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自由研究の動機の書き方—最初の段落の例|武蔵野個別指導塾

きっかけ、気づき、問いの3つの部品で動機の段落を組み立てる手順と、「面白そうだったから」で止まる書き出しを直す例を、模造紙とレポートの長さの目安とあわせて載せています。
動機の段落は、3 つの部品を順に並べると形になります。
| 部品 | 書くこと | 長さの目安 |
|---|---|---|
| きっかけ | いつ、どこで、何を見たか | 1 文から 2 文 |
| 気づき | そのとき何が気になったか | 1 文 |
| 問い | 何を、どうやって確かめるか | 1 文から 2 文 |
長さは、模造紙なら 100 字から 150 字、レポートなら 200 字から 300 字が目安です。「面白そうだったから」で止めず、最後を問いの文で終えます。
よくあるのは、模造紙を床に広げ、題名を書き終えて、その下の 1 行目でペンが止まるという場面です。実験は済んでいて、結果の表も写真もそろっています。それなのに「なぜこの研究をしたのか」を書こうとすると、出てくるのは「面白そうだったから」の 1 文だけです。8 月の終わりの夜、扇風機の音だけがする部屋で、書き出しの 1 行が白いまま残ります。動機は実験を始めた日には頭の中にあったはずなのに、いざ文字にすると消えてしまいます。消えたのではなく、思い出す手順を知らないだけです。以下は、その手順と例です。
動機の型の選び方
動機には 3 つの型があります。図1のように、きっかけ型、疑問型、困りごと型の 3 つで、どれを選んでも最後は問いの文で終わります。型を先に決めると、何を思い出せばよいかがはっきりします。

きっかけ型は、自分の目で見た物から始める型です。「〔7 月の夕方〕、〔冷凍庫から出した氷〕を見ていたら、〔真ん中だけ白く濁っていること〕に気づきました」のように、いつ、どこで、何を見たかを書きます。〔 〕の中は自分の体験に入れ替えます。見た物が具体的なほど、読む人はその場面を思い浮かべられます。小学生の研究の多くはこの型が合います。
疑問型は、授業や本で知ったことを「本当にそうなのか」と確かめる型です。「〔理科の授業〕で〔塩を入れた水は真水より凍りにくい〕と習いました。〔家の冷凍庫〕でも同じことが起きるのか、自分で確かめたくなりました」という形です。この型は、習ったことと自分の疑問の間に小さなずれがあるほど強くなります。「習ったとおりになるはずだが、どのくらい違うのかは知らない」というずれです。中学生以上の研究で選ばれることが多い型です。
困りごと型は、生活の中で困ったことから始める型です。「〔朝、ベランダに干した洗濯物〕が、〔日によって乾く時間がまったく違う〕ので、〔何が乾く速さを決めているのか〕知りたくなりました」という形です。困りごとは、そのまま問いになるので、3 つの型の中でいちばん問いを作りやすい型です。家族の誰かが口にした一言が、そのまま動機になることもあります。
どの型にするかは、テーマが決まった瞬間を思い出して決めます。その瞬間に何かを見ていたならきっかけ型、何かを習った直後なら疑問型、何かに困っていたなら困りごと型です。思い出せないときは、きっかけ型を選びます。実験の材料を最初に手に取った場面を書けば、それがきっかけになります。
進め方
動機の段落は、作文のように頭から書き始めると止まります。図2のように、部品を 1 つずつ作ってから並べると、途中で止まりません。手順は 5 つです。

1 つ目は、思い出しのメモです。紙の端に「いつ」「どこで」「何を」「どう思った」の 4 つを縦に書き、それぞれの横に単語だけを書きます。文にしなくてかまいません。「7 月」「台所」「氷」「真ん中が白い」のように、4 つの単語がそろえば次へ進めます。思い出せない項目があれば、空けたまま進みます。4 つのうち 3 つあれば段落は書けます。
2 つ目は、部品を組むことです。メモの「いつ」「どこで」「何を」を 1 文にまとめると、きっかけの文になります。「どう思った」を 1 文にすると、気づきの文になります。この 2 文が書けたら、段落の半分は終わりです。疑問型なら、「いつ」「どこで」の代わりに「どの授業で」「どの本で」をメモに書き、「何を」の所に習った内容を書きます。困りごと型なら、「何を」の所に困った出来事を書きます。メモの項目の名前が変わるだけで、組み方は同じです。
3 つ目は、問いの文を作ることです。気づきの文を「何が、何によって変わるのか」の形に直します。「白く濁るのが気になった」は気づきで、「濁り方は、水の種類や凍らせ方で変わるのか」が問いです。問いには、変える条件と測る物の両方が入ります。問いの文がそのまま実験の計画になるので、ここがいちばん時間をかける部分です。
4 つ目は、長さを合わせることです。模造紙は、1 文字が大きく、離れた所から読まれるので、100 字から 150 字に収めます。レポートは手元で読まれるので、200 字から 300 字まで書けます。長さが足りないときは、きっかけの文に、見た物の様子を 1 つ足します。長すぎるときは、調べて知ったことを削ります。調べて知ったことは、動機ではなく、方法や考察に書く内容です。
5 つ目は、声に出して読むことです。読んで息が続かない文は、2 つに切ります。「〜ので、〜ので、〜ので」と続く文は、「〜ので」を 1 つに減らします。読みながら、部品が 3 つそろっているかを指で数えます。
組み立ての途中は、次の表に書き込んで進めると、どの部品が足りないかが見えます。
| 部品 | メモの単語 | 書いた文 | 文字の数 |
|---|---|---|---|
| きっかけ | いつ・どこで・何を | ||
| 気づき | どう思った | ||
| 問い | 何が・何によって変わるか | ||
| 合計 |
手順どおりに組むと、たとえば次の形になります。〔 〕の中は自分の言葉に入れ替えます。「〔7 月の夕方〕、〔台所で冷凍庫から出した氷〕を見ていたら、〔真ん中だけが白く濁っていること〕に気づきました。〔透明な氷と白い氷の違い〕が気になりました。そこで、〔水の種類と凍らせ方〕を変えて、〔濁りの大きさ〕がどう変わるかを調べることにしました。」この形は、〔 〕を埋めた状態で 111 字です。模造紙の目安に収まります。
レポート向けに長くするときは、きっかけの文に様子を足します。「〔氷を光にかざすと、白い部分は小さな泡の集まりのように見えました〕」のような 1 文を気づきの前に入れると、段落は 143 字になり、模造紙の上限に近づきます。レポートで 200 字まで伸ばすときも、足す文は見たことに限ります。本で読んだ理屈を足すと、動機ではなく説明になってしまいます。
まとめ方
動機は、模造紙でもレポートでも、題名の真下に置きます。図3のように、模造紙では左上の最初の枠に入れ、見出しは「動機」か「きっかけ」とします。「研究の動機」でも「この研究をしたわけ」でもかまいませんが、見出しは 1 行に収まる短い言葉にします。

模造紙の文字の大きさは、本文と同じにします。動機だけを大きくしたり、色を変えたりする必要はありません。題名の次に目に入る場所にあるので、大きさを変えなくても最初に読まれます。文字は、下書きの鉛筆の線を引いてから書くと、1 行目が曲がりません。枠の中に何行入るかは、先に鉛筆で行の線を引いて数えます。1 行に入る文字の数と行の数を掛ければ、枠に入る文字の数がわかるので、段落の長さをそこに合わせてから清書します。
動機の段落は、考察の段落と対になります。図3の矢印が示しているのはこの対です。動機で立てた問いに、考察で答えます。「濁り方は、水の種類や凍らせ方で変わるのか」と問うたなら、考察には「ゆっくり凍らせた氷は、濁りが小さいことが多かった。濁り方は凍らせ方で変わるといえる」のように、問いの言葉を使って答えを書きます。答えの中身は、自分の記録のとおりに書きます。問いと答えの言葉がそろっていると、読む人は模造紙の左上と右側を往復するだけで、研究の筋をつかめます。
レポートの場合は、「1. 研究の動機」を最初の節にします。次が「2. 予想」、その次が「3. 方法」です。レポートでは動機の節の最後に、問いを 1 行だけ別の行に書くと、読む人が問いを探さずに済みます。「問い: 氷の濁り方は、凍らせ方で変わるのか」のように、問いの前に「問い:」を付けます。
仕上げの前に確かめることは 2 つです。1 つは、動機の最後の文が問いの形になっているかです。「〜を調べることにしました」「〜を確かめたいと思いました」のどちらかで終わっていれば問いの形です。もう 1 つは、問いの中の言葉が、考察に出てくるかです。動機に「濁り」と書いて、考察に「白い部分」と書くと、同じことを指しているのに別の物に読めます。言葉をそろえます。
うまくいかないとき
書き出しでつまずく文には、決まった形があります。直し方も決まっています。
「面白そうだったから」は、いちばん多い書き出しです。この文には、何が、どう面白そうだったのかが入っていません。直し方は、「面白そう」の前に、見た物を 1 つ足すことです。「氷の真ん中が白いのが面白そうだったから」まで書けたら、そこから「白いのはなぜか」という問いが出てきます。
「先生に勧められたから」「親に言われたから」も多い書き出しです。事実としてはそのとおりでも、動機の段落は、自分が何を知りたいかを書く場所です。勧められたテーマの中で、自分が「本当にそうなるのか」と思った点を 1 つ探して、そこから書き直します。見つからなければ、材料を最初に手に取った場面から書きます。
調べて知ったことを動機に書いてしまう文もあります。「氷が白く濁る理由は、本にこう書いてありました」から始まる動機は、動機ではなく説明です。答えを先に書いてしまうと、問いが消えます。知ったことは考察に移し、動機には知る前の自分の疑問だけを残します。
実験の後に動機を書くと、動機と実験が食い違うことがあります。最初は濁りの大きさを調べるつもりだったのに、実験の途中で凍る時間のほうが気になって、記録が時間の表になっているという場合です。このときは、食い違いを隠さず、「最初は〜を調べるつもりでしたが、途中で〜のほうが気になり、〜を調べることにしました」と書きます。途中で問いが変わったこと自体が、研究の記録になります。
確かめの問題を 1 つ置きます。「紙飛行機が好きだから、紙飛行機の研究をしました。」この文を、3 つの部品の形に直してみてください。好きになった場面、飛ばしたときに気になったこと、何を変えて何を測るのかの 3 つがそろえば直せています。答えは 1 つではありません。自分が飛ばした日のことを思い出して書けば、それが答えです。
よくある質問
動機と目的は同じですか
違います。動機は「なぜ知りたくなったか」で、目的は「何を明らかにするか」です。模造紙では 1 つの枠にまとめて書いてかまいませんが、文としては分けます。動機の段落の最後の問いの文が、そのまま目的です。レポートで「目的」の節を別に求められたら、問いの文を 1 行だけ取り出して、その節に書きます。
実験が終わってから動機を書いてもよいですか
よいです。むしろ、終わってからのほうが、問いの言葉を考察とそろえやすくなります。ただし、終わってから書くときは、実験を始めた日のメモや写真を見返してから書きます。終わった後の気持ちで書くと、「結果がこうなると知っていた」ような文になりやすいからです。
低学年は何字くらい書けばよいですか
小学校低学年は、2 文で足ります。「〔見た物〕を見ました。〔気になったこと〕が知りたくなりました」の形です。問いの文は、「〜が知りたくなりました」で終われば十分です。長さよりも、見た物が自分の言葉で書けているかを見ます。
親の関わり方と個別指導で確かめること
動機の段落で、保護者の方ができるのは、聞き役です。「なんでこれをやろうと思ったの」と一度だけ聞いて、お子さまが話した言葉を、そのまま紙の端に書き留めます。書き留めた言葉は、思い出しのメモになります。代わりに文を作ることはしません。話した言葉のほうが、整えた文より動機らしく読めます。
個別指導では、動機の問いの文と、考察の答えの文を並べて、言葉がそろっているかを講師と一緒に確かめます。動機だけを直すのではなく、問いと答えの対として読みます。問いが測れる形になっていない場合は、実験の記録に戻って、何を測ったかを一緒に見直します。
まとめ
動機の段落は、きっかけ、気づき、問いの 3 つの部品でできています。部品は、作るものではなく、思い出すものです。実験を始めた日に見た物を 1 つ思い出せば、1 行目は埋まります。模造紙の 1 行目に書くのは、上手な文ではなく、あの日に自分が見た物です。見た物が書けていれば、問いは後からついてきます。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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