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共通テストの理科基礎は2つで1科目—物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎の数え方|武蔵野個別指導塾

化学基礎と生物基礎で受けるなら、出願で選ぶ理科の科目数は「1」です。範囲を1つしか解かないと失う50点、60分の分け方、令和10年度に受ける高2が募集要項で先に読む行を、センターの文書に沿って並べてあります。
物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎は、共通テストでは4つがひとまとめになった『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』という1つの出題科目で、受験者はその中から2つの範囲を選んで解きます。化学基礎と生物基礎の2つで受ける人が出願で入れる理科の科目数は「1科目」で、「2科目」と数えると登録を誤ります。点は1つの範囲が50点、2つで100点、解く時間は2つ合わせて60分で、範囲を1つだけ解く受け方は認められていません。いまの高2が受ける令和10年度試験も、すでに公表された出題方法等で同じ形になっています。
| 決まり | 中身 | 書かれている文書 |
|---|---|---|
| 科目としての数え方 | 4つの範囲で1科目。解くのはそのうち2つ | 令和9年度・令和10年度「出題教科・科目の出題方法等」 |
| 点と時間 | 範囲1つが50点で計100点。2つで60分、順番と時間の割り振りは自由 | 同上・令和9年度 受験案内 |
| 出願の登録 | 基礎の2つだけなら理科は「1科目受験する」。登録した数は試験の日に変えられない | 令和9年度 受験案内「受験教科等の登録」 |
| 範囲1つだけの受験 | できない。60分で2つを解く | 令和9年度 受験案内 よくある質問5 |
| 大学に届く成績 | 2つの合計点に加え、範囲ごとの得点と段階表示 | 令和9年度 実施要項14・受験案内 |
よくあるのは、冬の面談で文系の高2が「理科は化学基礎と生物基礎の2科目で行きます」と言い切り、横で聞いていた保護者の方が「基礎は2つで1つと聞いた気がする」とつぶやいて、二人とも自信をなくす場面です。学校では2冊の教科書を使い、2回の定期テストを受けてきたので、2科目と数える感覚は自然です。けれども共通テストの出願の画面に入れる数は、その感覚とは別の物差しで決まります。数え違えたまま出願すると、試験の朝に会場へ着く時刻から、解答用紙にマークする欄まで、ずれが連なっていきます。
理科基礎は何科目か—「2つで1科目扱い」を決めている公式の文書
数え方の根拠は、大学入試センターの「出題教科・科目の出題方法等」です。令和9年度の文書では、理科の出題科目は『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』『物理』『化学』『生物』『地学』の5つで、受験者はこの5つから最大2科目を選びます。高校の時間割では別々の授業だった4つの基礎は、共通テストでは1つの出題科目の中に入った「出題範囲」という扱いです。文書の備考は、科目名の中にある「/」の記号を、1つの出題科目の中で複数の範囲を選んで解く印だと説明しています。いまの高2が受ける令和10年度の出題方法等もすでに出ていて、年度の字のほかは令和9年度と同じ中身です。
点と時間も同じ文書に書かれています。基礎の4つの範囲は、どれも1つ50点です。2つを解くので合計は100点、理科を1科目で受けるときの試験時間は60分です。図1のように、化学基礎と生物基礎を選んだ人なら、50点と50点を足した100点が理科1科目分の得点になります。理科を2科目受ける人の試験時間は130分(うち解答に使うのは120分)、配点は200点で、基礎の2範囲と『生物』のように組み合わせた場合もこちらの枠に入ります。

出願で何を登録するかは、令和9年度の受験案内の「受験教科等の登録」にあります。理科について登録するのは「受ける科目の数」で、1か2のどちらかです。どの範囲を解くかは出願では決めず、試験の日に、登録した数に従って5つの科目の中から選んで解きます。受験案内のよくある質問6は、化学基礎と生物基礎だけを受ける人の例をそのまま挙げ、「1科目受験する」と登録すればよいと答えています。同じ所の質問5は、範囲を1つだけ解く受け方を認めず、「試験時間60分で必ず二つの出題範囲を選択解答してください」としています。そのうえで、どちらの範囲から解くか、何分ずつ使うかは受験者に任されています。
共通テストの理科基礎の時間について、令和9年度の時間割で確かめておきます。理科は2日目の2027年1月17日(日)の午前で、理科を1科目と登録した人は10:40〜11:40、2科目と登録した人は9:30〜11:40です。登録した数によって、朝の始まりの時刻が70分違います。令和10年度の試験の頁にいま載っているのは、2028年1月15日(土)・16日(日)という日付と、出題方法等・問題作成方針の2つの文書で、時刻の入った時間割はまだありません(2026年11月8日に確かめた)。
問題と解答用紙の形も見ておきます。センターの共通テストQ&Aによると、理科の問題冊子は5科目をまとめて載せた1冊で、理科を1科目で受ける人に配られる解答用紙は1枚です。令和8年度の受験上の注意では、基礎の科目を解く人は、解答用紙の解答科目欄に基礎の科目をマークしたうえで、2つ並んだ出題範囲欄に範囲を1つずつマークする形でした。令和9年度・令和10年度も同じ形かは、その年度の版で確かめます。
出題のねらいは、問題作成方針の理科の項に書かれています。基礎の科目では、観察や実験を通して自然の事物・現象を探究していく過程が重く見られ、身近な課題を科学的に調べる問題や、データを整理する途中で数学の手法を使う問題も含めて検討するとしています。2つの範囲を60分で解くと決めたなら、用語の確認や計算だけでなく、実験の結果やデータを読む問いにも練習の時間を回しておきたいところです。
志望校が理科のどこを使うかを、募集要項と自分の答案で確かめる
センターの決まりで認められている受け方と、志望校がその受け方を認めるかどうかは、別の問題です。センターは、基礎の2つだけで1科目、基礎の2つと『物理』などで2科目、という受け方をどちらも認めています。受験案内のよくある質問9は、理科には選べない組み合わせが無いとしたうえで、大学によっては組み合わせを制限している場合があると書き添えています。自分の受け方の答えは、志望校の募集要項にしか書かれていません。
募集要項で読むのは、共通テストの利用教科・科目を並べた表の「理科」の行です。見る点は次の4つです。
- 基礎の科目を使うのか、『物理』『化学』『生物』『地学』を使うのか、どちらからでも選べるのか
- 基礎を使う場合に、範囲の名前で条件が付いていないか
- 理科を2科目受けた人について、どちらの得点を使うと書いてあるか
- 高校で履修していない科目で受けることを認めているか
3つ目は、基礎の2つに加えて『生物』なども受ける人に関わります。大学が理科を1科目分しか使わないときは、先に解いた第1解答科目の得点を優先して使うことがあると受験案内にあり、解く順番が得点の使われ方に結びつきます。4つ目について、共通テストそのものは高校での履修の有無で受ける科目を制限しませんが、認めない大学もあると受験案内は注意しています。
読むときの工夫が1つあります。募集要項の中の「科目」という言葉は、大学ごとの書き方に従っています。数の言葉で照らし合わせるより、「化学基礎」「生物基礎」のような名前がその行に入っているかで照らすほうが、読み違えが減ります。出願の画面で入れる「1科目」は、あくまでセンターの決まりでの数え方です。国立大学については、国立大学協会の基本方針が一般選抜で原則として6教科8科目を課すとしていますが、その中で理科をどう求めるかも、大学ごとの募集要項の理科の行に書かれます。
センターから大学へ届く成績も、読み方の手がかりになります。令和9年度の実施要項によると、基礎の科目を受けた人については、2つの範囲の合計点に加えて、範囲ごとの得点と、それぞれの段階表示が大学に渡ります。合計で見るか範囲で見るかは、大学が決めることです。
いまの高2にとって、自分の書類はまだ出願内容ではありません。手元で確かめられるのは、高校でいつ、どの基礎の科目を履修するかの予定と、過去問を解いた自分の答案です。答案は、2つの範囲を一緒に100点で採点して終わりにせず、範囲ごとに50点満点で2つの点を出しておきます。どちらの範囲で点を落としているかが、次の節で書く記録の出発点になります。
一方、いまの高3と既卒生が受ける令和9年度の試験は、科目数の登録を直せる期間が2026年10月16日(金)17時で閉じていて、理科の欄はもう動きません。2026年12月4日(金)10時から取得できる受験票の備考欄に理科の登録科目数が表示されると令和9年度の受験案内にあるので、刷ったら最初にその欄を見ます。
化学基礎と生物基礎で受ける高2が、令和10年度の出願までに進める4つの手順
令和10年度の出願の期間は、まだ発表されていません。参考までに、令和9年度の出願は2026年9月15日(火)〜10月2日(金)、出願内容の確認・訂正は10月9日(金)〜16日(金)でした。出願の画面で理科の欄に「1」を入れる日から逆算して、図2の4つの手順を高2の冬から進めます。

手順1は、募集要項の理科の行を写すことです。いま読めるのは、いまの高3向け、つまり2027年4月に入学する人の募集要項です。いまの高2が受ける年度の物は、大学が出したら差し替えます。候補の大学を2〜3校選び、共通テストの利用教科の表から理科の行だけをノート1ページに書き写して、横に並べます。保護者の方は、お子さまが写した行を原本と1行ずつ見比べる役に回ると、写し間違いが残りません。
手順2は、解く範囲を2つに決めることです。化学基礎と生物基礎で受けると決めた人は、手順1のノートで、候補のどの大学もこの2つの範囲を認めているかを確かめます。候補の中に『化学』や『生物』などの科目を求める大学があれば、基礎の2つにその科目を足して2科目で受ける形を考えることになり、出願で登録する数も変わります。なお、令和8年度の試験(追試験・再試験を含む)で基礎の科目を受けた人のうち、化学基礎と生物基礎を組み合わせた人は52.3%でした(実施結果の概要の出題範囲の選択の内訳)。
手順3は、60分で2つの範囲を通して解き、記録を残すことです。センターの「過去3年分の試験問題」の頁には、令和6〜8年度の本試験と追・再試験の問題と正解があります。新しい課程で行われた令和7・8年度だけでも、本試験と追・再試験を合わせて4回分の60分が取れます。時計を置き、次の4つを答案の余白に書き込みます。
- 解き始めた時刻
- 1つ目の範囲を終えて、2つ目に移った時刻
- 解き終えた時刻
- 範囲ごとの得点(どちらも50点満点)
たとえば、化学基礎から解き始めて36分かかった人は、生物基礎に残る時間が24分になります。点が化学基礎31点、生物基礎38点なら、理科1科目の得点は69点です。この記録が2回分たまると、移る時刻を前にずらすべきか、解く順番を入れ替えるべきかを、数字で決められます。順番も時間の分け方も自由なので、決め手になるのは自分の記録です。マークの練習もこの手順に入れます。令和8年度の受験上の注意にあった形のとおり、解答科目欄に1つ、出題範囲欄に1つずつで計2つを塗り、塗る順番を毎回同じにしておきます。
手順4は、令和10年度の出願で理科を「1科目受験する」と登録することです。令和10年度の出題方法等にも、受験する科目数は出願のときに申し出ると書かれています。出願の画面を開いたら、理科の欄に「1科目」が選ばれているかを、お子さまと保護者の方の二人で読み上げて確かめます。令和9年度の受験案内では、出願内容の確認・訂正の期間が過ぎると科目数を直せませんでした。その年の受験票が刷れたら、令和9年度の受験案内で登録科目数が出るとされていた備考欄をもう一度見て、手順4を終えます。
「基礎2つで理科2科目」から生まれる思い込みと、決まりに照らした答え
図3は、理科の受け方と登録の数の組み合わせを、センターの決まりで○と×に分けた表です。思い込みは、だいたいこの表の×の行から生まれます。

思い込みの1つ目は、「2科目と登録しておけば、基礎を2つ解けば足りる」というものです。2科目と登録した人は、令和9年度の時間割なら9:30から130分の枠に入り、前半と後半で別々の科目を1つずつ解きます。令和9年度の受験案内では、試験の日に1科目へ減らすことはできず、9:50までに入室しないとその時間の試験は一切受けられません。後半にも基礎の科目を選び、前半と違う2つの範囲を解くこともできません(受験案内のよくある質問9)。令和8年度の受験上の注意では、2科目の受験者が同じ科目を2回マークすると、後半の第2解答科目が0点の扱いでした。
2つ目は、「理科基礎を1科目だけ、得意な化学基礎で受けたい」という相談です。1つの範囲だけを解く受け方はありません。令和8年度の受験上の注意では、2つの出題範囲欄の片方が空いていると、マークしていない側の範囲は0点として扱われました。たとえば生物基礎を解かずに化学基礎で42点を取っても、理科の得点は42点で、100点の枠のうち届く上限は50点です。苦手な範囲も、白紙にはしない前提で準備します。
3つ目は、「化学基礎と『化学』は名前が同じだから一緒に選べない」という思い込みです。センターの共通テストQ&Aは、理科では同じ名前を含む範囲と科目を組み合わせることに制限が無いと答えています。図3で「基礎2つと化学」の行が○になっているのはそのためで、ただし大学が制限している場合があるので、手順1のノートで確かめます。
4つ目は、「範囲ごとの平均点に差が出たら、得点調整で直される」という期待です。令和9年度の実施要項で得点調整の対象として挙がっているのは、理科では『物理』『化学』『生物』『地学』の間で、基礎の範囲どうしは入っていません。令和8年度の本試験の最終の集計では、範囲ごとの平均点(各50点満点)は生物基礎の36.46点が最も高く、地学基礎の28.17点が最も低く、8.29点の開きがありました。
確かめる先と聞き方
理科基礎を「1科目」と数えてよいか、どの範囲を選んでよいかは、次の5か所で決着がつきます。それぞれで読む行と、聞くときの言葉を添えておきます。
- 受験案内(令和10年度版が出たら): 「受験教科等の登録」の理科の受験科目数の説明と、よくある質問の理科の項。令和9年度版の質問5・6・9と同じ答えかを読む
- 受験上の注意: 令和9年度版は12月上旬にセンターのサイトに載る。解答用紙の解答科目欄と、2つの出題範囲欄のマークの仕方を読む
- 志望校の募集要項と入試の窓口: 理科の行を読み、迷ったら「理科は基礎の2つの範囲だけで受けてよいですか」「基礎と『生物』を両方受けた場合、どちらの得点を使いますか」と聞く
- 高校の先生: 「化学基礎と生物基礎で受けるとき、理科の科目数は1でよいか」を、出願の前に一緒に確かめてもらう。どの学年で何の基礎を履修するかも聞く
- センターの志願者問合せ専用電話: 受験案内を読んでも登録の数え方に迷ったら、「化学基礎と生物基礎だけを受けるときの理科の受験科目数」と範囲の名前を挙げて聞く
個別指導で確かめること
武蔵境の教室では、過去問の答案を範囲ごとに50点満点で2つに分けて採点した表と、60分の中で次の範囲へ移った時刻の記録を、生徒と一緒に見ます。2つの点のどちらが伸び悩んでいるか、移る時刻がいつも遅れていないかを、回を重ねた記録で確かめます。解答用紙の練習では、出題範囲欄に2つの範囲が1つずつ塗られているかを、答案に残ったマークの跡で見ます。基礎の2つに『生物』などを足すか迷っている人とは、手順1のノートに写した理科の行も机に並べて読みます。
まとめ
基礎の4つは学校では4つの科目でも、共通テストでは2つを選んで1つの60分を使い切る1科目です。高2のうちに募集要項の理科の行を写し、過去問で2つの範囲を通して解いておけば、出願の画面で迷う理由は残りません。化学基礎と生物基礎を同じ60分で解き切る人にとって、理科の科目数の欄に入る答えは「1」の一字で足ります。
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