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【中学受験社会】地方自治と税金 財政を図解で総まとめ—住民の権利 地方財政 税の種類 予算|武蔵野個別指導塾

【中学受験社会】地方自治と税金 財政を図解で総まとめ—住民の権利 地方財政 税の種類 予算のアイキャッチ 武蔵野個別指導塾
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住民と首長・議会の関係を図で整理し、直接請求の署名数や地方税の割合を例題で確かめます。予算を決める手順から社会保障の役割まで、家庭で説明するための問いを添えました。

よくあるのは、学習発表会の練習の合間の音楽室で、「市の仕事」を紹介する台本を読み、「市長が決めるのなら、市議会は何をするの」と手が止まる場面です。校舎を直すお金についても、税金、市の予算、国から来るお金という言葉が並ぶと、同じお金の別名のように見えてしまいます。用語だけを覚えても、誰がどこで判断するのかが見えなければ、説明は途中で止まります。

地方自治と財政は、暮らしに必要な仕事を、誰の意思で、どのお金を使って進めるかを考える単元です。住民から代表者へ向かう矢印と、国から地方公共団体へ向かうお金の矢印を分けると、仕組みを追いやすくなります。さらに、予算表の金額を割合に直せば、地域による財源の違いも読み取れます。お子さまが「名前を知っている」段階から、「その制度が必要な理由を説明できる」段階へ進めるよう、図と問題を順に結びつけていきましょう。

この単元で身につけること

小学校で学ぶごみ処理や消防などの公共の仕事が、この単元の出発点です。憲法で学ぶ国民主権や生存権は、「住民の意思をどう反映するか」「生活をどのように支えるか」という具体的な制度につながります。算数の割合も使いますが、先に何を全体とするかを決めることが読み取りの中心になります。

基本の考え方

地域の政治は、住民・首長・議会の関係で捉えます

都道府県や市町村などを地方公共団体、または地方自治体といいます。地方自治とは、地域の政治を、その地域の住民の意思に基づいて行うことです。住民が政治に参加する面を住民自治、地方公共団体が国から一定の独立性を持って仕事を行う面を団体自治と呼びます。どちらも「国とは無関係に何でも決めてよい」という意味ではありません。法律の範囲内で、地域の事情に合う判断をする仕組みです。

市町村は、ごみ処理や住民票に関する事務など、住民の生活に近い仕事を担います。都道府県は、複数の市町村にまたがる広い範囲の仕事や、市町村を支える仕事を担います。たとえば警察は都道府県が担う代表的な仕事です。ただし、同じ道路や教育の仕事でも、施設の種類や制度によって担当が分かれます。「教育はすべて市町村」と、分野名だけで一括りにしないことが大切です。

地方公共団体の長を首長といい、都道府県知事や市町村長がこれにあたります。首長は予算案を作って地方議会に提出し、議決された予算に基づいて行政を進めます。地方議会は、予算や条例を審議して議決し、行政が適切に行われているかを確かめます。条例とは、地方公共団体が法律の範囲内で定める地域のきまりです。条例を定めることと、国会が法律を定めることを対応させて覚えましょう。

図1のように、住民は首長と地方議会の議員をそれぞれ直接選びます。この仕組みを二元代表制といいます。国の内閣総理大臣は国会が指名するので、地方の首長の選び方とは異なります。「議会があるから、議会が首長を選ぶはず」と推測せず、矢印の出発点を住民に置いてください。

図1 住民が首長と地方議会の議員をそれぞれ選ぶ仕組み

図1では、下側の矢印が首長と議会の間を結んでいます。首長が予算案を提出し、議会が審議・議決するという関係です。住民の意思は選挙で代表者に伝えられ、その代表者どうしが異なる役割を担います。市長だけで使い道を決める仕組みでも、議会が日々の行政をすべて実行する仕組みでもありません。

住民の参加は選挙だけに限りません。一定の条件で署名を集め、条例の制定や改廃などを求める直接請求があります。改廃とは、改めること、または廃止することです。学習では次の対応を基本にします。

直接請求の内容 必要な署名数の基本 請求先
条例の制定・改廃 有権者の50分の1以上 首長
事務の監査 有権者の50分の1以上 監査委員
議会の解散 有権者の3分の1以上 選挙管理委員会
首長・議員の解職 有権者の3分の1以上 選挙管理委員会

有権者とは選挙権を持つ人です。表の3分の1は、有権者が40万人以下の場合の基本で、これを超える場合には必要数の計算に特別な定めがあります。また、地方税の賦課徴収など、条例の制定・改廃の直接請求の対象から除かれるものもあります。問題では対象と人数の条件を読み、人口全体で計算しないようにします。

署名が必要数に達しても、要求がそのまま実現するわけではありません。条例の制定・改廃では首長が意見を付けて議会にかけ、議会が判断します。議会の解散や首長・議員の解職では、請求が成立した後に住民の投票が行われます。解職を求めることはリコールともいいます。なお、表の事務の監査と、財務上の違法・不当な行為などについて住民が行う住民監査請求は別の制度です。住民監査請求は1人でも行えるため、「監査なら必ず50分の1」と広げないでください。

税金は、納め先と負担の仕方を分けて考えます

国や地方公共団体がお金を集め、公共の仕事に使う活動を財政といいます。道路や消防などは、その場で利用する人だけに費用を求める方法では支えにくい仕事です。税金は、このような公共サービスを社会全体で負担するための重要な財源です。日本国憲法では納税が国民の義務の1つとされています。ただし、集めたお金を自由に使ってよいわけではなく、予算を通じて使い道を決めます。

国に納める税を国税、地方公共団体に納める税を地方税といいます。所得税、法人税、消費税などは国税の代表です。住民税や固定資産税などは地方税の代表です。固定資産税は土地や家屋などの固定資産にかかります。住民税には都道府県民税と市町村民税があり、「地方税は全部市に納める」とは限りません。

もう1つの分け方が、直接税と間接税です。税を負担する人と納める義務のある人が同じ税を直接税、異なる税を間接税といいます。所得税や住民税は直接税です。消費税では消費者が負担し、事業者が納めるため、間接税に分類します。店で消費者が代金と一緒に払うことと、事業者が税として国などに納めることを分けると、違いが見えます。

納め先による区分 直接税の例 間接税の例
国税 所得税・法人税・相続税 消費税・酒税・関税
地方税 住民税・固定資産税 地方消費税

買い物で負担する消費税等には、国税の消費税と地方税の地方消費税が含まれます。この表では名称を区別しています。「消費税は国税」という基本事項と、「買い物で払う税には地方の分も含まれる」という説明は両立します。分類問題では、問われている正式な税の名前を確かめましょう。

所得税では、所得が高くなるにつれて高い税率が適用される累進課税の仕組みがあります。ただし、高い税率が所得全体に一度にかかるという意味ではありません。一定の区切りを超えた部分に、その区分の税率がかかります。中学受験では細かな税額計算よりも、負担する力に応じて税を負担する考え方と結びつけて理解することが中心です。

予算と社会保障は、集めたお金の先にあります

一定期間に入るお金を歳入、出ていくお金を歳出といいます。予算は、これからの歳入と歳出の見積もり・計画です。決算は、実際の収入と支出をまとめた結果です。国の会計年度は4月1日から翌年3月31日までなので、1月から12月の暦年と混同しないようにします。

国の予算は内閣が作成して国会に提出し、国会が審議・議決します。予算の審議では衆議院の優越が認められています。「作成するのは内閣、決めるのは国会」という役割分担を先に固め、その後に衆議院と参議院の関係を重ねます。予算に従って行政を進めた後の決算は会計検査院が検査し、内閣が検査報告とともに国会へ提出します。事前の計画と事後の点検がつながっているのです。

国の歳入には税収のほか、国債を発行して得る公債金などがあります。国債は国の借金にあたり、将来の返済や利子の支払いが必要です。歳出には、社会保障関係費、公共事業関係費、文教及び科学振興費、国債費などがあります。国債費は、国債の返済や利払いなどに使うお金です。国債を発行して入るお金と、返すために出ていくお金を、同じ欄に入れないようにします。

地方の歳入には、地方税のほか、地方交付税交付金、国庫支出金、地方債などがあります。地方交付税交付金は、地域の税収などの違いを調整し、必要な行政サービスの財源を保障するために国から地方へ配分されるお金です。使い道は特定されていません。国庫支出金は、特定の事業などについて国が負担・補助する、使い道が定められたお金です。地方債は地方公共団体の借金であり、地方税とは性質が異なります。

社会保障は、病気、老後、生活上の困難などに対して、人々の暮らしを社会全体で支える仕組みです。社会保険、社会福祉、公的扶助、公衆衛生の4つを基本に整理します。年金や医療保険は社会保険、子どもや障害のある人などへの支援は社会福祉、生活保護は公的扶助、感染症の予防などは公衆衛生の例です。公衆衛生を「保健医療・公衆衛生」とまとめる場合もあります。

社会保障の費用はすべて税金だけでまかなわれるわけではなく、保険料なども使われます。また、社会保障は高齢者だけを対象とするものではありません。病気や子育てなど、さまざまな年代に関係します。少子高齢化について説明するときは、単に「高齢者が増える」と書くのではなく、必要な給付と、それを支える負担をどう両立させるかという課題につなげます。

例題で解き方を確かめる

例題1 市長と市議会の仕事を対応させます

ある市で、公共施設を修理する費用を次の年度の予算に入れることになりました。市長と市議会のうち、予算案を作って提出するのはどちらで、審議して議決するのはどちらですか。また、市長と市議会の議員を選ぶのは誰ですか。

  1. 問題の動詞を「作って提出する」「審議して議決する」に分けます。同じ予算に関わっていても、段階ごとに担当が異なるためです。
  2. 図1の下側の矢印をたどります。予算案を提出する側が市長、審議して議決する側が市議会だと対応させます。
  3. 図1の上側の矢印の出発点を確かめます。両方とも住民から矢印が出ているので、議会が市長を選ぶという答えを避けられます。

「市長は市の代表だから全部決める」という説明では、議会の役割が消えてしまいます。一方、議会が予算を議決しても、議員が直接工事を実行するわけではありません。予算を決める段階と、行政として実行する段階まで分けると、似た選択肢も判断できます。

答え:提出は市長、審議・議決は市議会で、両方をそれぞれ住民のうち選挙権を持つ人が直接選びます。

例題2 直接請求に必要な署名数を求めます

有権者が18,000人の市で、公園利用に関する条例の制定を直接請求します。必要な署名は最低何人分ですか。また、同じ市で市長の解職を直接請求する場合は最低何人分ですか。必要な割合は、条例の制定が有権者の50分の1以上、市長の解職が3分の1以上とします。

  1. 基準となる人数が有権者18,000人であることを確認します。市の人口や、前回の選挙で投票した人数を使う問題ではないからです。
  2. 条例の制定に対応する割合を選び、18,000÷50=360と計算します。何についての請求かを確かめてから割る数を決めます。
  3. 市長の解職について18,000÷3=6,000と計算します。条例を求める場合と解職を求める場合では、必要な割合が異なります。
  4. 「以上」という条件を確認します。最低人数を聞かれているので、求めた境目の人数そのものを答えます。

署名数は請求のための条件です。360人分の署名がそろった時点で、新しい条例が成立するわけではありません。条例は首長を通じて議会で審議されます。解職の請求も、署名がそろえば直ちに市長を辞めさせられるという意味ではなく、その後の投票と区別します。

答え:条例の制定は360人分、市長の解職は6,000人分です。

例題3 地方税の金額と割合を読み分けます

A市とB市の歳入を、計算練習用に次のように設定します。実際の自治体の決算ではありません。図2は地方税の額だけを同じ縮尺で示した棒グラフです。地方税の金額が大きい市と、歳入総額に占める地方税の割合が高い市を、それぞれ答えてください。

歳入の内訳 A市 B市
地方税 60億円 50億円
地方交付税交付金 20億円 10億円
国庫支出金 20億円 10億円
地方債 10億円 5億円
その他 10億円 5億円
歳入総額 120億円 80億円

図2のように棒の長さを比べると、地方税の金額はすぐ判断できます。ただし、図の縦軸は割合ではなく金額です。歳入総額が違う市どうしの割合を、棒の長さだけで決めることはできません。

図2 歳入総額が異なる二つの市の地方税額の比較
  1. グラフの項目と単位を読みます。縦軸は億円なので、A市60億円とB市50億円の金額を比べる図だとわかります。
  2. 金額は60>50なので、A市が大きいと判断します。この段階では割合についての答えは出しません。
  3. それぞれの地方税を、それぞれの歳入総額で割ります。A市は60÷120×100=50%、B市は50÷80×100=62.5%です。
  4. 計算した割合を比べます。62.5%は50%より高いので、割合が高いのはB市です。

割合を求めるときの全体は、2市を合わせた200億円ではありません。「各市の歳入総額に占める」と聞かれているため、市ごとに全体を置きます。また、割合の高さだけで行政サービスの良し悪しは決められません。人口や仕事の内容など、この表にはない条件も関わるからです。

答え:地方税の金額はA市が大きく、地方税の割合はB市が高いです。割合はA市50%、B市62.5%です。

例題4 国の予算と社会保障を結びつけて説明します

次の文のア・イを埋め、ウの問いに答えてください。「国の予算を作成して国会に提出するのはアで、審議・議決するのはイです。医療や年金などを支える社会保障関係費も、国の歳出に含まれます。」ウは、「社会保障が高齢者だけの制度ではない理由」を、具体例を1つ入れて説明する問題です。

  1. ア・イは国の制度なので、地方の市長・市議会から切り替えます。似た役割分担でも、機関の名前は同じではないためです。
  2. 「作成・提出」と「審議・議決」を分け、内閣と国会を対応させます。単に「政治を行うところ」と覚えると、この区別が崩れます。
  3. ウでは、年齢を問わず関わる病気や、子どもに関係する支援を考えます。「いろいろな人を助ける」だけでは具体例が不足するため、医療保険や子育て支援などを選びます。
  4. 具体例の後に、問いの結論をつなぎます。「子どもや働く世代も支える」と書けば、高齢者だけではない理由が明確になります。

記述では、制度名を多く並べることよりも、例と理由がつながっていることを確かめます。医療保険の説明に「税金だけを使う」と付け足すと、保険料の役割が抜けてしまいます。問われた理由に必要な情報を選んで書きましょう。

答え:アは内閣、イは国会です。ウは、医療保険による病気への備えなど、子どもや働く世代の生活も支えるからです。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 直接税と地方税を同じ仲間として扱います

誤った書き方は、「住民税は地方税なので、直接税ではありません」です。どこが違うかというと、納め先と負担の仕方という別の分類を、1本のものさしに重ねています。「国税か地方税か」と「直接税か間接税か」は、それぞれ答える必要があります。

正しい書き方は、「住民税は地方税であり、直接税です」です。直すときは、税の名前の横に「納め先」「負担者と納税者」の2欄を作ります。住民税なら前者は地方公共団体、後者は同じ人です。名前に「地方」が付くかどうかだけで直接税・間接税を判断しないようにします。

なお、所得税が給与から差し引かれて納められる場合でも、それを理由に間接税とはしません。会社が納付の手続きを担うことと、税の負担者・納税義務者の関係による分類は別です。「自分の手で窓口へ持っていく税が直接税」という覚え方は避けましょう。

誤り2 国から地方へ届くお金は全部同じだと考えます

誤った書き方は、「地方交付税交付金は、国が使い道を指定して渡すお金です」です。どこが違うかというと、国庫支出金の特徴と入れ替わっています。どちらも国から地方へ届くため、出発点だけでは区別できません。

図3のように、行き先が同じでも矢印を分けて確認します。上側が使い道を特定しない地方交付税交付金、下側が使い道を定める国庫支出金です。矢印の太さは金額の大小を表していません。

図3 国から地方へ届く二つの財源と使い道の違い

正しい書き方は、「地方交付税交付金は使い道が特定されず、国庫支出金は使い道が定められています」です。図3を隠して説明するなら、国から地方へ矢印を2本描き、使い道の条件を書き添えます。「自由」とだけ覚える場合も、自治体が個人的な目的で使える意味ではなく、公共の仕事の予算として判断することを忘れないでください。

誤り3 歳入に入っていれば、すべて税収だと考えます

誤った書き方は、「国債を発行すると税収が増え、返済する必要はありません」です。どこが違うかというと、歳入という大きなまとまりと、その内訳である税収を混同しています。国債を発行して得た公債金は歳入になりますが、税収ではなく借りたお金です。

正しい書き方は、「国債の発行による公債金は歳入の一部ですが、借金なので返済や利払いが必要です」です。地方債でも同じ区別をします。例題3のA市なら、歳入総額120億円のうち地方債は10億円です。「総額が120億円だから地方税も120億円」とする答案は、表の合計欄と内訳の区別まで戻って直します。

借金の有無だけで政策を評価するのではなく、何のために使い、将来どのような負担が生じるのかを読む姿勢が必要です。たとえば長く使う公共施設では、建設時の支出と後の返済の関係が問われます。資料からわかる範囲を超えて「借金が多いから必ず失敗」と断定しないようにしましょう。

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練習問題

練習1

「市長は市議会の議員が選び、市の予算は市長だけで決める」という文の誤りを2か所直してください。その際、市長と議員の選び方、予算案の提出、予算の議決という3つの内容を含めます。国の内閣総理大臣の選び方と混ぜずに説明しましょう。

練習2

有権者が12,600人の市で、事務の監査を直接請求します。必要な署名を有権者の50分の1以上とすると、最低何人分が必要ですか。また、請求先を答えてください。住民監査請求ではなく、署名を集める直接請求として考えます。

練習3

C市の歳入総額は90億円、地方税は36億円、地方債は9億円です。地方税と地方債は、歳入総額のそれぞれ何%ですか。また、この市が歳入のうち将来返済する必要のあるお金として示している項目は何ですか。金額と割合を区別して答えましょう。

練習4

次の4項目を答えてください。アは所得税と住民税をそれぞれ国税・地方税に分類します。イは国税の消費税を直接税・間接税に分類します。ウは国の予算を作成する機関と議決する機関を順に書きます。エは生活保護が社会保障の4つの基本区分のどれにあたるかを答えます。

答えと解説

練習1の答えは、「市長も市議会の議員も、住民のうち選挙権を持つ人がそれぞれ直接選びます。市長が予算案を提出し、市議会が審議して議決します」です。前半では矢印の出発点を、後半では予算の段階を直しています。住民がすべての予算項目を直接投票で決めるという説明にもならないようにします。

練習2の答えは、252人分、監査委員です。12,600÷50=252で求めます。「条例の制定と同じ割合だから、請求先も首長」とはできません。割合と請求先は別々に対応を覚え、何を求める制度なのかまで確認します。

練習3の答えは、地方税40%、地方債10%、返済が必要なのは地方債です。36÷90×100=40、9÷90×100=10となります。2つの割合を足しても50%なので、残りの歳入があることもわかりますが、その内訳は問題文だけでは決まりません。書かれていない項目の金額を想像して埋めないようにしましょう。

練習4の答えは、アが所得税は国税・住民税は地方税、イが間接税、ウが内閣・国会、エが公的扶助です。生活保護は、生活に困っている人の最低限度の生活を保障し、自立を助ける制度です。年金や医療保険などの社会保険と名前を入れ替えないよう、具体例から制度へ戻って説明します。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

地方自治で学ぶ「意思決定と実行の分担」は、国会・内閣の関係を読み直す際にも役立ちます。財源の割合を読む練習は、産業や貿易の統計にもつながります。また、社会保障で考えた生活を支える仕組みは、国際社会の貧困や保健の課題を学ぶ際の土台になります。対象が変わっても、「誰を支え、誰が費用を負担するか」を追う点は共通です。

家庭では、次の2つをそれぞれ5分で試せます。1つ目は、白い紙に住民・首長・議会の3つを書き、お子さまに選挙と予算案の矢印を描いてもらう方法です。矢印を逆にしたときは、名前を言い直させる前に「誰が誰を選ぶのか」を声に出して確かめます。

2つ目は、例題3の表からA市かB市を選び、地方税の割合を計算してもらう方法です。式の前に「全体は何億円か」を言ってもらい、計算後には「地方債も税金か」と尋ねます。これで、算数の割合と社会の財源の区別を同時に確認できます。

個別指導では、語句の取り違えなら分類の基準へ、計算の誤りなら全体と部分の関係へ戻って確かめます。直接請求で止まった場合は、請求の内容・割合・請求先を別々に整理してから、1つの文で説明できるかを見ます。

まとめ

音楽室の台本に戻り、「この施設を修理する予算は、誰が案を出し、誰が議決し、どこから集めたお金を使うのか」と問うと、地方自治と財政が1つの流れになります。知らない語を見つけたときも、それが人や機関の名前なのか、収入の種類なのか、支出の目的なのかを置き直せば、考える足場ができます。

選挙の矢印とお金の矢印を自分で描けることが、用語をつないで社会を説明する力になります。公共施設の予算の一行にも、住民の意思と社会の負担が結びついています。

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