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【政治経済】国際貿易の理論と体制を図解で総まとめ—比較生産費説 自由貿易と保護貿易 GATT WTO FTA EPA|武蔵野個別指導塾

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比較生産費の計算から分業と交換の利益を確かめ、3枚の図で関税の影響や貿易体制を整理します。GATT・WTOとFTA・EPAの違いを、例題と練習問題で説明できるようにしましょう。

よくあるのは、放課後の廊下の掲示板の前で、貿易についての発表資料を見ながら、「どの商品も少ない時間で作れる国があるなら、もう一方の国から買う理由はないのでは」と立ち止まる場面です。ところが教科書には、両国が分業して貿易することで利益を得られると書かれています。ここで必要なのは、単に生産にかかる時間の大小を見ることではなく、ある商品を作るために別の商品の生産をどれだけ諦めるかを比べることです。

国際貿易の単元には、計算と制度という2つの柱があります。計算では分業による利益が生まれる条件を確かめ、制度ではその取引を支えるルールを学びます。さらに、国全体に利益があることと、すべての産業や働く人が同じように利益を得ることは別だと捉えると、自由貿易と保護貿易をめぐる議論も読みやすくなります。数字、利益を受ける主体、協定の対象を順に確認していきましょう。

この単元で身につけること

中学校で学ぶ輸出・輸入と、高校で学ぶ需要・供給や資源の配分が、この単元の土台になります。輸出が増えたという事実だけで評価を決めず、何を輸入し、誰が利益や負担を受けるのかまで視野を広げることが目標です。

基本の考え方

比較優位は「諦める量」で決まります

貿易とは国境を越えた財やサービスの取引です。外国に売ることが輸出、外国から買うことが輸入であり、同じ取引でも見る国によって呼び方が変わります。資源や気候の違いは貿易の理由になりますが、両国が同じ種類の商品を生産できる場合にも、分業による利益は生まれます。その仕組みを説明する代表的な理論が、リカードの比較生産費説です。

まず、同じ品質の商品を1単位作るために必要な労働時間を比べます。A国では布1単位に2時間、小麦1単位に4時間、B国では布1単位に6時間、小麦1単位に8時間かかるとします。A国は布も小麦もB国より少ない時間で作れます。このように、同じ財をより少ない投入で生産できることを絶対優位といいます。

しかしA国で小麦を1単位作る4時間があれば、布を2単位作れます。小麦1単位を選ぶことは、布2単位を作る機会を諦めることでもあります。このように、ある選択のために諦める別の選択の価値を機会費用といいます。B国で小麦1単位を作る8時間があれば、布は8÷6=4/3単位作れます。小麦の機会費用は、A国の布2単位に対してB国では布4/3単位です。

したがって、小麦はB国のほうが少ない機会費用で作れます。この関係が比較優位です。布については、A国で布1単位を作る機会費用が小麦2÷4=1/2単位、B国では小麦6÷8=3/4単位になります。A国は布に、B国は小麦に比較優位をもちます。「比較的得意なものを作る」という言い方は、この機会費用の比較を短く表したものです。

図1のように、各国が48時間をどちらか一方の生産に振り向けるときの組合せを描くと、諦める量の違いが傾きとして表れます。横軸は布、縦軸は小麦で、線上では利用できる労働を使い切っています。

図1 同じ労働時間で作れる布と小麦の組合せ

A国は布だけなら24単位、小麦だけなら12単位を作れます。B国は布だけなら8単位、小麦だけなら6単位です。図1のA国の線は小麦=12−布÷2、B国の線は小麦=6−3×布÷4を表します。布を横に1単位増やしたときに失う小麦が、A国では1/2単位、B国では3/4単位であることを確かめてください。線が外側にあるかという絶対的な生産力と、傾きが示す比較優位は、別の情報です。

この説明では、財を細かく分けられ、労働を国内の生産部門間で移せて、生産に必要な時間が一定であると考えています。また、輸送費などを考えない単純な仕組みです。現実に必ず一国が1種類だけを生産するという予言ではなく、相対的な費用の差から交換の余地が生まれることを取り出した理論として読みます。

自由貿易と保護貿易は誰への影響かを分けます

自由貿易は、関税などの障壁を少なくし、国境を越える取引を進める考え方です。比較優位に沿った資源配分に加えて、市場の拡大、競争による効率化、消費者の選択肢の増加が利点として挙げられます。安い輸入原材料を使えるようになれば、それを加工する国内企業も利益を受ける可能性があります。輸入の増加を、そのまま国内企業すべての損失と考えることはできません。

一方、輸入品と競争する企業では、売上の減少や事業縮小が起こる可能性があります。働く人が成長産業に直ちに移れるとは限らず、転職には訓練や転居などの負担が伴います。国全体で消費の可能性が広がっても、その利益が自動的に全員へ等しく配られるわけではありません。自由化の是非を考える際には、移行期の雇用や地域経済への対応も論点になります。

保護貿易は、関税や輸入数量制限などによって国内産業を保護しようとする考え方です。関税は、主に輸入品に課される税であり、輸入数量制限は輸入できる量を直接制限する仕組みです。幼稚産業保護論では、発展の初期段階にある産業は既存の外国企業との競争が難しいため、成長して競争力を得るまで保護する必要があると考えます。リストと結びつけて学ぶ論拠です。

ほかに雇用の維持や食料・重要物資の安定供給を重視する立場があります。ただし、保護によって消費者価格が上がったり、競争による改善が進みにくくなったりする可能性もあります。相手国の対抗措置が輸出産業に影響することも考えられます。必要な産業を育てるための保護を評価する見方と、長期化した保護が効率や消費者の利益を損なうとする見方を、理由とともに整理しましょう。

GATTからWTOへ、そして地域的な協定へ

GATTは「関税及び貿易に関する一般協定」で、1948年に発足した戦後の貿易体制の中心です。関税の引下げなどを通じ、自由で多角的な貿易を進めてきました。多角的とは、多くの国が共通の枠組みで交渉や取引に参加するという意味です。交渉を重ねる単位はラウンドと呼ばれ、ウルグアイ・ラウンドの成果を受けて、1995年にWTOが発足しました。

WTOは「世界貿易機関」であり、協定そのものの名前ではなく国際機関の名前です。物品貿易に加え、サービス貿易や知的所有権の貿易関連の側面も扱い、共通のルールに基づく紛争解決の仕組みを備えています。GATTの物品貿易のルールはWTO体制にも引き継がれています。「GATTがなくなって無関係な制度に置き換わった」とは捉えないようにしましょう。

無差別の原則を理解する鍵は、最恵国待遇と内国民待遇です。最恵国待遇は、ある国の商品に与えた有利な扱いを、原則として他の加盟国の同種の商品にも適用する考え方です。特定の友好国だけを常に特別扱いするという意味ではありません。内国民待遇は、輸入後の国内の税や規制などで、輸入品を同種の国産品より不利に扱わないという考え方です。輸入時の関税を一切禁止する原則ではありません。

FTAは自由貿易協定であり、特定の国・地域の間で関税の撤廃・削減やサービス貿易の自由化などを進めます。EPAは経済連携協定で、日本の用語整理では、自由化に加えて投資、人の移動、知的財産、経済協力など幅広い連携を扱います。ただし、FTAと呼ばれていても広い分野を含む協定があります。名称だけで内容を断定せず、資料で対象分野を確かめる姿勢が必要です。

TPPは環太平洋パートナーシップ協定です。米国の離脱後、残る参加国がまとめたCPTPPは2018年に発効しました。関税だけでなく投資や知的財産なども扱う広い枠組みです。市場の拡大や共通ルールの整備を評価する見方と、農業など競争の影響を受ける産業や国内の制度への影響を懸念する見方があります。協定名の暗記にとどめず、どの分野についてどの立場から論じているのかを読み分けます。

例題で解き方を確かめる

例題1 労働時間の表から比較優位を求める

A国は布1単位に2時間、小麦1単位に4時間、B国は布1単位に6時間、小麦1単位に8時間を必要とします。絶対優位と比較優位を、それぞれ判定してください。同じ数字でも、何を比較するかによって答えが変わる点に注目します。

  1. 表の単位を確かめます。1単位を作るための時間なので、時間が小さいほうが、その財の生産で絶対優位にあります。
  2. 布1単位の機会費用を求めます。布の生産時間を小麦の生産時間で割るのは、同じ時間に作れる小麦の量を知るためです。A国は2÷4=1/2、B国は6÷8=3/4となります。
  3. 小麦1単位の機会費用を求めます。今度は小麦の時間を布の時間で割り、A国は4÷2=2、B国は8÷6=4/3となります。
  4. 同じ財について、機会費用が小さい国を選びます。布は1/2<3/4なのでA国、小麦は4/3<2なのでB国です。

答え:A国は両財に絶対優位をもち、比較優位はA国が布、B国が小麦です。

「B国は生産に時間がかかるから輸出できない」とは結論づけられません。A国から見ると、自国で小麦を増産して布を諦めるよりも、布を作ってB国の小麦と交換するほうが有利になる余地があるためです。

例題2 分業後の交換で双方の利益を確かめる

例題1の両国がそれぞれ48時間働きます。貿易前は各国とも布と小麦に24時間ずつ使います。貿易後は比較優位の財に完全に特化し、A国の布9単位とB国の小麦5単位を交換します。両国が交換後に使える数量を求め、貿易前と比べてください。

  1. 貿易前の生産量を求めます。時間を1単位当たりの必要時間で割るので、A国は布24÷2=12、小麦24÷4=6、B国は布24÷6=4、小麦24÷8=3です。
  2. 特化後の生産量を求めます。A国は布48÷2=24、B国は小麦48÷8=6となります。この段階の合計は布24、小麦6で、貿易前の布16、小麦9と比べ、小麦が減っています。完全特化すれば必ず両財の総生産量が増えるわけではありません。
  3. 輸出分を引いて輸入分を加えます。A国は布24−9=15と小麦5、B国は布9と小麦6−5=1を使えます。生産量と交換後の数量を分けるのは、輸入した財も消費に使えるからです。
  4. 貿易前との違いと、自国生産の限界との違いを分けます。両国とも布は増えていますが、小麦は減っています。一方、A国が布15と小麦5を自国だけで作るには15×2+5×4=50時間、B国が布9と小麦1を作るには9×6+1×8=62時間が必要です。どちらも48時間を超える組合せを得ています。

答え:交換後はA国が布15・小麦5、B国が布9・小麦1で、両国とも自国生産だけでは得られない組合せを得ますが、貿易前より両財が増えるわけではありません。

図2のように、交換は財が反対方向へ動く関係です。布9に対して小麦5なので、小麦1単位の価格を布で表すと9/5=1.8単位になります。

図2 比較優位の財に特化した両国の交換と数量

A国は小麦1単位を自分で作れば布2単位を諦めますが、交換なら布1.8単位で得られます。B国は小麦1単位を作るために布4/3単位を諦めるものの、それを輸出すれば布1.8単位を得られます。4/3<1.8<2という関係が、双方に有利な交換比率の条件です。境界と等しい場合、一方の国は自国で作る場合と同じになります。

なお、自国の生産可能性を超える組合せを得られることと、貿易前の組合せより必ず好ましいことは区別します。好ましさは布と小麦をどれだけ欲しいかにも左右されるためです。比較生産費説が示すのは交換によって選べる範囲が広がることであり、提示された交換量だけから満足度まで断定することではありません。

例題3 関税の負担を計算して説明する

輸入品の関税をかける前の価格を1個1,000円、関税率を20%とします。関税の全額が国内の販売価格に上乗せされ、それ以外の費用や為替相場は変わらないものとします。関税額と販売価格を求め、国内生産者と消費者への影響を説明してください。この数値は計算用の条件です。

  1. 何に税率を掛けるかを確かめます。条件では1,000円を基準にするので、関税額は1,000×0.20=200円です。
  2. 関税分を加えます。全額が価格へ上乗せされるため、国内の販売価格は1,000+200=1,200円です。
  3. 主体を分けて影響を書きます。輸入品の値上がりは競合する国内生産者に有利に働きますが、消費者には購入負担の増加になります。利益と負担が同じ主体に発生するとは限らないからです。

答え:関税額は200円、販売価格は1,200円で、競合する国内生産者の保護につながる一方、消費者の負担は増えます。

実際の価格への上乗せの程度は、需要や供給の条件などによって変わります。「全額が上乗せされる」という問題の条件を外して、常に20%値上がりすると一般化しないことが大事です。また、税関に納める主体と、価格上昇を通じて負担する主体も同じとは限りません。

例題4 貿易協定の説明を短い論述にする

資料に「参加国間の関税を引き下げ、投資ルールも整備する協定」とあります。この協定を日本の用語整理で何と説明できるか、またWTOの最恵国待遇との関係を、短く述べてください。ここでは協定の対象と原則・例外の関係を順番に整理します。

  1. 対象分野を拾います。関税だけでなく投資も含むため、幅広い経済関係を扱うEPAとして説明できます。
  2. 誰に有利な条件が適用されるかを確かめます。参加国間に限るため、原則としてすべての加盟国へ有利な扱いを広げる最恵国待遇とは異なります。
  3. 原則との違いから直ちに違反とはしません。FTAなどの地域貿易協定は、対象範囲や域外国への障壁などに関する一定の条件の下で認められる例外だからです。

答え:幅広い経済連携を扱うEPAと説明でき、参加国間の優遇は最恵国待遇の原則に対する、一定条件の下で認められる例外です。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 生産量の表でも時間と同じ向きに割ります

誤った書き方は、「一定時間に布12、小麦6を作れる国では、布1単位の機会費用は12÷6=小麦2単位」です。どこが違うかというと、この表は必要時間ではなく生産能力を表しています。同じ労働を使って作れる布12を諦めると小麦6を作れるので、布1を諦めた分に対応する小麦は6÷12です。

正しい書き方は、「布1単位の機会費用は、小麦の最大生産量÷布の最大生産量=6÷12=1/2単位」です。時間の表なら「目的の財の時間÷もう一方の財の時間」、生産量の表なら「もう一方の財の量÷目的の財の量」となります。割り算の順だけを暗記するより、答えの単位を先に「小麦何単位」と書くほうが取り違えを発見できます。

誤り2 関税で国全体が必ず得をします

誤った書き方は、「輸入品に関税をかけると国内産業が守られるので、すべての人の利益になる」です。どこが違うかというと、消費者の負担や、輸入原材料を使う企業への影響が抜けています。国内産業の中にも、保護される側と費用が増える側があります。

正しい書き方は、「関税は競合する国内生産者を保護し得る一方、消費者などに負担を生むため、利益と費用を分けて考える」です。図3のように、世界価格が変わらず、国内価格に関税が上乗せされる輸入国の簡単な市場を考えます。価格が上がると国内供給量は増え、国内需要量は減るので、その差である輸入量が縮小します。

図3 関税による価格上昇と国内の需要供給の変化

図3は数量Q、価格Pを使い、国内供給をP=Q、国内需要をP=12−Qとしています。価格4では供給4、需要8なので輸入は4、価格5では供給5、需要7なので輸入は2です。税率ではなく1単位当たり1の関税を置いた図で、例題3とは別の市場です。灰色の補助線で読み取ると、輸入が減るのは「国産品が増える」ことと「買う量が減る」ことの両方によるとわかります。

この図で政府の関税収入は1×2=2です。ただし、税収が発生することだけを国全体の純利益とみなすことはできません。消費者の負担増や生産・消費の変化も同時に起きているからです。数量制限でも輸入を抑えられますが、同じように政府に関税収入が入るとは限らず、手段の違いを区別する必要があります。

誤り3 最恵国待遇は親しい国だけを優遇します

誤った書き方は、「最恵国待遇は最も親しい国を優遇し、FTAも同じ原則で成り立つ」です。どこが違うかというと、最も有利な待遇を他の加盟国にも広げるという意味を、特定国だけへの優遇と逆に捉えています。また、特定の参加国の間で自由化を進める協定と、多角的な無差別の原則を混同しています。

正しい書き方は、「最恵国待遇は有利な扱いを原則として他の加盟国にも広げ、FTAなどによる参加国間の優遇は一定条件の下で例外として扱われる」です。地域的な協定には、多数の国による交渉より合意を進めやすい面がある一方、協定ごとにルールが異なって取引を複雑にする面もあります。自由化が進む側面と、域内外の扱いに差が生じる側面を、両方押さえましょう。

ここで手が止まるなら、止まった単元まで一緒に戻ります。学年別個別指導コース/お問い合わせ

練習問題

練習1

C国では布1単位に3時間、小麦1単位に6時間、D国では布1単位に4時間、小麦1単位に4時間が必要です。布と小麦の比較優位を判定し、布1単位と小麦3/4単位の交換が双方に有利な交換比率かを説明してください。まず布1単位の機会費用を揃えます。

練習2

同じ労働時間をすべて一方の財に使うと、E国では機械12台または食料24単位、F国では機械6台または食料18単位を作れます。機械1台の機会費用を各国について求め、比較優位を判定してください。必要時間の表ではないことに注意します。

練習3

図3と同じ需要・供給の条件で、関税による国内価格が4から5へ上がりました。輸入量の減少分と政府の関税収入を求めてください。また、消費者が負担する価格が上がることから、国内生産者の利益だけで政策を評価できない理由を1文で書いてください。

練習4

「WTOは物品貿易だけを扱う」「内国民待遇は輸入時の関税を一切禁止する」「EPAは貿易の自由化に加えて幅広い経済連携を扱う」のうち、適切な文を選んでください。誤っている文は、正しい説明に直しましょう。

答えと解説

練習1の答え:C国は布、D国は小麦に比較優位をもち、提示された交換比率は双方に有利です。布1単位の機会費用はC国が小麦3÷6=1/2単位、D国が小麦4÷4=1単位です。1/2<3/4<1なので、C国は布を輸出すると自国生産で諦めた量より多い小麦を得られ、D国は自国で布を作る場合より少ない小麦で布を入手できます。

練習2の答え:機械1台の機会費用はE国が食料2単位、F国が食料3単位で、E国は機械、F国は食料に比較優位をもちます。24÷12=2と18÷6=3を比較します。食料1単位の機会費用は、それぞれ機械1/2台と1/3台です。E国が両財で多く生産できても、食料の比較優位はF国にある点を確かめます。

練習3の答え:輸入量は2減り、関税収入は2です。関税前は8−4=4、関税後は7−5=2なので、減少分は4−2=2です。1単位当たりの関税1を関税後の輸入量2に掛けると税収2になります。消費者には購入価格の上昇による負担があるため、国内生産者の利益だけでは政策の影響全体を評価できません。

練習4の答え:適切なのはEPAについての文です。WTOは物品だけでなくサービス貿易や知的所有権の貿易関連の側面も扱います。内国民待遇は輸入後の国内の税や規制などについての原則であり、輸入時の関税を一切禁止するものではありません。「何を扱うか」「どの段階の待遇か」を区別すると、用語を説明する文の誤りを直せます。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

国際貿易で物品やサービスが国境を越えると、代金の支払いも発生します。次に学ぶ外国為替では、異なる通貨を交換する比率が輸出入にどう影響するかを考え、国際収支では対外取引を分類します。比較優位の話と為替の話は同じではありませんが、相手国の商品をどの程度の負担で入手できるかという視点がつながります。

家庭で5分確かめるなら、まず例題1の時間だけを紙に写し、「布1単位を作ると小麦何単位を諦めるか」を両国について説明します。もう1つは、紙を消費者・国内生産者・政府の3欄に分け、関税をかけたときの影響を1つずつ書く方法です。計算と立場の整理を別々に試すことで、どこで止まるかが見えます。

個別指導では、比の計算に戻る必要があるのか、表の単位を読み違えているのか、原則と例外が混ざっているのかを分けて確かめます。保護者の方がお子さまに説明を求める際も、用語名の再生だけでなく「その割り算の答えは何の量か」と尋ねると、理解の位置を確かめやすくなります。

まとめ

貿易の利益を判断するとき、輸出額の大きさや生産の速さだけでは見落とすものがあります。分業によって広がる選択の範囲、交換比率の条件、産業や家計ごとの負担を分けると、計算と政策の議論がつながります。制度についても、共通の原則を確認してから、協定が認められる条件を読む順序が有効です。

掲示板の「両国に利益」という言葉を見直すときには、どんな条件で利益が生まれ、誰にどんな影響が及ぶのかを問い直せます。貿易の利益を語る答えには、交換の条件と負担を受ける人の両方が必要です。

本気になった日が、入塾の日。

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