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数検の勉強法—計算技能と数理技能で分ける進め方|武蔵野個別指導塾

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1次の計算技能は時計を置いて1問1分30秒で量をこなし、2次の数理技能は途中の式を書いて翌日・3日後・1週間後に解き直す。3級の例で、週末の図書館でやる順番まで決めます。

数検(実用数学技能検定)の1〜5級は、1次の計算技能検定と2次の数理技能検定の2つで組み立てられています。勉強法もこの2つで分けます。先に結論を表にします。

1次 計算技能検定 2次 数理技能検定
問われる力 速く、正確に計算する力 式を立て、筋道を書いて解く力
3級の問題数と検定時間 30問・50分 20問・60分
合格基準 全問題の70%程度 全問題の60%程度
対策の軸 時計を置いて量をこなす 途中の式を書き、間隔をあけて解き直す

3級は中学3年程度で、個人受検の検定料は4,900円です。個人受検で3級を受けられる残りの回は、2026年12月5日(土。申込は10月27日で締切済み)、2027年1月16日(土)、2月12日(金)と13日(土)、3月6日(土)です。ほかの級は回によって違い、準1級は12月5日と2月13日だけで、1級は残りの回にありません。会場は公益財団法人 日本数学検定協会の案内で確かめます。問題数と検定時間は級ごとに違うので、受ける級の公式ページを一度は開いておきます。

よくあるのは、週末の図書館の机で、数検の問題集を開いたまま手が止まるという場面です。静かな部屋で、隣の席では受験生が過去問の冊子を解いています。自分も1ページ目から順に解き始めますが、計算問題は簡単すぎて飽き、文章題は何を書けばよいかわからず白紙のまま、気づけば1時間が過ぎています。問題集を閉じて帰るとき、「今日は何が身についたのか」と自分に聞いても答えが出ません。原因は才能でも集中力でもなく、1次と2次を同じやり方で解いていることにあります。

試験のかたちと範囲

数検の1〜5級には、1次(計算技能検定)と2次(数理技能検定)の2つの検定があります。はじめて受けるときは両方を同じ日に受け、それぞれに合格基準があります。1次は全問題の70%程度、2次は全問題の60%程度です。1次か2次のどちらか片方だけに合格した場合は、次に受けるときに合格した側の免除を申請する仕組みがあります。つまり、1次と2次は採点も合否も別で、片方ができればもう片方も自動的に通る、という試験ではありません。

図1のように、1次と2次は問題の数も時間も違います。3級なら1次は30問を50分で、2次は20問を60分で解きます。1次は1問あたりの時間が短く、答えだけを書く問題が中心です。平方根の計算、2次方程式、式の展開と因数分解、1次関数の値、角度や面積の計算など、手を動かせば答えにたどり着く問題が並びます。2次は1問あたりの時間が長く、途中の式や考え方を書く問題が多くなります。文章から式を立てる問題、図形の性質を使って長さや角を求める問題、関数のグラフを読む問題、データの読み取りなどが出ます。

図1 3級の1次と2次の問題数・時間・合格基準の対比

問題数と時間の違いは、そのまま勉強の違いになります。1次では、1問に1分40秒ほどしか使えません。見直しの時間を5分残すなら、1問1分30秒です。ここで問われているのは「解けるか」ではなく「時計の中で解けるか」です。2次では、1問に3分です。見直しに10分残すなら2分30秒で、答えだけを書いて次へ進む解き方では、採点者に考えの筋道が伝わりません。

出題の範囲は級ごとの案内に書かれています。3級なら中学3年までの内容が中心で、中学1年と2年の内容も混ざります。準2級なら高校1年程度、4級なら中学2年程度、5級なら中学1年程度です。範囲を確かめるときは、目次のように単元名を眺めるだけでなく、「この単元は1次で出るか、2次で出るか」まで分けて眺めます。たとえば因数分解は1次で計算として出ますし、2次では文章題の途中で使う道具として出ます。同じ単元でも、求められる速さと深さが違います。

合格までの進め方

進め方は5つの手順に分けます。順番を入れ替えないことが大事です。

1つ目は、級を決め、公式ページで範囲と問題数と時間を書き写すことです。ノートの1ページ目に「1次 30問 50分」「2次 20問 60分」と書き、合格基準の70%と60%も並べます。70%は30問なら21問、60%は20問なら12問です。この数が、毎週の目標になります。

2つ目は、1次の土台を先に作ることです。1次の計算が遅いままでは、2次で式を立てても計算で時間を失います。最初の2週間は、1次の範囲を単元ごとに10問ずつ、時計を置いて解きます。正解率が8割を超えた単元から、次の単元へ進みます。8割に届かない単元は、間違えた問題に印を付けて翌日にもう一度解きます。

3つ目は、2次の問題を「書く練習」として扱うことです。2次の問題は、答えが合っているかどうかの前に、式と理由が紙に残っているかを見ます。最初は模範解答を写してもかまいません。写しながら、「なぜこの式を立てたのか」を一言ずつ横に書きます。1週間後に同じ問題を白紙から解き、自分の書いた一言が思い出せるかを確かめます。

4つ目は、間隔をあけて解き直すことです。図2のように、間違えた問題は解いた日の翌日、3日後、1週間後、2週間後に解き直します。正解したら次の間隔へ進み、不正解なら翌日に戻します。解いた直後にもう一度解いて正解しても、それは覚えているだけで、身についたとは言えません。間隔をあけることで、「忘れかけた状態から取り出す」練習になります。この練習が、本番で初めて見る数字に向き合う力になります。

図2 間違えた問題を翌日・3日後・1週間後・2週間後に解き直す予定

5つ目は、本番の形で時間を測ることです。検定日の3週間前からは、週末に1回、1次と2次を続けて解きます。3級なら1次の50分、休憩、2次の60分です。この練習は、図書館の机が向いています。家の机では途中で立ち上がりやすく、図書館では周りの静けさが時計の代わりになります。

1日の量は多くなくてかまいません。平日は30分として、1次の計算を10問(15分)、2次の問題を1問(15分)という配分です。1次は時計を置いて、2次は時計を置かずに解きます。週末は図書館で、前の週に間違えた問題の解き直しと、本番の形の練習を1回です。検定日まで4週間なら、週に5日の平日と週末の1回で、1次の計算はおよそ200問、2次の問題はおよそ20問に本番形式の練習が3回です。この量なら、1次の30問中21問、2次の20問中12問という合格基準に、ほとんどの単元で届きます。

問題集の選び方は、商品名ではなく中身で決めます。確かめることは4つです。受ける級だけで1冊になっていること、1次と2次の問題が分けて載っていること、解答に途中の式が省かれずに書いてあること、そして本番と同じ形の問題が最低3回分あることです。4つ目は、本番の形で時間を測る練習に欠かせません。解答が答えだけの問題集は、2次の練習には向きません。公式の問題と過去の問題の入手先は協会の案内で確かめ、まずはそこから始めます。

検定日から逆算すると、今日2026年11月6日から1月16日の検定までは71日で、およそ10週間です。2月13日なら99日でおよそ14週間、3月6日なら120日でおよそ17週間です。12月5日の検定は29日でおよそ4週間ですが、申込が締め切られているので、これはもう申し込んだ人の数字です。4週間で間に合うのは、1次の正解率がすでに7割に近い場合です。2次の書く練習が初めてなら、10週間を見ておきます。

例題で確かめる

1次の解き方と2次の解き方の違いを、3級の範囲で3問作って確かめます。

例題1(1次の型)。√48 − √12 + √27 を計算します。

手順は、根号の中を素因数分解して、同じ根号にそろえることです。48 = 16 × 3 なので √48 = 4√3、12 = 4 × 3 なので √12 = 2√3、27 = 9 × 3 なので √27 = 3√3 です。よって 4√3 − 2√3 + 3√3 = 5√3 です。1次では、この変形を書かずに頭の中で進め、答えの 5√3 だけを書きます。時計を置いて解くと、1分30秒の中で素因数分解が止まらないかがわかります。止まるなら、平方数(4、9、16、25、36、49、64、81、100)を見た瞬間に根号の外へ出せるまで、同じ型を20問ほど繰り返します。

例題2(1次の型)。2次方程式 x² − 5x + 6 = 0 を解きます。

手順は、足して -5、かけて 6 になる2つの数を探すことです。-2 と -3 が当てはまるので、(x − 2)(x − 3) = 0 と因数分解でき、x = 2 または x = 3 です。検算として x = 2 を代入すると 4 − 10 + 6 = 0、x = 3 を代入すると 9 − 15 + 6 = 0 で、どちらも成り立ちます。1次では「因数分解できるか」を5秒で判断し、できなければすぐ解の公式に切り替えます。迷う時間が一番の無駄です。

例題3(2次の型)。縦の長さが横の長さより 2cm 長い長方形があり、面積は 48cm² です。横の長さを求めます。

2次では、答えより先に式の立て方を書きます。横の長さを x cm とおくと、縦の長さは (x + 2) cm です。面積の関係から x(x + 2) = 48 となり、展開して整理すると x² + 2x − 48 = 0 です。足して 2、かけて -48 になる2つの数は 8 と -6 なので、(x + 8)(x − 6) = 0 となり、x = -8 または x = 6 です。長さは正の数なので x = 6 で、横の長さは 6cm、縦の長さは 8cm です。検算として 6 × 8 = 48 で合います。

2次の答案で書くべきことは4つです。何を x とおいたか、どの関係から式を立てたか、方程式を解いた結果、そして条件に合わない解を捨てた理由です。この例では「長さは正の数なので x = -8 は適さない」の一文が抜けると、筋道が途中で切れます。答えの 6cm が合っていても、この一文の有無で答案の質が変わります。

例題1と例題2を解くときは時計を置き、例題3を解くときは時計を置かない、というのが、この3問で確かめたかったことです。同じ中学3年の範囲でも、1次は速さの練習、2次は書く練習です。図書館の机で手が止まるのは、2次の問題を1次の速さで解こうとしているときです。

まちがえやすいところ

1つ目は、1次で符号と分母を落とすことです。たとえば -3x + 5 = 2x − 10 を解くとき、移項した瞬間に符号を変え忘れ、-5x = -15 とすべきところを 5x = -15 としてしまう誤りです。分数の方程式では、両辺に分母の最小公倍数をかけるとき、整数の項にかけ忘れます。1次は1問1分30秒の勝負なので、見直しは「もう一度解く」ではなく「符号と分母だけを目で追う」方法にします。この見直しを最後の5分で30問ぶん通すと、2〜3問は拾えます。

2つ目は、2次で答えだけを書くことです。文章題を読み、頭の中で式を立て、計算して答えを書き、式を紙に残さない解き方です。本人には解けた感覚がありますが、採点者には筋道が見えません。対策は、問題文の下に「x とおくもの」を先に書く習慣です。何を x とおくかを一行書けば、その後の式は自然に続きます。

3つ目は、時間を測らずに解き続けることです。家で解くと、わからない問題を5分でも10分でも考えてしまいます。本番ではその5分が、後ろの3問ぶんの時間です。図3のように、3級の1次は50分で30問なので、見直しの5分を引くと1問1分30秒、2次は60分で20問なので、見直しの10分を引くと1問2分30秒です。この配分を身体に入れるには、平日の計算練習から時計を置くしかありません。1分30秒で解けなかった問題には印を付けて飛ばし、最後に戻ります。飛ばす判断そのものが、練習しないと身につかない技能です。

図3 3級の検定時間を見直しの時間と1問あたりの時間に分けた配分

図3の配分は3級の数字で、2級と準2級は1次が50分で2次が90分、1級と準1級は1次が60分で2次が120分です。級が上がると2次の1問あたりの時間が長くなり、その分だけ書く量が増えます。受ける級の問題数と時間を公式ページで確かめ、自分の級の1問あたりの時間を同じ方法で計算して、ノートの1ページ目に書き足します。

確かめの問題

例題とは別の数で3問です。問1と問2は時計を置いて、それぞれ1分30秒で解きます。問3は時計を置かず、式と理由を紙に残して解きます。

問1。√50 + √18 − √8 を計算します。

問2。2次方程式 x² − 7x + 12 = 0 を解きます。

問3。連続する2つの正の整数があり、その積は 132 です。この2つの整数を求めます。

答えと解説

問1の答えは 6√2 です。50 = 25 × 2 なので √50 = 5√2、18 = 9 × 2 なので √18 = 3√2、8 = 4 × 2 なので √8 = 2√2 です。5√2 + 3√2 − 2√2 = 6√2 となります。1分30秒を超えたなら、平方数を見つける速さが足りません。

問2の答えは x = 3、x = 4 です。足して -7、かけて 12 になる2つの数は -3 と -4 なので、(x − 3)(x − 4) = 0 です。検算は 9 − 21 + 12 = 0 と 16 − 28 + 12 = 0 で、どちらも成り立ちます。

問3の答えは 11 と 12 です。小さいほうの整数を n とおくと、大きいほうは n + 1 です。積の条件から n(n + 1) = 132 となり、整理すると n² + n − 132 = 0 です。足して 1、かけて -132 になる2つの数は 12 と -11 なので、(n + 12)(n − 11) = 0 となり、n = -12 または n = 11 です。正の整数という条件から n = 11 で、2つの整数は 11 と 12 です。検算は 11 × 12 = 132 です。答案には「n = -12 は正の整数でないので適さない」の一文を必ず残します。

次に受ける級と入試での扱い

3級に合格したら、次は準2級です。準2級は高校1年程度で、2次関数や三角比が入り、2次の1問あたりの時間も長くなります。1次の速さと2次の書く力を分けて鍛える進め方は、級が上がっても変わりません。数検が高校入試や大学入試でどう扱われるかは学校ごとに違い、扱いの有無も年度で変わるので、志望校の募集要項で確かめます。

個別指導では、2次の答案を見て、式が立たない原因が「文章の読み取り」なのか「前の学年の計算」なのかを分け、必要なら中学1年の文字式まで戻って確かめます。戻る範囲を決めるのは、1次の正解率と2次の答案の空白の位置です。

まとめ

計算技能は時計で測り、数理技能は紙に残った式の量で測ります。図書館の机で手が止まる時間が減るかどうかは、この2つの物差しを分けて持てるかにかかっています。

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