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ベクトルの公式一覧—内積・成分・内分点・空間ベクトル|武蔵野個別指導塾

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内積の式が cos の形と成分の形で 2 つある理由を、a→ = (3, 1) と b→ = (1, 2) のなす角が 45度と出る計算で追えます。垂直と平行の条件、内分点と重心、空間の同じ形も 1 枚の表で見渡せます。

知りたいこと 公式(平面・数学C)
和 a→ + b→ = (a₁ + b₁, a₂ + b₂)
実数倍 ka→ = (ka₁, ka₂)
2 点から作る AB→ = OB→ − OA→ = (x₂ − x₁, y₂ − y₁)
大きさ a→ の大きさ = √(a₁² + a₂²)
内積 a→·b→ = (a→ の大きさ) × (b→ の大きさ) × cos θ = a₁b₁ + a₂b₂
なす角 cos θ = (a→·b→) ÷ ((a→ の大きさ) × (b→ の大きさ))
垂直の条件 a→·b→ = 0
平行の条件 b→ = ka→(成分なら a₁b₂ − a₂b₁ = 0)
m:n に内分する点 (na→ + mb→) / (m + n)
三角形の重心 (a→ + b→ + c→) / 3
空間 成分を 1 つ増やす。大きさ √(a₁² + a₂² + a₃²)、内積 a₁b₁ + a₂b₂ + a₃b₃

a→ はベクトル a のことで、ノートでは矢印を文字の上に書きます。a₁ と a₂ は a→ の x 成分と y 成分、b₁ と b₂ は b→ の同じものです。x₁、y₁ は点 A の座標、x₂、y₂ は点 B の座標を指します。θ は 2 つのベクトルの始点をそろえて測る角で、0度以上 180度以下。k は実数、O は原点です。内分点と重心の式の a→、b→、c→ は、点 A、B、C の位置ベクトル(O から各点へ向かう矢印)を表します。

よくあるのは、おろしたての数学Cのノートの最初の頁で手が止まる場面です。黒板から写した矢印が 1 本あって、その横に内積の式が 2 通り並んでいる。どちらが定義で、どちらが計算用なのか、写した本人にもわからない。隣の席の子のノートでは、内分点の分子の m と n が逆に見える。次の頁をめくる前に確かめようとして、消しゴムを置いてスマホで検索する。そのとき要るのは長い講義ではなく、上の表と、式が 2 通りある理由です。

公式の一覧

ベクトルは、現在の学習指導要領では数学Cで学びます(以前の課程では数学Bでした)。平面も空間も同じ科目の範囲です。上の表の式を働きごとに 5 つに分け、表に入らなかった決まりを足します。

和・差・実数倍と成分

図1の左は a→ = (3, 1)、b→ = (1, 2) の和です。a→ の先に b→ をつなぐと (4, 3) に着き、これは 2 つの矢印を 2 辺とする平行四辺形の対角線に重なります。右は b→ の実数倍で、2b→ = (2, 4) は同じ向きに 2 倍、-b→ = (-1, -2) は逆向きで同じ長さです。実数倍した矢印は、もとの矢印と同じ直線の上から外れません。平行の条件は、この絵を式にしたものです。

図1 和は平行四辺形の対角線、実数倍は同じ直線の上

大きさ・内積・なす角

垂直と平行

a→ も b→ も 0→ でないときの条件です。0→ には向きが無いので、垂直や平行の話に入れません。

内分点・外分点・重心

点 A、B、C の位置ベクトルを a→、b→、c→ とします。

空間での同じ形

項目 平面 空間
成分 (a₁, a₂) (a₁, a₂, a₃)
大きさ √(a₁² + a₂²) √(a₁² + a₂² + a₃²)
2 点の距離 √((x₂ − x₁)² + (y₂ − y₁)²) √((x₂ − x₁)² + (y₂ − y₁)² + (z₂ − z₁)²)
内積 a₁b₁ + a₂b₂ a₁b₁ + a₂b₂ + a₃b₃
垂直 内積が 0 内積が 0
平行 b→ = ka→ b→ = ka→
内分点・重心 位置ベクトルの式 同じ式

空間で新しく覚える形は、同じ平面の上にあるかどうかの式です。A、B、C が一直線上にないとき、点 P がこの 3 点と同じ平面の上にあるのは AP→ = sAB→ + tAC→ と書けるときです。逆に、平面でしか使えない近道もあります。a₁b₂ − a₂b₁ = 0 という平行の 1 本の式は、空間では足りません。(1, 2, 3) と (2, 4, 7) はこの式を満たしますが、平行ではありません。

なぜこの形になるのか

大きさの式は三平方の定理そのものです。a→ = (a₁, a₂) は横に a₁、縦に a₂ 進む矢印なので、直角三角形の斜辺にあたります。成分が負でも 2 乗するので、式は変わりません。

内積が 2 通りに書けるのは、2 つの式が余弦定理でつながっているからです。cos の形が定義で、成分の形はそこから出る計算の結果です。図2の三角形 OAB で OA→ = a→、OB→ = b→ とすると、辺 AB は AB→ = b→ − a→ です。余弦定理は |b→ − a→|² = |a→|² + |b→|² − 2|a→||b→| cos θ になります。

左辺を成分で書いて展開します。(b₁ − a₁)² + (b₂ − a₂)² = a₁² + a₂² + b₁² + b₂² − 2(a₁b₁ + a₂b₂) です。右辺の |a→|² + |b→|² も a₁² + a₂² + b₁² + b₂² なので、両辺から消えます。残るのは |a→||b→| cos θ = a₁b₁ + a₂b₂ の 1 本だけです。

図2の数で確かめます。a→ = (3, 1)、b→ = (1, 2) なら、成分の形は 3×1 + 1×2 = 5。cos の形は √10 × √5 × cos 45度 = √50 × (1 / √2) = 5 で、一致します。45度 は式だけの結果ではありません。この三角形は OB = AB = √5、OA = √10 で、B が直角の直角二等辺三角形ですから、図からも読めます。

図2 余弦定理で cos の形と成分の形が同じ値になる

垂直と平行の条件は、ここから 1 歩です。cos 90度 = 0 なので、垂直なら内積は 0 です。平行は a₁ : a₂ = b₁ : b₂ という成分の比で、比の式を積に直すと a₁b₂ − a₂b₁ = 0 になります。

内分点は、A から B へ進む途中で止まる点です。線分 AB を m:n に内分する点 P は、AB→ の m / (m + n) だけ進んだ場所にあるので、OP→ = a→ + (m / (m + n))(b→ − a→) です。整理すると (na→ + mb→) / (m + n) になります。図3は A(1, 2)、B(7, 5) を 2:1 に内分した例で、P は (5, 4) です。P は B に近いので、b→ の重みが大きくなります。比の数字が向かいの文字に掛かるのは、このためです。

図3 2:1 の内分点では比の数字が向かいの文字に掛かる

重心は、この式を 2 回使うだけで出ます。重心は中線を 2:1 に内分する点です。BC の中点の位置ベクトルは (b→ + c→) / 2 で、A とこの中点を 2:1 に内分すると (a→ + 2 × (b→ + c→) / 2) / 3 = (a→ + b→ + c→) / 3 です。

空間で同じ形が続くのは、直角が 1 組増えるだけだからです。a→ = (2, 3, 6) の大きさは、底面の対角線が √(2² + 3²) = √13、そこへ高さ 6 を立てて √(13 + 36) = 7 と、三平方の定理を 2 回使って求まります。内積も、2 本の矢印は必ず 1 つの平面に乗るので、上の余弦定理の計算がそのまま通り、積の組が 3 つに増えます。

例題で使い方を確かめる

例題 1 成分と大きさ

a→ = (3, 1)、b→ = (1, 2) のとき、2a→ − 3b→ の成分と大きさを求めてください。

  1. 実数倍を先に計算して 2a→ = (6, 2)、3b→ = (3, 6) とします。実数倍は各成分に掛かるので、矢印を描かなくても数だけで進められるからです。
  2. 成分ごとに引いて (6 − 3, 2 − 6) = (3, -4) とします。矢印の引き算は、成分では x と y を別々に引く計算に置き換わるからです。
  3. 大きさは √(3² + (-4)²) = √25 = 5 です。x 方向と y 方向が直角に交わるので三平方の定理が使え、マイナスは 2 乗で消えます。

答え: 2a→ − 3b→ = (3, -4)、大きさは 5

例題 2 なす角と、垂直・平行の条件

a→ = (1, 2)、b→ = (1, -3) のなす角 θ を求めてください。さらに、c→ = (x, 4) が a→ に垂直になる x と、平行になる x を求めてください。

  1. 内積を成分の形で 1×1 + 2×(-3) = -5 と計算します。角がまだわからないので、cos の形からは入れないからです。
  2. 大きさを |a→| = √5、|b→| = √10 と出します。cos の形に代入する残りの材料がこの 2 つだからです。
  3. cos θ = -5 / (√5 × √10) = -5 / (5√2) = -1 / √2 と整理します。√5 × √10 = √50 = 5√2 とまとめると、有名角の値と見比べやすくなるからです。
  4. θ = 135度 と読みます。θ は 0度以上 180度以下と決まっているので、cos の値から角が 1 つに定まり、負の値なら鈍角です。
  5. 垂直の条件は 1×x + 2×4 = 0 で、x = -8 です。垂直と内積 0 は同じことなので、内積の式を立てるだけで済みます。
  6. 平行の条件は 1×4 − 2×x = 0 で、x = 2 です。x = 2 なら c→ = (2, 4) = 2a→ となり、実数倍の形で確かめられます。

答え: θ = 135度、垂直になるのは x = -8、平行になるのは x = 2

例題 3 内分点と重心

3 点 A(2, 4)、B(-1, 1)、C(5, 4) があります。辺 BC を 2:1 に内分する点 D と、三角形 ABC の重心 G の座標を求めてください。

  1. 点 D は ((1×(-1) + 2×5) / 3, (1×1 + 2×4) / 3) = (3, 3) です。D は C に近いので、C の座標に比の大きい方の 2 を掛けます。
  2. 重心 G は ((2 − 1 + 5) / 3, (4 + 1 + 4) / 3) = (2, 3) です。重心の座標は 3 点の座標の平均なので、足して 3 で割るだけです。
  3. 別の道で確かめます。BC の中点 M は (2, 5/2) で、A と M を 2:1 に内分すると ((2 + 2×2) / 3, (4 + 2×(5/2)) / 3) = (2, 3) です。重心は中線を 2:1 に内分する点なので、2 通りの計算が同じ点に着けば、計算ミスはまず消せます。

答え: D(3, 3)、G(2, 3)

例題 4 空間の 3 点で角と面積を求める

空間の 3 点 A(1, 0, 2)、B(3, 2, 3)、C(5, 0, 6) について、角 BAC の大きさと三角形 ABC の面積を求めてください。

  1. AB→ = (2, 2, 1)、AC→ = (4, 0, 4) を作ります。角 BAC を測るので、2 本の矢印の始点を A にそろえる必要があるからです。
  2. 大きさを |AB→| = √(4 + 4 + 1) = 3、|AC→| = √(16 + 0 + 16) = 4√2 と出します。空間でも成分の 2 乗の和の平方根で、増えるのは項が 1 つだけです。
  3. 内積を 2×4 + 2×0 + 1×4 = 12 と計算します。積の組が 3 つに増えるだけで、手順は平面と同じです。
  4. cos(角 BAC) = 12 / (3 × 4√2) = 1 / √2 より、角 BAC = 45度 です。なす角の式に代入するだけで、図を描かなくても角が決まります。
  5. 面積は (1/2) × 3 × 4√2 × sin 45度 = 6 です。2 辺とその間の角がそろったので、三角比の面積の式がそのまま使えます。

答え: 角 BAC = 45度、面積は 6

まちがえやすいところ

3 つとも、式を覚えていても起きる誤りです。計算の力ではなく、式の読み方で防げます。

始点のそろっていない角を cos に入れる

図4 始点をそろえると AB→ と BC→ のなす角は 120度

内分点の比を同じ側の文字に掛ける

大きさを文字式のようにばらす

覚え方と忘れたときの戻り方

表を丸ごと暗記する必要はありません。式が消えても、次の順に戻れば作り直せます。

  1. 方眼に矢印を 1 本描きます。横と縦の長さが成分で、斜辺が大きさです。ここまでは三平方の定理です。
  2. 内積は a→·b→ = |a→||b→| cos θ から始めます。cos の形が定義なので、ここだけは覚えます。成分の形に自信がなければ、特別な値で確かめます。a→ = (1, 0)、b→ = (0, 1) なら直角なので 0、a→ = b→ なら θ = 0度 で a₁² + a₂² = |a→|² です。両方通れば a₁b₁ + a₂b₂ で合っています。
  3. 内分点の式は、極端な比を入れて係数の位置を決めます。比が 1:0 なら P は B に重なるはずです。(na→ + mb→) / (m + n) に m = 1、n = 0 を入れると b→ になり、合っています。よく使われる覚え方に「比と文字をたすきに掛ける」がありますが、迷ったときに頼れるのはこの確かめの方です。
  4. 重心は「3 点の平均」と読みます。平均なので、足して 3 で割る以外の形にはなりません。
  5. 空間は成分を 1 つ増やすだけです。ただし平行の条件だけは b→ = ka→ で書きます。

練習問題

例題と違う数で、手を止めずに解けるか確かめます。式を書く前に、矢印か点を 1 つ描いてください。

  1. A(-2, 1)、B(4, 7) とします。線分 AB を 1:2 に内分する点 P と、3:1 に外分する点 Q の座標を求めてください。
  2. |a→| = 2、|b→| = 3 で、a→ と b→ のなす角が 60度 です。a→·b→ と |a→ + 2b→| を求めてください。
  3. 空間のベクトル a→ = (2, 1, -1)、b→ = (1, 2, 1) のなす角を求めてください。また、c→ = (x, 1, 3) が a→ に垂直になる x を求めてください。

答えと解説

練習 1 の答えは P(0, 3)、Q(7, 10) です。内分は比 1:2 の 1 が b→ に、2 が a→ に掛かるので、P = ((2×(-2) + 1×4) / 3, (2×1 + 1×7) / 3) = (0, 3) です。外分は a→ の係数にマイナスが付き、Q = ((-1×(-2) + 3×4) / 2, (-1×1 + 3×7) / 2) = (7, 10) です。AQ→ = (9, 9)、BQ→ = (3, 3) で長さの比が 3:1 になることまで確かめると、符号の誤りを拾えます。

練習 2 の答えは a→·b→ = 3、|a→ + 2b→| = 2√13 です。内積は 2 × 3 × cos 60度 = 3 です。大きさは 2 乗してから展開し、|a→ + 2b→|² = |a→|² + 4a→·b→ + 4|b→|² = 4 + 12 + 36 = 52 となるので、平方根を取って √52 = 2√13 です。成分が与えられていなくても、大きさと内積さえわかれば計算できます。

練習 3 の答えは、なす角 60度、x = 1 です。内積は 2×1 + 1×2 + (-1)×1 = 3、大きさはどちらも √6 なので、cos θ = 3 / (√6 × √6) = 1/2 です。垂直の条件は 2x + 1 − 3 = 0 で、x = 1 となります。平面の問題と比べて、増えたのは積の組が 1 つだけです。

次に確かめる公式

個別指導でつまずきを確かめるときは、矢印が描けるか、cos 120度 の値が言えるか、三平方の定理で斜辺が出せるかまで戻ります。内積で止まって見えても、止まっている場所は三角比であることが少なくありません。

まとめ

ノートの最初の頁に要るのは、式の羅列ではありません。矢印を描き、成分を読み、始点をそろえて角を測る。この 3 つの動作が手についた人にとって、上の表はときどき見返すだけの 1 枚になります。動作を飛ばして式だけ増やしても、問題の図の前でまた手が止まります。矢印を 1 本描けない式は、まだ自分の公式ではありません。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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