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【中学古典】古文の文法の基本を図解で総まとめ—動詞の活用・助動詞「けり」「ず」「なり」・敬語の入口|武蔵野個別指導塾

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「咲きぬ」と「咲かぬ」の違いを、活用表と接続の図で確かめます。助動詞・係り結び・敬語を読む例題から、根拠のある現代語訳へ進みましょう。

よくあるのは、修学旅行前の教室で古い建物についての説明を読み、古文の「けり」や「なり」が出たところで、知っている言葉をつなげるだけでは意味が通らなくなるという場面です。「花が咲く」という出来事はつかめても、咲いたのか、咲かないのか、これから咲くだろうという話なのかで、読み取る景色は変わります。その違いを支えるのが、動詞の形と、その後ろにつく短い言葉です。

古文の文法は、活用表を最後まで暗唱してからでなければ読めないものではありません。まず動作を表す語を見つけ、後ろの語が何を付け加えているかを確かめます。さらに、誰の動作か、文末の形に決まりがあるかを見れば、訳の根拠がそろいます。ここでは短い自作の文を使い、「なぜその訳になるのか」を言葉で説明できるところまで進めます。古文の例文には、その場で意味を確かめられるよう現代語訳も添えます。

この単元で身につけること

現代語の文法で学んだ動詞・助動詞・助詞の区別が土台になります。ただし、現代語の活用表をそのまま古文に当てはめることはできません。歴史的仮名遣いの読み方と、語の文法的な働きを分けて考えると、音読できることから意味を説明できることへ進めます。

基本の考え方

動詞は後ろの語に合わせて形を変えます

動詞などが文中で形を変えることを「活用」といいます。辞書の見出しに使う基本の形は終止形です。古文の動詞にも、未然形・連用形・終止形・連体形・已然形・命令形という6つの活用形があります。現代語の仮定形に対応する位置を、古文では「已然形」と呼びます。読み方は「いぜんけい」です。

代表として、カ行四段活用の「書く」を並べます。活用形の名前は順番だけでなく、どのような語が続くかと一緒に確かめましょう。

活用形 「書く」の形 確かめる短い表現 現代語訳
未然形 書か 書かず 書かない
連用形 書き 書きけり 書いた
終止形 書く 文を書く。 手紙を書く。
連体形 書く 文を書く人 手紙を書く人
已然形 書け 書けば 書くので
命令形 書け 文を書け。 手紙を書け。

この表の「文」は手紙という意味で使っています。また、「書けば」はここでは確定した事柄を理由として示す用法です。古文の「已然形+ば」は「〜ので」「〜すると」などと訳すのが基本で、現代語の「もし書けば」と同じ条件だと思い込まないようにします。古文で仮定の条件を表す基本の形は「未然形+ば」です。

「書く」は語尾が「か・き・く・く・け・け」と変わり、ア・イ・ウ・エの4つの段にわたるため四段活用といいます。現代語の「書く」は五段活用ですが、古文の名称は四段活用です。音が同じだから分類名も同じ、とは限りません。

図1のように、6つの活用形を同じ幅の箱に並べると、終止形と連体形が同じ形であること、已然形と命令形も同じ形であることが見えます。同じ形でも働きが違うため、文字だけで活用形を決めず、後ろとのつながりを確かめます。

図1 書くの六つの活用形と同じ形になる位置

古文の動詞の活用には、四段・上二段・下二段・上一段・下一段・カ行変格・サ行変格・ナ行変格・ラ行変格の9種類があります。入口では次の代表例を見比べ、特に終止形と連体形が異なるものに注目します。括弧内は基本的な現代語の意味です。

活用の種類 代表語 未然・連用・終止・連体・已然・命令の順
四段 書く(書く) 書か・書き・書く・書く・書け・書け
上二段 起く(起きる) 起き・起き・起く・起くる・起くれ・起きよ
下二段 受く(受ける) 受け・受け・受く・受くる・受くれ・受けよ
上一段 見る(見る) 見・見・見る・見る・見れ・見よ
下一段 蹴る(蹴る) 蹴・蹴・蹴る・蹴る・蹴れ・蹴よ
カ行変格 来(来る) こ・き・く・くる・くれ・こ/こよ
サ行変格 す(する) せ・し・す・する・すれ・せよ
ナ行変格 死ぬ(死ぬ) 死な・死に・死ぬ・死ぬる・死ぬれ・死ね
ラ行変格 あり(ある・いる) あら・あり・あり・ある・あれ・あれ

「上二段」の「二」は活用形の数ではありません。「起く」ではイ段とウ段、「受く」ではエ段とウ段という、活用の中心になる音の段の違いを表します。「来」は表中では読みをひらがなで示しました。「く」が終止形、「くる」が連体形で、現代語の「来る」とは位置づけが違います。

最初から9種類の判定を速くするより、文に現れた「起くる」を見て、基本形は「起く」、今は名詞につながる連体形だと戻れることを目指します。活用表は答えを当てるための一覧ではなく、前後の語がつながる理由を調べる道具です。

助動詞は出来事に意味を付け足します

助動詞は、ほかの語につき、過去・打消・推量などの意味を付け加え、それ自体も活用する語です。どの活用形につくかという決まりを「接続」と呼びます。後ろにある助動詞を調べると、直前の動詞の活用形がわかることもあります。

助動詞の基本形 主な接続 まず押さえる意味 自作の短い例と現代語訳
けり 連用形 過去・詠嘆 花咲きけり。=花が咲いた。
ぬ 連用形 完了・強意 花咲きぬ。=花が咲いた。
ず 未然形 打消 花咲かず。=花が咲かない。
む 未然形 推量・意志など 我行かむ。=私は行こう。
なり(断定) 体言・連体形 断定・存在 これは文なり。=これは手紙である。
なり(伝聞・推定) 原則として終止形 伝聞・推定 人来なり。=人が来るそうだ。

最後の例は、人から聞いた話を伝える場面です。「来」は「く」と読み、カ行変格活用の終止形です。歴史的仮名遣いの表記と、基本形・活用形を照らして読みます。

「けり」は、過去の出来事を物語るときは「〜た」、新しく気づいて感動するときは「〜のだなあ」などと訳します。表の「花咲きけり。」は過去の出来事を述べる場面での訳です。今、咲いていることに気づいた場面なら「花が咲いているのだなあ」とする可能性があります。語の意味の候補を覚えた後は、場面を確かめて1つに絞ります。

「ぬ」はここでは完了を表し、出来事が実現したことを示しています。推量の語などと組み合わさると強意を表す用法もありますが、見かけた「ぬ」をすべて「きっと」と訳すわけではありません。「ず」の連体形にも「ぬ」があるため、完了と打消の区別には直前の形が欠かせません。

「む」はまだ確定していないことに関わります。「我行かむ。」なら話し手自身の意志で「私は行こう」、「明日は雨降らむ。」なら将来のことの推量で「明日は雨が降るだろう」と考えます。主語は大切な手掛かりですが、それだけで機械的に決まるわけではありません。「む」にはほかに勧誘・適当、仮定、婉曲などの用法もあり、文全体や後ろの名詞との関係を見ます。

「なり」は2種類を分けて覚えます。「これは文なり。」の「文」は名詞、つまり体言なので、ここは断定です。一方、伝聞・推定の「なり」は、聞いた話や音などを根拠にします。ラ変型の活用語には例外的に連体形につくことも押さえましょう。四段動詞のように終止形と連体形が同じ場合は、接続だけで区別できず、前後の内容まで調べる必要があります。

係助詞と敬語は文全体に目を向ける合図です

係助詞は、語を取り立てて強調したり、疑問などの意味を添えたりします。古文では「ぞ・なむ・や・か」があると結びが連体形に、「こそ」があると結びが已然形になるのが係り結びの基本です。「は・も」も係助詞ですが、このように結びの活用形を変える働きはありません。

例えば「ここにぞ花咲くる。」としてはいけません。「咲く」は四段活用なので、その連体形は「咲く」です。正しくは「ここにぞ花咲く。」で、現代語では「ここに花が咲く」と訳します。強調を表す必要があれば「まさにここに花が咲く」と補えますが、毎回「ぞ」を独立した1語に訳す必要はありません。

敬語では、まず動作をする人への敬意と、話を聞く相手への丁寧さを区別します。「先生、文を読み給ふ。」は、先生を敬って「先生が手紙をお読みになる」と述べた文です。ここでの「給ふ」は四段活用で、動詞に添えられた尊敬の補助動詞です。「たまふ」とひらがなで書いても、同じ用法なら意味は変わりません。

ただし「給ふ」には下二段活用の謙譲の用法もあります。また、単独で「お与えになる」という意味の動詞として使われることもあります。漢字かひらがなかで敬語の種類を決めず、前の語と活用を調べます。入口では「動詞の後ろの四段活用の給ふは、その動作主を高める」という関係を、具体的な文でつかみましょう。

例題で解き方を確かめる

例題1 後ろの語から活用形を決める

問題:「文を書きけり。」の「書き」の基本形・活用の種類・活用形を答え、文全体を現代語訳しましょう。過去の出来事を述べる文とします。

  1. 「文を/書き/けり」と意味のまとまりを確かめます。動作の中心が「書く」、その後ろに助動詞があるとわけることで、文末までを1つの動詞だと思う誤りを防げます。
  2. 「書き」を基本形の「書く」に戻します。「書か・書き・書く・書く・書け・書け」と活用するので、カ行四段活用です。
  3. 後ろの「けり」の接続を確かめます。「けり」は連用形につくため、「書き」は連用形です。形の暗記だけでなく、つながりからも確かめられます。
  4. 動作に過去の意味を重ねます。「文」はここでは手紙なので、「手紙を書いた」と訳します。主語はこの1文だけでは特定できないため、名前を勝手に足しません。

答え:基本形は「書く」、カ行四段活用の連用形で、現代語訳は「手紙を書いた」です。

例題2 同じ「ぬ」を接続で読み分ける

問題:A「花咲きぬ。」、B「咲かぬ花を見つ。」の「ぬ」の意味をそれぞれ答えましょう。Bの「見つ」は「見た」という意味です。文全体の訳は、Aが「花が咲いた」、Bが「咲かない花を見た」です。

  1. Aの「ぬ」の直前を取り出します。「咲き」は「咲く」の連用形なので、連用形につく完了の助動詞「ぬ」と判断できます。
  2. Bの直前も同じように調べます。「咲か」は未然形で、未然形につく打消の助動詞「ず」が候補になります。完了の「ぬ」は未然形にはつきません。
  3. Bの直後の「花」を確かめます。名詞を修飾しているため「ず」が連体形の「ぬ」になっています。「ぬ」という見た目から基本形までさかのぼるのが大事です。
  4. 「咲いた」と「咲かない」を文に戻して比べます。同じ花についての表現でも、出来事が実現したかどうかが反対になります。文末かどうかだけでなく、前後の語から確認します。

答え:Aは完了の助動詞「ぬ」、Bは打消の助動詞「ず」の連体形「ぬ」です。

図2のように、「ぬ」の直前を左右に分けて見ると、判断する場所がはっきりします。赤い側の打消では、後ろに名詞が続くことも連体形の確かめになります。「ぬ」だけを丸で囲むのではなく、直前の「き」「か」まで一緒に見る習慣をつけます。

図2 ぬの直前の活用形から完了と打消を分ける図

例題3 「なり」の意味を接続と場面から決める

問題:A「これは文なり。」、B「人来なり。」の「なり」の意味を答え、訳しましょう。Bの「来」は「く」と読み、人から聞いた知らせを伝える場面とします。

  1. Aの直前の「文」を調べます。名詞であるため、体言につく断定の「なり」です。「手紙である」と言い切る意味が成り立ちます。
  2. Bの「来」を基本形と照らします。カ行変格活用は「こ・き・く・くる・くれ・こ/こよ」なので、ここでは終止形です。
  3. 終止形につく「なり」は伝聞・推定の候補です。さらに「聞いた知らせを伝える」という場面が与えられているため、今回は伝聞の「〜そうだ」を選びます。
  4. 文全体の訳を整えます。Bを単に「人が来る」と訳すと、話し手が人から聞いたという情報が落ちます。また、「来そうだ」だけでは見た様子から予想した意味にもなるので、「来るそうだ」と書きます。

答え:Aは断定で「これは手紙である」、Bは伝聞で「人が来るそうだ」です。

Bで終止形を確認できたのは、「来」の終止形と連体形が異なるからです。もし両方が同じ形の動詞なら、形だけで同じ説明はできません。識別問題では、判定できる根拠の強さが語によって違うことにも注意します。

例題4 敬語と係り結びを合わせて訳す

問題:「先生こそ文を読み給へ。」の「給へ」の活用形を答え、現代語訳しましょう。ここでの「給ふ」は四段活用の尊敬の補助動詞で、「文」は手紙です。

  1. 動作の中心を「文を読む」と押さえます。「先生」が読む人であり、その動作に「給ふ」が添えられているので、先生への敬意を表しているとわかります。
  2. 「給ふ」の活用を確認します。「給は・給ひ・給ふ・給ふ・給へ・給へ」なので、「給へ」だけを見ると已然形と命令形の2つが候補です。
  3. 前に戻って「こそ」を探します。「こそ」の結びは已然形になるため、この文の「給へ」は已然形と判断します。形が同じでも、文全体の仕組みが決め手になります。
  4. 命令の意味を加えず、尊敬と強調を残します。「先生こそが手紙をお読みになる」と訳せば、読む人を取り立てていることも伝わります。「お読みなさい」では、先生への命令に変わってしまいます。

答え:「給へ」は已然形で、現代語訳は「先生こそが手紙をお読みになる」です。

文末が普段見慣れた終止形でなくても、すぐに命令や省略と決める必要はありません。先に係助詞を探し、その結びに合っているかを調べます。動詞の形、助動詞の接続、係り結び、敬語は、別々の暗記事項で終わらず、1つの訳を確かめるために一緒に使えます。

つまずきやすいところと直し方

誤り1 古文にも五段活用と書いてしまう

誤った書き方:「書きけり」の「書く」はカ行五段活用です。現代語で覚えた分類を、古文の問いにそのまま使っています。現代語の文法を思い出せたことはよいのですが、今調べている言葉の体系が違います。

どこが違うかというと、古文の「書く」は「か・き・く・く・け・け」と活用し、使う段が4つである点です。正しい書き方は「カ行四段活用の連用形」です。直すときは「五」を「四」に替えるだけで終えず、6つの形を声に出し、「けり」がつく場所を指します。分類名と、実際の形の変化がつながります。

誤り2 「なり」をすべて「である」にする

誤った書き方:「人来なり」を「人が来るのである」と訳します。「なり」の訳語を1つだけ覚えていて、前の「来」がどの形かを確認していません。この文は例題3のように伝聞の場面なら、「人が来るそうだ」と訳します。

どこが違うかというと、「来」は終止形の「く」で、断定の「なり」がつく連体形「くる」ではない点です。正しい読み方は、基本形に戻して接続を確かめ、そのうえで場面を使って伝聞と推定を選ぶことです。ただし「終止形の形に見えるから必ず伝聞」という新しい丸暗記に置き換えてはいけません。四段活用などでは終止形と連体形が同じであり、そこで判定を保留する判断も必要です。

誤り3 「給へ」を命令と決めつける

誤った書き方:「先生こそ文を読み給へ」を「先生よ、手紙を読んでください」と訳します。文末の「へ」の響きから命令だと考えていますが、「給へ」は已然形にも命令形にもなる形です。

どこが違うかというと、前にある「こそ」との関係を落としている点です。正しくは已然形と判断し、「先生こそが手紙をお読みになる」と訳します。敬語も、丁寧な言葉を足せばよいわけではありません。「先生が手紙を読みます」だけだと、聞き手への丁寧さはあっても、先生の動作を高める尊敬の働きが十分に示されません。

図3のように、文中の係助詞と結びを1組で探します。「ぞ・なむ・や・か」と「こそ」を同じ箱に入れないことが、連体形と已然形の混同を防ぎます。「や・か」には疑問・反語の用法がありますが、どちらの意味かは内容を読んで判断し、形の決まりと意味の判断を分けます。

図3 係助詞の種類によって変わる結びの活用形

実際の文章には結びが省略される場合などもあります。まずは例題のように1文で関係がそろう形を身につけ、読んでいる本文の注釈で例外を確認しましょう。決まりに合わないように見えたとき、本文を勝手に書き換えるのではなく、どの語が結びかを探し直します。

練習問題

次の問題では、答えだけでなく「直前が何形か」「結びに関係する係助詞は何か」を短く説明してみましょう。訳の候補を先に思いついても、その根拠が文中にあるかを確認します。

練習1

「鳥鳴きけり。」の「鳴き」の基本形・活用の種類・活用形を答えましょう。昔の出来事を述べる文として、現代語訳も書きます。「けり」は過去を表すものとします。

練習2

A「風吹きぬ。」、B「風吹かぬ日。」の「ぬ」の意味をそれぞれ答えましょう。あわせてAの文とBの名詞を中心としたまとまりを現代語訳し、直前の形の違いを説明します。

練習3

話し手が自分の予定を決めて「我、明日は文を書かむ。」と言いました。「む」の意味を答え、現代語訳しましょう。「文」は手紙です。また、「書か」は何形かも答えます。

練習4

「先生ぞ文を読み給ふ。」の「給ふ」の活用形と敬語の種類を答え、現代語訳しましょう。「給ふ」は四段活用の補助動詞、「文」は手紙です。現代語訳では、「ぞ」が読む人を強調する働きを持つことも表します。

答えと解説

練習1の答えは、基本形「鳴く」、カ行四段活用の連用形、訳は「鳥が鳴いた」です。「鳴き」は連用形につく「けり」の直前にあります。過去を述べるという条件があるので、詠嘆の「鳴いているのだなあ」にはしません。場面の指定も問題の根拠に含めます。

練習2の答えは、Aが完了で「風が吹いた」、Bが打消で「風が吹かない日」です。Aの「吹き」は連用形なので、完了の助動詞「ぬ」がついています。Bの「吹か」は未然形で、打消の助動詞「ず」の連体形「ぬ」が続き、「日」を修飾しています。「吹かぬ」までで修飾のまとまりをつかむと、後ろの名詞との関係も説明できます。

練習3の答えは、意志で「私は明日、手紙を書こう」、また「書か」は未然形です。自分の予定を決める場面と「我」という主語が、意志と読む根拠です。「む」の接続も未然形なので、形の条件が一致します。別の人物について予想する場面なら推量が候補になるため、主語だけでなく場面を合わせて読みます。

練習4の答えは、連体形・尊敬で、「先生がまさに手紙をお読みになる」ではなく、読む人を強調して「ほかでもない先生が手紙をお読みになる」です。「ぞ」が「先生」を取り立て、結びを連体形にしています。四段活用の「給ふ」は終止形も連体形も同じ形ですが、この文では係り結びが活用形を決めます。強調を明示する指定がない通常の訳なら、「先生が手紙をお読みになる」として、説明で強調に触れる方法もあります。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

動詞と助動詞を読めると、説話で過去の出来事を追ったり、和歌で気づきや感動を読み取ったりするときに、語尾を根拠にできます。敬語は、省略された主語を考える際にも手掛かりになります。ただし、敬語があるという理由だけで人物名を決めず、前後の行動や会話と合わせて確かめる必要があります。

家庭では、5分でできる確認を2つ使えます。1つ目は「書かず・書きけり・書かむ」を紙に書き、「書く」のどの形に何がついたかを口で説明する方法です。それぞれ「書かない・書いた・書こう」と訳し、最後の「書こう」は話し手の意志の場面だと条件も添えます。保護者の方がお子さまに尋ねるなら、意味に加えて「どこを見て決めたの」と聞くと、根拠が聞き取れます。

2つ目は、例題4と練習4を並べ、「こそ」と「ぞ」、「給へ」と「給ふ」の対応に線を引く方法です。答えを隠してから活用形を言い、見直した後には尊敬の意味が訳に残っているかも確認します。個別指導で確かめる際は、まず動詞と助動詞を分けられるかに戻り、必要なら現代語の「書かない」の動詞と助動詞の区別から扱います。形がわかるのに訳がずれる場合は、暗記を増やす前に、主語と場面の読み方を調べます。

まとめ

古文の短い語尾には、出来事の実現・打消・予想や、人物への敬意が込められています。訳が迷うところには、活用表に戻る、直前と直後を見る、係助詞を探すという具体的な調べ方があります。根拠を確かめれば、同じ「ぬ」でも同じ意味とは限らず、同じ「給へ」でも同じ働きとは限らないことを説明できます。

古文の1文字の違いは、訳から消してよい小さな差ではありません。

本気になった日が、入塾の日。

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