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【高校古文】ジャンル別の読み方を図解で総まとめ—日記・随筆・説話・物語・軍記の特徴と設問の型|武蔵野個別指導塾

日記の回想、随筆の評価、説話の教訓、物語の心情、軍記の場面展開を3枚の図で整理し、自作古文の例題で主語・理由・現代語訳の根拠をたどれます。
よくあるのは、コンビニのイートインで古文の課題を開き、単語の意味は調べられたのに、「この人物が黙った理由」をどう書けばよいか迷う場面です。日記だから筆者の気持ちを書けばよいのか、物語だから登場人物の悲しみを考えればよいのか。ジャンルの名前は覚えていても、答案に使う一文が見つからないことがあります。
ジャンルは、答えを先に決めるための札ではありません。どこに注目して読み始めるかを教える手がかりです。日記なら出来事と振り返る心、随筆なら対象への評価、説話なら結末と評価のつながり、物語なら人物関係と心情の変化、軍記なら場面の切り替わりを意識します。そのうえで、本文の語句から判断を確かめます。
古文読解では、文法を訳に直す作業と、文章全体の意味をつかむ作業がつながっています。ここでは5つのジャンルの特徴を整理し、主語・心情・理由・現代語訳という設問の型に合わせて、根拠を答案に組み立てるところまで練習します。
この単元で身につけること
- 日記の「体験する自分」と「振り返る自分」を区別します。当時の感情と、後から加わった判断を混ぜずに読めるようにします。
- 随筆の評価の対象と基準をつかみます。何をよいとし、何と比べているのかを、具体例や対比から説明します。
- 説話の出来事・結末・評価をつなぎます。教訓が示される場合も、驚きやおもしろさが中心の場合も、末尾の表現から確かめます。
- 物語と軍記で、人物・場所・時間の動きを追います。動作の主語を補い、視点や場面が変わる箇所を見失わないようにします。
- 問いに応じて答えの形を選びます。主語なら人物、心情なら感情とその対象、理由なら原因、現代語訳なら語句と文法の対応をそろえます。
これまで学んだ助動詞・助詞・敬語と、中学国語で扱った場面や心情の読み取りが、この単元で合流します。作品名から答えを思い出すのではなく、初めて読む文章でも同じ順序で確かめることが目標です。ジャンルの判断に自信がなくても、人物と出来事を整理する作業は始められます。
基本の考え方
ジャンルは注目点を決める手がかりです
ジャンルとは、文章の内容や表現の特徴による大まかな分類です。ただし、実際の作品には複数の特徴が重なります。日記に物語のような場面があり、随筆の中に説話が取り込まれることもあります。軍記も広くは物語の性格を持ちますが、ここでは戦いや政権の盛衰を扱う文章として、読み方を分けて整理します。
また、「作者」「語り手」「登場人物」は同じ意味ではありません。作者は作品を作った人、語り手は作品内で出来事を語る立場、登場人物はその出来事に関わる人です。日記ではこれらが重なりやすいものの、書き手が経験を取捨選択したり、語る立場を工夫したりすることがあります。人物の発言を、そのまま作者の意見だと考えないことが出発点です。
図1のように、ジャンルごとに最初の注目点を持つと、文章を読む際の目印ができます。どのジャンルでも主語や文法の確認は必要であり、図の注目点だけを読めばよいという意味ではありません。

日記は、経験した出来事を時間の流れに沿って語る文章です。ただし、毎日の出来事が等しい詳しさで記録されるとは限りません。長く書かれる場面、省かれる期間、後から振り返る言葉に、語り手の関心が表れます。「そのときどう思ったか」と「今どう受け止めているか」を別々にメモすると、心情の変化を捉えやすくなります。
たとえば現代の生活でも、旅行した当日は待ち時間の長さばかり気になり、帰宅してからは友人との会話を懐かしく思うことがあります。出来事は同じでも、振り返る時点によって意味づけが変わります。日記の読解では、後の判断を当時の人物に持たせないように注意します。和歌が挟まれる場合も、誰が、いつ、何を受けて詠んだのかを確認してから心情につなげます。
随筆は、見聞きした事柄や思い浮かんだことを、筆者の感覚や考えに即して記す文章です。対象を並べて好みを示す文章も、具体的な経験から一般的な考えに進む文章もあります。「よい」「残念だ」といった評価に当たる表現を見つけたら、その評価が向いている対象を探します。外見をほめているのか、人柄をほめているのか、同じ人物への言葉でも範囲が違います。
古語の「あはれなり」は、文脈に応じてしみじみとした趣や深い感動などを表し、現代語の「かわいそうだ」に固定できません。「をかし」も、現代語の「おかしい」だけで受け取ると読みがずれます。評価語を訳すときは、対象となる景色や行動を確認し、そこでどんな価値が認められているのかを考えます。
結末・心情・場面の動きを区別します
説話は、人々に語り伝えられた話などをもとに、出来事を比較的短くまとめた文章です。人物の行いが思いがけない結果を招いたり、不思議な出来事が起きたりします。仏教に関わる話も、日常の知恵や失敗を扱う話もあり、すべてが同じ教訓へ進むわけではありません。「親切は必ず報われる」と先に決めず、どの行動がどの結果につながったかを追います。
末尾に語り手の評価がある場合、その評価は、出来事をどう受け止めるべきかの大きな手がかりです。一方、結末の意外さそのものが中心で、明確な教訓が書かれていないこともあります。その場合には、人物の失敗や成功から言える範囲を守ります。本文にない道徳的な結論を付け足す必要はありません。
物語では、人物同士の関係と、それぞれが知っている情報に注目します。ある人物は事情を知っているのに、別の人物は知らないために誤解している、というずれが心情を動かすことがあります。読者が後の事情を知ったからといって、その時点の人物も知っていたと考えてはいけません。
心情は、感情を直接表す語だけでなく、行動・会話・情景の描写から読み取ります。ただし、「泣くなら悲しい」「黙るなら怒っている」と一対一で結びつけるのは危険です。涙には喜びや安堵が関わる場合もあります。黙る直前の出来事と、直後の行動を照らし合わせ、最も根拠の多い解釈を選びます。
軍記では、戦いの進行、人物の選択、それを語る言葉を分けて捉えます。誰がどこへ進み、誰と対面し、何をきっかけに退いたのかを整理すると、場面展開が見えてきます。戦いの強さだけでなく、ためらいや別れ、敗れた側への視線が描かれることもあります。無常観が重要な作品や場面はありますが、すべての場面の答えを「無常を表す」とすることはできません。
設問から必要な根拠の種類を決めます
主語を問う設問では、まず傍線部の述語を見つけます。次に、その前後の名詞・会話・敬語を使って、動作をする人物を絞ります。直前に名前がある人物が、必ず次の文の主語になるわけではありません。接続助詞の前後でも、意味のつながりと人物の動作を確かめます。
心情を問う設問では、感情だけでなく「何に対してそう感じたのか」を補います。「うれしい」だけでは、再会できた喜びなのか、誤解が解けた喜びなのかが伝わりません。理由を問う設問では、出来事を時間順に並べるだけでなく、その出来事が行動を引き起こす筋道を説明します。
現代語訳では、主語・重要語・助動詞・助詞を確認してから、自然な日本語に整えます。たとえば「何も言わなかった」を「悲しんで黙り込んだ」と訳すと、文脈からの推測が原文の内容に入り込むことがあります。心情説明として述べることと、訳に入れることは区別します。ジャンルの特徴は解釈の助けになりますが、文法上の意味を変更する根拠にはなりません。
例題で解き方を確かめる
以下の古文は、読み方を練習するための自作文です。各文に現代語訳を添えていますが、まず原文の人物・動作・評価を拾い、その後に訳と照らして確かめてください。短い文でも、根拠を示せれば、長い文章の一場面に同じ読み方を使えます。
例題1 日記の出来事と後の心情を分けます
原文:昨日、友来たり。われ、病によりて会はず。今日、その文を見て、会はざりしことを悔ゆ。
現代語訳:昨日、友人が来た。私は病気のために会わなかった。今日、その友人の手紙を見て、会わなかったことを後悔する。
問い:「会はざりしこと」とは何ですか。また、語り手の今日の心情を、きっかけを含めて説明しなさい。
- 「昨日」と「今日」で時間を分けます。昨日は会わなかった出来事があり、今日になって手紙を見たことがわかるためです。
- 「会はざりし」を文法に沿って読みます。「会は」は動詞の未然形、「ざり」は打消の助動詞「ず」の連用形、「し」は過去の助動詞「き」の連体形です。「会わなかった」とすることで、後悔の対象を取り違えずに済みます。
- 「悔ゆ」の対象を前の文から補います。語り手が後悔しているのは友人が来たことではなく、自分が友人に会わなかったことです。今日のきっかけは「その文を見て」にあります。
ここで「病気になったことを悔やんでいる」と書くと、後悔の対象がずれます。病気は会わなかった理由であり、本文が直接示す後悔の対象とは役割が異なります。また、手紙の内容は示されていないので、「友人が遠方へ去ると知った」といった事情は補いません。
答え:昨日、病気のために友人に会わなかったことであり、今日はその友人の手紙を見て、会わなかったことを後悔しています。
例題2 随筆の評価の基準を取り出します
原文:花の色のみをめづる人は、散りたる庭を見ず。われは、落ちたる花の香もをかしと思ふ。
現代語訳:花の色だけを愛する人は、花の散った庭を見ない。私は、落ちた花の香りも趣があると思う。
問い:語り手の花の楽しみ方は、「花の色のみをめづる人」とどのように違いますか。
- 比較される2つの立場を分けます。「花の色のみをめづる人」と「われ」を分けることで、片方の行動をもう片方に重ねる誤りを防げます。
- 「のみ」と「も」に注目します。「のみ」は対象を色に限定し、「も」は落ちた花の香りにも評価を広げています。評価の範囲の差が問いの中心です。
- 「をかし」の対象を明示して答えます。単に「趣があると感じる」とせず、散った花の香りを対象として補うと、楽しみ方の違いが伝わります。
この文から、語り手が花の色を嫌っているとは言えません。「色だけを見る」立場との違いは、香りにも目を向ける点です。対比の設問では、本文にない反対意見を作るよりも、何が限定され、何が追加されたかを確かめるほうが正確です。
答え:花の色だけを楽しむ人と違い、語り手は散った花の香りにも趣を感じて楽しんでいます。
例題3 説話の結末から教訓を説明します
原文:ある人、道に銭を拾ひて、主を尋ね、返しけり。人々、銭の多きをほめず、その心をほめけり。
現代語訳:ある人が道で銭を拾い、持ち主を探して返した。人々は銭の多さをほめず、その人の心をほめた。
問い:人々は何を評価していますか。この話の教訓を、評価の対象がわかるように説明しなさい。
- 行動を順番に並べます。「拾う」「持ち主を探す」「返す」という流れを押さえると、「その心」がどの行動に表れた心かを特定できます。
- 結末の否定と肯定を対応させます。「銭の多き」をほめない一方で、「その心」をほめているため、金額そのものが評価の中心ではないと判断できます。
- 本文の行動から言える教訓をまとめます。他人の物を自分の物にせず、持ち主に返そうとする誠実さが評価されているので、その範囲で答えます。
図2のように、出来事からいきなり教訓へ飛ばず、結末にある評価を間に置きます。「善いことをすれば利益を得られる」とするには、報酬などの結果が必要ですが、この文にはありません。人々にほめられたことと、財産が増えたことは別です。

なお、「けり」はここでは過去の出来事を語る形として訳しています。説話に出るから必ず詠嘆、あるいは必ず特定の訳語になる、とジャンルだけで決めることはしません。前後の文脈とともに意味を確かめます。
答え:金額の大きさよりも、拾った物の持ち主を探して返す誠実な心を尊ぶべきだという教訓です。
例題4 軍記の場面転換と人物の判断を読みます
原文:敵、橋のかなたに集まる。大将、これを見て、兵をとどむ。兵どもは進まむと思へど、大将は「今は渡るべからず」と言ふ。
現代語訳:敵が橋の向こうに集まる。大将はこれを見て、兵をとどめる。兵たちは進もうと思うけれども、大将は「今は渡ってはならない」と言う。
問い:「とどむ」の主語と、大将が兵をとどめた理由を答えなさい。また、「今は渡るべからず」を現代語訳しなさい。
- 場所と人物を整理します。橋の向こうにいる敵と、渡ろうとする側の大将・兵を分けることで、「これ」が指す状況を取り違えずに読めます。
- 「大将、これを見て、兵をとどむ」の骨組みを取ります。見る動作ととどめる動作をするのが大将で、とどめられる側は兵です。「兵を」の「を」が対象を示しています。
- 「思へど」の前後で立場を分けます。進もうとする兵の意志に対して、大将は禁止を命じています。同じ側の人物でも判断が異なることが、場面の要点です。
- 会話を文法に即して訳します。「べからず」は、助動詞「べし」の未然形「べから」に打消の「ず」が付いた形で、ここでは禁止を表します。「渡れないだろう」という能力や推量の説明にしないようにします。
理由は、直前に書かれた敵の集結に結びつけます。「橋が壊れたから」「援軍を待つため」といった説明は、戦いの話として自然に聞こえても本文にはありません。大将が警戒したと読めますが、敵の数や作戦の詳細までは断定できません。
答え:主語は大将、理由は橋の向こうに敵が集まっているのを見たから、現代語訳は「今は渡ってはならない」です。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 物語の語り手と人物の知識を重ねます
誤った書き方 → 「読者には手紙が届かない事情がわかるので、待つ人物も事情を知って安心しています。」
どこが違うか → 語り手が説明した情報と、人物が受け取った情報を混同しています。物語では、読者だけが事情を知る場面があります。その人物が事情を知ったことを示す会話や行動がなければ、安心しているとは言えません。
正しい書き方 → 「人物がその時点で知っていることを確かめ、待ち続ける動作や心情語から気持ちを説明します。」たとえば連絡がないことを不安に感じる描写があれば、その不安を根拠にします。後から明かされた事情を、前の場面にさかのぼって持ち込まないようにします。
図3のように、読者に示された情報が、そのまま人物にも届いているとは限りません。人物の心情を考えるときは、人物の側へ実際に届いた情報の範囲で推論します。

誤り2 ジャンル名から評価を決めます
誤った書き方 → 「説話なので、結論は善い行いが必ず報われるということです。」
どこが違うか → 結末にある行動の結果と評価を読まずに、一般的な教訓を当てはめています。説話には失敗を笑う話や不思議さを伝える話もあります。また、例題3のように人々の称賛があっても、将来の成功まで保証されるわけではありません。
正しい書き方 → 「持ち主を探して返した行動に対して、人々が誠実な心を評価しています。」このように、行動と評価の対応を示します。随筆でも同じで、「自然を扱う随筆だから自然はすべて美しいと主張している」と広げず、どの状態や性質が評価されているかを限定します。
誤り3 主語の取り違えを心情の説明で埋めます
誤った書き方 → 「例題4では、兵が怖がって大将をとどめたからです。」
どこが違うか → 「兵をとどむ」の対象を主語に変え、本文にない恐怖まで追加しています。兵は進もうとしていますから、その後の内容とも食い違います。心情をもっともらしく補っても、述語と格助詞の関係が崩れていれば説明は成立しません。
正しい書き方 → 「大将が、敵の集結を見て兵をとどめたからです。」まず「誰が、誰を、どうした」を確定します。その後に、行動の理由や心情を考える順序へ戻します。敬語がある文では、敬意の向かう先も補助的に使えますが、敬語の有無だけで人物を機械的に決めないようにします。
練習問題
次の古文も自作文です。問いを読んで、求められているのが主語・心情・理由・訳のどれかを先に確かめましょう。現代語訳を参考にする場合も、答案の根拠となった原文の語を1つ以上指させるようにします。
練習1 日記の後悔の対象
原文:昨日、母の文来たり。忙しければ、返事せず。今日、暇ありて、昨日のことを悔ゆ。
現代語訳:昨日、母の手紙が来た。忙しかったので、返事をしなかった。今日、時間ができて、昨日のことを後悔する。
問い:語り手は何を後悔していますか。昨日返事をしなかった理由と区別して答えなさい。
練習2 随筆の評価の範囲
原文:多く語る人よりも、人の言葉をよく聞く人こそ頼もしけれ。
現代語訳:多く話す人よりも、人の言葉をよく聞く人のほうが頼もしい。
問い:語り手が頼もしいと評価するのはどのような人ですか。また、この文から「話す人は全員信用できない」と言えますか。
練習3 物語の心情の変化
原文:女、友を待ちて門を見つむ。友の声を聞きて、笑みぬ。
現代語訳:女は友人を待って門を見つめる。友人の声を聞いて、ほほえんだ。
問い:「笑みぬ」の主語を答えなさい。また、この場面から読み取れる女の心情を、きっかけとともに説明しなさい。
練習4 軍記の行動と現代語訳
原文:兵ども、川を渡らむとす。大将、「水深ければ、渡るべからず」と言ひて、兵をとどむ。
現代語訳:兵たちは川を渡ろうとする。大将は「水が深いので、渡ってはならない」と言って、兵をとどめる。
問い:兵をとどめた理由を答えなさい。また、「川を渡らむとす」を現代語訳しなさい。
答えと解説
練習1の答え:昨日、母から手紙が来たのに返事をしなかったことです。「忙しければ」は返事をしなかった理由を示し、「昨日のこと」は前の出来事を受けています。母が手紙を送ったことや、自分に今日時間があることを後悔しているのではありません。「忙しかったからです」だけでは理由への答えになり、後悔の対象への答えになりません。
練習2の答え:人の言葉をよく聞く人であり、「話す人は全員信用できない」とは言えません。「よりも」による比較なので、聞く姿勢をより高く評価していますが、話す人を全員否定してはいません。「こそ」に対応する「頼もしけれ」は、形容詞「頼もし」の已然形です。係り結びを確かめると、何が評価の中心かも捉えやすくなります。
練習3の答え:主語は女であり、待っていた友人の声を聞いて、友人が来たことを喜んでいる気持ちです。「友の声」の「友」は声の持ち主で、笑った人ではありません。前から続く女の動作として読みます。「笑みぬ」の「ぬ」は連用形に付く完了の助動詞で、ここを打消にすると「ほほえまない」という逆の読みになってしまいます。声を聞く前から怒っていたとは書かれていないため、「怒りが解けた」とまでは述べません。
練習4の答え:理由は川の水が深いからで、訳は「川を渡ろうとする」です。「深ければ」は形容詞「深し」の已然形に「ば」が続き、この場面では確定した理由を表しています。「もし深いなら」と未確定の条件にしません。また、「渡らむとす」の「む」は、この文では兵の意志として受け取ります。大将の発言と兵の意図を別々に読むと、誰が止め、誰が進もうとしたかも整理できます。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
ジャンルごとの注目点を持つと、長い古文や複数の文章を比べる問題でも、根拠を探す場所を絞れます。さらに、現代文の小説で語り手と人物を分けたり、随筆で具体例と評価を結びつけたりする読み方にもつながります。文学史で作品の分類を学ぶ際も、名前の暗記に加えて、実際の文章がどう語られるのかを確かめられます。
家庭での確かめ方の1つ目は、5分で短い1段落の述語に線を引き、それぞれの主語を余白に補うことです。迷った箇所だけ、格助詞や会話の境目に戻ります。全部を現代語訳し直す必要はなく、人物の動きが説明できるかを確かめます。
2つ目は、別の5分で「何が起きたか」と「それを誰がどう受け止めたか」を2行に分けて書くことです。日記なら時点、説話なら末尾の評価、物語なら人物が知った情報を添えます。答えを長くするより、2行の関係を口頭で説明できるかを確認します。
個別指導では、心情説明に迷った箇所から、主語・指示語・助動詞の読みまで戻って確かめます。お子さまの説明を聞く保護者の方も、「どの言葉からそう考えたのか」と尋ねると、どこまで本文に基づいて読めたかを共有しやすくなります。
まとめ
文章を読んで最初に浮かぶ印象は、読み進めるための出発点になります。ただし、その印象を答案へ移すときには、誰の経験で、どの時点の気持ちで、何を対象にした評価なのかを確かめる必要があります。ジャンルの知識は、その確認先を見つける助けになります。
短い一文の主語を補うことも、末尾の評価と出来事を結ぶことも、作品の語り方を読む作業です。答案の言葉を選び直すたびに、人物や語り手の見ている世界が少しずつ具体的になります。
古文の心情は、ジャンルの名前ではなく、その人物が知り、見て、受け止めた出来事から読み取ります。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




