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ことわざの一覧—よく出るものを意味つきで、似た意味と反対の意味|武蔵野個別指導塾

「情けは人のためならず」を逆の意味で覚えていませんか。猫に小判から笑う門まで80語を読みと意味で並べ、似た組と反対の組、体や動物の語の束で覚えられる形にしています。
よく出ることわざ80語を、読みと意味つきで並べました。分類の列は、語の中で目印になるものを基準にしています。
| 番号 | ことわざ(読み) | 意味 | 分類 |
|---|---|---|---|
| 1 | 猫に小判(ねこにこばん) | 値打ちのわからない者に高価なものを与えても、何の役にも立たない。 | 動物 |
| 2 | 豚に真珠(ぶたにしんじゅ) | どんなによいものも、その値打ちを知らない者には意味がない。 | 動物 |
| 3 | 馬の耳に念仏(うまのみみにねんぶつ) | いくら意見を言っても、聞き流すだけで少しも効き目がない。 | 動物 |
| 4 | 犬も歩けば棒に当たる(いぬもあるけばぼうにあたる) | 出歩くと思わぬ災難にあう。今は、思わぬ幸運にあう意味でも使う。 | 動物 |
| 5 | 猿も木から落ちる(さるもきからおちる) | その道にすぐれた者でも、ときには失敗する。 | 動物 |
| 6 | 河童の川流れ(かっぱのかわながれ) | 泳ぎのうまい河童が流されるように、名人でも油断すれば失敗する。 | 動物 |
| 7 | 蛙の子は蛙(かえるのこはかえる) | 子は親に似るものだ。凡人の子はやはり凡人である。 | 動物 |
| 8 | 井の中の蛙大海を知らず(いのなかのかわずたいかいをしらず) | 自分の狭い世界しか知らず、外に広い世界があることに気づかない。 | 動物 |
| 9 | とんびが鷹を生む(とんびがたかをうむ) | 平凡な親から、すぐれた子が生まれる。 | 動物 |
| 10 | 能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす) | 本当に力のある者は、それをむやみに見せびらかさない。 | 動物 |
| 11 | 二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず) | 同時に2つのことをねらうと、結局どちらも手に入らない。 | 動物 |
| 12 | 虻蜂取らず(あぶはちとらず) | 欲を出して両方をねらい、どちらも取りそこなう。 | 動物 |
| 13 | 虎の威を借る狐(とらのいをかるきつね) | 力のない者が、強い者の勢いを頼りにしていばる。 | 動物 |
| 14 | 捕らぬ狸の皮算用(とらぬたぬきのかわざんよう) | まだ手に入っていないものをあてにして、あれこれ計画を立てる。 | 動物 |
| 15 | えびで鯛を釣る(えびでたいをつる) | わずかな元手や手間で、大きな利益を得る。 | 動物 |
| 16 | 立つ鳥跡を濁さず(たつとりあとをにごさず) | 立ち去る者は、後が見苦しくないようにきちんと始末をしていくべきだ。 | 動物 |
| 17 | 泣きっ面に蜂(なきっつらにはち) | 困っているところへ、さらに別の困りごとが重なる。 | 動物 |
| 18 | 一寸の虫にも五分の魂(いっすんのむしにもごぶのたましい) | 小さく弱い者にも意地があるので、ばかにしてはいけない。 | 動物 |
| 19 | 目は口ほどに物を言う(めはくちほどにものをいう) | 目つきは、言葉と同じくらい気持ちを相手に伝える。 | 体 |
| 20 | 壁に耳あり障子に目あり(かべにみみありしょうじにめあり) | 誰が聞いたり見たりしているかわからないので、秘密はもれやすい。 | 体 |
| 21 | 寝耳に水(ねみみにみず) | 思いがけない知らせに突然驚く。 | 体 |
| 22 | 良薬は口に苦し(りょうやくはくちににがし) | ためになる忠告ほど、聞くのがつらい。 | 体 |
| 23 | 口は災いの門(くちはわざわいのかど) | うっかり言った言葉が、災いを招く入り口になる。 | 体 |
| 24 | 人の口に戸は立てられぬ(ひとのくちにとはたてられぬ) | 世間のうわさは止めようがない。 | 体 |
| 25 | 背に腹はかえられない(せにはらはかえられない) | 差し迫ったことのためには、他を犠牲にしてもやむをえない。 | 体 |
| 26 | のど元過ぎれば熱さを忘れる(のどもとすぎればあつさをわすれる) | 苦しかったことも、過ぎてしまえばすぐに忘れる。 | 体 |
| 27 | 頭隠して尻隠さず(あたまかくしてしりかくさず) | 悪事や欠点の一部だけを隠して、全部隠したつもりでいる。 | 体 |
| 28 | 上手の手から水が漏れる(じょうずのてからみずがもれる) | 上手な人でも、ときにはしくじる。 | 体 |
| 29 | 身から出たさび(みからでたさび) | 自分のした行いのせいで、自分が苦しむ。 | 体 |
| 30 | 腹が減っては戦ができぬ(はらがへってはいくさができぬ) | 空腹のままでは、よい働きはできない。 | 体 |
| 31 | 桃栗三年柿八年(ももくりさんねんかきはちねん) | 実がなるまで年月がかかるように、何事も成果が出るには時間がかかる。 | 植物と食べ物 |
| 32 | 花より団子(はなよりだんご) | 風流なものより、実際に役に立つものを選ぶ。 | 植物と食べ物 |
| 33 | どんぐりの背比べ(どんぐりのせいくらべ) | どれも似たようなもので、特にすぐれたものがない。 | 植物と食べ物 |
| 34 | 棚からぼたもち(たなからぼたもち) | 思いがけない幸運が、苦労なしに舞い込む。 | 植物と食べ物 |
| 35 | 絵に描いた餅(えにかいたもち) | どんなによく見えても、実際には役に立たない。 | 植物と食べ物 |
| 36 | 餅は餅屋(もちはもちや) | 物事にはそれぞれ専門家がいて、任せるのがいちばんよい。 | 植物と食べ物 |
| 37 | 瓜のつるになすびはならぬ(うりのつるになすびはならぬ) | 平凡な親から非凡な子は生まれない。 | 植物と食べ物 |
| 38 | まかぬ種は生えぬ(まかぬたねははえぬ) | 何もしなければ、よい結果は得られない。 | 植物と食べ物 |
| 39 | ぬかに釘(ぬかにくぎ) | いくら言っても、手ごたえも効き目もない。 | 植物と食べ物 |
| 40 | 雨降って地固まる(あめふってじかたまる) | もめごとの後で、かえって物事がよい状態に落ち着く。 | 自然 |
| 41 | 焼け石に水(やけいしにみず) | 少しばかりの助けでは、何の効き目もない。 | 自然 |
| 42 | 雨だれ石をうがつ(あまだれいしをうがつ) | 小さな力でも、根気よく続ければ大きなことをなしとげられる。 | 自然 |
| 43 | 石の上にも三年(いしのうえにもさんねん) | つらくても辛抱を続ければ、やがて報われる。 | 自然 |
| 44 | 塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる) | わずかなものでも、積もり重なれば大きなものになる。 | 自然 |
| 45 | 後は野となれ山となれ(あとはのとなれやまとなれ) | 目の前のことさえ済めば、後はどうなってもかまわない。 | 自然 |
| 46 | 月とすっぽん(つきとすっぽん) | 丸い点は同じでも、比べものにならないほど違う。 | 自然 |
| 47 | 待てば海路の日和あり(まてばかいろのひよりあり) | あせらず待てば、やがてよい機会がやってくる。 | 自然 |
| 48 | 三人寄れば文殊の知恵(さんにんよればもんじゅのちえ) | 平凡な人でも、3人集まって相談すればよい知恵が出る。 | 数 |
| 49 | 三つ子の魂百まで(みつごのたましいひゃくまで) | 幼いころの性質は、年を取っても変わらない。 | 数 |
| 50 | 七転び八起き(ななころびやおき) | 何度失敗しても、くじけずに立ち上がる。 | 数 |
| 51 | 二度あることは三度ある(にどあることはさんどある) | 同じことが2度起きると、もう1度起きやすい。 | 数 |
| 52 | 三度目の正直(さんどめのしょうじき) | 1度目や2度目はだめでも、3度目はうまくいく。 | 数 |
| 53 | 早起きは三文の徳(はやおきはさんもんのとく) | 朝早く起きると、何かしらよいことがある。 | 数 |
| 54 | 一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる) | 少し聞いただけで全体を理解できるほど賢い。 | 数 |
| 55 | 百聞は一見にしかず(ひゃくぶんはいっけんにしかず) | 何度も聞くより、1度自分の目で見る方がよくわかる。 | 数 |
| 56 | 千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぽから) | どんなに大きな仕事も、手近な一歩から始まる。 | 数 |
| 57 | 人の噂も七十五日(ひとのうわさもしちじゅうごにち) | 世間のうわさは長く続かず、やがて消えていく。 | 数 |
| 58 | 転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ) | 失敗しないように、前もって用心しておく。 | 人と暮らし |
| 59 | 石橋をたたいて渡る(いしばしをたたいてわたる) | 用心の上にも用心を重ねて物事を進める。 | 人と暮らし |
| 60 | 備えあれば憂いなし(そなえあればうれいなし) | ふだんから準備しておけば、何が起きても心配がない。 | 人と暮らし |
| 61 | 急がば回れ(いそがばまわれ) | 急ぐときほど、危ない近道より確実な遠回りの方が結局は早い。 | 人と暮らし |
| 62 | 善は急げ(ぜんはいそげ) | よいと思ったことは、ためらわずすぐに実行せよ。 | 人と暮らし |
| 63 | 好きこそものの上手なれ(すきこそもののじょうずなれ) | 好きなことには熱心に打ち込むので、自然に上手になる。 | 人と暮らし |
| 64 | 下手の横好き(へたのよこずき) | 下手なのに、そのことが好きで熱心に取り組む。 | 人と暮らし |
| 65 | 弘法にも筆の誤り(こうぼうにもふでのあやまり) | 書の名人の弘法大師でも書き損じるように、名人でも失敗する。 | 人と暮らし |
| 66 | 果報は寝て待て(かほうはねてまて) | 幸運は人の力ではどうにもならないから、あせらず待つのがよい。 | 人と暮らし |
| 67 | 渡る世間に鬼はなし(わたるせけんにおにはなし) | 世の中は冷たい人ばかりではなく、親切な人も必ずいる。 | 人と暮らし |
| 68 | 人を見たら泥棒と思え(ひとをみたらどろぼうとおもえ) | 他人を簡単に信用してはいけない。 | 人と暮らし |
| 69 | 情けは人のためならず(なさけはひとのためならず) | 人に親切にしておくと、巡り巡って自分によい報いが返ってくる。 | 人と暮らし |
| 70 | 聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥(きくはいっときのはじきかぬはいっしょうのはじ) | 知らないことを聞く恥はその場で済むが、聞かなければ一生恥をかく。 | 人と暮らし |
| 71 | 朱に交われば赤くなる(しゅにまじわればあかくなる) | 人は付き合う相手によって、よくも悪くも変わる。 | 人と暮らし |
| 72 | 灯台下暗し(とうだいもとくらし) | 身近なことは、かえって気づきにくい。 | 人と暮らし |
| 73 | のれんに腕押し(のれんにうでおし) | 力を入れても手ごたえがない。 | 人と暮らし |
| 74 | ちょうちんに釣り鐘(ちょうちんにつりがね) | 形は似ていても、まったく釣り合わない。 | 人と暮らし |
| 75 | 弱り目にたたり目(よわりめにたたりめ) | 弱っているときに、さらに悪いことが重なる。 | 人と暮らし |
| 76 | 鬼に金棒(おににかなぼう) | 強い者が何かを得て、さらに強くなる。 | 人と暮らし |
| 77 | 案ずるより産むが易し(あんずるよりうむがやすし) | あれこれ心配するより、やってみると案外たやすい。 | 人と暮らし |
| 78 | 論より証拠(ろんよりしょうこ) | 議論を重ねるより、証拠を示す方がはっきりする。 | 人と暮らし |
| 79 | 習うより慣れよ(ならうよりなれよ) | 人に教わるより、自分で繰り返して慣れる方が身につく。 | 人と暮らし |
| 80 | 笑う門には福来る(わらうかどにはふくきたる) | 笑いの絶えない家には、自然に幸福がやってくる。 | 人と暮らし |
似た意味の組は、次の10組です。同じ行の語は、文の中で入れ替えても話が通ることが多い語です。
| 組 | 似た意味のことわざ | 共通する意味 |
|---|---|---|
| 1 | 猫に小判・豚に真珠 | 値打ちのわからない者に与えてもむだ |
| 2 | 猿も木から落ちる・河童の川流れ・弘法にも筆の誤り・上手の手から水が漏れる | 名人でも失敗する |
| 3 | 泣きっ面に蜂・弱り目にたたり目 | 悪いことに悪いことが重なる |
| 4 | ぬかに釘・のれんに腕押し | 手ごたえがない |
| 5 | 月とすっぽん・ちょうちんに釣り鐘 | 似ているようで比べものにならない |
| 6 | 蛙の子は蛙・瓜のつるになすびはならぬ | 子は親に似る |
| 7 | 石の上にも三年・雨だれ石をうがつ | 続ければ実を結ぶ |
| 8 | 転ばぬ先の杖・備えあれば憂いなし | 前もって用意しておく |
| 9 | 二兎を追う者は一兎をも得ず・虻蜂取らず | 両方をねらうとどちらも取れない |
| 10 | 果報は寝て待て・待てば海路の日和あり | あせらず待てばよい時が来る |
反対の意味の組は、次の7組です。同じ場面で逆の助言をする語が向かい合っています。
| 組 | 一方の語 | もう一方の語 | 何が逆か |
|---|---|---|---|
| 1 | 蛙の子は蛙 | とんびが鷹を生む | 子は親に似る/親よりすぐれた子が出る |
| 2 | 急がば回れ | 善は急げ | 確実な遠回りを選ぶ/ためらわずすぐ動く |
| 3 | 立つ鳥跡を濁さず | 後は野となれ山となれ | 後始末をする/後はかまわない |
| 4 | 渡る世間に鬼はなし | 人を見たら泥棒と思え | 人を信じる/人を疑う |
| 5 | 果報は寝て待て | まかぬ種は生えぬ | 待つ/自分から動く |
| 6 | 二度あることは三度ある | 三度目の正直 | 3度目も同じになる/3度目は変わる |
| 7 | 好きこそものの上手なれ | 下手の横好き | 好きだから上手になる/好きでも下手なまま |
よくあるのは、日曜の夕食で祖父が煮物に箸をのばしながら「情けは人のためならず、だからな」と言い、孫が「親切にするなってこと」と聞き返す場面です。祖母が笑って首を振り、食卓の話はそのことわざ1つでしばらく止まります。スマートフォンで調べようとしても、長い説明の前で手が止まる。ほしいのは、意味が1行で読める表です。
一覧の読み方
分類の列は、語の中でいちばん絵が浮かぶものを基準に分けました。決まった分け方があるわけではなく、覚えるときの目印です。図1のように、80語の内訳は動物18語、体12語、植物と食べ物9語、自然8語、数10語、人と暮らし23語です。馬の耳に念仏には馬と耳の両方があり、ここでは動物に入れました。石の上にも三年には石と三の両方があり、こちらは自然に入れています。2つの目印を持つ語は、どちらの束で思い出してもかまいません。

読みで先に見てほしいのは、同じ字の読み分けです。蛙の子は蛙の「蛙」は「かえる」、井の中の蛙大海を知らずの「蛙」は「かわず」と読みます。雨だれ石をうがつの「雨」は「あま」、灯台下暗しの「下」は「もと」です。ことわざは昔の読み方を残しているので、今の読み方で押し通すと外します。
ことわざは、それだけで1つの教えや皮肉になる短い言葉です。慣用句は「耳が痛い」「油を売る」のように文の部品として働き、字面とは別の意味を持ちます。後ろに何も足さずに言い切れて、誰かへの助言や世の中の見方として通るなら、ことわざと考えて外れません。虎の威を借る狐のように中国の古い話が元になっている語は、故事成語の一覧とも重なります。
意味の列は、1文に縮めてあります。辞書によって言い方は少しずつ違いますが、芯は同じです。似た意味の組も、まったく同じ意味とは限りません。猫に小判は「物の値打ち」の話で、よく並べられる馬の耳に念仏は「忠告を聞かない」話なので、この表では別にしました。組に入れる前に、同じ文で入れ替えてみると違いが見えます。
覚え方
80語を番号の順に覚えようとすると、前の語がすぐに抜けていきます。ことわざは1語ずつ独立して見えますが、目印や意味でつながっているので、束にしてから手をつける方が早く進みます。
目印の語で束にする
動物18語と体12語から始めます。絵が浮かぶので、意味の手がかりが語の中にあるからです。さらに小さな束に分けると、次の表のようになります。
| 束 | 語の数 | 語 |
|---|---|---|
| けもの | 8 | 猫に小判、豚に真珠、馬の耳に念仏、犬も歩けば棒に当たる、猿も木から落ちる、二兎を追う者は一兎をも得ず、虎の威を借る狐、捕らぬ狸の皮算用 |
| 鳥 | 3 | とんびが鷹を生む、能ある鷹は爪を隠す、立つ鳥跡を濁さず |
| 水辺の生き物 | 4 | 河童の川流れ、蛙の子は蛙、井の中の蛙大海を知らず、えびで鯛を釣る |
| 虫 | 3 | 虻蜂取らず、泣きっ面に蜂、一寸の虫にも五分の魂 |
| 目と耳 | 3 | 目は口ほどに物を言う、壁に耳あり障子に目あり、寝耳に水 |
| 口 | 3 | 良薬は口に苦し、口は災いの門、人の口に戸は立てられぬ |
| 腹と背 | 2 | 背に腹はかえられない、腹が減っては戦ができぬ |
| のど・頭・手・身 | 4 | のど元過ぎれば熱さを忘れる、頭隠して尻隠さず、上手の手から水が漏れる、身から出たさび |
束の数を覚えておくと、「鳥の語は3つ」と自分で点検できます。2つしか出てこなければ、1つ抜けたとすぐ気づきます。番号の順に覚える方法にはない強みです。
似た組と反対の組で2語ずつ持つ
図2のように、似た意味の組は言い換えられる2語、反対の意味の組は向きが逆の2語です。1語を覚えるときにもう1語を連れてくれば、思い出す手がかりが2つになります。テストで組を聞かれたときも、そのまま答えになります。

反対の組は、どちらかが間違っているのではありません。提出まで日があるのに雑に片づけそうなら急がば回れ、謝りに行くのをためらっているなら善は急げです。ことわざは法則ではなく、場面ごとの助言です。ここがわかると、反対の語が両方残っていることに納得できます。
自分の場面で1文作る
意味を暗記しただけでは、文章の中で出会ったときに使えません。次のように、自分の周りの出来事で1文作ります。「部活でいちばんシュートのうまい先輩が、フリースローを外した。猿も木から落ちるとはこのことだ。」「消しゴムを1個貸しただけなのに、お礼にノートを1冊もらった。えびで鯛を釣るとはこのことだ。」うまい文でなくてかまいません。誰がどうしたかが入っていれば、語に場面がつきます。
夕食で使ってみる
保護者の方は、お子さまに意味を先に言わないでください。「この前おじいちゃんがどんな場面で言ったか」を話し、意味はお子さまに考えさせます。間違っていても、その場で正せば一語が場面つきで残ります。お子さまの側は、聞いたことわざを表で引いて、次の食事で使ってみてください。
間をあけて確かめる
1日10語なら、8日で80語を一巡できます。意味の列を紙で隠し、ことわざを見て意味を言い、言えなかった語に印をつけます。印の語だけを、翌日、3日後、1週間後にもう一度確かめます。同じ日に何度も繰り返すより、忘れかけたころに思い出す回数を増やす方が、テストの当日に出てきます。
テストでの出方
国語のテストでことわざが出る形は、主に4つです。語の一部を入れる穴埋め、意味を選ぶ問題、似た意味や反対の意味の語を選ぶ問題、文の中の使い方を選ぶ問題です。穴埋めでは動物や体の名前を抜く形が定番で、ここで束の覚え方がそのまま効きます。次の3問で形を確かめてください。
例題1 穴埋め
次の( )に動物の名前を入れて、ことわざを完成させなさい。
-
- ( )の耳に念仏
- (2) ( )に小判
- (3) ( )も木から落ちる
答えは、(1) 馬、(2) 猫、(3) 猿です。(2) は「豚」と書きがちです。豚に真珠と混ざるからです。小判には猫、真珠には豚と、相手の語まで組で持っていれば迷いません。
例題2 使い方
「石橋をたたいて渡る」の使い方として正しいものを1つ選びなさい。
- ア 兄は願書を出す前に、記入の欄を3回見直した。まさに石橋をたたいて渡る性格だ。
- イ 弟は問題文を読まずに答えを書き始めた。まさに石橋をたたいて渡る性格だ。
- ウ 妹は古い石の橋を見るのが好きで、毎週出かけている。まさに石橋をたたいて渡る性格だ。
答えはアです。用心の上に用心を重ねるという意味なので、願書を3回見直す兄に合います。イは正反対の行動です。ウは字面の「石の橋」に引っ張られた文で、字面そのままの文を混ぜるのは使い方の問題の定番です。
例題3 反対の意味
「善は急げ」と反対の意味のことわざを、次から1つ選びなさい。
- ア 急がば回れ
- イ 鬼に金棒
- ウ 花より団子
- エ 寝耳に水
答えはアです。「急」の字が同じなので、同じ意味だと思って外す人がいます。善は急げは「すぐにやれ」、急がば回れは「急ぐときこそ確実な道を行け」で、向きが逆です。字の見た目で決めず、相手に何をしろと言っている語なのかで決めてください。
まちがえやすいところ
図3に、誤りの多い3語を並べました。意味の取り違え、語の中身の思い込み、読みの誤りと、種類が1つずつ違います。

1つめは、情けは人のためならずを「親切にしすぎると相手のためにならない」と読む誤りです。「ならず」は「ならない」ではありません。「なら」は「である」を表す昔の言い方で、「ず」は打ち消しなので、全体で「人のためではない」となります。人にかけた情けは、巡り巡って自分に返ってくる。だから親切にしなさい、という語です。
2つめは、灯台下暗しの灯台を、岬に立つ灯台だと思う誤りです。ここでの灯台は、昔の室内に置いた明かりの台で、木の柱の上の油皿に火をともしました。部屋を照らす道具なのに、その真下だけが暗い。だから「身近なことほど気づきにくい」という意味になります。読みも「したくらし」ではなく「もとくらし」です。
3つめは、門の読みです。口は災いの門も、笑う門には福来るも、門は「かど」と読みます。「もん」と書くと誤りです。かどは出入り口や家を指す昔の言い方で、笑う門は「笑いの絶えない家」のことです。この2語は、覚えるときに一度声に出しておくと防げます。
確かめの問題
表を隠して、次の5問に答えてください。1問でも止まったら、その語の分類の束に戻ります。
- 「( )に真珠」の( )に入る動物は何ですか。
- 「ちょうちんに釣り鐘」と似た意味のことわざを、表から1つ答えてください。
- 「好きこそものの上手なれ」と反対の意味のことわざを、表から1つ答えてください。
- 「口は災いの門」の「門」は、何と読みますか。
- 「情けは人のためならず」の意味を、1文で書いてください。
答え
- 豚です。猫に小判と組で覚えていれば、相手の語まで一緒に出てきます。
- 月とすっぽんです。どちらも、形は似ていても比べものにならない2つを並べた語です。
- 下手の横好きです。好きだから上手になる語と、好きでも下手なままの語で、向きが逆です。
- 「かど」です。笑う門には福来るの「門」も同じ読みです。
- 人に親切にしておくと、巡り巡って自分によい報いが返ってくる、という意味です。「相手のためにならない」と書いたら、図3をもう一度見てください。
次に確かめること
慣用句の一覧では、「耳が痛い」のように文の部品になる言葉を、体の部分ごとに確かめてください。故事成語の一覧では、虎の威を借る狐のように由来の話を持つ語を、高校の漢文につながる形で確かめられます。漢検のレベル一覧では、語彙と並行して字の力をどの級で測るかを決められます。受検を考えるなら、申し込みと日程はそのつど協会の最新の案内で確かめてください。
個別指導では、意味が言えるかだけで止めず、文章の中で出会ったときに読めているかまで戻って確かめます。意味は言えるのに読解で止まるなら、短文づくりからやり直します。
まとめ
ことわざは、昔の人が失敗のあとに残した短い書き置きです。急げと言う語と回れと言う語が両方残っているのは、どちらの失敗も本当にあったからです。80語を覚えたら、今の自分にどちらが要るかを選んでください。夕食の席で聞き返した一語は、もう辞書の中の言葉で終わりません。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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