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中学生の英語の発音練習—音を一つずつ直すと何が変わるか|武蔵野個別指導塾
発音を直す場所を一つに絞り、単語から短い文へつなぐ練習を具体化します。単語だけで出せた音と文の中で使えた音を録音で聞き分け、声全体への評価を一音の課題へ絞る方法です。

中学生の英語の発音練習—音を一つずつ直すと何が変わるか
自分の声を聞いて、どこから直すか迷ったら
よくあるのは、洗面所の鏡で口の動きを確かめていた中学生が、録音した自分の英語を聞き、「全部変に聞こえる」と声を小さくしてしまう場面です。原稿の意味はわかり、単語も読めます。それでも、手本の音声と比べると違いばかりが気になり、もう一度読む前に立ち止まってしまいます。
こんなとき、「もっと英語らしく」と注文されても、次に口をどう動かせばよいかはわかりません。聞いている保護者も、励ましたい気持ちと、間違いをそのままにしてよいのかという迷いの間にいるかもしれません。必要なのは、声全体への評価を、練習できる大きさに切り分けることです。
今日は単語の初めの音、次は単語の終わりというように、確かめる場所を一つ決めます。そのうえで、単語だけで出せた音を短い文の中でも使ってみます。発音の練習では、この小さな往復を学習の単位にしてください。「前よりきれいか」という漠然とした問いを、「選んだ音を文でも出せたか」という答えられる問いに変えていきましょう。

一つの音の改善と、話全体の伝わり方を分けて考える
発音という言葉には、いくつかの内容が含まれます。単語の中の子音や母音、単語のどこを強く言うか、文の中でどの言葉を目立たせるか、意味のまとまりをどこで区切るかです。これらをまとめて「発音が苦手」と呼ぶと、練習の入り口が見えにくくなります。まず、自分が直したいのはどの部分なのか、音声の中の位置を指せるようにします。
発音は、練習や指導によって変化を期待できる学習内容です。発音指導に関する86の報告をまとめた分析では、指導の効果は全体として大きく、指導期間が長い場合や、発音へのフィードバックがある場合に効果が大きい傾向が示されました(Lee・Jang・Plonsky、2015)。フィードバックとは、出した音について、どこがどう聞こえたか、次にどこを調整するかを返してもらうことです。
ここから練習を考えると、ただ同じ回数を読むだけで終えるのは惜しいところです。手本と自分の声を聞き、違いのある場所を選び、その場所について助言を受け、もう一度言って確かめる。この流れなら、発音を直す作業が具体的になります。「頑張って読む」という目標にも、何を変えて読むのかという中身を持たせられます。
一方、用意された単語を注意深く読むことと、自分で内容を考えながら話すことは、同じ課題ではありません。単語だけなら口の動きに集中できますが、発表では次の内容や文のつながりも考えます。単語で練習した音が文になると出しにくい場合には、「単語の練習をやり直すべきだ」と急いで決めず、どの長さから難しくなるかを探してみてください。
1982〜2017年の発音指導の77研究を分析した報告では、特定の音やリズムを意識して発音する場面で、指導の効果が特に見えやすいことが示されています(Saito・Plonsky、2019)。両分析は複数の学習者集団を含む研究群を対象としており、日本の中学生だけの結果とは扱えず、とくに自由に話した際の全体的な印象への効果については慎重に捉える必要があります。家庭ではこの点を踏まえ、単語での変化と、話す中での変化を別々に記録するとよいでしょう。
たとえば、fishの初めの音を練習したら、単語で言えたかを確かめた後に、I like fish.と話します。さらに、好きな食べ物について自分で答えるときにも使ってみます。単語、用意した文、自分で作る答えという順に、練習の条件を変えていくわけです。最後の段階で難しくなったことも、次の練習場所を教えてくれます。
目標も分けておきましょう。選んだ音を出すことと、相手が言いたい言葉を受け取ることは、両方とも確かめたい点です。音だけに注意が向き、文の途中で何度も止まるなら、短いまとまりに戻して練習します。最後には文を終わりまで話し、何を伝えたかったかも振り返ります。音の修正を、伝えたい内容のある発話に戻すところまでを一組にしてください。
今日の練習を、聞く・直す・文で使うに区切る
最初の2分で、材料と目標を決める
手元に、学校で学んでいる英文、その内容に対応する音声、書き込み用の紙を用意します。録音できる機器があれば、自分の声も残します。長い文章を探す必要はありません。意味がわかり、無理なく言える短い文を選ぶと、発音を確かめる時間を取りやすくなります。音声の再生場所を先に決め、探す作業と練習する作業を分けておきましょう。
教材の使い方は、目的に合わせて変えます。まず本文を読み、何を伝える文かを確かめます。次に対応する音声を聞き、気になる単語に丸を付けます。さらに辞書に音声があれば、その単語だけを聞いて、文の中では聞き取りにくかった部分を確かめます。本文、文の音声、単語の音声にそれぞれ役割を持たせると、手本を聞くたびに注目する点が定まります。
目標は「発音をよくする」から一段具体的にします。「fishの初めを確かめる」「bagの終わりに余分な音を足していないか聞く」「好きなものの名前を文の中ではっきり言う」などです。今日はこの中から一つだけ選びます。ほかにも気になるところがあれば、紙の端に残して後日に回してください。一度の練習で直す場所を増やしすぎないためのメモです。
次の2分で、聞く場所を狭める
初めに手本を一度聞き、文の意味を思い浮かべます。次に、選んだ単語のある部分だけを聞きます。最後に、今日の目標の音が単語のどこにあるか、指で示しながら聞いてください。「全部まねする」から「この部分を聞く」へ、耳の向け先を狭めます。音を聞く前にカタカナを全文に振るより、英語の文字と実際の音声を往復する時間を取ります。
音の違いをうまく言葉にできなければ、「初め」「真ん中」「終わり」と場所を残すだけでも構いません。「手本はここで息の音が聞こえる」「自分は終わりが長くなる気がする」といったメモも使えます。この時点の気づきは、あとで確かめるための候補です。自分の聞き方が合っているか迷ったら、その部分を質問できるように印を付けておきましょう。
聞くだけで時間を使い切ると、実際に音を出す段階まで進めません。区切りが来たら、今日わかったことを一つだけ紙に書いて次へ移ります。どうしても違いをつかめない日は、音声の場所を記録し、意味のわかる文をゆっくり読むところまでにしてもよいでしょう。次に聞くべき場所が残れば、練習の続きを始めやすくなります。
聞き分けを確かめるときには、知っている単語の音声を聞き、文字を見る前にどの単語かを考える方法もあります。意味やつづりを見て推測したのか、音から選べたのかを分けて振り返ってください。文字を隠すと迷うなら、まず音声と単語を結び直します。聞けば選べるのに、自分で言うと違いが出ないなら、次は口の動きを確かめます。聞く練習と話す練習を別々に試すことで、ただ「苦手」としていた箇所をもう少し詳しく説明できます。
続く3分で、口の動きと出た音を照らす
fishの初めの音を練習するなら、上の前歯を下唇に軽く当て、間から息を出す動きを試します。強くかんだり、唇を押しつぶしたりする必要はありません。鏡では歯と唇の位置を見て、耳では出た音を聞きます。形を作れたことと、手本に近い音が出たことを分けて確かめてください。鏡に正しい形が映ったように見えても、録音でも聞いてみましょう。
初めの音を短く試したら、fishという単語に戻します。その後にI like fish.と言って、前後の言葉とつなげます。ここでまた難しくなったら、like fishだけを言い、それから文全体に戻します。音を取り出して終わるのではなく、単語や文に戻る道筋を作ることが、この練習の中心です。口の説明を覚えること自体を終点にしないようにしてください。
単語の終わりが目標なら、bagを聞いてから自分で言い、余分な母音を加えていないか比べます。次にThis is my bag.と短い文で使います。終わりを強調しようとして文全体を不自然に遅くした場合は、いったん単語へ戻り、無理のない速さでつなぎ直します。音を大きくすることだけで解決しようとせず、手本の終わり方に耳を向けます。
意味を伝えるまとまりを練習したい日は、I play tennis after school.などの既習の文を使えます。前半と後半を別々に言ってから、文としてつなげます。ただし、初めの音を直す日には、強弱や区切りまで同時に採点しません。練習材料は同じでも、その日に確かめる観点は一つに保ちます。声や口が疲れたら、続けて押し切らず、聞く作業に切り替えてください。
最後の3分で、録音と自分の答えを確かめる
練習前と練習後に、同じ文を録音して比べます。機器との距離や話す場所をできるだけそろえると、音量の違いに気を取られにくくなります。聞くときは今日の目標に印を付け、その場所だけを比べます。「声が好きではない」といった感想が出ても、いったん横に置いて、選んだ音について何が聞こえるかに戻りましょう。
自分で確かめる方法は、録音の比較だけではありません。鏡で口の動きを確認する、英文を伏せて同じ内容を言う、少し時間を置いて手本なしでもう一度言う、という方法もあります。鏡は動き、録音は出た音、英文を伏せた発話は使い直せるかを見るために使います。方法ごとにわかることを分けると、一つの結果だけで練習全体を判断せずに済みます。
最後は、自分への質問に答えます。fishを練習したなら、What food do you like?を見て、自分の好みに合う答えを話してください。本当に魚が好きならI like fish.と答えられます。別の食べ物が好きなら、魚の絵を見て名前を言うなど、練習した単語を使う別の課題に切り替えます。練習のために自分の好みまで変える必要はありません。
紙には「単語では言えた」「文では途中で止まった」「手本なしでは迷った」のように、できた条件を残します。翌日はまず昨日の文を言い、難しかった段階から始めます。紹介した時間の区切りは、家庭で取り組む際の目安です。短く終える日も、目標を決める、音を出す、確かめるという流れを残してください。長さを保つことより、何を練習したかを説明できる形を目指します。
翌日に同じ音を試すときは、手本を聞く前の発話も一度残しておきます。聞いた直後には言えた音を、時間を置いても使えるかを見るためです。前日より言いにくくても、すぐに目標を増やさず、短い語句に戻して確かめます。手本なしの文でも落ち着いて言えたら、同じ単語を含む別の既習の文を選びます。bagならThis is my bag.からMy bag is blue.へ移すといった進め方です。文を変えたときの難しさも記録し、同じ文だけが言える状態と区別しておきましょう。

個別指導で確かめたい、直す順番と家庭との分担
最初に聞いてほしいのは、苦手な音の一覧ではなく実際の声
発音について相談するときは、「全体的に苦手です」に加えて、困っている単語や短い文を持っていくと話が具体的になります。録音を残していれば、「単語では出せたが、この文では言いにくかった」と聞いてもらいたい場所を示せます。録音がなくても、その場で同じ言葉を言えれば十分です。自分の苦手を専門用語で説明できる必要はありません。
相談先では、まず音を聞き分ける段階で迷うのか、口の動きを作る段階で困るのか、文につなぐ段階で崩れるのかを見てもらいたいところです。たとえば、手本の違いがつかめないのに、同じ単語を何度も読む課題だけを増やしても、本人は何を変えるか迷います。反対に、単語では安定しているなら、短い文で使う課題へ進む相談ができます。
すべての音を同時に直す計画を立てるより、本人が近く使う言葉の中から、優先する箇所を選んでもらいましょう。好きなものを紹介する発表なら、その名前の音を取り上げると、練習の目的を本人もつかみやすくなります。武蔵野個別指導塾に相談する場合も、直す音の選び方や、単語から発表へ戻す練習を、体験授業や面談で確かめてください。
助言は、次の一度に試せる言葉で受け取る
「もう少し自然に」と言われた場合は、「どの単語の、どの部分ですか」と聞いてみてください。「口を大きく」という助言にも、どの音で、どの動きを変えるのかを添えてもらえると、自分で試せます。助言を聞いた直後に言い直し、意図した変化が出たかまで確かめると、帰宅後の練習につながります。説明を理解しただけの状態と、自分で再現した状態を分けておきましょう。
発表を通している途中で毎回止められると、内容を伝える練習が途切れます。相談時には、音を取り出して直す時間と、文を終わりまで言う時間をどう分けるかも尋ねてください。通して話した後に目標の音だけ振り返る方法なら、本人も何に注意して話すのかを整理できます。訂正を受ける量についても、「今日はここまで」と本人が把握できる形が望ましいでしょう。
直し方が合っているかは、助言の詳しさだけでは判断しにくいものです。短い説明を聞いた後、自分で一度試せるか、手本なしで言えるか、文に戻せるかを確かめてください。練習を増やす前に、このどこで止まっているかを伝えます。「できません」だけでなく「説明を聞くとできるけれど、一人では迷います」と言えると、必要な支援を相談しやすくなります。
家庭は、採点を背負わず練習の条件を整える
保護者が英語の発音を細かく判定する必要はありません。家庭で持ちたい役割は、お子さまが短い時間でも声を出せる場所を整え、今日の目標を聞き、練習が終わったところを見届けることです。音の正しさに自信がない場合は、「前と後で何を変えてみたの」と尋ねてください。本人の説明を聞くことで、練習がただの読み直しになっていないかを一緒に振り返れます。
お子さまから聞き手を頼まれたときは、先に答えを見せてもらわず、聞こえた言葉を伝える方法があります。ただし、知らない単語は無理に判定せず、聞こえたままを返します。「今は最後が聞き取りにくかった」と位置を伝えれば、次に確かめる場所になります。家族の反応だけを合否のように扱わず、学校や相談先で聞いてもらう材料として残しましょう。
進み具合は、できた条件を短く並べる
記録には日付、目標、試した文、結果、次に聞きたいことを残します。たとえば「fishの初め。単語は手本なしで言えた。I like fish.では一度止まった。文につなぐときの口の動きを聞きたい」と書きます。点数を付けなくても、どの段階まで進んだかが読み取れます。毎回長く書く必要はなく、同じ観点で見返せる短さにしてください。
相談時に伝える内容も、この記録にそろえられます。「今週は発音を頑張った」だけでなく、「単語では言えるが、質問に答えるときには迷う」と伝えます。次は質問への答えでも使えたかを見る、と確認点を決められます。家庭と教える側が同じ音、同じ文、同じ条件を話題にすると、お子さまも何を続ければよいかをつかみやすくなります。
記録を見返す際には、できた回数だけでなく、どんな助けを使ったかも見ます。「手本を聞いてから」「文字を見ながら」「文字を伏せて」の違いを短く添えておくと、同じ文でも取り組み方の変化を追えます。昨日は手本の直後だけ言えた文を、今日は文字だけで言えたなら、その違いを本人に返してください。「上手になったね」という感想に「今日は手本を聞かずに言えたね」を添える形です。次の相談にも、その条件を伝えれば、発音の変化を確かめる課題を選ぶ手がかりになります。
発音練習で迷いやすい3つのこと
Q. 日本語らしい響きが残ると、全部やり直しですか
声全体をやり直すと考えるより、どの言葉が相手に届きにくかったかを一つずつ確かめてください。「自分の声が手本と違う」という感想だけでは、修正する場所が決まりません。好きなものの名前が聞き取ってもらえたか、その単語の初めと終わりはどうだったか、と問いを狭めると、次の練習を選べます。
同時に、言いたい内容が伝わった点も残しましょう。音を直す練習をしながら、伝えられたことを確かめて構いません。家庭での発音の目標は、その日の練習で試せる具体的な言葉に置き直します。
Q. 聞こえるまで同じ音を何度も練習すればよいですか
繰り返す前に、何を変えて試すかを決めましょう。音を聞く、口の動きを試す、録音を比べるという流れがあると、前の一度と次の一度の違いを意識できます。同じ読み方を続けていると感じたら、回数を増やす前に手本へ戻るか、質問したい場所に印を付けてください。
また、単語だけを繰り返した後には、短い文で使う時間を残します。単語が言えた日は、その変化を記録したうえで、文の中でも試します。文でうまくいかなければ、単語と文の間に短い語句を挟んでみます。練習の回数だけを達成の基準にせず、どの長さなら使えたかを確認しましょう。
Q. 録音すると自分の声が気になり、練習したくなくなります
最初から発表全体を録音する必要はありません。目標の単語か短い文だけを残し、聞く場所も決めておきます。再生したら、今日の音について一つ気づきを書いて終えましょう。録音は声全体を評価するためではなく、次に試すことを見つけるために使います。
それでも取り組みにくい日は、鏡で口の動きを確認し、手本を聞いて短く言う練習に替えても構いません。録音を家族に聞かせるかどうかも、お子さまと相談してください。本人が選んだ短い部分から始め、何を聞いてほしいかを自分で伝えられる形にすると、振り返りの目的を保ちやすくなります。
直した音を、自分の言葉に戻して終える
発音を練習する日は、最初に一つの場所を選び、手本を聞き、自分で音を出して確かめます。そして最後に、短い文の中へ戻します。単語でできたこと、文でもできたこと、手本なしでは迷うことを分ければ、次の日に始める場所が見えてきます。
保護者は、お子さまの声を丸ごと評価する代わりに、「今日はどこを試したの」と聞いてみてください。本人が練習した場所を指し、前後の違いを言葉にできたら、それも振り返りの手がかりです。迷う音は短い文と一緒に残し、教える人に具体的に聞ける形にしておきましょう。
口の形を整えた先には、伝えたいことを自分の声で言う時間があります。fish の音を確かめたら、I like fish. と自分の好みを伝える文に戻して、練習した音を会話に生かせます。
参考文献
- Lee・Jang・Plonsky(2015)発音指導の効果に関するメタ分析。https://doi.org/10.1093/applin/amu040 – Saito・Plonsky(2019)発音指導の効果と測定方法に関する分析。https://doi.org/10.1111/lang.12345
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