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読書感想文コンクールとは—字数の規定と課題図書の調べ方|武蔵野個別指導塾

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学校のお便りの一行から、青少年読書感想文全国コンクールの部と字数の規定、課題読書と自由読書の違い、課題図書の調べ方を順に確かめます。小学校低学年の本文は800字以内です。

先に答えを置きます。学校の読書感想文の多くは、全国学校図書館協議会と毎日新聞社が主催する「青少年読書感想文全国コンクール」に学校から出されます。お便りを受け取ったら、部、課題読書か自由読書か、字数、締め切り、用紙の5つを確かめます。第72回(2026年度)の応募要項では、本文の字数は小学校低学年が800字以内、中学年と高学年が1,200字以内、中学校と高等学校が2,000字以内で、句読点は1字に数え、題名と学校名と氏名は数えません。課題図書は公式サイトの「課題図書」のページで自分の部の本を見ます。確かめ終えたら、字数の配分を先に決めてから書き始めます。

よくあるのは、学校のお便りの一行で止まる場面です。7月の終わり、台所のテーブルに夏休みの課題の一覧が広げてあります。そこに「読書感想文(コンクールに応募します。原稿用紙3枚以内)」とだけ書いてあります。お子さまは「コンクールって何」と聞き、保護者は「3枚なら1,200字か」と数え、その先がわかりません。どの本でもよいのか、課題図書でないといけないのか、題名は字数に入るのか。一行の裏にある決まりを知らないまま、本を選ぶ前に時間だけが過ぎます。この記事は、その一行を読みほどくところから始めます。

書く前にすること

書き始める前に、お便りの一行を5つの項目に分けて確かめます。図1のように、部、課題か自由か、字数、締め切り、用紙の順に見ていくと、わからないことがどこに残っているかがはっきりします。

図1 お便りの一行を5つに分けて確かめる順番

1つめは「部」です。全国コンクールは、小学校低学年の部(1、2年生)、小学校中学年の部(3、4年生)、小学校高学年の部(5、6年生)、中学校の部、高等学校の部の5つに分かれ、それぞれに課題読書と自由読書があるので、全部で10の区分になります。自分の学年がどの部に入るかで、字数も課題図書も決まります。中高一貫校の前期課程は中学校の部、後期課程は高等学校の部に入ります。

2つめは「課題読書か自由読書か」です。課題読書は、主催者が指定した本(課題図書)を読んで書くものです。自由読書は、自分で選んだ本で書くもので、物語でも、科学の本でも、伝記でもかまいません。課題読書と自由読書には、1人1編ずつ応募できます。お便りに「課題図書から選ぶこと」とあれば課題読書、「好きな本でよい」とあれば自由読書です。どちらとも書いていないときは、担任の先生か学校図書館の先生に聞きます。

3つめは「字数」です。第72回の応募要項では、本文の字数の上限は次のとおりです。

部 本文の字数
小学校低学年の部(1、2年生) 800字以内
小学校中学年の部(3、4年生) 1,200字以内
小学校高学年の部(5、6年生) 1,200字以内
中学校の部 2,000字以内
高等学校の部 2,000字以内

句読点はそれぞれ1字に数えます。段落を変えるときに残る行末の空白も字数に入ります。題名、学校名、氏名は数えません。お便りの「原稿用紙3枚以内」は、400字詰めなら1,200字に当たり、中学年と高学年の規定と同じです。ただし、学校が独自に枚数を決めていることもあるので、お便りの枚数と規定の字数が食い違うときは学校の指示が優先です。

4つめは「締め切り」です。全国コンクールの締め切りは都道府県ごとに違い、学校はそこから逆算して校内の提出日を決めます。公式サイトに載る期日ではなく、お便りに書かれた学校の提出日が、お子さまにとっての締め切りです。夏休み明けの始業式が提出日という学校が多いので、8月の最後の週に本を読み始めるのでは間に合いません。

5つめは「用紙」です。応募要項では、原稿用紙を使って縦書きで自筆することになっており、原稿用紙の大きさと字詰めに規定はありません。ただし、都道府県の審査会が独自に用紙を指定していることがあり、学校が配った原稿用紙を使うよう言われることもあります。パソコンで打ったものやコピーは受け付けられず、自筆が難しい事情があるときだけ理由を添えて応募します。

課題図書の調べ方は簡単です。コンクールの公式サイトに「課題図書」のページがあり、部ごとに本の題名、作者、出版社、見どころ、選ばれた理由が載っています。第72回は、小学校の3つの部に4冊ずつ、中学校の部と高等学校の部に3冊ずつ、合わせて18冊です。見どころと選ばれた理由を読んで、心が動きそうな1冊を選びます。公共図書館では課題図書の予約が夏休み前から集中するので、6月のうちに予約するか、書店で手に入れます。

自由読書で選べない本もあります。教科書、副読本、読書会用のテキスト、雑誌、パンフレット、日本語以外で書かれた本、そして自分の部の課題図書は対象外です。逆に、自分の部でない課題図書は、自由読書として出すことができます。電子書籍で読んだ本は応募できず、紙の本に限ります。短編集の中の1編で書くことはでき、その場合は応募票に書名と作品名の両方を書きます。

書き方の手順

決まりを確かめたら、字数の配分を先に決めます。配分が無いまま書き始めると、あらすじで半分を使い切り、自分の考えが最後の3行に押し込まれます。図2は、1,200字の部(小学校中学年と高学年)の配分の例です。

図2 1,200字を4つの段落に分けた字数の配分の例

図2のように、書き出しに200字、本の場面に300字、自分の経験に400字、これからのことに300字を当てます。一番多いのは「自分の経験」です。コンクールの公式の感想文Q&Aにも、読書感想文は本を読んだ自分の思いや心の動きを中心に書くものだとあります。あらすじの説明が長い感想文は、本を読んでいない人に本を紹介する文になってしまい、読み手が知りたい「あなたはどう変わったか」が抜けます。

中学校と高等学校の2,000字なら、書き出しに300字、本の場面に500字、自分の経験に700字、これからのことに500字です。比率は1,200字のときとほぼ同じで、どちらも自分の経験に全体の3分の1以上を置きます。800字の低学年は、書き出し150字、場面200字、経験300字、これから150字が目安です。

手順は6つです。

第1に、配分を原稿用紙の端に鉛筆で書き込みます。1,200字なら、10行目、25行目、45行目のあたりに小さく印を付けておくと、書きながら残りの字数がわかります。400字詰めの原稿用紙は1行20字なので、200字は10行、300字は15行、400字は20行です。

第2に、本を読みながら付せんを貼ります。貼る場所は「心が動いたところ」だけで、面白かった、腹が立った、意味がわからなかった、のどれでもかまいません。読み終えたら、付せんの中から一番強く残った1か所を選びます。感想文に使う場面は、その1か所だけです。3つも4つも入れると、どれも薄くなります。

第3に、選んだ場面と自分の経験をつなぎます。「同じようなことが自分にもあった」「自分なら違うことをした」「この人物の気持ちが最初はわからなかった」のどれかで、自分の出来事を一つ書き出します。出来事は、いつ、どこで、誰と、何があったかまで具体的にします。この段落が感想文の芯です。

第4に、「これから」を書きます。本を読む前と後で、自分の考えや行動がどう変わるかを書きます。「大切さがわかった」で止めず、明日から何をするかまで書くと、きれいごとになりません。

第5に、題名を最後に付けます。公式の感想文Q&Aは、一番感動したことや一番言いたいことの中心となる言葉を題名にすることを勧めています。本の題名をそのまま感想文の題名にするより、自分の言葉で付けたほうが、審査する人の目に止まります。

第6に、数えます。句読点を1字に数え、段落の変わり目の空白も数え、題名と名前は除きます。400字詰めで3枚ちょうどなら、最後の行まで埋まっていても1,200字で規定の中です。1行でもはみ出したら、文を削ります。

審査の流れも知っておきます。全国コンクールは個人では応募できず、学校を通して出します。学校の中で選ばれた作品が都道府県の審査(地域によってはその前に市町村の審査)に進み、都道府県から各部ごとに課題読書1編と自由読書1編が中央審査会に送られます。最初の読み手は担任の先生と学校図書館の先生です。先生が一度で読み切れる文、つまり段落の役目がはっきりした文が、次の段階に進みます。

例文で見る

ここに挙げる本も文も、型を見るための作例です。実在の本ではなく、文を写して出すためのものでもありません。型を取り出して、自分の本と自分の出来事に置き換えて使います。

1つめは、小学校中学年の部(1,200字)の書き出しと場面の部分です。

「返して」と言えなかった日のことを、この本を読んで思い出しました。

『朝の川をわたる』の主人公のハルは、友だちに貸した図鑑を半年も返してもらえず、それでも言い出せずにいます。わたしが一番強く残ったのは、ハルが川の橋の上で「言わなければ、ずっと貸したままだ」とつぶやく場面です。ハルは怒っているのではなく、自分に向かって言っています。

この書き出しの良いところは、本の題名から始めず、自分の出来事の一言から始めているところです。読み手は「この子は何を返してもらえなかったのだろう」と先を読みたくなります。場面の部分は、あらすじを全部なぞらず、橋の上の一言だけに絞っています。「怒っているのではなく、自分に向かって言っています」と、場面をどう読んだかが一文で入っているので、ここから自分の経験へ自然につながります。

2つめは、中学校の部(2,000字)の、自分の経験をつなぐ段落です。

ぼくにも、ハルと同じ半年がありました。中学1年の春、部活の先輩に借りたシューズを、サイズが合わないと言えないまま使い続けました。足が痛いと言えば先輩に悪い気がして、言わずにいれば自分の足が痛いだけで済むと思ったからです。でも夏の大会の前に、顧問の先生に「そのシューズ、合っていないだろう」と一目で見抜かれました。言わないことで守れたものは、何もありませんでした。ハルが橋の上でつぶやいた言葉は、ぼくがあの春に言えなかった言葉でした。

この段落の良いところは、出来事が「いつ、誰と、何があったか」まで書いてあることです。「中学1年の春」「部活の先輩」「サイズが合わないシューズ」と具体で、読み手の頭に場面が浮かびます。もう一つは、最後の一文で本の場面に戻っていることです。自分の話をしたあとに本へ戻ると、経験と本がつながり、感想文が「自分の日記」になりません。2,000字の配分で自分の経験に700字を置くとき、この型の段落を2つ重ねれば届きます。

置き換えるときは、本の題名、主人公の名前、場面の一言、自分の出来事の4つを入れ替えます。文の形は残してかまいません。ただし、作例の文をそのまま写して出すことは、オリジナルで未発表の作品に限るという応募要項に反します。盗作や不適切な引用があると審査の対象外になることがあります。

まちがえやすいところ

コンクールの決まりで、毎年同じところでつまずきます。3つ挙げます。

1つめは、字数の数え方です。本文の文字だけを数えて「1,190字だから規定の中」と思い込む誤りです。応募要項では、句読点はそれぞれ1字で、段落を変えるために残した行末の空白も字数に数えます。図3のように、原稿用紙の升目で数えれば、句読点も空白も1升ずつ使っているので、升目の数がそのまま字数です。

図3 原稿用紙の升目で数えると句読点と空白も1字になる

誤りの例は、文字だけで1,190字、句読点と行末の空白を足すと1,260字になっている下書きです。どこが違うかというと、「読み手に見える升目」ではなく「自分が打った文字」を数えているところです。直すには、60字分の升目を減らします。「わたしは、この本を読んで、とても、深く、考えさせられました。」という文は、読点4つで4升使っています。「この本を読んで、深く考えました。」にすれば、同じ意味で半分の升目になります。1文を短くするのが、一番確実な削り方です。

2つめは、自分の部でない課題図書を課題読書で出す誤りです。たとえば小学校6年生が、中学校の部の課題図書を読んで課題読書として出すと、区分が違います。どこが違うかというと、課題図書は部ごとに指定されていて、課題読書として認められるのは自分の部の本だけだというところです。直し方は、応募票の区分を自由読書にすることです。他の部の課題図書は自由読書として応募できると、要項に明記されています。本を読み直す必要はありません。

3つめは、あらすじで終わる感想文です。「主人公は最初こうで、次にこうなって、最後にこうなりました。わたしはとても感動しました。」という形です。どこが違うかというと、本の中で起きたことばかりで、読んだ自分の中で起きたことが一文しかないところです。直した文は、「ハルが橋の上でつぶやいた場面で、わたしは去年の自分を思い出しました。」のように、本の場面を1つに絞り、自分の出来事へつなぐ一文に置き換えます。あらすじの部分を300字以内に収め、残りを自分の経験とこれからに回すと、配分が図2の形に戻ります。

よくある質問

去年の課題図書で書いてもよいですか

課題図書は毎年新しく選ばれ、去年の本は今年の課題図書ではありません。その本は今年の課題読書としては出せませんが、自由読書として出すことはできます。お便りに「課題図書から選ぶこと」と書いてあれば、今年の自分の部の本から選び直します。

題名と名前はどこに書きますか

全国コンクールの規定では、題名と氏名を書く位置は定められておらず、欄外でも枠内でもかまいません。原稿用紙の指定もありません。ただし、都道府県の審査会が独自の決まりを設けていることがあるので、学校から配られた原稿用紙と書き方の指示があれば、そちらに従います。迷ったら担任の先生に確かめます。

来年の要項はいつわかりますか

応募要項は回ごとに改められることがあり、公式サイトに載る時期も回によって違います。次の回の字数や課題図書は、公式の要項で確かめ、学校のお便りと突き合わせます。前の年の数字を覚えていても、お便りが届いたら必ず読み直します。

親の手伝い方と個別指導で確かめること

保護者にできるのは、お便りを一緒に読み、部、課題か自由か、字数、締め切り、用紙の5つを声に出して確かめることです。わからない項目があれば、お子さまが先生に聞く言葉を一緒に考えます。本選びでは、課題図書の見どころを一緒に読み、図書館の予約を手伝います。文を書くのはお子さまです。

個別指導で確かめるのは、字数の配分が決まっているか、本の場面が1つに絞れているか、自分の出来事が「いつ、誰と、何があったか」まで書けているかの3点です。下書きの升目を一緒に数え、はみ出した分をどの文で削るかを決めます。

まとめ

お便りの一行を5つに分けて読めたお子さまは、本を開く前にもう半分書き始めています。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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