
武蔵野個別指導塾の特徴
読書感想文を1日で書く—残り1日の時間割|武蔵野個別指導塾

夏休み最後の朝から始めても、9時に読み始めて17時に鉛筆を置く時間割があります。薄い本に付箋を3枚だけ貼る読み方と、下書きを飛ばして原稿用紙に直接書く2時間の配分を朝から順に示します。
残り 1 日でやることは 4 つです。朝 9 時から 2 時間で薄い本を読み、付箋を 3 枚だけ貼る。次の 30 分でメモを 3 枚書く。昼ご飯のあと、13 時から 2 時間で、下書きを飛ばして原稿用紙に鉛筆で直接書く。最後の 90 分で声に出して読み直し、17 時に鉛筆を置く。この順番を崩さなければ、夜になる前に提出できる形まで届きます。
よくあるのは、夏休み最後の朝、机の上に真っ白な原稿用紙と、しおりが最初の章に挟まったままの本が並んでいる、という場面です。時計は 9 時を回っています。「今から読んでも間に合わない」と思った瞬間に、鉛筆を持つ手より先に気持ちが止まります。けれど、間に合わないのは時間が足りないからではなく、読み方と書き方をまだ決めていないからです。1 日の時間割を先に決めてしまえば、本を開く前の迷いが消えます。ここからは、その時間割と、薄い本の読み方、下書きを省いて書き切る手順を、朝から順に説明します。
書く前にすること
時間割を紙に書いて壁に貼る
最初の 5 分で、図1のように 1 日の時間割を紙に書き、机の前に貼ります。9 時から 11 時までの 2 時間が読む時間、11 時から 11 時半までの 30 分がメモの時間、そのあと昼ご飯と休みを 1 時間半取り、13 時から 15 時までの 2 時間で書きます。15 時から 30 分休んで、15 時半から 17 時までの 90 分で直します。書き出してみると、読むのと書くのが同じ 2 時間ずつで、直す時間がその半分より少し長い、という形が見えてきます。

この時間割で一番大事なのは、読む時間を 2 時間で切ることです。読み終わっていなくても、11 時になったら本を閉じます。読む時間を延ばすと、書く時間が夜にずれ、夜に書いた文は翌朝に読み返す時間がありません。読み終えることよりも、11 時に本を閉じることのほうが、1 日で仕上げるうえでは大切です。休みの時間を削らないことも同じくらい大事で、昼の 1 時間半と 15 時の 30 分は、頭の中で場面が整理される時間として最初から組み込んであります。
薄い本を 2 時間で読む方法
まだ本を決めていないなら、2 時間で読み切れる薄さの本を選びます。目安は、1 ページを 1 分として 120 ページまでです。読み慣れていないお子さまなら、100 ページを切る本のほうが落ち着いて読めます。家にある本、学校の図書室で借りた本、きょうだいが前に読んだ本のどれでもよく、新しく買いに行く時間は時間割に入っていません。
読み方は、鉛筆ではなく付箋 3 枚だけを手に持って読みます。1 枚目は、主人公が何かを決めた場面に貼ります。2 枚目は、自分と似ている、または自分なら絶対にそうしない、と思った場面に貼ります。3 枚目は、読み終えたあとに思い出しそうな一文に貼ります。付箋を 3 枚貼り終えたら、残りのページは速く読んで構いません。線を引きながら読むと手が止まって進まなくなるので、付箋だけにします。
順番にも工夫があります。最初に裏表紙と目次を 3 分で見て、話の向かう先をつかみます。最初の章と最後の章は必ず読み、真ん中は付箋が 2 枚たまった時点で読む速さを上げます。読み終わっているお子さまなら、この 2 時間は本を手に持って付箋 3 枚の場面を探し直す時間に変え、余った分を書く時間に回します。
メモ 3 枚を 30 分で書く
11 時になったら本を閉じ、付箋を見ながらメモを 3 枚書きます。1 枚に 10 分ずつです。1 枚目は場面のメモで、付箋 1 枚目の場面を「誰が、何をして、どんな言葉を言ったか」の 3 行で書きます。2 枚目は自分のメモで、付箋 2 枚目の場面と似た自分の出来事を 1 つだけ選び、「いつ、どこで、何をしたか」の 3 行で書きます。3 枚目は変わったことのメモで、読む前と読んだあとで違ってきた考えを 1 つ、「前はこう思っていた、今はこう思う」の 2 行で書きます。
メモは文にしなくてよく、単語の並びで足ります。ここで文を整えようとすると 30 分を越えるので、整えるのは午後の仕事に回します。3 枚のメモを原稿用紙の横に並べると、午後に書く 4 つの段落の材料がそろいます。
書き方の手順
4 つの段落と配分を決める
図2のように、本文は 4 つの段落に分け、長さの配分を 1 割、3 割、4 割、2 割にします。1 つ目は書き出し、2 つ目は心に残った場面、3 つ目は自分の話、4 つ目は結びです。本文を 1200 字で書くなら、120 字、360 字、480 字、240 字になります。自分の話が一番長く、場面がその次で、あらすじはこの配分の中に入っていません。

本文の長さは、学校から配られたプリントの決まりが最優先です。学校の指示が無く、青少年読書感想文全国コンクールに出す場合は、公式サイトの応募要項に部ごとの上限が書かれています。この記事を書いた時点の応募要項では、小学校低学年の部が本文 800 字以内、小学校中学年の部と高学年の部が本文 1200 字以内、中学校の部と高等学校の部が本文 2000 字以内です。句読点はそれぞれ 1 字に数え、改行のために空いたマスも数え、題名と学校名と氏名は数えません。要項は年ごとに改められるので、提出する年の要項を学校の先生か公式サイトで確かめてから書き始めてください。800 字なら 80 字、240 字、320 字、160 字、2000 字なら 200 字、600 字、800 字、400 字と、配分の比は変えずに長さだけを変えます。
下書きを省いて原稿用紙に直接書く
ふだんの手順なら、メモから下書きを作り、下書きを直してから清書します。残り 1 日では、下書きと清書の 2 回を書く時間がありません。そこで、13 時からの 2 時間は、下書きを飛ばして原稿用紙に鉛筆で直接書きます。消しゴムで直すことを前提にするので、鉛筆は濃いものを使い、力を入れすぎずに書きます。
書き方は、1 段落ずつです。メモの 1 枚を机の真ん中に置き、その段落の最初の一文を声に出して言ってから、原稿用紙に書きます。1 段落を書き終えたら、戻らずに次の段落へ進みます。前の段落を直したくなっても、15 時半の直す時間まで手を付けません。2 時間の中の配分は、書き出しに 15 分、場面に 35 分、自分の話に 45 分、結びに 25 分です。長い段落ほど時間を多く取り、合計で 120 分になります。
段落ごとの書き方
書き出しの段落では、本の題名を最初の一文に入れません。付箋 3 枚目の一文を自分の言葉で言い直すか、本を閉じたときに自分がした動き、たとえば窓を開けた、母に話しかけた、という動きから始めます。題名は 2 文目か 3 文目に回すと、読む人が先を読みたくなる形になります。
場面の段落では、付箋 1 枚目の場面を、誰が何をしてどう言ったかの順に書きます。あらすじは 3 文までと決め、そのあとは場面の中で主人公の手や声がどうだったかを書きます。本の文をそのまま写すのではなく、自分が覚えている言い方で書くと、自分の文になります。
自分の話の段落は、メモ 2 枚目をもとに、いつ、どこで、何をしたかから書き始めます。そのうえで、主人公と自分のどこが同じで、どこが違うかを 1 つずつ書きます。違うところのほうが書きやすいお子さまが多く、「主人公は言えたけれど、自分は言えなかった」という形は、そのまま 3 文に伸びます。
結びの段落は、メモ 3 枚目の「前はこう思っていた、今はこう思う」をそのまま文にします。終わりの一文は、明日することを 1 つだけ書きます。「がんばりたい」という言葉ではなく、「明日、弟に先に声をかける」のように、動きで終えると、きれいごとにならずに済みます。
90 分で直す順番
15 時半からの 90 分は、4 つに分けます。最初の 30 分は、全部を声に出して読み、つかえた文に印を付けて、短い 2 文に切ります。次の 20 分は、主語と述語を確かめます。「ぼくは」で始まった文が「思いました」で終わっているか、1 文ずつ指でなぞります。その次の 20 分で、長さを数えて上限に収まっているかを見て、題名と学校名と氏名を書きます。最後の 20 分で、原稿用紙の決まりを確かめます。段落の最初は 1 マス空ける、句読点は行の最初のマスに置かず前の行の最後のマスに入れる、かぎかっこの中の文も同じ決まりで書く、という形が広く使われています。学校から配られた決まりがあれば、そちらが優先です。
例文で見る
例文は型を見るためのもので、本も場面も作ったものです。写すのではなく、自分の付箋とメモの中身に置き換えて使ってください。
例文 1 書き出しと場面(小学生の形)
本を閉じて、わたしは台所に行ってコップに水をくんだ。畑から戻ったケンが、まず台所で水を一杯飲んだのと同じことをしてみたかったからだ。ケンは、台風の前の晩に一人で畑に出て、トマトの支柱を結び直した。おじいさんは「もう寝ろ」と言ったのに、ケンは「あと三本だけ」と答えて、懐中電灯を口にくわえた。
この例文の良いところは 3 つあります。1 つ目は、最初の一文が本の題名ではなく、自分の動きで始まっているところです。読む人は「なぜ水をくんだのか」が気になって、先を読みます。2 つ目は、あらすじが「台風の前の晩に一人で畑に出て支柱を結び直した」の 1 文で済んでいるところです。3 つ目は、そのあとに「懐中電灯を口にくわえた」という、手や口の動きが書かれているところです。場面の段落は、話の筋ではなく、主人公の体の動きを書くと長さが自然に伸びます。
例文 2 自分の話と結び(中学生の形)
四月の体育の時間、リレーの選手を決めるとき、ぼくは手を挙げなかった。足は速いほうだったが、バトンを落として責められるのが怖かった。主人公のミオは、合唱コンクールの指揮を一度断ってから、放課後に先生のところへ戻って「やっぱりやります」と言った。ぼくとミオの違いは、速さでも声の大きさでもなく、戻ったかどうかだ。この本を読む前、ぼくは断った自分を仕方がなかったと思っていた。今は、戻る時間がまだあったと思う。明日、体育委員に、秋の大会の補欠でいいから入れてほしいと言う。
この例文の良いところも 3 つあります。1 つ目は、自分の話が「四月の体育の時間」といつと場所から始まり、主人公の話が後ろに来ているところです。2 つ目は、同じところと違うところを「戻ったかどうか」という 1 つの言葉に絞っているところです。3 つ目は、結びが「前はこう思っていた、今はこう思う」の形のあとに、明日の動きで終わっているところです。「ぼくもミオのように勇気を出したい」と書くより、補欠でいいから入れてほしいと言う、という一文のほうが読む人の記憶に残ります。
まちがえやすいところ
あらすじが 8 割になる
1 日で書くときに一番多い誤りは、本の最初から順に話の筋を書いてしまい、あらすじが本文の 8 割を占めることです。図3のように、直す前はあらすじが 8 割で自分の話が 2 割、直したあとはあらすじを 2 割に減らして自分の話を 8 割にします。最初から順に書いたあらすじは、どこを削ってよいかわからなくなるので、付箋 1 枚目の場面だけを残し、ほかの筋は消します。

誤りの形は「ケンは畑でトマトを育てていました。ある日台風が来ました。ケンは支柱を結び直しました。次の日、トマトは無事でした。おじいさんは喜びました。」のような文の列です。どこが違うかというと、読んだ人が本を読んだのと同じことしか知れず、書いた人がどう思ったかがどこにも無い点です。直した文は「台風の前の晩、ケンは一人で畑に出て支柱を結び直した。わたしなら、おじいさんに『もう寝ろ』と言われた時点で布団に戻っている。」のように、筋を 1 文にして、自分がどうするかを続けます。
「おもしろかった」が続く
2 つ目の誤りは、「おもしろかったです」「すごいと思いました」「感動しました」が 3 回以上出てくることです。どこが違うかというと、何がどう面白かったのかが書かれていないので、どの本についても同じ文になってしまう点です。「ケンが支柱を結び直す場面がおもしろかったです」は、「ケンが懐中電灯を口にくわえて両手で結ぶところで、わたしは息を止めて読んでいた」と直します。気持ちの言葉を、自分の体がどうなったかに置き換えると、面白さの中身が伝わります。
最後の 3 行で急に立派になる
3 つ目の誤りは、結びの段落で急に「ぼくもこれからは人の役に立てる人になりたいです」のような大きな言葉が出てくることです。どこが違うかというと、本文の場面や自分の話とつながっておらず、読む人がそこで本当らしさを疑ってしまう点です。直した文は、本文で書いた自分の出来事に戻り、「明日、リレーの補欠に入れてほしいと体育委員に言う」のように、1 日以内にできる動きで終えます。大きな言葉ほど短く、小さな動きほど具体的に書くと、結びは落ち着きます。
よくある質問
本を読み終わっていないのに 11 時になったら、どうしますか
本を閉じて、メモに進みます。付箋が 1 枚でも貼ってあれば、場面の段落は書けます。付箋が 1 枚も無いときは、最後の章だけを 15 分で読み、主人公が決めたことに付箋を貼って、メモの時間を 15 分に縮めます。読み終えることより、13 時に書き始めることを優先します。
下書きなしで書いて、途中で大きく直したくなったら、どうしますか
その段落だけを新しい原稿用紙に書き直します。前後の段落はそのまま残し、直した段落を切って貼るか、清書の段階で続けて写します。全部を最初から書き直すと 2 時間を越えるので、直すのは段落 1 つまでと決めておきます。
本文が 2000 字のときも、1 日で書けますか
書けます。配分は 1 割、3 割、4 割、2 割のままで、書く時間を 2 時間から 2 時間半に伸ばし、直す時間を 90 分から 60 分に縮めます。読む時間とメモの時間は削りません。材料が足りないまま書く時間を増やしても、文は伸びないからです。
親の手伝い方と個別指導で確かめること
保護者の方の役目は、時計係と聞き役の 2 つです。9 時、11 時、13 時、15 時半に声をかけ、時間割どおりに切り替えさせます。11 時のメモの時間には、「どの場面に付箋を貼ったの」「それと似たことが前にあった」「読む前と今で何が変わった」の 3 つを順に聞き、お子さまの答えをそのままメモに書かせます。文を代わりに書くことはしません。
個別指導で確かめるのは、翌日以降の 2 つです。場面を 1 つに絞れていたか、自分の話が場面とつながっていたかを、書いたものを前にして一緒に読みます。そのうえで、次の夏に残り 1 日にならないよう、本を読み始める日を 7 月のうちに決めておきます。
まとめ
読む 2 時間、メモ 30 分、書く 2 時間、直す 90 分。朝 9 時に本を開き、付箋を 3 枚だけ貼り、下書きを飛ばして原稿用紙に直接書けば、17 時には題名と名前まで書き終えた原稿用紙が机の上にあります。この 4 つの数字を守ったお子さまは、夏休み最後の夜を、原稿用紙ではなく明日の時間割を眺めて過ごせます。
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