授業動画の教師表示——意欲は高まり学習効果は有意ではありません|武蔵野個別指導塾が薦める学習の仕方

教師の顔が映る動画には、意欲や好感を高める結果があります。学習成績の向上は一貫せず、顔が視線を引いても学習が落ちなかった実験もあります。家では先生の見え方への感想と、内容を説明できるかを分けて聞きます。

授業動画を選ぶとき、先生の顔が見える画面には親しみを感じます。保護者も「人が話している方がわかりやすそう」と考えます。その感想を大切にしながら、顔が映ることと内容が理解できることを分けて確認します。画面の話者表示の研究は、この違いを比べています。

ここで扱うのは、動画に教師を映すかどうかです。比較の中心は、同じ学習内容を示す画面で教師の姿を表示する条件です。先生への好感、意欲、認知的な負担、視線、学習の結果をそれぞれ読みます。先生の顔を消すか残すかを先に決めず、何のための表示かを検討します。

1. 論文を役割で並べる

Polat(2022)は、教師が映る授業動画のレビューで、学習者には肯定的な感情がある一方、画面上の教師そのものは学習結果の利点に結びつかないと報告します [1]。著者らは、教師が示す社会的な手がかりや注意を向ける手がかりの学習上の役割を挙げ、社会的な面の結果は確定していません。人が映ることと、その人の働きかけを分ける役割です。このレビューは41の実証研究を検討しました [1]。

Alemdag(2022)は、教師を映す動画と映さない動画を比べた実験研究の統合で、学習と社会的存在感への効果は有意でなかったと報告します [2]。一方、認知的な負担と意欲は有意に高くなりました。知識獲得では教師の手だけが映る動画などに有利な傾向もあり、表示の形と研究の場面を検討しています。教師を映す条件と映さない条件を比べた統合には20の実験研究が含まれました [2]。研究数は顔を出せば知識が増えるという結論の代わりにはなりません。意欲、認知的負担、学習、社会的存在感について、それぞれ有意な差の有無を読むことが必要です。

Hendersonほか(2021)は、画面上の教師と学習・感情を扱うレビューで、教師を映すべきだとする一貫した強い証拠はなかったと報告します [3]。ただし、教師を外すべきだとする確かな証拠もなく、映る方が満足度が高い研究もありました。学習の有意でない結果や混在した結果を、表示を禁止する結論に変えない論文です。

Sondermannほか(2024)は、大学生が見る、図が順に現れる動画で教師の顔の有無を変え、顔があると内容への注視が減り、新しい図を初めて見るまでが遅れたと報告します [4]。しかし知識と画像認識の課題に影響はなく、社会的存在感は高くなりました。また、理解できたという感想、満足度、難しさ、費やした精神的な努力の評価には差がありませんでした。視線の違いから、そのまま学習の損失を推定しないための実験です。

2. 親しみやすさは理解の高さですか?

意欲が高くなることと、学習の結果がよくなることを別々に読みます。Alemdagの統合では、意欲に有意な効果があっても学習への効果は有意ではありませんでした [2]。顔が見えて見続けたいという感想を、そのまま知識が増えたという結論へ変えると、測定項目を混ぜることになります。

Hendersonほかは、教師が映る方が満足度が高い研究を残しながら、学習には一貫した強い証拠がないと整理しています [3]。満足度の結果を切り捨てる必要はありません。家庭でも「この先生の動画が好き」という返答を聞き、その次に何を説明できるかを確かめます。好感と理解を別の会話として扱います。

Polatは、教師が示す社会的な手がかりや注意を向ける手がかりを分けています [1]。顔が画面に存在するだけか、内容へ注意を導く働きかけがあるかで、読むべき条件が変わります。動画を選ぶときは、先生が見えるかだけを確認せず、説明のどこを見るよう促されているかを本人に聞きます。

3. 顔に目が向くと学習は妨げられますか?

この結果は、視線と学習の成績を分けて測る意味を示します [4]。家庭で子どもが先生の顔を見ていても、その様子だけで「図を見ていないからわかっていない」と言葉を決めず、図の説明を聞きます。逆に、図をずっと見ていたから内容を理解したと決めることもせず、本人がどの関係を説明できるかを確かめます。

顔のある動画で社会的存在感が高くなった結果と、統合で社会的存在感への効果が有意でなかった結果も、並べて読みます [2][4]。ある実験の結果と、複数研究をまとめた結果は異なる役割です。人がそばにいるように感じることも、すべての動画で同じように起きるという書き方にはしません。

4. 動画の表示は何を見て選びますか?

教師の表示には、顔が映るものだけでなく、手だけが映るものも研究の条件に含まれています [2]。人の存在をすべて同じ顔の表示として読むと、知識獲得で検討された条件が消えます。家庭では、選んだ動画で何が映り、その表示がどんな説明に関係しているかを確認します。

また、図が順に現れる動画を扱う実験は、その形式を含めて読みます [4]。静止した文字の説明など、別の形式の動画へすべての視線の結果を移すことは避けます。本人と画面を振り返るときは、どの図が現れた場面で何を見ていたかを聞きます。表示の形を消さずに、具体的な場面の話へ置き直します。

教師を映すべきという強い証拠も、外すべきという確かな証拠もないというレビューの結論は、家庭での確認を飛ばさない理由になります [3]。顔の有無だけで教材を選び終えず、見たあとに何が説明できるかまで含めて比べます。親しみを感じた動画を候補に残すことと、理解の確認をすることは両立させます。

動画を見たあとには、先生が言っていたことを復唱するだけでなく、図や式のつながりを話してもらいます。顔への好感を聞く質問と、内容について聞く質問を分けるためです。意欲と学習の結果が分かれた統合の読み方を、家では会話の順番として使います [2]。先生の見え方を語る時間が、内容の確認を全部置き換えないようにします。

【反証】この回が言えないこと

教師の顔が必要とも不要とも一律には言えません。学習の有意な改善がなかった統合と、好感や満足度に利点がある結果が並んでいます [1][2][3]。認知的な負担が高くなることも、すべての動画で学習の損失が起きることの保証ではありません [2][4]。視線を調べた実験は大学生と特定の図の動画であり、日本の中高生のすべての単元を直接比べたものではありません [4]。反転授業や、完全1対1の対面指導の効果を、この表示の比較から証明することもできません。

実務——家でできる 3 つの確認

選ぶときには、「どんな画面なら見たい?」と本人の感想を聞きます。その返答とは別に、動画で学びたい内容を本人に言ってもらってください。

見終えたら、顔も図も映さずに説明を聞きます。武蔵野個別指導塾が採用するアクティブリコールを、内容を自分の言葉で取り出す確認へつなげます。先生の好感の話から、本人の理解の話へ進む時間です。

時間を空けた確認は、間隔反復の課題として扱います。完全1対1の指導の相談には、動画で説明できなかった図や式を持ち込みます。武蔵境の定期テスト対策で、話者の見え方だけでは埋まらない疑問を、具体的な問題として相談してください。

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よくある質問

Q. 顔が見える方が意欲は上がりますか?

実験研究の統合では意欲を高める有意な効果が報告されています [2]。学習結果への効果とは別の測定として読みます。

Q. 顔が図への注意を奪いますか?

図が順に現れる動画の実験では、内容への注視が減りましたが、学習の結果に影響はありませんでした [4]。視線と課題の得点を分けて確認します。

Q. 顔なし動画だけを選びますか?

顔なし動画だけを選ぶ根拠は、このレビューにはありません [3]。表示の好みを聞いたうえで、本人が説明できる内容を教材選びに加えます。

出典

  1. Instructors’ presence in instructional videos: A systematic review(Hamza Polat、2022、Education and Information Technologies)
  2. Effects of instructor-present videos on learning, cognitive load, motivation, and social presence: A meta-analysis(Ecenaz Alemdag、2022、Education and Information Technologies)
  3. A Systematic Review of Instructor Presence in Instructional Videos: Effects on Learning and Affect(M. Hendersonほか、2021、Computers and Education Open)
  4. Distracted by a talking head? An eye tracking study on the effects of instructor presence in learning videos with animated graphic slides(Christina Sondermannほか、2024、Learning and Instruction)

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