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古文の助動詞の一覧—意味と接続と活用を表で|武蔵野個別指導塾

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接続ごとに3つの表に分けた28語の意味と活用を、「ぬ」「なり」「る」の見分け方と自作の例文で確かめます。暗唱の並びと確かめの問題も載せています。

古文の助動詞は28語です。覚える順番は、意味より先に接続、接続の次に活用、意味はいちばん最後です。

  1. 接続で5つに分けます。未然形に付く11語、連用形に付く7語、終止形に付く6語、連体形や体言に付く3語、已然形に付く1語です。
  2. 活用は「動詞型」「形容詞型」「形容動詞型」「特殊型」の4つに分けます。新しく覚える活用は特殊型の数語だけで済みます。
  3. 文の中で見分けるときは、助動詞そのものより先に、すぐ上の語の形を見ます。
  4. 意味は、主語の人称と、前後にある語(「に」、打消、心の動きを表す動詞など)で決めます。

よくあるのは、古典の授業の後の廊下で「この『ぬ』って打消なの、完了なの」と友だちに聞かれて、答えられないまま次の教室に向かう、という場面です。授業では表を配られ、先生は「来週までに覚えておくように」と言います。家で表を眺めても、28語と意味と活用がばらばらに見えて、どこから手を付けてよいかがわかりません。表には読む順番があります。順番さえ決まれば、廊下での質問に10秒で答えられます。

覚える前にすること

助動詞の表を開く前に、動詞の活用表を言えるかを確かめます。助動詞の「接続」とは、助動詞のすぐ上にある語がどの活用形になるか、という決まりのことです。上の語が動詞なら、未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形の6つのどれかになっています。四段活用の「書く」なら、書か・書き・書く・書く・書け・書け。下二段活用の「受く」なら、受け・受け・受く・受くる・受くれ・受けよ。この並びが口から出ないうちに助動詞の表を見ても、「未然形に付く」という説明が意味を持ちません。先に動詞、次に助動詞です。

動詞の活用が言えたら、図1のように、助動詞を接続で5つの入口に分けます。入口は未然形・連用形・終止形・連体形(体言)・已然形の5つです。どの入口に何語あるかを先に数えておくと、表を見たときに「この語はどの入口か」を探す手がかりになります。

図1 接続で5つの入口に分けた助動詞の見取り図

暗唱の並びは、次のとおりに決めておきます。順番を変えずに声に出して読むのが大切です。

終止形に付く6語には注意があります。上の語がラ変動詞(あり・をり・はべり・いまそかり)のときだけ、終止形ではなく連体形に付きます。「あるべし」「あるなり」の「ある」は連体形です。已然形に付く「り」は、四段動詞の已然形と、サ変動詞の未然形に付きます。「書けり」「せり」の形です。この2つの決まりは例外として覚えるのではなく、最初から接続の一部として覚えます。

次に、活用の型を4つに分けます。動詞型は、る・らる・す・さす・しむ・つ(下二段型)、ぬ(ナ変型)、けり・たり・り・めり・伝聞推定のなり(ラ変型)、む・けむ・らむ(四段型)、むず(サ変型)です。形容詞型は、べし・まじ・たし・まほし・ごとしです。形容動詞型は、断定のなり(ナリ活用型)とたり(タリ活用型)です。特殊型は、ず・き・まし・じ・らしです。動詞型と形容詞型と形容動詞型は、用言の活用をそのまま当てはめれば書けます。新しく覚えるのは特殊型の5語だけです。ここまで整理してから、白紙に「語」「意味」「活用」の3列を引いて、自分の手で表を書き写します。配られた表を眺めるだけでは手が覚えません。

表で覚える手順

表は接続ごとに3つに分けます。1つの表を1日で覚えようとせず、1日に1つの表、1週間で3つを回します。活用の欄は、未然・連用・終止・連体・已然・命令の順で、無い形は○で書きます。かっこの中は、下に別の語が付くときに使う補助の活用です。

未然形に付く11語です。

語 意味 活用(未然・連用・終止・連体・已然・命令)
る 受身・尊敬・自発・可能 れ・れ・る・るる・るれ・れよ(下二段型)
らる 受身・尊敬・自発・可能 られ・られ・らる・らるる・らるれ・られよ(下二段型)
す 使役・尊敬 せ・せ・す・する・すれ・せよ(下二段型)
さす 使役・尊敬 させ・させ・さす・さする・さすれ・させよ(下二段型)
しむ 使役・尊敬 しめ・しめ・しむ・しむる・しむれ・しめよ(下二段型)
ず 打消 ず・ず・ず・ぬ・ね・○、補助の活用 ざら・ざり・○・ざる・ざれ・ざれ(特殊型)
じ 打消推量・打消意志 ○・○・じ・じ・じ・○(特殊型)
む 推量・意志・勧誘・適当・仮定・婉曲 ○・○・む・む・め・○(四段型)
むず 推量・意志・勧誘・適当 ○・○・むず・むずる・むずれ・○(サ変型)
まし 反実の想像(〜だったら〜だろうに)・ためらいの意志・実現しない希望 ませ(ましか)・○・まし・まし・ましか・○(特殊型)
まほし 希望 まほしく(まほしから)・まほしく(まほしかり)・まほし・まほしき(まほしかる)・まほしけれ・○(形容詞型)

「る」と「らる」、「す」と「さす」は、意味が同じで接続の相手が違います。四段・ナ変・ラ変の未然形には「る」「す」、それ以外の動詞の未然形には「らる」「さす」が付きます。上の語がア段の音で終わっていれば「る」「す」、そうでなければ「らる」「さす」と覚えると速いです。

連用形に付く7語です。

語 意味 活用
き 過去(自分が体験した過去) (せ)・○・き・し・しか・○(特殊型)
けり 過去(人から聞いた過去)・詠嘆 (けら)・○・けり・ける・けれ・○(ラ変型)
つ 完了・強意・並列 て・て・つ・つる・つれ・てよ(下二段型)
ぬ 完了・強意・並列 な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね(ナ変型)
たり 完了・存続 たら・たり・たり・たる・たれ・たれ(ラ変型)
けむ 過去推量・過去の原因推量・過去の伝聞婉曲 ○・○・けむ・けむ・けめ・○(四段型)
たし 希望 たく(たから)・たく(たかり)・たし・たき(たかる)・たけれ・○(形容詞型)

「き」はカ変とサ変に付くときの形が決まっています。カ変には「こし・こしか・きし・きしか」、サ変には「せし・せしか・しき」の形で付きます。「つ」と「ぬ」の強意は、下に推量の助動詞が来たときの意味で、「てむ」「なむ」「つべし」「ぬべし」の形なら「きっと」と訳します。

終止形に付く6語(ラ変には連体形)です。

語 意味 活用
らむ 現在推量・現在の原因推量・現在の伝聞婉曲 ○・○・らむ・らむ・らめ・○(四段型)
べし 推量・意志・可能・当然・命令・適当 べく(べから)・べく(べかり)・べし・べき(べかる)・べけれ・○(形容詞型)
まじ 打消推量・打消意志・不可能・打消当然・禁止・不適当 まじく(まじから)・まじく(まじかり)・まじ・まじき(まじかる)・まじけれ・○(形容詞型)
らし 推定 ○・○・らし・らし・らし・○(特殊型)
めり 推定・婉曲 ○・(めり)・めり・める・めれ・○(ラ変型)
なり 伝聞・推定 ○・(なり)・なり・なる・なれ・○(ラ変型)

連体形や体言に付く3語と、已然形に付く1語です。

語 接続 意味 活用
なり 体言・連体形 断定・存在 なら・なり(に)・なり・なる・なれ・なれ(ナリ活用型)
たり 体言 断定 たら・たり(と)・たり・たる・たれ・たれ(タリ活用型)
ごとし 体言や連体形(多く「の」「が」を挟む) 比況・例示 ごとく・ごとく・ごとし・ごとき・○・○(形容詞型)
り 四段の已然形・サ変の未然形 完了・存続 ら・り・り・る・れ・れ(ラ変型)

活用の欄は、図2のように型ごとに見比べると覚えやすくなります。「る」は下二段動詞「受く」と同じ並び、「けり」はラ変動詞「あり」と同じ並び、「べし」は形容詞「高し」と同じ並びです。型の名前を言えれば、6つの形を1つずつ暗記する必要がなくなります。

図2 活用の型を「る」「けり」「べし」の3語で見比べる

意味の決め方には手順があります。「る」「らる」は、「〜に」という動作主があれば受身、下に打消があれば可能、上の動詞が「思ふ」「泣く」「しのぶ」のような心の動きなら自発、主語が身分の高い人なら尊敬、の順に当てます。「む」は、主語が一人称なら意志、二人称なら勧誘か適当、三人称なら推量、下に体言が続く連体形なら仮定か婉曲、と人称で決めます。「べし」は、まず「〜はずだ(当然)」で訳してみて、合わなければ推量・意志・可能・命令・適当の順に試します。どの語も、意味を先に当てずに、接続と活用形を確かめてから意味に進みます。

例文で見る

自作の短い例文で、表の読み方を確かめます。1つ目は過去と完了の例文です。

「夜ふけて、月出でにけり。鳥も鳴かず、風のみ吹きたり。」

「出でにけり」は、下二段動詞「出づ」の連用形「出で」に、完了「ぬ」の連用形「に」、過去「けり」の終止形が続いた形です。「に」の上が連用形なので、この「に」は完了「ぬ」だと決まります。「鳴かず」は、四段動詞「鳴く」の未然形「鳴か」に打消「ず」の終止形が付いています。「吹きたり」は、四段動詞「吹く」の連用形「吹き」に「たり」の終止形が付いた形で、風が吹き続けている状態なので存続で訳します。全体は「夜がふけて、月が出てしまった。鳥も鳴かず、風だけが吹いている」という意味です。この例文の良いところは、「に」「ず」「たり」の3語がすべて、上の語の形だけで判定できるところです。意味を考える前に接続で決まります。

2つ目は推量と意志の例文です。

「明日は雨降らむ。されど、我は必ず行かむ。人は笑ふべけれど、行かざるべからず。」

「降らむ」の「む」は、主語が「雨」という三人称なので推量です。「行かむ」の「む」は、主語が「我」という一人称なので意志です。同じ「む」でも、人称で意味が変わることがこの2文で見えます。「笑ふべけれど」は、四段動詞「笑ふ」の終止形に「べし」の已然形「べけれ」が付き、接続助詞「ど」が続いた形で、「笑うだろうけれど」と推量で訳します。「行かざるべからず」は、未然形「行か」に打消「ず」の連体形「ざる」、そこに「べし」の未然形「べから」、さらに打消「ず」が付いた形です。「行かないはずがない」、つまり「行かないわけにはいかない」という当然の打消です。全体は「明日は雨が降るだろう。けれども、私は必ず行くつもりだ。人は笑うだろうが、行かないわけにはいかない」という意味です。この例文の良いところは、「む」の人称による使い分けと、「べし」の活用形の違いが、1つの文の中で並んでいるところです。

例文はどちらも、型を見るためのものです。自分で動詞を入れ替えて、「降らむ」を「咲かむ」に、「行かむ」を「書かむ」に変えて同じ手順で判定すると、表が自分のものになります。

まちがえやすいところ

1つ目は「ぬ」です。「知らぬ人」の「ぬ」を完了と答える誤りがよくあります。「ぬ」には、打消「ず」の連体形と、完了「ぬ」の終止形の2つがあります。図3のように、上の語の形で分けます。「知ら」は四段動詞「知る」の未然形なので、この「ぬ」は打消「ず」の連体形で、「知らない人」です。「花散りぬ」の「散り」は連用形なので、完了「ぬ」の終止形で、「花が散ってしまった」です。直すと、「知らぬ人」は打消、「花散りぬ」は完了です。上の語が下二段や上二段の動詞のときは未然形と連用形が同じ形なので、文末にあれば完了の終止形、下に体言が続けば打消の連体形、と位置で決めます。「ね」も同じ考え方で、未然形に付けば打消「ず」の已然形、連用形に付けば完了「ぬ」の命令形です。

図3 「ぬ」は上の語の形で打消か完了かを分ける

2つ目は「なり」です。「男ありと聞くなり」の「なり」を断定と答える誤りです。「聞く」は四段動詞の終止形なので、終止形に付く「なり」、つまり伝聞・推定で、「男がいると聞くそうだ」です。断定の「なり」は体言か連体形に付きます。「これは男なり」の「男」は体言なので断定で、「これは男である」です。直すと、「聞くなり」は伝聞、「男なり」は断定です。上の語がラ変動詞の「ある」のときは、伝聞・推定も断定も連体形に付くので形で決められず、「あんなり」「あなり」と音が変わっていれば伝聞・推定、と別の手がかりを使います。

3つ目は「る」です。「書ける文」の「る」を受身と答える誤りです。「書け」は四段動詞「書く」の已然形で、エ段の音です。エ段の音に付く「る」は完了「り」の連体形で、「書いた文」です。受身の「る」が付くのは未然形、つまりア段の音です。「書かる」なら「書か」がア段なので受身で、「書かれる」です。直すと、「書ける文」は完了、「書かる」は受身です。上の音がア段かエ段か、これだけで決まります。

確かめの問題

次の3つの「ぬ」「る」について、どの助動詞のどの活用形か、意味は何かを答えます。答えは末尾にあります。

  1. 門をたたかぬ客
  2. 舟は岸を離れぬ。
  3. 都に帰れる人

答えです。1は、四段動詞「たたく」の未然形「たたか」に付いているので、打消「ず」の連体形で、「門をたたかない客」です。2は、下二段動詞「離る」の未然形と連用形が同じ「離れ」なので形では決められませんが、「ぬ」が文末にあるので完了「ぬ」の終止形で、「舟は岸を離れてしまった」です。3は、四段動詞「帰る」の已然形「帰れ」というエ段の音に付いているので、完了「り」の連体形で、「都に帰った人」です。3つとも、助動詞の意味より先に上の語の形を見れば答えが出ます。

よくある質問

28語を全部覚えないとテストに出ませんか

テストに出るのは、ほとんどが「ず」「ぬ」「なり」「る」「む」「べし」「き」「けり」「つ」「たり」「り」の11語前後です。まずこの11語の接続と活用を完全にして、残りは表で引ける状態にしておけば足ります。全部を一度に覚えようとして、どれも半分になるのがいちばん損です。

教科書の「ん」は何ですか

「む」「むず」「けむ」「らむ」は、平安時代の途中から「ん」「んず」「けん」「らん」とも書かれます。表の「む」と同じ語で、意味も活用も変わりません。「行かん」と書いてあれば「行かむ」として判定します。

単語帳と文法のどちらを先にやればよいですか

助動詞が先です。古文の文は動詞と助動詞で骨組みができていて、単語の意味がわかっても、「ぬ」が打消か完了かを間違えると文全体の意味が逆になります。助動詞の表を3つ回し終えてから単語帳に進むと、単語帳の例文も自分で読めるようになります。

親の手伝い方と個別指導で確かめること

家でできる手伝いは、表の暗唱を聞くことです。お子さまに「未然形に付く11語」と言ってもらい、順番どおりに言えているかを表と照らします。意味や活用を保護者の方が覚える必要はありません。言えなかった語に印を付けるだけで、次に覚える場所がはっきりします。

個別指導で確かめるのは、動詞の活用表が言えるか、3つの表を接続で言い分けられるか、「ぬ」「なり」「る」を上の語の形で判定できるか、の3点です。この3点が通れば、教科書の文章を自分の手順で読み始められます。

まとめ

助動詞の表は、接続・活用・意味の順に読みます。接続で5つに分け、活用を4つの型に寄せ、意味は人称と前後の語で決めます。見分けの手がかりは、助動詞そのものではなく、すぐ上の語の形です。上の語の形を見てから意味を決める、この順番を守った人から、古文の助動詞は暗記の科目でなくなります。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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