リンクで行き来する文章では、一直線に読む文章より理解が低くなった研究があります。一方、電子教材の対話的な機能をまとめると読解に有利な結果もあります。家ではどの機能を使ったかを分け、読んだ筋を説明してもらいます。
電子教材の青い語を押すたびに、子どもの画面に新しい説明が出ます。「調べているから勉強が進んでいる」と思って見ていたら、元の文章が何を述べていたかを話せませんでした。リンクを開ける便利さと、読んだ内容をつなげることを、別々に確認する場面です。
今回の研究は、電子文章の移動や表示の機能を扱います。網状の文章、語句の意味を表示するリンク、スクロール、電子教材の対話的な機能を区別します。電子教材全体を悪いと決めるより、何を操作したとき、どんな読解を測ったかを読みます。
1. 論文を役割で並べる
Clinton-Lisellほか(2021)は、対話的な機能を備えた電子教材と、紙や静的な電子教材を比べる研究の統合で、対話的な機能が読解成績に有利だったと報告します [1]。よい結果の個別研究には複数の機能が含まれ、助言つきの質問、電子辞書、協働の道具などの役割を論じています。リンク単独の悪影響だけで電子教材を評価しないための論文です。対話的な機能の統合では、読解成績の効果量はg = .66でした [1]。
Blomほか(2018)は、中等教育の生徒が一直線の文章と網状のリンクを持つ文章を読む比較を行い、リンクのある文章では内容の知識も構造の知識も低く、読む時間も長かったと報告します [2]。とくに語彙が少ない生徒で理解が低くなりました。著者らは、網状の文章を読む方法を明示的に教えることの必要を論じています。網状の文章を比べた対象は80人の中学生でした [2]。同じ生徒が直線的な文章と網状の文章を読み、内容に関する選択問題と構造を表す図で確認しています。操作に慣れたという感想より、文章から何を取り出せたかを測った比較です。
Tabulloほか(2024)は、青年のリンクを持つ文章の理解と移動を調べ、情報や課題の切り替え、通常の文章の理解、移動の効率が理解へ直接寄与すると報告します [3]。作業記憶は移動の効率を通じて関わりました。読む目標やたどった経路を保ちながら情報を統合することを、単に文字を読むことと分けて扱う論文です。
Krencaほか(2024)は、子どもの画面上の読解で、語にカーソルを置くと意味が表示されるリンクとスクロールを比べ、機能のない条件よりリンクのある条件の理解が低かったと報告します [4]。スクロールだけの条件は機能のない条件と同程度で、学年と条件の有意な交互作用はありませんでした。画面の機能すべてを同じ負担としてまとめない役割です。
2. リンクはすべて読解を邪魔しますか?
Blomほかが比べたのは、行き来できる網状の文章と、一直線の文章です [2]。一方、Krencaほかは、語の上にカーソルを置くと意味が表示される機能を調べています [4]。どちらにも理解の低下がありましたが、操作する機能の違いがあります。リンクという言葉を使うときは、別の文章へ移るのか、語句の意味を表示するのかを明確にします。
家では「リンクが多い教材だからだめ」と決める前に、何を開いたかを聞きます。語の意味を読んだのか、別のページをたどったのか、質問に答えたのかを区別します。研究を機能ごとに読んだことを、本人が行った操作の確認へ置き直すためです [1][2][4]。使った機能と、理解できた内容を別の話にします。
3. 読む時間が長ければ理解も深まりますか?
Blomほかの比較では、網状の文章を読む時間は長い一方、内容と構造の知識は低くなりました [2]。画面を見ていた時間だけで理解を測ることは、この結果に合いません。クリックして行き来している時間と、文章の関係をつかめたことを分けて確かめます。「長く読んだからよく学んだ」という言葉を先に置かないことが大切です。
Tabulloほかでは、移動の効率が理解へ直接寄与し、作業記憶と理解の関係をつなぐ役割も持っていました [3]。たどった経路を覚えていること、読む目標を保つことが、情報を統合する作業に関わると説明されています。家で聞くなら、開いたページの数より、「何を知りたくてそこへ行った?」という問いにします。
また、通常の文章の理解もリンクを持つ文章の理解に関わっています [3]。移動がうまくできることだけで読解を終えず、元の説明の筋を本人に話してもらいます。画面の操作を理解の証拠に替えないための確認です。どの語句がわからなかったかを聞き、必要な説明を読んだあとに元の問いへ戻ったかを確かめます。
4. 家でリンクを読む順番はどう決めますか?
最初に、元の文章から何を知りたいかを言葉にします。次に必要な説明を開き、戻ったあとに元の文章との関係を話します。読む目標や経路を保つ働きを扱った研究を、家庭で確認する順番へ置き直します [3]。本人にたどった経路を話してもらい、リンク先で読んだ説明が元の問いにどう答えたかを聞きます。元の段落へ戻って説明をつなぎ直すところまで、読解を確認する時間に含めます。
Blomほかは、網状の文章の読み方を教える必要を論じています [2]。自由に行き来できる教材を渡すだけで終わらず、どこへ移り、何を持って戻るかを一緒に話す材料になります。語彙が少ない生徒で低下が目立ったことも、本人が知らなかった語を具体的に聞く理由です。操作の説明と、文章の説明を両方扱います。
スクロールは、Krencaほかの研究では機能のない条件と同程度でした [4]。画面を動かす操作を全部止めるのでなく、どの機能でどんな結果があったかを読むことが必要です。家庭でも「画面で読むから難しい」と広くまとめず、意味の表示、ページ移動、スクロールを本人の説明で分けます。
対話的な機能に有利な結果があった研究も忘れず、教材にある質問や助言を何に使ったかを聞きます [1]。電子教材を避けるか使うかだけの二択にせず、どの機能が本人の課題に関係しているかを見ます。元の文章を説明するところまで、操作した経路を話してもらいます。
【反証】この回が言えないこと
電子教材のすべてのリンクが理解を妨げるとは言えません。網状の文章や語句の意味表示の研究と、複数の対話的な機能を含む教材の統合は異なる比較です [1][2][4]。移動の効率と理解の関連も、ある順番を教えれば点数が上がることの保証ではありません [3]。スクロールだけで理解が落ちたという結果にもなっていません [4]。紙への切り替えや手書きの優位、どの教材にも共通するリンク数の上限は、この回から決まりません。
実務——家でできる 3 つの確認
読み始めには、画面の上にある題名から「何を知りたい?」と聞きます。本人の問いを決めてからリンクを開くようにし、操作の目的を言葉にしてください。
リンクから戻ったら、元の段落とのつながりを話してもらいます。武蔵野個別指導塾が採用するアクティブリコールを、表示された説明を閉じて内容を取り出す場面へつなげます。
翌日以降の確認は、間隔反復の課題として元の文章の筋を取り出します。完全1対1で相談するなら、たどった経路と説明できなかった語を持ち込んでください。武蔵境の定期テスト対策で、画面の操作から文章の理解へ支援をつなげます。
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よくある質問
Q. 語の意味が出るリンクも難しくなりますか?
子どもの読解の研究では、意味を表示するリンクのある条件で理解が低い結果でした [4]。辞書機能全体の結論と混ぜず、使った表示の仕組みを確認します。
Q. スクロールも同じ負担ですか?
同じ研究では、スクロールだけの条件は機能のない条件と同程度でした [4]。リンクとスクロールを別々に読む結果です。
Q. 電子教材の機能に利点はありますか?
対話的な機能を持つ電子教材の統合では、読解成績に有利な結果がありました [1]。複数の機能が含まれるため、どれを使ったかを分けて見ます。
出典
- Interactive features of E-texts’ effects on learning: a systematic review and meta-analysis(Virginia Clinton-Lisellほか、2021、Interactive Learning Environments)
- Comprehension and navigation of networked hypertexts(H. Blomほか、2018、J. Comput. Assist. Learn.)
- The role of executive functions in adolescents' hypertext comprehension(Á. Tabulloほか、2024、Journal of Research in Reading)
- Scrolling and hyperlinks: The effects of two prevalent digital features on children's digital reading comprehension(Klaudia Krencaほか、2024、Journal of Research in Reading)



