
武蔵野個別指導塾の特徴
【中学公民】国際社会と私たちを図解で総まとめ—国際連合・地球環境・平和|武蔵野個別指導塾

国連の主要な機関と安保理の採決を図で整理し、拒否権を判断する例題や貧困と教育の関係を考える問題を通して、国境を越える課題への協力を学びましょう。
よくあるのは、休日の駅の待合室でニュースを見て、「国連では賛成が多いのに、どうして決議が成立しないのだろう」と考え込む場面です。学校の学級会なら多数決で決まることも、国際社会では同じように進みません。まず、どの機関の話なのか、どんな決定のきまりがあるのかを分ける必要があります。
一方、国際社会の学習は戦争や外交だけの話でもありません。服を作る人の働く環境、食べ物を運ぶ燃料、発電によって出る二酸化炭素など、身近な生活にも国境を越えるつながりがあります。遠くの国の貧困や環境問題を、単に遠い出来事として切り離すことは難しいのです。
この単元では、国家どうしが協力するしくみと、協力が必要になる理由を結びつけます。用語の横に「誰が」「何のために」「どんな方法で」と書き足すと、似た言葉を区別しながらニュースや資料を読めるようになります。
この単元で身につけること
- 国家と主権の意味を説明します。領域・国民・主権を手がかりに、国内の政治と国家間の関係を区別します。
- 国際法と国際連合の働きを整理します。条約などのきまりと、それを土台に話し合う機関を混同しないようにします。
- 安全保障理事会の採決を判断します。賛成票の数だけでなく、常任理事国の反対の有無まで確認します。
- 地域統合と経済格差を読み取ります。国のまとまりが生まれる理由と、南北問題が何を表すかを説明します。
- 環境・資源・貧困を関連づけます。持続可能な開発目標(SDGs)と日本の国際貢献を、具体的な行動につなげて考えます。
前の単元で学ぶ財政や社会保障は国内の暮らしを支えるしくみですが、ここでは国境を越えて人々の暮らしを支える協力へ視野を広げます。同じ課題でも、国の政府、国際機関、市民団体では使える手段が違います。名前の暗記に加えて、役割の違いを一文で説明することが目標です。
基本の考え方
主権を持つ国家と国際法
国家の基本となる要素は、領域、国民、主権です。領域は領土・領海・領空からなります。主権には、国内の政治について最終的に決定する権力という面と、他国の支配を受けず独立しているという面があります。国の面積や経済力に差があっても、国家は主権の面で平等であるという原則が国際社会の土台です。
独立しているから何をしてもよい、という意味ではありません。国家間の関係などを規律する国際法には、国どうしが合意して結ぶ条約や、国際的な慣行から成立した国際慣習法があります。各国が約束を守り、争いを交渉や裁判などで平和的に解決することが求められます。
国内には法律を執行する政府がありますが、国際社会にはすべての国家を一律に支配する世界政府はありません。そのため、共通のきまりに加え、話し合いの場や協力を続けるしくみが必要になります。
国際連合は役割を分けて協力する
国際連合は、第二次世界大戦の反省をふまえて1945年に発足しました。国際平和と安全の維持だけでなく、人権の尊重や経済・社会の発展のための協力も目的にしています。日本は1956年に加盟しました。
図1のように、国連には役割の異なる主要な機関があります。図はその一部を取り出したもので、上下の命令関係を示す図ではありません。総会にはすべての加盟国が参加し、原則として1か国1票で議論します。総会の決議の多くは勧告であり、すべてが各国に行動を強制する命令ではありません。

安全保障理事会は、国際平和と安全の維持に主要な責任を持ちます。アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の常任理事国5か国と、任期2年の非常任理事国10か国からなります。国連憲章に基づいて、経済制裁など、加盟国が従う義務を負う決定を行うこともあります。
国際司法裁判所は国家間の法的な紛争を扱います。国連の裁判所でも、原則として当事国の同意など、裁判を行うための条件が必要です。また、国連の基金である国際連合児童基金(UNICEF)は子どもの支援に、専門機関である世界保健機関(WHO)は保健分野の国際協力に取り組みます。活動をすべて安保理の仕事と考えないことが大切です。
国境を越える課題と地域の協力
ヨーロッパ連合(EU)のように、近隣の国々が経済などの結びつきを強める動きを地域統合といいます。東南アジア諸国連合(ASEAN)も地域協力を進めています。ただし、共通通貨の有無や協力の深さは同じではなく、EUの加盟国すべてがユーロを使っているわけでもありません。
経済的に豊かな先進国と、開発途上国との間の経済格差は南北問題と呼ばれます。先進国が北半球に多いことなどに由来する呼び名で、赤道を境に国を機械的に分類する言葉ではありません。開発途上国の間にも経済発展の差があり、これを南南問題と呼びます。
地球温暖化への対応も一国だけでは完結しません。化石燃料の使用を減らすには、省エネルギーや再生可能エネルギーの導入に加え、電力の安定供給や費用への配慮が必要です。原子力発電には発電時の二酸化炭素排出を抑えやすい面がある一方、安全性や放射性廃棄物の処理という課題があります。資源が限られる中で、環境・安定供給・費用のどれを重く見るかも検討します。
例題で解き方を確かめる
例題1 国家の要素を区別する
問題:「他国に支配されず、自国の政治を自ら決定する権力」を何といいますか。また、国家の基本となる残りの2要素を答えましょう。
- 説明文の「決定する権力」に注目します。場所や人々ではなく、政治を決める力を問う表現だからです。
- 他国からの独立という説明を重ねます。国内の最高の権力と対外的な独立を併せ持つ用語が主権です。
- 国家を形づくる場所と人々を補います。それぞれ領域と国民に対応するためです。
答えは「主権、領域、国民」です。「政府」は政治を行う機関なので、主権という権力そのものとは区別します。主権国家であることと、人口や軍事力が大きいことも別です。
例題2 安保理の採決を読む
問題:図2は、安保理の手続事項以外の決議案について、3通りの採決を示した例です。A・B・Cのうち、採択されるものを答えましょう。棄権は賛成にも反対にも加えません。

図2では、紺の丸が賛成、赤の三角が反対、灰色の四角が棄権です。各行の左の5個が常任理事国、右の10個が非常任理事国です。Aは賛成14・反対1で、反対は常任理事国です。Bは賛成9・反対5・棄権1で、棄権は常任理事国、反対はすべて非常任理事国です。Cは賛成8・反対7で、常任理事国はすべて賛成しています。
- まず賛成が9か国以上あるか数えます。手続事項以外の決定には、この賛成数が必要だからです。AとBは満たしますが、Cは満たしません。
- 次に常任理事国の反対を確認します。常任理事国が1か国でも反対すると、拒否権によって採択されないからです。Aはここで条件を満たさなくなります。
- Bの棄権を反対と区別します。常任理事国の棄権は拒否権の行使と扱われないため、Bは採択されます。
答えは「Bだけ」です。単なる過半数で判定したり、常任理事国が全員賛成しないと必ず否決されると考えたりすると誤ります。なお、手続事項は9か国以上の賛成で決まり、拒否権の対象ではありません。
例題3 環境問題で協力が必要な理由を書く
問題:地球温暖化への対応について、国際協力が必要な理由を「影響」と「負担」の両方から説明しましょう。
- 影響が広がる範囲を考えます。温室効果ガスの排出による影響は、排出した国の中だけにとどまらないからです。
- 対策に必要な資金や技術の違いを考えます。すべての国に同じ対策を求めても、実行できる条件が異なるからです。
- 2つを「ため」でつなぎます。現象の説明と、協力が必要だという結論との関係が明確になります。
解答例は「温暖化の影響は国境を越えて広がり、対策に使える資金や技術にも国ごとの差があるため、各国が協力して排出削減や支援を進める必要がある」です。先進国の過去の排出を重く見る考え方と、現在の排出も含めて幅広く対策する考え方があります。理由を書くときは、一方だけにすべての責任を置かないようにします。
例題4 支援を続ける条件を考える
問題:飲み水を遠くまでくみに行くため、子どもが学校に通いにくい地域があります。井戸を造る支援を、長く役立つものにする条件を説明しましょう。
- 生活上の困りごとを取り出します。水の確保に時間がかかり、学ぶ時間を取りにくい点が出発点です。
- 完成後の管理を考えます。設備が壊れたときに修理できなければ、効果が続かないからです。
- 地域の人の参加と教育を結びつけます。必要な場所や管理方法は、使う人と相談して決める必要があります。
解答例は「地域の人と場所や水質、維持費を確かめ、修理の技術を伝えることで、安全な水と学ぶ時間を継続して確保できるようにする」です。物を届けることと、暮らしの改善が続くことを分けて考えましょう。
つまずきやすいところと直し方
国連を世界政府だと考えてしまう
誤った覚え方は「国連が決めれば、どの国も必ず同じ行動をする」です。国連は主権国家の協力による組織で、総会と安保理でも決定の性質が違います。正しくは、機関・決定の内容・各国の協力を分けて理解します。
拒否権には主要国の関与を確保するしくみとしての面がある一方、常任理事国の対立で対応が進まなくなる課題もあります。「国連は万能」「国連は無意味」のどちらかで片づけず、果たす役割と限界を具体的に書きます。
貧困を本人の努力だけで説明してしまう
誤った覚え方は「貧しいのは働く努力が足りないから」です。紛争、教育や医療へのアクセス、交通や水道の不足など、個人だけでは変えにくい条件を見落としています。正しくは、暮らしを制約する条件のつながりを調べます。

図3のように、所得が低いと就学が難しくなり、知識や技能を身につける機会が減って、仕事の選択肢が限られる場合があります。これは必ず全員に起こる順序ではなく、貧困が続くしくみの一例です。給食や学費の支援だけでなく、雇用や医療の改善も循環を変える手がかりになります。
SDGsを環境だけの目標と覚えてしまう
誤った覚え方は「SDGsは、ごみを減らす目標」です。環境だけでなく、貧困、教育、健康、平和なども含みます。2015年に国連で採択され、2030年を達成年限とする17の目標で、先進国も開発途上国も取り組みます。正しくは、社会・経済・環境を結びつけ、将来の世代の暮らしも守る目標と理解します。
日本の国際貢献には、政府開発援助(ODA)による資金や技術の協力、国連平和維持活動(PKO)への協力などがあります。非政府組織(NGO)も人道支援や教育支援を担います。政府による援助か、市民を主体とする活動かを分け、金銭の提供以外の役割にも目を向けます。
練習問題
練習1
国連で、すべての加盟国が参加する主要な機関を答えましょう。また、その機関が安保理と異なる点を1つ書きましょう。
練習2
安保理の手続事項以外の決議案に、10か国が賛成、4か国が反対、常任理事国1か国が棄権しました。反対したのはすべて非常任理事国です。採択されるか、理由とともに答えましょう。
練習3
「南北問題とは北半球と南半球の国々の対立であり、SDGsは開発途上国だけの目標だ」という文の誤りを2つ直しましょう。
練習4
井戸の建設費を援助しただけでは、長期的な支援として不十分な場合があるのはなぜですか。例題4を参考に答えましょう。
答えと解説
練習1:総会です。総会には全加盟国が参加しますが、安保理は15か国で構成されます。役割や決定の性質の違いを書いても適切です。
練習2:採択されます。賛成が9か国以上あり、常任理事国の反対もないからです。棄権は拒否権の行使ではありません。
練習3:南北問題は先進国と開発途上国の経済格差です。SDGsは先進国も含めたすべての国が取り組む目標です。
練習4:維持費や修理の技術がなければ、壊れた後に使い続けられないためです。地域の人が管理に参加する条件も必要です。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
この単元は、地理の資源・貿易や、歴史の戦争と戦後の国際協力を結び直すときに使えます。公民の人権や財政も、国境を越える支援を考える土台になります。
家庭では5分で、次のどちらかを試せます。1つ目は、身近な製品の原産国表示を見て、生産地から手元に届くまでの人・輸送・エネルギーを紙に書く方法です。2つ目は、図2を隠して「賛成が多くても採択されない場合」を説明し、図に戻って確認する方法です。
個別指導では、採決を誤ったときには賛成票の数え方と機関の区別まで戻ります。理由の説明が止まるときには、誰が困り、どの条件が改善を妨げているのかを一緒に整理します。
まとめ
ニュースに出てくる国名や機関名に線を引くだけでは、出来事の関係は見えてきません。「決定するのは誰か」「その決定にはどんな条件があるか」「支援後も暮らしは続くか」と問いを置くと、資料の読み取りが深まります。立場の違いを認めることと、事実をあいまいにすることも別です。制度の条件を確かめたうえで、複数の選択肢を比べましょう。
国際協力の理解は、善意の有無だけでなく、約束を守り、支援の効果を続ける条件まで説明するところに表れます。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
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