら歯数の比と回転数の比。習った単元の言葉で仕組みを書き直し、仮説を数で立てれば、工作を入口にした探究のレポートになります。

親の関わり方と個別指導で確かめること

大人の出番は、カッターと熱い道具と、竹串の先の処理です。そこだけを引き受けて、設計と測定と考察には手を出さず、「次は何を変えて測るの」と聞く側に回ると、お子さまの研究として残ります。手を出したくなる場面ほど、聞く側に徹するのが難しいところです。

個別指導で確かめるのは 3 点です。変えた条件が 1 つだけになっているか、グラフの縦軸が 0 から始まり単位が書いてあるか、考察に理由の候補が 2 つ以上と確かめ方が書いてあるか。この 3 点がそろっていれば、工作の自由研究は学年が上がっても通用する型になります。

まとめ

輪ゴムの車でも浮沈子でも、作る時間は半日で、残りは測る時間と書く時間です。巻く回数と距離の表、3 コマの仕組みの説明、理由の候補を 2 つ並べた考察。この 3 つがそろった模造紙は、見た目が地味でも研究として読まれます。床に広げた段ボールが研究に変わるのは、組み立てが終わった日ではなく、はじめて数字を書き込んだ日です。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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