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英単語を歌で覚えると順番がないと言えない—途中の語から答える練習の作り方|武蔵野個別指導塾

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自作のリズムで覚えた語は、歌の頭からしか出てこないことがあります。歌を止めて途中の語を聞き、区切りの頭から1語ずつ取り出す練習を、小4の場面で試します。

歌で覚えた英単語の列は、歌としては1本につながっています。ところが、覚えたかどうかを試す場面では、そのつながりが邪魔をします。頭から歌い出せば8語がすらすら出るお子さまが、途中の語を聞かれた瞬間に黙るのは、語を忘れたからではありません。外から語を取り出す入口が、歌の先頭にしかないためです。だから最初に確かめるのは、通しで歌えるかどうかではなく、歌を止めた状態で1語だけを取り出せるかどうかになります。

試すこと 出たとき 出ないとき
歌の頭から通しで言う 語列は入っている 語と意味を先に結ぶ
5番目を歌わずに聞く 途中の語も取れている 歌を区切って短くする
順番をばらばらに聞く 語が単独で出ている カードを1枚ずつ引く

途中で黙るのは、覚えていないからではない

よくあるのは、小4のお子さまが自作の短いリズムで教室の物の名前を8語覚え、家で家族に披露したあと、その中の1語を聞かれて黙ってしまうという場面です。通しで歌うときの声は大きく、手まで動いています。ところが「5番目は」と聞かれたとたんに口が止まり、もう一度頭から歌い直してから答えます。お子さま自身は「忘れた」と言いますが、歌い直せば同じ語が出てくるのですから、記憶から消えたわけではありません。語を入れたときの形と、取り出すときの形が同じになっているだけです。

歌で覚えた語列は、音の流れとして1本につながっています。1語を思い出すとき、その前の語の音が次の語を引き出します。だから途中から聞かれても、前の音がなければ出てきません。これは覚えた語の数が足りないのではなく、語を外から取り出す道が1本しかないという問題です。8語を覚えたお子さまが5番目で止まるのは、5番目の語が弱いからではなく、5番目に届く道が「1番目から順に」しかないからです。

点検は、その場で3つ試すだけで足ります。1つ目は、歌の頭から通しで言ってもらうこと。2つ目は、歌わずに途中の語を1つ聞くこと。3つ目は、区切りの頭だけを順に言ってもらうことです。この3つで、語が入っていないのか、入っているのに取り出せないのかがはっきりします。

記録は丸とばつではなく、出てきた語をそのまま書きます。「5番目で止まった」「歌い直すと出た」という2つの事実があれば、次にどこを変えるかが決まります。点数だけを書くと、あとから見たときに、どこで止まったのかがわかりません。

出題の仕方にも癖が出ます。「5番目は」と番号で聞くと、お子さまは指を折って数え始め、数えることに力を使います。数えながら答えた語は、取り出せたのか数えただけなのかがわかりません。最初は番号を言わず、「pencil の次は何」のように隣の語を手がかりに聞くと、語と語のつながりがそのまま試せます。

歌は、語を入れる場面ではよく働きます。音の数が多く、つづりと発音が離れている語ほど、リズムに乗せると口が覚えます。向かないのは、意味を説明する必要がある語や、似た意味の語を区別する場面です。そこでは歌ではなく、文の中での使われ方を見る練習になります。

歌が得意なお子さまほど、この止まり方が目立ちます。覚えるときの手がかりが多いほど、入れるのは速いからです。旋律、拍、指の動き、声の大きさがそろって1つの束になり、その束ごと出てくるので、束の外から呼ばれると返事ができません。覚えが悪いのではなく、覚え方が1つの形に寄っていると考えたほうが、次に打つ手が見えます。

お子さまが「覚えていない」と言ったときは、覚え直しを促すより先に、区切りの頭を1つ渡します。「chair から言ってみて」の一言で、同じ語がすっと出ることがあります。出た瞬間に、覚えていないのではなく入口が足りないのだと、本人にも伝わります。

図1のように、8語が横に並んでいても、外から手を入れられる場所は左端の1か所だけです。5番目の語を出すには、左端から順にたどるか、新しい入口を作るかしかありません。このあとの練習で作るのは、2つ目の入口です。

図1 歌の列は先頭からしか入れない様子

歌を4語ずつに区切って、途中から出す

直す順番は6つです。どれも机の上ででき、1回に10分もかかりません。大切なのは、語を増やすことではなく、語を取り出す道を増やすことです。1回で全部をやろうとすると、どこで止まったのかがわからなくなるので、1つずつ確かめながら進めます。

まず歌を短く区切ります。8語なら4語ずつ2つに割り、区切りの頭に鉛筆で印をつけます。8語の列のままでは入口が1つのままですが、4語ずつに割ると頭が2つになり、5番目の語は2つ目の区切りの1番目になります。語を減らすのではなく、列を分けるのが目的です。4語という長さに決まりがあるわけではありませんが、息継ぎが1回入る長さにすると、お子さま自身が区切りを意識しやすくなります。

次に、区切りの頭だけを順に言います。pencil、chair の2語だけを、歌わずに声に出します。この2語が言えれば、語列の中に2つの入口ができたことになります。言えないときは、区切り方ではなく語の意味があいまいなので、先に物を見て意味を確かめます。ここを飛ばして先へ進むと、あとで同じ場所に戻ることになります。

3つ目は、区切りの2番目と3番目を、歌わずに聞くことです。ruler、eraser を、間を2秒おいて言ってもらいます。ここで詰まったら、戻るのはその語の直前の区切りの頭までです。列の先頭まで戻ると、また入口が1つに戻ってしまいます。「chair の次」と聞かれたら chair から、「pencil の次」と聞かれたら pencil から始めれば、戻る距離が短くて済みます。

4つ目は、伴奏を外すことです。手拍子を止め、歌わず、机を叩くのもやめます。歌の旋律と拍は、それ自体が強い手がかりです。その手がかりを残したままでは、語が出たのか拍が出したのかがわかりません。無伴奏で言えた語だけが、そのお子さまの手元に残った語です。ここが通しで歌うときとの境目になります。

5つ目は、順番をばらばらにすることです。よく逆から言う練習がありますが、逆順も1つの決まった列なので、別の順番依存を作るだけです。ばらばらに聞くときは、聞く側が順番を紙に書いてから聞きます。毎回同じ順になると、それも新しい列になってしまいます。聞く側が紙を持つのは、同じ順を無意識に繰り返さないためです。

6つ目は、1語だけをカードで出すことです。表に英単語、裏に意味を書いたカードを1枚引き、歌わずに意味を言います。ここまで来て初めて、語は列から切り離されて1語になります。カードは8枚そろえる必要はなく、止まった語から作れば十分です。

1回の練習は、区切るところまでで終えても構いません。たとえば月曜に歌を2つに割り、火曜に区切りの頭の2語を言い、水曜に2番目と3番目を聞く、という進み方です。1日に6つを詰め込むと、どれが効いたのかがわからなくなります。

カードは厚紙を切るだけで足ります。表に語、裏に意味を書き、止まった語だけを残します。毎回8枚をめくると、すでに言える語に時間を使うことになります。残す枚数が減っていくこと自体が、進み具合の記録になります。

止まったときの戻り先を決めておくと、練習が長引かずに済みます。戻るのは、いつも「その語の直前の区切りの頭」です。列の先頭でも、単語帳の最初のページでもありません。5番目で止まったら、chair から言い直せば十分です。この戻り先を先に決めておくと、お子さまも自分で練習を続けられます。

図2のように、この6つは4つの段階にまとめられます。区切る、歌わずに言う、ばらばらに聞く、1語ずつ出す、の順です。段階を飛ばすと、どこで止まったのかがわからなくなるので、1つずつ進めます。

図2 区切ってから一語ずつ出す段階

それでも止まるときは、止まり方で分ける

手順を1回やって終わりにすると、たいてい2日目に戻ります。戻ったときは、同じ手順を繰り返すのではなく、止まり方で分けます。分け方は3つあります。

1つ目は、区切りを4語から2語にしても、まだ止まる場合です。このときは順番の問題ではなく、語と物が結びついていません。pencil を「鉛筆」と答えることはできても、鉛筆を見て pencil が出てこない状態です。机の上の物を指差して、日本語を言わずに英語だけを言う練習に変えます。歌はしばらく休めます。意味と結びつく前に歌を足すと、また音だけの束が増えるだけです。

2つ目は、家では言えるのに、家族の前や学校では止まる場合です。これは語ではなく、言う速さと声の大きさが変わったために起きます。家では歌の速さで言えていたのが、人前では速くなったり小さくなったりして、拍が崩れます。手を叩かずに、家で言えたときと同じ速さで、小さい声から言い直します。速さを変えなければ、語は同じように出ます。人前で言う練習は、そのあとで足せば間に合います。

3つ目は、順番には強いのに、ばらばらに聞かれると崩れる場合です。このときは、ばらばらの順を覚え直そうとしないでください。ばらばらの順を練習すると、それも1つの列になり、また順番依存に戻ります。カードを1枚引いて、その1語だけを答える形に変えます。引いた札を戻さずに5枚めくれば、順番のない5語になります。

歌そのものを新しく作り直すのも、戻り方の1つです。ただし、作るときに語を意味のまとまりで並べると、順番ではなく意味が手がかりになります。教室の物なら、机の上にある物から順に並べるといった具合です。歌いやすさを優先して語順をばらばらにすると、また順番依存の列ができてしまいます。

できたかどうかの判断は、日を空けて行います。たとえば3日後に、歌わずに8語の中の2語を指定し、間を置いて言えたら、その語は列から切り離されています。言えた語が1つも増えていなければ、区切りをさらに小さくして、同じ手順を最初からやり直します。1日の終わりにできたかどうかは、判断の材料にしません。その場で言えるのは、まだ歌の音が残っているからです。

図3のように、止まり方は3つに分かれ、それぞれ戻る場所が違います。順番の練習に戻るのは1つ目だけで、2つ目は速さ、3つ目はカードです。

図3 止まり方でわける三つの戻り先

5語で試す確認問題

ここまでの説明とは別の語で試します。まず自分の5語で、2語ずつと1語の区切りに割り、区切りの頭を紙に書いてください。書いた紙を見ながら頭の語だけを3回言い、そのあと紙を伏せて、頭の語を順に言います。これができてから、次の4つの問いに進みます。

確認用の5語は次のとおりです。自分で短いリズムを作って覚えたとします。apple、orange、grape、lemon、peach の順です。声に出して3回言い、そのあと次の4つに答えてください。歌わずに答えるのが条件です。

問1 3番目の語を言ってください。 問2 5番目の語の1つ前の語を言ってください。 問3 2番目と4番目の語を、この順に言ってください。 問4 peach、apple、grape の順に、1語ずつ間を置いて言ってください。

解答と理由は次のとおりです。問1の答えは grape です。2番目の orange の音を手がかりにせずに出せたなら、3番目に入口ができています。

問2の答えは lemon です。peach から戻る形ですが、列を逆にたどるのではなく、5番目という位置から1つ戻って出せたかを見ます。

問3の答えは orange と lemon です。2つの語を続けて言うとき、間にほかの語が混ざらなければ、区切りの頭が2つ働いています。

問4は、3語が単独で出るかどうかを見ます。peach のあとに apple が出るのは、列ではなく意味のつながりで出ている証拠です。ここで grape の前に lemon が出てしまうなら、まだ5語の列が残っています。

答えられなかったときは、その語の直前の区切りに戻ります。5語なら、apple と orange、grape と lemon、peach の3つに割ると、頭が3つになります。もう一度同じ4つの問いを、順番を変えて出してください。

再挑戦は、問1と問2の両方を、歌い直さずに答えられたときです。片方だけなら、区切りを1語ずつに変えて、問1からやり直します。

個別指導で見てもらうときの持ち物

塾で見てもらうときは、覚えた語のリスト、自分で作ったリズムを書いた紙、止まった語に印をつけた記録の3つを持ってきてください。答案より、この記録のほうが役に立ちます。見るのは、止まった語が区切りの頭か、2番目以降かという点です。頭で止まるなら区切り方、2番目以降で止まるなら語と意味の結びつきを、こちらで確かめます。口頭で聞いたときに、歌い直してから答えたかどうかも、その場で記録します。

歌を道具のままにする

歌は語を入れるための道具として、これからも使えます。使えなくなるのは、歌が唯一の出口になったときです。覚えたかどうかを測る物差しは、最後まで歌えたかではなく、歌を止めた場所から1語が出るかどうかです。今日お子さまに聞くなら、頭からではなく、5番目から聞いてください。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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