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「なぜそう書いたか」を自分で説明する—記述の確かめ方|武蔵野個別指導塾

記述の見直しでは、答えを読むだけでなく、選んだ言葉の理由を確かめます。本文を指して選択の理由を話すと、読み取りと表現のどこで迷ったかを探れます。

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「なぜそう書いたか」を自分で説明する—記述の確かめ方

答えは書けたのに、選んだ理由が言えない

よくあるのは、祖父母の家の客間で宿題を広げたお子さまが、書き直した記述を見せ、「どう考えたの」と尋ねられてノートを引き寄せるという場面です。解答例と似た言葉は入っています。文末も整っています。それでも「どうしてこの言葉を選んだの」と自分に問いかけると、本文のどこへ戻ればよいのかが曖昧です。答えを覚えていることと、答えを作った道筋がわかることの間に、隙間が残っています。

お子さまが「見直した」と言っているのに同じ種類の記述で迷うとき、読み直す回数を増やすだけでは扱いにくい部分があります。必要なのは、できあがった文章の見た目に加えて、その文章を選んだ理由を確かめる時間です。「なぜそう書いたか」という短い説明を、答案の横に添えてみます。

立派な解説を作る必要はありません。「この部分からこう考えたので、この言葉にした」とつながれば出発点になります。説明が途中で止まっても、止まった場所が次に読む場所を教えてくれます。国語の記述から作文、小論文まで、自分の言葉を点検する入口として使える方法です。

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自己説明は、答案と根拠の間を確かめる作業

学習心理学でいう自己説明は、学んでいる内容について、自分なりに関係や理由を説明することです。文章をそのまま声に出すこととも、「今日は頑張った」と感想を述べることとも少し違います。国語なら、本文の表現と自分の読み取り、設問の要求と答案の内容の間を、自分の言葉でつなぐ作業に置き換えられます。

自己説明を促す働きかけをまとめたメタ分析では、学習成果への効果量はg=0.55でした(Bisra et al.・2018)。対象は64報告を統合した学習研究で、数学を扱った別のメタ分析では、自己説明の促しが直後の手続きの知識、概念の理解、学んだ手続きを別の問題へ使う力に小〜中程度の効果を持ち、質の高い説明を支える手がかりがあると効果が大きいとされています(Rittle-Johnson et al.・2017)。作文をめぐる研究には英語圏のものが多い一方、ここでの根拠は学習全般と数学を扱っており、自己説明の効果量を日本語の記述の伸びと読み替えることは避けます。そこで指導に取り入れたいのが、自由に説明させるだけで終えず、何と何をつなげるのかを示す工夫です。

たとえば、本文に「何度も声をかけても返事がなく、私は玄関で立ち止まった」とあるとします。気持ちを説明する設問に「悲しかったから」と書いた場合、文としては自然です。しかし、「返事がない」という事実だけで悲しさを選べるのか、心配や戸惑いを表す前後の文がないかは、別に確かめる必要があります。「自然な日本語だから」という説明では、本文とのつながりまで点検できません。

ここで「悲しいと思ったのはどの表現からか」と尋ねると、前後を読む理由が生まれます。見つからなければ、すぐ別の気持ちの言葉に取り替えるより、「返事がないことはわかるが、気持ちはまだ決められない」と区切ります。わかった部分と保留する部分が分かれるので、読み直しの対象を絞れます。自己説明は、最初の答えを正当化するための弁論ではありません。

同じことは理由を答える記述にも起こります。本文中の目立つ語を集めた答案は、一見すると本文に沿っています。それでも「この出来事が、なぜこの行動につながったのか」を説明できなければ、原因と結果の間が抜けているかもしれません。反対に、言葉が解答例と違っていても、その関係を筋道立てて説明できれば、意味を比較する手がかりが得られます。

説明する内容を小さくすることも欠かせません。答案全体について「なぜ」と聞かれると、何から話せばよいか迷います。「この主語を補った理由」「この接続語を使った理由」「この例を残した理由」のように、選択を1つに絞ります。説明が短いほど、根拠のない飛躍や言葉の意味のずれを見つけやすくなります。

自己説明の目的は、話す量を増やすことではありません。自分が選んだ表現について、確かめられる理由を持つことです。「なんとなく」としか言えなかった箇所が「この対比を示したいから」に変われば、次の文章でも使える確認の視点が残ります。その視点を、実際の練習の順番にしていきます。

手元の記述1問から始める確かめ方

最初の教材には、すでに読んだ文章と、その文章について自分が書いた短い記述答案を使ってください。問題、本文、答案、解答例がそろっているものを選ぶと、どこを照らし合わせるかが明確です。まだ読んでいない長い文章に取り組むより、内容を追える文章で説明の仕方を試します。用意するのは、余白のある紙と筆記具で足ります。

設問が求めるものを先に決める

初めの2分は、設問だけを読み直します。「理由を述べる」「気持ちを説明する」「違いを示す」など、求められている働きを短く書いてください。条件が付いているときは、使う範囲や取り上げる対象にも印を付けます。この段階では解答例を開かず、自分が何に答えようとしたかを確認します。

確かめる問いは「この答案は、設問を知らない人にも何を説明しているかわかるか」です。理由を聞かれているのに出来事の紹介で終わっていないか、違いを聞かれているのに片方だけ書いていないかを見ます。ずれていると感じたら、答案を書き直す前に、余白へ「理由まで必要」「両方を比べる」と残します。

答案の言葉から本文へ戻る

次の3分は、答案の中で意味の中心になる言葉を1つ選び、その言葉を支える本文の箇所を探します。気持ちを表す語、理由を表す部分、筆者の主張をまとめた部分などが候補です。本文には線を引き、答案の言葉と矢印で結びます。離れた箇所を合わせた場合は、両方を示してください。

ここでの問いは「線を引いた部分を読むと、答案の言葉を選んだ理由が伝わるか」です。単語が同じというだけでは、十分とは限りません。本文では否定されている考えを、答案では筆者の考えとして書いていないかも確かめます。線をたくさん引くより、必要な部分を選び、その役割を短く言える状態を目指します。

事実と読み取りをつないで説明する

続く3分で、「本文には〜とある。そこから〜と考えたので、答案には〜と書いた」とつないでみます。この順番が長ければ、「根拠はここ。だからこの言葉」と声に出しても構いません。書く負担が大きい日は、本文を指で示しながら説明し、最後の理由だけを余白に残します。

たとえば、説明文に「便利になったが、利用できる人は限られている」とあるとします。「便利さが広く行き渡っていない」と答えたなら、「利用できる人が限られるという部分から、便利さを受け取れる範囲が狭いと考えた」と説明できます。「便利」という語があるから選んだ、という段階から、文同士の関係を捉えた説明へ進めます。

このとき「本文に書かれていること」と「自分がそこから考えたこと」を分けてください。自分の経験から足した内容があれば、それも区別します。自分で確かめる問いは「この説明のどこまでが本文で支えられ、どこからが自分の推測か」です。区別がつかない箇所には疑問符を付け、無理に説明を完成させません。

解答例は、理由を照合するために使う

次の3分で解答例と解説を読みます。まず自分の答案と共通する意味を探し、それから違う部分を比べます。違いは、根拠の場所、根拠からの読み取り、答案への表し方のどこにあるでしょうか。解説に本文の箇所が示されていれば、自分の線と照らし合わせます。解答例の言葉だけを写すと、違いが生まれた場所が残りません。

解答例が「戸惑い」を取り上げ、自分が「悲しさ」を選んだなら、両方の言葉を辞書で確かめてから本文へ戻る方法もあります。辞書は答えを決める道具というより、選んだ言葉の意味をはっきりさせる道具です。その意味を本文の状況に当てたときに無理がないかを見ます。解説を読んでもつながらなければ、疑問を短く書いて塾へ持っていけます。

最後の2分で、直す箇所を決めて書き直します。答案の横には「返事がないという事実だけで気持ちを決めていた。前後の行動も使う」のように、変更の理由を添えます。「間違えたので直した」よりも、何を見落としたかがわかる記録です。示した時間は練習を区切る目安として使い、途中で難しい語に出会った日は、その語を調べるところで終えて構いません。

書き直す言葉を決めにくいときは、候補を並べて違いを説明する方法も使えます。「筆者は便利さを認めている」と「筆者は便利さだけを重視している」では、後者の「だけ」によって意味が狭くなります。本文に制約への言及があれば、その言及と両立するのはどちらかを考えます。自分で足した短い語が、本文より強い断定を作っていないかを確かめてください。

反対に、必要な言葉を落としたために理由が伝わらない場合もあります。「負担があるから」だけでは、誰にどのような負担があるのかが読み手に届きません。根拠に線を引いた後で、「この答案を読む人は、本文のどの関係までたどれるか」と読み直します。主語や対象を補うなら、長くするためではなく、読み手が関係を取り違えないためだと説明できる形にします。

こうした比較に使うのは、自分の元の答案と書き直した答案で十分です。余白を左右に分け、変わった語だけに丸を付けてください。「意味が狭すぎたので外した」「対象が曖昧だったので補った」と添えると、変更の目的が残ります。説明と修正が対応しているかを最後に照合し、理由には書いてあるのに答案が直っていない箇所があれば、そこだけ修正します。

別の日には、手がかりを減らして確かめる

別の日に同じ答案を見るときは、前回の説明と解答例を紙で隠し、設問と本文から根拠を選び直します。「前はここに線を引いたはず」と場所を当てるより、今読んでなぜそこが必要かを言葉にします。根拠を選べても説明がつながらないなら、その途中が練習の対象です。覚えていた言い回しだけで通り抜けないようにします。

さらに、同じ種類の設問を別の文章で1問選んでみます。以前の答えの言葉を流用するのでなく、「理由と結果をつなぐ」「対比されている両方を見る」といった確認の仕方を使います。教材を増やす前に、手元の問題の中から設問の働きが似ているものを探せば始められます。初めての文章で説明できた箇所には、その日の日付を残してください。

作文では、自分の下書きの中から理由を述べた文を選びます。「この経験を入れたのは、どの考えを伝えるためか」と説明し、関係が弱ければ経験の示し方を直します。小論文では「この根拠は主張のどの部分を支えるか」「この資料から言える範囲を越えていないか」を確かめます。読解の記述は本文に、作文は伝えたい経験や考えに、小論文は資料や論拠に戻るという違いを意識します。

慣れるまでは、練習を終えた紙に「根拠を示せたか」「理由をつなげたか」「直した意味を言えたか」を短く記録します。全部できた日だけを成功にする必要はありません。「根拠は選べたが言い換えに迷った」と書ければ、次回の始め方が決まります。点検の項目を毎回増やすより、同じ問いで前回との変化を見るほうが取り組みやすくなります。

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個別指導では、説明が途切れた場所を扱う

自己説明を家庭学習に取り入れると、言葉が出なくなる場面も見えてきます。その沈黙をすべて「理解していない」と受け取ると、支援の方向が狭くなります。本文の意味が曖昧なのか、設問の要求を取り違えたのか、考えはあるが話す順番が決まらないのか。指導では、答案と説明を合わせて、その違いを確かめる必要があります。

塾で初めに持つのは、問いを絞る役割です。「全部説明して」と求める代わりに、答案のある語を指し、「この言葉の根拠にしたのはどこですか」と聞きます。指で示せたら、「その部分をどう受け取ったのですか」と続けます。言葉の意味が曖昧なら語句へ戻り、本文は読めているのに答案に足りないなら、必要な情報を選ぶ練習へ進みます。

説明の手本を示すことも塾が担います。ただし、完成した答案を読み上げるだけでは、選ぶ途中の考えが伝わりません。「ここには出来事が書いてあるけれど、設問は理由を求めているので、その前の文も読む」と、判断の途中を短く示します。その後はお子さまが別の箇所を説明します。手本を聞く時間と、自分で判断する時間を分けることで、どこまで一人で進められるかが見えてきます。

指導中は、説明が流暢かどうかより、本文との対応を優先します。長く話せても、本文にない気持ちや一般論が混ざっていることがあります。反対に、口数が少なくても、必要な箇所を指し、「この対比だから」と言えれば、筋道の中心を押さえています。話し方の得意不得意が、記述の理解の評価にそのまま入り込まないようにします。

間違った説明に対しては、反対の答えをすぐ渡すのではなく、確かめ直す箇所を示します。「その読み方だと、次の文の『しかし』は何と対立しますか」と尋ねれば、お子さま自身が読みのつながりを点検できます。それでも語句や背景の理解が足りなければ、必要な説明を加えます。考え続けさせるだけで済ませず、自力で扱える材料をそろえることが指導の責任です。

進み具合は、完成答案だけを並べると見えにくいことがあります。そこで、最初の答案、本人の説明、書き直した答案、直した理由を同じ紙に残します。余白が狭い場合は、直した語と理由だけを別紙に写し、元の問題がわかるようにします。きれいな清書とは別に、判断が変わった跡を取っておくための記録です。

講師からの手助けも一緒に残します。「根拠の段落を示すと説明できた」と「自分で根拠を選んで説明できた」は、完成した答えが同じでも違う状態です。前者を不足として隠す必要はありません。次の授業では段落の指定を外す、と支援の減らし方を決められます。説明の長さを伸ばすより、判断を本人に返せる部分が増えたかを見ます。

授業の終わりには、講師が説明した問題とは別の短い記述で確かめます。先ほどの問いかけをそのまま重ねず、まずお子さまがどこを見るかを待ちます。本文へ戻れたか、根拠を選び直せたか、迷いを言葉にできたかを記録します。途中で助けた場合は、どの問いで再開できたかも残すと、次回の授業の入口を決められます。

たとえば、前回は講師が接続語を指していたのに、今回は本人が「ここで逆のことを言っている」と気づいたなら、比較する視点を自分で使い始めたと捉えられます。そのうえで答案に両方の内容が入っているかを見ます。気づきと表現を別々に確認すれば、読めるようになった部分を認めつつ、書く段階に残る課題を具体的に扱えます。

家庭へ伝える内容は、その日の課題、確かめられたこと、次に扱うことをつなげます。たとえば「理由の記述で、本文の出来事は選べました。行動につながる意味は問いかけの後に説明できました。次回は問いかけを減らして、つながりを自分で補う練習をします」という形です。「記述を頑張りました」だけでは見えない、支援の位置と次の見通しが伝わります。

ご家庭が持つ役割は、毎回の答案を採点することより、取り組みの入口を整えることです。使う問題と記録の紙を一緒に置き、終えたらしまう場所を決めます。お子さまから説明を聞く場合も、「今日はどの言葉を確かめたの」と対象を絞ってください。答えの正誤に迷ったら、「ここがまだ疑問なんだね」と記録に残し、教材と一緒に塾へ戻せます。

塾と家庭の間で共有したいのは、練習に時間がかかりすぎる、説明しようとすると手が止まる、といった負担の変化です。その場合は扱う答案を短くする、口頭から始める、確認を根拠探しだけに絞るなど、課題の置き方を調整します。家庭で指導を補い続ける前提ではなく、授業で必要な支えを組み直す材料にします。

自己説明についてよくある質問

説明できないときは、答えを書かせる前に戻るべきですか

毎回、最初からやり直す必要はありません。まず、すでにわかっている部分を分けます。本文の箇所は示せるのか、その意味を短く言えるのか、設問との関係で止まっているのかを順に見てください。根拠を指せるなら、その箇所を起点にできます。「何もわかっていない」と扱わず、途切れた部分からつなぎ直します。

説明の文が出ない場合は、「この言葉は本文にあることですか、自分で考えたことですか」のように、答えやすい問いから始めます。指さしや短いメモでも確かめられます。ただし、相手が示した選択肢を選べた段階と、自分から理由を言えた段階は区別し、次にどの支えを外すかを決めます。

間違った答えにも理由を付けてしまいませんか

その可能性はあります。筋の通った話に聞こえても、本文に戻ると根拠が合っていないことがあります。説明ができたことだけで終えず、設問、本文、解説と照合してください。「この説明と食い違う表現はないか」と探すと、自分の答えを支える箇所だけに目が向くのを避けられます。

直す際は、誤った答えを消して終えるより、「この語を読み落としたので、反対の意味に取っていた」と変更の理由を残します。最初に考えた理由を見直せることも、自己説明の役割です。答えを守るための説明になっていると気づいたら、いったん結論を保留して読み直します。

すべての文について説明すると、時間が足りません

すべてを同じ細かさで説明する必要はありません。練習では、迷った語や、前回と同じずれが出た箇所など、確かめる対象を選びます。解けた問題でも、たまたま合った気がする箇所は候補になります。長い作文なら、理由を支える具体例が入った段落だけを取り上げてもよいでしょう。

慣れてきたら、説明を紙に残す範囲を減らし、設問と根拠を確かめる短い自問に移します。急いでいる日は、疑問の印だけ残して後で検討しても構いません。練習で丁寧にたどった道筋を、必要なときに呼び戻せるようにすることが目標です。毎回同じ量の作業を足すことが目的ではありません。

答えの横に、選んだ理由を残す

次の記述練習では、答えを書いた後に、中心になる言葉を1つ選んでみてください。そして本文へ戻り、「この部分から、こう考えたので、この言葉にした」と短くつなぎます。説明が途切れたら、その場所に印を付けておけば、次に取り組む課題を持って終えられます。

最初から迷わず説明できることを求めなくて大丈夫です。根拠の場所が定まり、言葉を選び直した理由が残ると、書き直しは答えを写す時間から、自分の判断を確かめる時間へ変わります。ご家庭と塾が同じ記録を見れば、何を支え、何を本人に任せるかも話し合えます。答案の横に添えた理由を自分の声で確かめる、その小さな振り返りから、書いた答えを自分で点検する習慣が始まります。

参考文献

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。

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