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【生物】タンパク質と酵素を図解で総まとめ—構造の階層・酵素の性質・基質特異性・阻害・反応速度のグラフ|武蔵野個別指導塾

一次〜四次構造の図から酵素の働きをたどり、ペプチド結合の計算、反応速度、阻害のグラフを例題で確かめます。低温での活性低下と熱変性の違いまで、自分の言葉で説明する練習ができます。
よくあるのは、通学電車の窓に映るノートを見ながら、「競争的阻害は基質を増やすと弱まる」と唱えているのに、問題集の曲線を見た途端にどちらの阻害か決められなくなるという場面です。用語は覚えていても、曲線の違いと酵素の形が結びついていないと、選択肢の言い換えに迷ってしまいます。
この単元の出発点は、タンパク質が単なる栄養素の名前ではなく、決まった形をつくって細胞の中で働く分子だということです。アミノ酸の並びから立体構造へ、立体構造から基質との結合へとたどると、温度やpHの影響、阻害の違いにも理由が見えてきます。
グラフは曲線の姿を丸ごと覚えるものではありません。横軸で何を変えたのか、縦軸で何を測ったのか、ほかに何を一定にしたのかを読み取る資料です。構造の図と測定値を行き来しながら、反応が遅い原因を条件に即して説明できるようにしていきましょう。
この単元で身につけること
- アミノ酸とペプチド結合の関係を説明します。何個のアミノ酸が何本の鎖をつくるかを区別すれば、結合の数を計算できます。
- 一次構造から四次構造までを区別します。並び方、鎖の一部分の形、1本の鎖全体の形、複数の鎖の組合せという対象の違いを押さえます。
- 酵素が反応を速める仕組みを説明します。活性部位と基質の対応を、温度やpHによる働きの変化につなげます。
- 反応速度のグラフを条件つきで読みます。基質濃度と時間を混同せず、単位時間当たりの変化量に着目します。
- 競争的阻害、非競争的阻害、アロステリックな調節を整理します。結合する場所と、基質を増やしたときの結果を対応させます。
生物基礎で学んだ「酵素は代謝を助ける」という知識に、分子の構造と実験条件という説明の根拠を加える単元です。代謝とは、生体内で行われる物質の合成や分解などの化学反応の全体をいいます。
基本の考え方
アミノ酸の並びがタンパク質の出発点です
タンパク質を構成するアミノ酸には、共通する基本部分と、種類によって異なる側鎖があります。側鎖は共通の骨格から枝のように出ている部分です。タンパク質の材料となるアミノ酸は基本的に20種類あり、側鎖の性質の違いが、鎖の折りたたまれ方や分子の働きに関係します。20個のアミノ酸だけで1つのタンパク質ができる、という意味ではありません。
あるアミノ酸のカルボキシ基と、別のアミノ酸のアミノ基との間にできる結合をペプチド結合といいます。教科書では、水が取れる脱水縮合によって結びつくと説明されます。多数のアミノ酸がペプチド結合でつながった鎖がポリペプチドです。端をつながない1本の鎖なら、アミノ酸がn個のときペプチド結合はn−1個です。結合は隣り合うアミノ酸の間にできるので、最後のアミノ酸の先にもう1つの結合を数えないことがポイントです。
鎖にはアミノ基側の端であるN末端と、カルボキシ基側の端であるC末端があります。配列は通常、N末端からC末端に向かって表します。同じ種類のアミノ酸を同じ個数使っても、並ぶ順番が変われば同じタンパク質になるとは限りません。文字の種類が同じでも、並び方で言葉の意味が変わるのと似ています。ただし、アミノ酸が1個変われば必ず働きが失われるともいえず、変化した位置や側鎖の性質によって影響は異なります。
構造の階層は見る範囲の違いです
一次構造は、ポリペプチドのアミノ酸配列です。二次構造は、鎖の一部分にできる規則的な立体構造で、らせん状のαヘリックスや、折りたたまれたシート状のβシートが代表です。これらは主に、ペプチド結合を含む主鎖の部分どうしに生じる水素結合によって保たれます。水素結合はペプチド結合そのものとは別の結びつきです。
三次構造は、1本のポリペプチド全体が折りたたまれてできる立体構造です。水と接しやすい部分、水と接しにくい部分の性質や、側鎖間の相互作用などが関わります。システインというアミノ酸の側鎖どうしに生じるジスルフィド結合が構造の安定に関わる場合もあります。二次構造が鎖の局所的な形であるのに対し、三次構造は鎖全体の配置を指します。
四次構造は、複数のポリペプチドが組み合わさった構造です。このとき構成単位となるポリペプチドをサブユニットと呼びます。例えば、酸素の運搬に関わるヘモグロビンは4つのサブユニットをもちます。ただし、「四次」の4はサブユニット数を指定していません。2つのサブユニットが組み合わさる場合にも四次構造と呼び、1本の鎖だけからなるタンパク質には四次構造はありません。

図1のように、一次構造では順序、二次構造では局所的な形、三次構造では1本全体、四次構造では複数の鎖の組合せを見ます。図の丸や線は構造の階層を区別するための模式表現で、原子の配置や実際の大きさを表してはいません。三次構造の中にも二次構造が含まれるので、折りたたまれると以前の階層が消えるわけではありません。
酵素の働きは立体構造と結びついています
酵素は、生体内の化学反応を速める触媒です。触媒とは、自身は反応の前後で全体として消費されず、反応を進みやすくする物質をいいます。酵素の本体は主にタンパク質ですが、触媒として働くRNAも知られています。高校のタンパク質と酵素の問題では、特に断りがなければタンパク質からなる酵素を考えます。
酵素が働きかける反応物を基質、酵素のうち基質が結合して反応に関わる部分を活性部位といいます。酵素と基質が結合した状態が酵素基質複合体です。反応後に生成物が離れると、酵素は再び基質に働きかけることができます。「酵素+基質 → 酵素基質複合体 → 酵素+生成物」という順に考えると、基質は変化する一方、酵素は繰り返し利用されることがわかります。基質との結合自体は、離れる向きにも起こります。
反応を始めるために越える必要のあるエネルギーの壁を、活性化エネルギーといいます。酵素はこの壁を低くする働きをもちます。反応に必要なエネルギーを無制限に供給するわけでも、反応前後の物質のエネルギー差を変えるわけでもありません。酵素の有無によって、同じ時間内にできる生成物の量が変わると考えます。
酵素が特定の基質に選択的に働く性質が基質特異性です。活性部位の形だけでなく、そこにある部分の化学的な性質が基質との結合に適していることが関係します。鍵と鍵穴のたとえは対応関係を考える助けになりますが、酵素を硬い固定物だと思わないようにします。基質の結合に伴って酵素の形が変化する場合もあります。また、基質特異性を「どの酵素も必ず1種類の分子だけに働く」と言い切るのは不適切です。
酵素によっては、働くためにタンパク質以外の成分が必要です。こうした成分には金属イオンや補酵素があります。補酵素は酵素の働きを助ける低分子の有機物で、反応の途中で物質や電子などを受け渡す役割を担います。「タンパク質があるだけでどの酵素も働く」と決めつけず、実験では必要な成分がそろっているかも確認します。
例題で解き方を確かめる
例題1 鎖が2本あるときの結合数
アミノ酸80個からなる鎖Aと、アミノ酸120個からなる鎖Bが組み合わさり、1つのタンパク質をつくっています。どちらも環状ではなく、AとBの間にペプチド結合はありません。全体のペプチド結合数と、2本の鎖が組み合わさる構造の階層を答えます。
- まず、1本ずつの鎖の結合数を求めます。端をつながない鎖では、アミノ酸間のつなぎ目がアミノ酸数より1つ少なくなるため、Aは80−1=79個、Bは120−1=119個です。
- 次に、結合数を合計します。鎖の間に新しいペプチド結合を加えないという条件があるので、79+119=198個です。アミノ酸の総数200から1だけを引くと、2本を1本と取り違えることになります。
- 最後に、何と何の組合せかを判断します。1本の鎖の折りたたみではなく、2本のポリペプチドの組合せなので、四次構造です。
答え:ペプチド結合は198個で、2本の鎖の組合せは四次構造です。
この数え方は、鎖が増えても同じです。環状でなく鎖間のペプチド結合がないなら、アミノ酸総数から鎖の本数を引きます。脱水縮合の模式的な数え方では、ペプチド結合1個につき水1分子が取れるので、この例の水の数も198分子です。細胞内のタンパク質合成の詳しい反応過程とは区別して、問題に与えられたモデルで数えます。
例題2 生成物量から反応速度を求める
ある酵素反応で、反応開始から0、1、2、4 min後の生成物量が、それぞれ0、12、24、36 μmolでした。0〜2 minの平均反応速度と、2〜4 minの平均反応速度を求め、後半の速度低下から何がいえるかを考えます。μmolは物質量の単位で、1 μmol=0.000001 molです。
- 時間区間ごとに生成物の増加量を求めます。反応速度はその区間で増えた量をもとにするので、前半は24−0=24 μmol、後半は36−24=12 μmolです。
- 増加量を経過時間で割ります。どちらも2 minの区間なので、前半は24÷2=12 μmol/min、後半は12÷2=6 μmol/minです。
- 速度が下がった理由を、観測結果と分けて考えます。基質の減少や生成物の蓄積、酵素の失活などが候補ですが、この表だけで原因を1つに決めることはできません。
答え:前半は12 μmol/min、後半は6 μmol/minで、速度低下の原因はこの測定だけでは特定できません。
「4 min後の量が36 μmolだから、後半は36÷4」とすると、開始から4 minまでの平均を求めてしまいます。時間を横軸、生成物量を縦軸にしたグラフでは、2点の間の上がり方がその区間の平均速度に対応します。酵素の性質を条件間で比べるときは、基質の減少などの影響が小さい反応開始直後の速度である初速度を使うことが多くあります。
例題3 阻害のグラフを見分ける
同量の酵素を用い、温度とpHを一定にして、基質濃度を変えたときの初速度を調べます。図2は阻害なしを紺、阻害剤Aありを赤、阻害剤Bありを緑で示した学習用の曲線です。基質濃度と初速度は、それぞれ共通の基準に対する相対値です。基質濃度6での速度は順に45、30、22.5で、基質を十分に増やすと近づく速度の上限は順に60、60、30とします。AとBの阻害を判定します。

- 軸と一定条件を確かめます。横軸は時間ではなく基質濃度なので、右へ進むことは同じ試料を長時間置くことではありません。基質濃度が異なる条件の初速度を比較しています。
- 同じ基質濃度で曲線の高さを比べます。濃度6ではAもBも阻害なしより低いので、両者とも反応を遅くしています。ただし、この1点だけでは阻害の種類を決められません。
- 基質を十分に増やしたときの上限を比べます。Aの上限は阻害なしと同じ60なので、基質を増やすと影響が小さくなる競争的阻害に対応します。Bの上限は30に下がっているので、この問題の典型的な非競争的阻害に対応します。
- 判断を結合場所と結びつけます。競争的阻害では阻害剤が活性部位で基質と競合するため、基質が多くなると基質が結合する機会を増やせます。非競争的阻害では活性部位以外への結合が酵素の働きを妨げるため、基質を増やしても元の上限には戻りません。
答え:Aは競争的阻害、Bはこの問題で扱う典型的な非競争的阻害です。
図2の曲線は、表示された右端で上限に到達しているわけではありません。上限はさらに基質を増やしたときに近づく値で、この例題ではその値も条件として与えています。図の右端の高さだけを最大反応速度と読み取ると、Aも上限が低いと誤解してしまいます。基質濃度が高いときに速度が頭打ちになるのは、多くの酵素の活性部位が基質で占められ、酵素側の処理できる速さが制限になるためです。
基質が十分ある条件で酵素量を増やせば、同時に働ける酵素が増えて反応速度は大きくなります。ただし、基質が少ない条件まで「酵素量を2倍にすれば必ず速度も2倍」と広げないようにします。グラフの比較では酵素量もそろっていなければ、阻害剤だけの影響を取り出せません。
例題4 冷やした場合と強く加熱した場合
同じ酵素液を3つに分けました。Pは低温に置いた後、Qは強く加熱した後、Rは前処理をせず、すべて同じ測定温度にそろえてから新しい基質を加えました。基質量とpHも同じです。反応開始直後の一定時間にできた生成物量は、Pが18 μmol、Qが2 μmol、Rが20 μmolでした。Rに対する割合を求め、結果に合う説明を考えます。
- 先に比較条件を確認します。測定時の温度は3つとも同じなので、測定中の温度差による速さの違いを比べているのではありません。ここでは前処理が後の働きに及ぼす影響を比べています。
- Rを基準に割合を求めます。同じ時間での生成物量なので、Pは18÷20×100=90%、Qは2÷20×100=10%です。
- 低温と高温の影響を分けて説明します。Pは測定温度に戻すとRに近い働きを示した一方、Qは温度をそろえても低いままです。Qの結果は、熱による変性で多くの酵素が働きを失ったという説明と整合します。
答え:Pは90%、Qは10%で、Qでは加熱による変性の影響が残ったと考えられます。
変性とは、タンパク質の立体構造が変わり、元の性質が失われることです。この測定だけで分子の構造変化を直接見たわけではないため、結果の説明と、直接確認した事実を分けて書きます。また、PとRの小さな差の意味は、繰り返し測定のばらつきなどが示されていないため、この結果だけでは判断できません。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 働きが弱い温度ではすべて変性しています
誤った書き方:「低温でも高温でも、酵素が変性するので速度が下がります。」低温では一般に分子の動きが小さくなり、反応が進む速さが低下しますが、それだけで変性したとはいえません。温度を適切な範囲に戻すと働きが戻る場合が多い点が、強い加熱で立体構造が崩れた場合と異なります。
正しい書き方:「低温では一般に反応が遅くなり、高温では変性によって働きが失われることがあります。」酵素の働きが最も大きくなる温度を最適温度といいます。ただし、どの酵素でも同じ値ではなく、測定時間などの条件にも影響されます。温度が上がると反応が速まる効果と、構造が保てなくなる効果を分けて考えます。

図3の左は温度、右はpHと反応速度の関係を示した模式図で、特定の酵素の測定値ではありません。pHは水溶液の酸性やアルカリ性の程度を表す指標です。酵素の働きが最も大きくなるpHを最適pHといい、酸性側、中性付近、アルカリ性側のどこでよく働くかは酵素によって異なります。曲線の形も必ず左右対称になるわけではありません。
pHが変わると、活性部位などの電気的な性質が変化し、基質との結合や反応の進み方に影響します。極端なpHでは立体構造が大きく変化する場合もあります。「最適pHから外れたら必ず元に戻らない」ともいえないので、働きが戻るかは条件を戻した後の測定で確かめます。温度やpHのグラフからは測定条件での速さが読めますが、回復の可否まで自動的には読めません。
誤り2 変性するとペプチド結合がすべて切れます
誤った書き方:「加熱で酵素がアミノ酸まで分解されるため、働かなくなります。」この書き方は立体構造の変化と、ペプチド結合が切れる分解を混同しています。通常、教科書で扱う熱変性では、一次構造を保ったまま高次の構造が変化すると説明されます。加熱した卵の白身の性質が変わるのも、タンパク質の変性に関係する身近な例です。
正しい書き方:「熱によって立体構造が変わり、活性部位が正常に働かなくなるため、酵素の活性が低下します。」活性は酵素が反応を進める働きの程度を指します。ペプチド結合を切って小さなペプチドやアミノ酸にする加水分解とは区別しましょう。問題文に分解の証拠がないのに、アミノ酸配列が失われたとまで書く必要はありません。
誤り3 活性部位以外に結合すればすべて同じ阻害です
誤った書き方:「アロステリックは非競争的阻害の別名で、必ず酵素を止めます。」アロステリックな調節とは、活性部位とは別の部位への物質の結合により、酵素の立体構造や働きが変わる調節です。働きを弱める場合だけでなく、強める場合もあるので、「必ず阻害」とするのが誤りです。
正しい書き方:「アロステリックな調節には活性化と阻害があり、反応速度への影響は調節物質と酵素の組合せによります。」高校の教科書では、非競争的阻害は活性部位以外への結合によって働きが妨げられ、基質を増やしても最大反応速度が回復しない典型として説明されます。ただし、別の部位への結合という情報だけから、どの酵素でも図2と同じ曲線になると決めないことが必要です。
代謝の調節では、最終産物が前の段階の酵素を抑えるフィードバック阻害が重要です。例えば、物質A → B → C → Dという経路で、Dが最初の反応を進める酵素に結合して活性を低下させると、DがたまったときにAから先へ進む流れが抑えられます。これは、最終産物から前の段階へ調節が戻るという経路上の関係を表す用語です。アロステリックは分子の調節の仕組み、フィードバックは経路上の調節の向きに注目した言葉なので、同じ現象を両方の観点で説明できる場合があります。
練習問題
練習1 構造とつなぎ目を区別する
環状でない3本のポリペプチドからなるタンパク質があります。各鎖のアミノ酸数は40、50、60個で、鎖間にペプチド結合はありません。ペプチド結合の総数を求め、αヘリックスと3本の鎖の組合せがそれぞれ何次構造に当たるか答えます。数字の「3」に引きずられず、何の形を指しているかを考えます。
練習2 速度と阻害を判断する
同じ酵素量、温度、pHで比較したところ、阻害なしでは反応開始直後の2 minに40 μmol、阻害剤ありでは同じ時間に20 μmolの生成物ができました。この間はそれぞれ一定の速度だったとします。両者の速度を求めます。また、基質を十分に増やすと阻害剤ありでも阻害なしと同じ最大反応速度に近づいたとき、図2で扱った2種類のどちらに対応するか答えます。
練習3 代謝経路の調節を説明する
A → B → C → Dという経路で、DがA → Bを進める酵素の活性部位以外に結合し、その形を変えて活性を下げました。この調節を、結合による仕組みと、経路上の関係という2つの観点から名づけます。また、Dが少なくなって酵素から離れると、A → Bの反応はどう変わると考えられるか答えます。ほかの条件は同じとします。
練習4 グラフでわかる範囲を示す
ある酵素ではpH7で速度が最大となり、pH3でほぼ0になりました。この結果だけから「pH3でペプチド結合がすべて切れた」と結論できますか。理由を示し、pHを変えた影響が残るかどうかを調べる比較方法を説明します。薬品の具体的な操作手順ではなく、そろえる条件と比べる測定値を答えます。
答えと解説
練習1の答え:ペプチド結合は147個、αヘリックスは二次構造、3本の鎖の組合せは四次構造です。39+49+59=147と求めます。三次構造は1本の鎖全体の形なので、鎖の本数をそのまま階層の数字にしないようにします。
練習2の答え:阻害なしは20 μmol/min、阻害剤ありは10 μmol/minで、競争的阻害に対応します。40÷2と20÷2で速度を求めます。基質を十分に増やすと同じ上限に近づくという条件が判定の根拠であり、最初の速度が半分だったことだけでは種類は決まりません。
練習3の答え:仕組みはアロステリックな阻害、経路上の関係はフィードバック阻害です。Dが離れて抑制が弱まれば、A → Bの反応速度は大きくなると考えられます。Dが少ないときには合成が進みやすく、多いときには抑えられるため、最終産物の量に応じた調節になります。
練習4の答え:結論できません。速度の低下はペプチド結合が切れた直接の証拠ではなく、活性部位の性質の変化などでも起こるためです。pH3に置いた酵素をpH7に戻した条件と、初めからpH7に置いた対照を、同じ酵素量、基質濃度、温度、測定時間で比べます。速度が戻るかを調べられますが、戻らない場合も、それだけで結合の切断までは証明できません。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
呼吸や光合成では、多くの酵素が反応を順に進めます。1つの酵素の働きが変われば、その先の物質の生成量にも影響するので、酵素の理解は代謝経路を読む土台になります。また、遺伝情報を学ぶと、DNAの塩基配列とアミノ酸配列の関係を通して、タンパク質の形がどのように決まるかを考えられます。
家庭では、5分でできる確認を2つ試せます。1つ目は、紙に1本の鎖と2本の鎖を描き、配列、局所的な形、鎖全体、鎖の組合せのどれを見るかを声に出すことです。2つ目は、図2の説明を隠し、「基質を増やすと阻害なしと同じ上限に近づくのはどちらか」を、結合場所の違いを使って説明することです。家庭で薬品や加熱器具を使って確かめる必要はありません。
個別指導で答えの理由が続かない場合は、まず横軸と縦軸の意味や、1本の鎖のつなぎ目の数まで戻って確かめます。用語が出てこないのか、比較条件を読み落としたのかによって、戻る場所は変わります。
まとめ
酵素の問題で説明に迷ったら、観測した結果と、そこから考えた原因を別々に書いてみましょう。「速度が下がった」は測定結果ですが、「変性した」は構造についての説明です。その間をつなぐには、温度を戻した結果や、基質を増やした結果などの比較が必要になります。用語を1つ当てるだけでなく、その用語を選べる条件まで示せれば、グラフを根拠のある文章に変えられます。
酵素反応の理解は、曲線の名前ではなく、条件を変えたときの分子の働きを説明できる言葉に表れます。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
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