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【生物】生体膜と物質の出入りを図解で総まとめ—流動モザイク・受動輸送 能動輸送・浸透・エンドサイトーシス|武蔵野個別指導塾

リン脂質二重層と浸透を図で読み解き、ナトリウムポンプの個数計算や小胞による輸送の例題から、膜を通る経路と移動方向を区別して考えましょう。
よくあるのは、夕方の台所のテーブルで教科書を開き、細胞の外の食塩水が濃いときの図に、食塩が細胞へ入る矢印を書いてしまうという場面です。「濃い方から薄い方へ動く」と覚えたはずなのに、解答には細胞から水が出る矢印があり、どちらを信じればよいのか迷います。原因は、濃度を比べる前に「何が膜を通れるか」を確かめていないことにあります。
細胞は、周囲との境界を保ちながら、必要な物質を取り入れ、不要になった物質や分泌する物質を送り出しています。その境界を担う膜は、ただの仕切りでも、どんな粒子も通す網でもありません。膜そのものを通れる物質と、膜のタンパク質を通る物質とでは、出入りの条件が異なります。
この単元では、膜の構造を根拠にして、拡散、浸透、能動輸送、小胞による輸送を読み分けます。矢印を覚えるだけでなく、「この物質が、この経路を、この向きに動く」と理由を添えて説明することが目標です。
この単元で身につけること
- 生体膜の基本構造を説明します。リン脂質の水になじむ部分となじみにくい部分の配置から、二重層ができる理由を考えます。
- 受動輸送と能動輸送を区別します。タンパク質を使うかどうかだけで決めず、移動方向とエネルギーとの関係に注目します。
- 浸透による水の移動を判断します。膜を通れない溶質の濃度を比べ、細胞が吸水するか脱水するかを説明します。
- ナトリウムポンプのはたらきを整理します。Na⁺とK⁺の向き、1回に運ばれる個数、ATPの消費を対応させます。
- エンドサイトーシスとエキソサイトーシスを図なしでも説明します。膜が包み込む場合と、小胞が膜に融合する場合を、運ばれる物質の位置から読み分けます。
生物基礎で学んだ細胞膜と細胞小器官の知識が出発点です。ここでは、その境界を物質がどう越えるかまで考え、細胞内の環境が外側と同じにならずに保たれる理由へ進みます。
基本の考え方
リン脂質二重層と流動モザイクモデル
生体膜とは、細胞膜や細胞小器官の膜など、生物の内部で区画の境界をつくる膜のことです。細胞膜は細胞の内側と外側を隔てますが、核やミトコンドリアなどの膜は細胞の内部をさらに区切ります。ここでは主に細胞膜を例に、共通する基本構造と物質の通り方を考えます。
膜の主な材料の1つがリン脂質です。リン脂質には、水となじみやすい親水性の部分と、水となじみにくい疎水性の部分があります。水に囲まれた環境では、親水性の部分を水側に向け、疎水性の部分どうしを内側に向けた2層の並びができます。これがリン脂質二重層です。「2層」とは細胞の周囲に離れた膜が2枚あるという意味ではなく、1枚の膜の中でリン脂質が向かい合って並ぶという意味です。
図1のように、二重層の両面には親水性の部分が並び、膜の内部には疎水性の部分が集まっています。膜を横切るタンパク質もあれば、片側に結びつくタンパク質もあります。図の青い丸はリン脂質の親水性の部分、橙色の線は疎水性の部分を表します。中央の緑色の構造は、物質の通り道となるチャネルの模式図です。

脂質や一部の膜タンパク質は、膜の面に沿って移動できます。この流動性をもつ脂質の層に、さまざまなタンパク質が入り込んだ構造を流動モザイクモデルと呼びます。流動とは膜全体が水のように流れ去ることではなく、膜の構成分子が動けることです。モザイクとは、異なるタンパク質などが組み込まれた様子を示しています。細胞骨格につながるなどして動きが制限されるタンパク質もあり、すべてが自由に動くわけではありません。
二重層の内側が疎水性なので、物質の通りやすさには違いが生まれます。酸素O₂や二酸化炭素CO₂のような小さな分子は直接通過しやすい一方、Na⁺やK⁺のように電荷をもつイオンは、脂質の層をそのまま通り抜けにくい性質があります。グルコースも、通常は輸送を担うタンパク質を利用して膜を通ります。水は脂質の層も一部通りますが、アクアポリンという水を通すチャネルが、水の速やかな移動を助ける場合があります。
このように物質によって通しやすさが異なる性質を、選択的透過性といいます。細胞膜が意思をもって粒子を選ぶのではなく、脂質の性質と膜タンパク質の種類によって通れる物質が決まります。したがって「小さい粒子ならすべて通る」という説明では不十分です。
拡散と膜タンパク質による輸送
分子などの粒子が熱運動を続ける結果、全体として濃度の高い方から低い方へ広がる現象を拡散といいます。水に落とした色素が、かき混ぜなくても次第に広がる様子が一例です。個々の粒子はさまざまな向きへ動いていますが、濃い側には粒子が多いため、反対側へ移る個数も多くなります。この差によって、全体としての移動方向が決まります。
場所による濃度の違いを濃度勾配といいます。膜を通れる物質が、その勾配に従って移動する輸送は受動輸送に含まれます。脂質の層を直接通る単純拡散に加えて、チャネルや担体という膜タンパク質を介する促進拡散も受動輸送です。担体は運ぶ物質と結合し、形を変えることで反対側へ物質を渡します。受動輸送では、その輸送のためにATPのエネルギーを直接使う必要はありません。
チャネルは、特定のイオンなどが通る通路をつくるタンパク質です。開閉が調節されるものもあり、開いていれば何でも通れるわけではありません。また、イオンの動く向きには、濃度差だけでなく膜の両側の電気的な違いも関係します。この2つを合わせた差が電気化学的勾配です。イオンの問題では、濃度差だけで判断する条件なのか、電気的な力も考える条件なのかを確認します。
これに対して、エネルギーを使い、濃度勾配などに逆らって物質を運ぶしくみが能動輸送です。ポンプは、その代表となる膜タンパク質です。ATPは、分解に伴うエネルギーを生命活動に利用できる物質で、ナトリウムポンプはATPのエネルギーを直接利用します。動物細胞では一般に、Na⁺は細胞外に多く、K⁺は細胞内に多く存在します。ナトリウムポンプはその差を保つ向きに、1回の輸送周期でNa⁺を3個外へ、K⁺を2個内へ運び、ATPを1分子消費します。
担体という名称だけでは、受動輸送か能動輸送かは決まりません。担体の中には促進拡散を行うものも、別の物質の勾配を利用して物質を取り込むものもあります。後者のようなしくみでは、勾配をつくる段階にエネルギーが必要です。まずは「タンパク質を通る」と「ATPを直接使う」を別の情報として読むことが、混同を防ぎます。
浸透と小胞による輸送
溶媒は物質を溶かす側、溶質は溶けている物質です。砂糖水なら、水が溶媒、砂糖が溶質に当たります。溶媒は通すが溶質を通さない膜を半透膜といい、その膜を隔てて溶媒が移動する現象が浸透です。生物では主に、水の移動を扱います。細胞膜を半透膜として考える問題でも、どの溶質が通れないという条件なのかを読む必要があります。
膜を通れない同じ溶質を含む2つの水溶液で、温度が等しく、圧力差を無視できるなら、水は全体として溶質濃度の低い側から高い側へ移動します。「高い側から低い側」という拡散の説明と矛盾するのではありません。比べている濃度が、水ではなく溶質の濃度になっているためです。溶質が膜を通れないのに、溶質が移動したかのような矢印を描かないようにします。
浸透による水の流入を止めるために、溶液側に必要となる圧力が浸透圧です。同じ温度の薄い溶液では、溶けている粒子の濃度が高いほど浸透圧も高くなります。食塩のように水中でイオンに分かれる物質と、スクロースのように分かれない物質とを比較するときは、物質の濃度だけをそのまま比べないようにします。この単元の計算では、粒子数の扱いをそろえやすいスクロースを用います。
大きな粒子や、多数の分子をまとめて運ぶ場合には、膜自体の形の変化も利用されます。細胞膜が内側へくぼみ、細胞外の物質を包んで切り離され、膜で囲まれた小胞として細胞内に取り込まれるしくみがエンドサイトーシスです。白血球の一部が細菌などを取り込む食作用はその一例です。取り込まれた物質は、直ちに細胞質の液体部分にむき出しになるのではなく、まず小胞の内部に入ります。
反対に、細胞内の小胞が細胞膜と融合し、小胞内の物質を細胞外へ放出するしくみがエキソサイトーシスです。タンパク質などの分泌や、神経伝達物質の放出にも関係します。どちらもエネルギーを必要としますが、ポンプの穴を物質が通る輸送とは経路が違います。膜を横断するのか、膜に包まれて運ばれるのかに注目すると整理できます。
例題で解き方を確かめる
例題1 膜を通る経路から輸送を分類する
酸素が細胞外から細胞内へ移動しています。細胞外の酸素濃度は細胞内より高く、酸素はリン脂質二重層を直接通るものとします。また、あるイオンが開いた専用のチャネルを、電気化学的勾配に従って通っています。それぞれの輸送を分類し、ATPの直接消費が必要か答えましょう。
- まず、何がどこを通るかを抜き出します。酸素は脂質の層、イオンはチャネルを通るので、同じ膜通過でも経路が異なるためです。
- 次に、移動を進める差の向きを見ます。酸素は濃度勾配に従い、イオンは電気化学的勾配に従うため、どちらも差に逆らう輸送ではありません。
- 経路と方向を合わせて名称を決めます。酸素は単純拡散、イオンは促進拡散で、いずれも受動輸送なので、その輸送にATPの直接消費は不要です。
答え:酸素は単純拡散、イオンはチャネルによる促進拡散で、いずれも受動輸送です。
チャネルがタンパク質だから能動輸送だ、と決めるのは誤りです。また、この答えは細胞がATPを一切使わないという意味ではありません。イオンの勾配を維持する別の輸送には、エネルギーが使われていることがあります。
例題2 浸透の向きと水が移動した後の濃度
図2のように、水は通すがスクロースは通さない膜を隔て、左に0.10 mol/L、右に0.30 mol/Lのスクロース水溶液があり、初めの体積はそれぞれ1.0 Lです。温度は等しく、初めの水の移動を考える際には圧力差を無視します。初めに水は全体としてどちらへ動くでしょうか。また、右の体積が1.2 Lになった時点で、右の濃度はいくらでしょうか。溶液の体積変化は水の移動だけによるものとします。

図2の赤い点はスクロースを模式的に表し、同じ体積で左3個に対して右9個とすることで、濃度比1:3を示しています。青い矢印は全体としての水の移動方向です。実際の水分子が左から右にだけ動くという意味ではありません。
- 膜の透過条件を確認します。動けるのは水であり、スクロースは動けないため、溶質ではなく水の矢印を考えます。
- 膜を通れない溶質の濃度を比べます。右の0.30 mol/Lの方が高いので、初めは水が全体として左から右へ移動します。
- 右側のスクロースの物質量を求めます。物質量とは粒子の数に対応する量で、単位はmolです。濃度に体積を掛けると、0.30 mol/L × 1.0 L = 0.30 molとなります。膜を通れないため、この量は変わりません。
- 変化後の体積で割ります。濃度は物質量を体積で割った値なので、0.30 mol ÷ 1.2 L = 0.25 mol/Lです。与えられた値に合わせて、有効数字2桁で表します。
答え:水は全体として左から右へ移動し、右の体積が1.2 Lのときの濃度は0.25 mol/Lです。
この計算で一定なのは右のスクロースの物質量であり、濃度ではありません。水が入って体積が増えると、同じ量の溶質がより広い体積に分布するので薄まります。また、1.2 Lという値は指定された途中の状態で、浸透が止まった体積と決めたわけではありません。液面の高さなどによる圧力差が生じる装置では、それも水の移動に影響するため、最終的に必ず左右の濃度が等しくなるとは限りません。
例題3 ナトリウムポンプの輸送個数を求める
複数のナトリウムポンプが合計120回の輸送周期を完了しました。1回につきATPを1分子使い、Na⁺を3個外へ、K⁺を2個内へ運ぶものとします。消費したATPの分子数、運んだそれぞれのイオンの個数、正電荷が差し引きでどちらへ何個分運ばれたかを求めましょう。他の経路の輸送は考えません。
- 回数とATPの関係を確かめます。1回に1分子なので、120回では120分子です。「合計」とあるため、ポンプの台数をさらに掛ける必要はありません。
- Na⁺とK⁺を別々に計算します。Na⁺は3 × 120 = 360個が外へ、K⁺は2 × 120 = 240個が内へ動きます。方向を途中で書くと、個数だけを足す誤りを防げます。
- 正電荷の差し引きを求めます。どちらも1価の陽イオンなので、外向きを正とすれば360 − 240 = 120個分です。イオンの輸送総数600個と、正電荷の差し引き120個分は別の値になります。
答え:ATPは120分子、Na⁺は360個外へ、K⁺は240個内へ運ばれ、正電荷は差し引き120個分外へ移動します。
このポンプは、細胞外にNa⁺が多く細胞内にK⁺が多い状態を保つのに役立ちます。ただし、細胞膜の電気的な性質はポンプだけで決まるわけではありません。イオンの濃度差と、どのイオンがチャネルを通りやすいかも関係するため、この計算から膜の電圧をそのまま求めることはできません。
例題4 小胞内の物質の行き先を読む
細胞内にある小胞にタンパク質が入っています。その小胞の膜が細胞膜と融合し、タンパク質が細胞の外に現れました。この輸送の名称と、タンパク質が細胞膜の脂質部分を直接通過したかどうかを答えましょう。
- 出発点と到着点を確認します。小胞内から細胞外への移動なので、外から取り込むエンドサイトーシスとは向きが異なります。
- 膜がどう変化したかを読みます。「融合」とあるため、小胞内と細胞外がつながって中身が放出されたと判断できます。
- 輸送経路を言葉にします。タンパク質は膜の脂質部分を横切ったのではなく、小胞の中身として外へ出たので、エキソサイトーシスです。
答え:エキソサイトーシスであり、タンパク質は細胞膜の脂質部分を直接通過していません。
外向きの矢印だけで判断すると、ポンプによる排出とも混同します。小胞、融合、放出という3つの情報を結びつけると、同じ「細胞外へ出る」という結果でも、しくみの違いまで説明できます。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 膜タンパク質を使えばすべて能動輸送とする
誤った書き方は、「イオンがチャネルを通ったので、ATPを使う能動輸送です」です。どこが違うかというと、物質の通り道と、移動を進めるエネルギーの条件を同じものとして扱っています。チャネルによる移動は、電気化学的勾配に従う受動輸送です。
正しい書き方は、「イオンはチャネルを通り、電気化学的勾配に従って移動するため受動輸送です」です。問題文の「タンパク質を介する」に線を引くだけでなく、「勾配に従う」「ATPを使う」などの条件にも別に印を付けます。促進拡散の「促進」は、ATPで押し出すという意味ではなく、膜タンパク質が通過を助けるという意味です。
誤り2 高張液では細胞壁まで縮むとする
誤った書き方は、「植物細胞を高張液に入れると、細胞壁が縮んで原形質分離が起こります」です。高張液とは、細胞内と比べて浸透圧が高く、ここで考える膜を通れない溶質の作用によって細胞から水を引き出す外液です。どこが違うかというと、形を支える細胞壁と、その内側の細胞膜に囲まれた部分とを区別していません。
正しい書き方は、「水が細胞外へ移動し、細胞膜に囲まれた部分の体積が減るため、細胞膜が細胞壁から離れて原形質分離が起こります」です。図3のように、灰色の細胞壁の輪郭は保たれ、緑色の細胞膜が内側に離れます。細胞壁と細胞膜の隙間には外液が入り、空気の空間ができるわけではありません。図は変化の関係を示した模式図で、体積や浸透圧の比率を示すものではありません。

細胞内より浸透圧が低い低張液では、逆に水が細胞内へ入りやすくなります。植物細胞では内容物が細胞壁を押す圧力である膨圧が生じ、吸水が進むと、水を取り込む向きの作用とつり合います。細胞壁のない動物細胞では、強い吸水によって破裂する場合があります。赤血球が破れて中のヘモグロビンが外へ出る現象が溶血です。同じ水の移動でも、細胞壁の有無によって結果が異なります。
誤り3 等張なら水分子が停止するとする
誤った書き方は、「等張液では水が細胞膜を通らなくなります」です。等張液は、細胞の体積が全体として変わらないような外液を指します。どこが違うかというと、目に見える体積変化がないことと、水分子の移動がないことを同一視しています。
正しい書き方は、「等張液では水が両方向に移動していても、その出入りがつり合うため、正味の移動がありません」です。ここで正味とは、逆向きの移動量を差し引いた結果のことです。出口と入口をそれぞれ同じ人数が通れば室内の人数が変わらないように、一定の状態は必ずしも停止した状態ではありません。なお、同じmol/Lの外液ならどれでも等張と判断できるわけではなく、溶質が膜を通れるかどうかも確認が必要です。
練習問題
練習1
リン脂質二重層で、親水性の部分と疎水性の部分は、それぞれどこを向いていますか。また、Na⁺が小さい粒子であるにもかかわらず、二重層を直接通りにくい理由を説明しましょう。「内側」という語が、細胞内と膜内部のどちらを指すかも明確にしてください。
練習2
水だけを通す膜で囲んだ袋に、スクロース水溶液0.50 Lが入っています。濃度は0.20 mol/Lでしたが、水が入って体積が1.0 Lになりました。スクロースは袋から出入りせず、反応もしません。初めの物質量と、変化後の濃度を求めましょう。答えは有効数字2桁で表してください。
練習3
ナトリウムポンプが、他の経路の影響がない条件でNa⁺を合計900個細胞外へ運びました。必要なATPの分子数と、同時に細胞内へ運ぶK⁺の個数を求めましょう。1回の輸送周期の個数関係は例題3と同じです。
練習4
細胞外の粒子が細胞膜のくぼみに包まれ、小胞として細胞内に取り込まれました。このしくみの名称を答え、取り込まれた直後の粒子が、細胞質の液体部分に直接接しているか説明しましょう。また、このしくみがチャネルによる輸送と違う点を1つ挙げてください。
答えと解説
練習1の答えは、親水性の部分が膜の両側の水に接し、疎水性の部分が膜内部で向かい合う、です。細胞内の水にも細胞外の水にも、親水性の部分が向きます。Na⁺は電荷をもち、疎水性の膜内部を直接通りにくいため、大きさだけでは透過性を判断できません。
練習2の答えは、初めの物質量が0.10 mol、変化後の濃度が0.10 mol/Lです。初めの物質量は0.20 mol/L × 0.50 L = 0.10 molで、水が入っても変わりません。これを1.0 Lで割ります。体積が2倍なので濃度が半分になる、という関係でも確かめられます。
練習3の答えは、ATPが300分子、K⁺が600個です。Na⁺が1回に3個なので、900 ÷ 3 = 300回と先に輸送周期の回数を求めます。その後、1回にATPが1分子、K⁺が2個という関係を使います。Na⁺の900個をそのままATPの分子数にしないことがポイントです。
練習4の答えは、エンドサイトーシスであり、粒子は小胞内にあるため、細胞質の液体部分に直接は接していません。チャネルでは物質が膜タンパク質の通路を通りますが、エンドサイトーシスでは膜が変形して物質を包み込みます。膜を越える経路の違いを説明できれば、名称を入れ替える誤りを防げます。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
生体膜の構造は、膜タンパク質のはたらきや、呼吸と光合成で膜を隔てて濃度差を保つしくみの理解につながります。また、神経細胞での電気的な変化を考えるときにも、ポンプによる濃度差の維持と、チャネルを通るイオンの移動を区別する必要があります。膜が区切りを保つからこそ、その両側の違いを細胞が利用できます。
家庭では、5分間でできる確認を2つ試せます。1つ目は、紙に膜を1本描き、「通れる物質」と「通れない物質」を書いてから、スクロース水溶液で水の移動方向を説明する方法です。2つ目は、ナトリウムポンプのNa⁺、K⁺、ATPの関係を記憶だけで書き、教科書と照らし合わせる方法です。個数だけでなく、細胞内と細胞外の位置も入れます。
個別指導では、輸送の名称を取り違えたときに、まず矢印が何の物質を表すかまで戻って確かめます。必要なら、濃度が「溶けている量を体積で割った値」であることと、薄まっても溶質の量が減るとは限らないことから整理します。
まとめ
細胞の出入りを説明するとき、最初に必要なのは移動の名前ではなく、膜の性質です。そこに通れる物質、濃度差、電気的な違い、エネルギーの条件を重ねると、同じ外向きの矢印でも、水の流出、ポンプによる輸送、小胞の内容物の放出を区別できます。
答えの矢印が合っていても、動いた物質を言えなければ、条件を変えた問題で迷いが戻ります。膜輸送の理解を支えるのは、矢印の向きと、その矢印を描ける理由の一致です。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




