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中学生の数検—高校受験の前に何級まで取るか|武蔵野個別指導塾

中1は5級、中2は4級、中3は3級を目安に、定期テストの前の2週は検定の問題集を閉じるという並べ方と、三者面談で級をどう話すかまで、順に書いています。
中学生が受ける数検(公益財団法人 日本数学検定協会の実用数学技能検定)の目安は、中1が5級、中2が4級、中3が3級です。高校受験の前に取っておく級として現実的なのは、中3の秋までに3級、余裕があれば準2級です。
| 学年の目安 | 級 | 検定料(個人受検) | 程度 | 合格基準 |
|---|---|---|---|---|
| 中1 | 5級 | 4,300円 | 中学校1年程度 | 1次 70%程度・2次 60%程度 |
| 中2 | 4級 | 4,300円 | 中学校2年程度 | 1次 70%程度・2次 60%程度 |
| 中3 | 3級 | 4,900円 | 中学校3年程度 | 1次 70%程度・2次 60%程度 |
| 先取り | 準2級 | 5,600円 | 高校1年程度 | 1次 70%程度・2次 60%程度 |
内申にどう響くかは学校と自治体で扱いが違うので、ここで断定はしません。確かめる先は担任の先生と志望校の募集要項です。
よくあるのは、三者面談の前の週に、お子さまの机の上で数検の案内と定期テストの範囲表が並んでいる場面です。面談で何を話すかを考えながら、保護者の方が「検定は受けさせた方がいいのか」「受けるなら何級か」と迷います。本人は定期テストの方が気になっていて、検定の話は後回しにしたい。その1週間で決めることは、実は2つだけです。どの級を、どの日程で受けるか。この2つが決まると、面談の話題は「受けるかどうか」から「何を直すか」に変わります。
試験のかたちと範囲
中学生が受ける3級・4級・5級は、どれも1次(計算技能検定)と2次(数理技能検定)の2つでできています。はじめて受けるときは両方を同じ日に受け、1次は全問題の70%程度、2次は全問題の60%程度で合格です。検定時間は3級・4級・5級とも1次が50分で30問、2次が60分で20問です。図1のように、学年と級を1本ずつの帯で並べると、どの級も試験のかたちは同じで、違うのは中身の学年だけだとわかります。

出題の割合は、検定基準で級ごとに決まっています。3級は中3程度と中2程度と中1程度がそれぞれ30%で、特有問題が10%です。4級は中2程度30%、中1程度30%、小6程度30%、特有問題10%。5級は中1程度と小6程度と小5程度が30%ずつで、残る10%が特有問題です。つまり、どの級も「いま習っている学年」は3割しかなく、残りの6割は下の学年の内容です。中2が4級を受けるとき、小6の分数の計算や比の問題が普通に出ます。中3が3級を受けるときも、中1の正負の数や中2の連立方程式がそのまま3割ずつ出ます。この構造を知らないと、「習っていない所が出た」ではなく「忘れていた所が出た」で落ちます。
3級の内容は、二次方程式と平方根、式の展開と因数分解に、三平方の定理、円の性質、相似比と面積比と体積比、簡単な二次関数と統計などです。4級は連立方程式と一次関数、文字式の四則混合計算と等式の変形、合同条件と平行線の性質、四角形の性質、確率の基礎、簡単な統計など。5級は一元一次方程式と文字を用いた式、一次式の加法と減法、正の数・負の数の四則混合計算、基本的な作図、図形の平行移動・対称移動・回転移動、空間の直線や平面の位置関係、扇形の弧の長さと面積、空間図形の構成、投影と展開などです。高校受験の数学と重なる所が多いのは3級で、中3の夏までに学校で習い終わらない単元(三平方の定理や円周角)が入っているのが特徴です。
受ける学年と級の組み合わせは、「いま習っている学年の級」が基本で、学校の進度より数検の範囲が先に行く時期だけ注意が要ります。中3が1学期に3級を受けると、三平方の定理と円の性質をまだ習っていない状態で2次に向かうことになります。その場合は、中3の秋以降の日程を選ぶか、夏に先取りで2単元を押さえてから受けるかのどちらかです。中1の5級と中2の4級は、3学期の日程なら学校の進度とほぼ重なります。
合格までの進め方
進め方で最初に決めるのは日程です。2026年度の個人受検で、これから申し込める回は 4 つです。2027年1月16日(2〜11級。申込は12月1日まで)、2月12日(2〜11級。受付は12月7日から1月8日まで)、2月13日(準1〜11級。受付は2月12日の回と同じ)、3月6日(2〜11級。申込は1月26日まで)で、金曜の2月12日のほかは土曜です。12月5日(土)の回の申込は10月27日で終わりました。中3で高校受験を控えている場合は、入試の本番と近い回を避け、1月16日か、受験が終わった後の3月6日のどちらかに寄せるのが現実的です。中1・中2は、学年末のテストと重ならない回を選びます。申込の締切が検定日の1か月以上前にあるので、面談の前の週に日程を決めるなら、締切を先に見てから級を決めます。
日程が決まったら、検定日から逆算して10週の計画を立てます。図2のように、10週を4つに分けます。最初の4週は1次の計算の練習で、1日20分、毎日同じ時刻に解きます。真ん中に定期テストが入るなら、テスト前の2週は検定の問題集を閉じ、学校の範囲だけをやります。この2週を「検定の勉強が止まる」と考えると焦りますが、定期テストの範囲は検定の出題の3割と同じ学年の内容なので、止まっていません。テストが終わった後の3週で2次の文章題に入り、最後の1週は時間を測って1次と2次を通しで解きます。

1日の量は、1次の計算が10問、2次の文章題が2問が目安です。1次は30問を50分で解くので、1問あたり1分40秒です。10問を17分以内で解き、正答率が8割を超えたら次の単元に進みます。8割に届かないときは、間違えた問題だけを翌日にもう一度解きます。2次は20問を60分で解くので1問3分です。ただし2次は途中の式を書く問題があるので、最初の2週は時間を気にせず、式を全部書く練習にします。時間を測るのは最後の3週からで十分です。
定期テストとの両立で効くのは、検定の勉強を「別の勉強」にしないことです。中2が4級を受けるなら、連立方程式と一次関数の単元は定期テストの範囲と重なります。検定の問題集でその単元を解けば、テストの対策にもなります。逆に、下の学年の3割(4級なら小6の内容)は定期テストに出ないので、ここだけは検定のための時間を別に取ります。1日20分の中で、15分を今の学年、5分を下の学年に割る、という配分です。保護者の方が見てあげるなら、問題を解かせるより、「今日は何を解いたか」を1行だけ聞くのが続きます。
例題で確かめる
3つの級から1問ずつ、自作の例題で手順を確かめます。どれも1次の計算か2次の文章題の形で、実際の検定で出る形に合わせています。
例題1(5級・一元一次方程式)。4x + 9 = -3x − 12 を解きます。手順は、文字の項を左に、数の項を右に集めることです。-3x を左に移すと +3x になり、+9 を右に移すと -9 になります。4x + 3x = -12 − 9 で、7x = -21。両辺を7で割って x = -3 です。確かめは、x = -3 を元の式に入れます。左辺は 4 × (-3) + 9 = -12 + 9 = -3、右辺は -3 × (-3) − 12 = 9 − 12 = -3 で、両辺が一致します。5級の1次では、この確かめをする時間が十分にあるので、解いたら必ず入れ直します。
例題2(4級・連立方程式)。2x + 3y = 12 と x − y = 1 を解きます。2つ目の式を x = 1 + y に直し、1つ目の式に代入します。2(1 + y) + 3y = 12 で、2 + 2y + 3y = 12。5y = 10 なので y = 2、x = 1 + 2 = 3 です。確かめは2つの式の両方に入れます。2 × 3 + 3 × 2 = 6 + 6 = 12、3 − 2 = 1 で、どちらも成り立ちます。代入のとき、1 + y に2をかけるときの括弧を忘れると 2 + y + 3y になって答えが変わります。括弧を書いてから展開する癖を、1次の練習の段階で付けておきます。
例題3(3級・二次方程式の文章題)。縦が横より 5cm 長い長方形があり、面積が 36cm² です。横の長さを求めます。横を x cm とすると縦は x + 5 cm で、面積は x(x + 5) = 36。展開して x² + 5x − 36 = 0。因数分解すると (x + 9)(x − 4) = 0 なので、x = -9 または x = 4 です。長さは正の数なので x = 4 で、横は 4cm、縦は 9cm です。確かめは 4 × 9 = 36 で合います。2次の文章題では、「x = -9 は長さとして不適」と一言書くかどうかで採点が変わることがあるので、必ず書きます。
3問に共通しているのは、解いた後に元の式に戻す確かめです。1次の30問を50分で解くと、見直しの時間は10分ほど残ります。その10分で全部を解き直すのは無理なので、解いた瞬間に1問ずつ確かめる方が確実です。
まちがえやすいところ
中学生の数検で落とすのは、難しい問題ではなく、下の学年の内容を雑に解いたときです。よくある誤りを3つ挙げます。
1つ目は移項の符号です。5級の一次方程式で、2x − 5 = 9 を 2x = 9 − 5 と書いてしまう誤りです。-5 を右に移すと +5 になるので、正しくは 2x = 9 + 5 で x = 7。符号を間違えると x = 2 になり、確かめで 2 × 2 − 5 = -1 となって合わないことに気づけます。気づけるのに直さないのは、確かめをしていないからです。
2つ目は代入のときの括弧です。4級の連立方程式で、x + 2y = 8 と y = x − 2 があるとき、x + 2x − 2 = 8 と書くと 3x = 10 になって割り切れません。正しくは x + 2(x − 2) = 8 で、x + 2x − 4 = 8、3x = 12、x = 4、y = 2 です。答えが割り切れない分数になったら、まず括弧を疑うのが近道です。
3つ目は三平方の定理で斜辺を取り違えることです。図3のように、直角をはさむ2辺が 6 と 8 の直角三角形では、斜辺は直角の向かいにある辺で、6² + 8² = 36 + 64 = 100 から 10 です。問題で斜辺の 10 と一方の辺の 6 が与えられて残りの辺を求めるときに、10² + 6² = 136 として √136 と答える誤りがよく出ます。斜辺はいちばん長い辺で、足すのは直角をはさむ2辺だけなので、10² − 6² = 100 − 36 = 64 で、答えは 8 です。図を自分で描いて、直角の位置に印を付けてから式を立てると、この誤りは消えます。

3つとも、間違えた後に「もう知っている」と流しやすい所です。直しのノートには、間違えた式と正しい式を上下に並べて書き、どこから違ったかに丸を付けます。同じ丸が3回付いたら、それが本番で出る誤りです。
確かめの問題
例題とは別の数で3問です。解いたら必ず元の式に入れて確かめます。
問1(5級)。-5x + 8 = 2x − 13 を解きます。
問2(4級)。3x + 2y = 19 と 2x − y = 1 を解きます。
問3(3級)。直角をはさむ2辺が 9cm と 12cm の直角三角形の斜辺の長さを求めます。
答えと解説
問1。2x を左に、8 を右に移すと -5x − 2x = -13 − 8 で、-7x = -21。両辺を -7 で割って x = 3 です。確かめは、左辺 -5 × 3 + 8 = -7、右辺 2 × 3 − 13 = -7 で一致します。負の数で割るときに符号を変え忘れて x = -3 とする誤りが多いので、割る数の符号を先に見ます。
問2。2つ目の式を y = 2x − 1 に直し、1つ目に代入します。3x + 2(2x − 1) = 19 で、3x + 4x − 2 = 19、7x = 21、x = 3。y = 2 × 3 − 1 = 5 です。確かめは 3 × 3 + 2 × 5 = 19、2 × 3 − 5 = 1 で、どちらも成り立ちます。
問3。斜辺を c cm とすると c² = 9² + 12² = 81 + 144 = 225 で、c = 15 です。15² = 225 を確かめます。9 と 12 は 3 と 4 を3倍した組なので、斜辺も 5 を3倍した 15 になる、と見ることもできます。
次に受ける級と入試での扱い
中3の秋までに3級が取れたら、次は準2級です。準2級は高校1年程度で、1次が50分で15問、2次が90分で10問と、3級より問題数が減って1問の重さが増えます。受験勉強と並べて準2級まで進めるかは、本人の数学の時間がどれだけ残っているかで決まるので、無理に勧めません。
高校入試で数検がどう扱われるかは、学校ごとに違います。協会のサイトには入試で活用している学校を検索する仕組みがあり、志望校の募集要項にも記載があるので、そこで確かめます。内申点に直接加わるかどうかは自治体と学校の判断で、取っていれば有利とも、取らなければ不利とも言い切れません。確かなのは、3級の範囲が高校受験の数学とほぼ重なるので、合格に向けた練習がそのまま受験の練習になることです。個別指導では、3級の2次で落とした問題がどの学年の内容かを見て、中1の正負の数まで戻って確かめることがあります。
まとめ
中1は5級、中2は4級、中3は3級が目安で、どの級も出題の6割は下の学年の内容です。日程を先に決め、10週の計画の真ん中に定期テストの2週を置けば、検定と学校の勉強は別の物になりません。面談の机に合格証を置けるかどうかより先に、どの学年のどの式でつまずいたかを言える人が、受験の数学を自分の物にします。
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