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文章題から数学的モデリング、応用数学へ|武蔵野個別指導塾
速さや濃度の文章題から、関数を使う最適化、仮定を検証して直す数学的モデリングへ進みます。式を作る理由と答えを現実に戻して確かめる手順を、計算例でたどってみましょう。

文章題から数学的モデリング、応用数学へ
文章を式にする前に考えていること
よくあるのは、文化祭の準備机で容器の大きさを相談しているとき、「計算問題なら解けるのに、文章題になると何をすればよいのかわからない」と手が止まる場面です。紙を切って箱を作りたいだけなのに、どこを文字にして、どの式を使えばよいのでしょうか。目の前の材料には数式が印刷されていません。
文章題で難しいのは、計算に入る前に、取り出す数量とその関係を自分で選ぶ必要があることです。速さの問題なら、道のり、時間、速さを区別します。濃度の問題なら、食塩水全体と、その中の食塩を区別します。何に注目するかが定まると、文章の長さに隠れていた関係が見えてきます。
この選び方は、大学で学ぶ数学的モデリングにもつながります。現実の一部を、目的に合わせて数や式で表し、得られた答えを現実と照らし合わせる営みです。中学では文章に書かれた条件を読むところから始まり、高校では関数を使って条件の変化を調べ、大学では条件そのものが適切かを問い直します。文章題は、その長い道の入口にあります。

中学の文章題は数量の関係を取り出す練習
速さの問題を考えます。家から目的地までの道のりを1200mとし、全区間を毎分80mの一定の速さで歩くとします。かかる時間をt分と置けば、道のりは「速さ×時間」で表せるので、次の方程式になります。
80t=1200
両辺を80で割ると、t=15です。答えは15分ですが、ここで式の意味にも目を向けてください。80は毎分進む距離、tは歩いた分数、80tはその間に進んだ距離を表します。単に文章にある数字を組み合わせたのではなく、同じ道のりを二通りに表して等号で結んでいます。
この計算には、歩く速さが一定で、途中に停止時間を含めないという条件があります。信号待ちに合計3分かかり、歩いている間の速さは変わらないなら、所要時間は18分です。計算が間違っていなくても、何を時間に含めたかによって答えは変わります。「歩行時間」と「出発から到着までの時間」を分けることも、数学の考え方の一部です。
単位も式を作る手がかりになります。毎分何mという速さに分を掛けると、道のりのmになります。時間を秒で表すなら、速さの単位もそろえる必要があります。答えだけを見る前に、式の左右が同じ種類の量を表しているか確かめると、関係の取り違えに気づきやすくなります。
次に、濃度の文章題です。質量の割合で濃度を表す食塩水について、5%の食塩水200gに水を加え、2%にしたいとします。途中でこぼさず、食塩も水も外へ失われないものとします。加える水の質量をx gと置きます。
初めに含まれる食塩は、200×0.05=10で10gです。水を加えても、この食塩の質量は変わりません。一方、食塩水全体の質量は200+x gに増えます。濃度2%とは、食塩水全体の質量に対して食塩の質量が0.02倍という意味なので、式は次のようになります。
10/(200+x)=0.02
両辺に200+xを掛けると、10=4+0.02xとなり、x=300を得ます。水を300g加えると全体は500gになり、10/500=0.02です。食塩が10gのまま、全体が500gになったことまで確認すると、答えが文章の条件に戻ります。
ここで5%と2%の差だけを計算しても、加える水の質量は求められません。割合は「何をもとにした割合か」と組になった量だからです。前後で変わらない食塩と、変わる全体の質量を分けることが、立式の中心になります。
速さと濃度は別の単元に見えますが、共通の順序があります。まず何を求めるかを決め、未知の量に文字を置き、変わらない関係を式にします。そして解いた後、単位や正負、文章の条件を確かめます。式ができた時点でも、方程式が解けた時点でも、まだ確認すべきことが残っています。
高校では関数で選択肢を比べる
中学の文章題では、条件を満たす一つの値を求めることがよくあります。理系の高校数学では、ある量を変えたとき、別の量がどう動くかを関数で表し、その中から最もよい選択を探せるようになります。このとき「何をよいとするか」を先に決める必要があります。容量を大きくすることと、材料を少なくすることは、異なる目標です。
縦20cm、横30cmの長方形の紙から、ふたのない箱を作る問題を考えます。四隅から一辺x cmの正方形を切り取り、残った部分を折り上げます。紙の厚さと折り曲げ部分のずれを無視し、できる箱の内側の寸法を切り取った長さからそのまま求めることにします。
箱の高さはx cm、底面の縦は20−2x cm、横は30−2x cmです。切り取る正方形は向かい合う両側にあるため、底面の辺からはxを二つ分引きます。体積をV(x) cm³とすると、次の関数で表せます。
V(x)=x(20−2x)(30−2x)
箱として高さと底面の辺が正になる条件から、xの範囲は0<x<10です。この範囲を定義域、つまり関数の入力として扱う値の範囲にします。式だけを見ると負のxも代入できますが、紙を切る長さとしては採用できません。現実の条件が、数学で調べる範囲を決めています。
試しにx=2なら、V(2)=2×16×26=832です。x=4なら、V(4)=4×12×22=1056です。切り取る部分を大きくすると高さは増えますが、底面は小さくなります。体積が増え続けるとは限らないので、どこで最大になるかを調べたくなります。
関数を展開して微分すると、次の式が得られます。導関数V′(x)は、切り取る長さを少し変えたときの体積の変化のしかたを表します。
V(x)=600x−100x²+4x³
V′(x)=600−200x+12x²
V′(x)=0を解くと、x=(25−5√7)/3とx=(25+5√7)/3が得られます。このうち0<x<10に入るのは前者だけで、約3.924です。この値の手前で導関数は正、その先では負になるので、体積は増加から減少に変わり、ここで最大になります。もう一方は約12.743で、箱を作れる範囲から外れています。
微分の計算だけなら、二つの候補が並びます。実際の問題に答えるためには、定義域と増減の両方を見る必要があります。また、導関数が0になったという理由だけで最大と決めることもできません。増え方がどう変わるかを確かめて初めて、目的に合う点を選べます。
さらに、定規で切る作業を考えると、約3.924cmという値をどこまで細かく実現するかという問題が残ります。厚い紙なら折り目にも幅が生まれます。式の中では最適な値でも、作業のしやすさまで含めた最適な選択とは限りません。高校数学で得た答えは、次に何を調べるかを示す手がかりにもなります。
この例で新しく加わったのは、値を一つずつ試すだけでなく、関数全体の性質を使って選択肢を比較する視点です。文字は未知の答えの置き場所から、条件を動かすための入力へと役割を広げます。

大学では仮定を含めてモデルを検証する
数学的モデルとは、対象のうち注目する量を変数で表し、それらの関係と成り立つ条件を、方程式や不等式などで定めたものです。数学的モデリングでは、目的に応じてモデルを作り、結果を読み取り、対象の観測と照らして修正します。式を立てる工程に加えて、式に入れなかったものを確かめる工程も含まれます。
大学の応用数学では、中学の文章題で与えられていた条件を、自分で選ぶ場面が増えます。速さを一定としてよいのか、流入量を一定としてよいのか、測った値にはどの程度のずれがあるのか。こうした判断によって、使う数学も変わります。変化を無視できるなら方程式で足りることもありますが、時間とともに移り変わる量を追うなら、関数の変化率を含む式が役立ちます。
濃度の例を、水槽へ水が流れ続ける問題に広げましょう。初めに水槽には体積100Lの食塩水があり、その中に食塩が10g溶けているとします。純水が毎分2L入り、同じ体積の食塩水が毎分外へ出ます。水槽内は常によく混ざり、どの部分の濃さも等しく、体積は100Lに保たれるとします。
時刻t分に水槽内にある食塩の質量をS(t) gと置きます。ここで使うS(t)/100は、1L当たりの食塩の質量を表し、中学の例で使った質量の百分率とは区別します。単位はg/Lです。この濃さの食塩水が毎分2L出るので、毎分外へ出る食塩の質量は2×S(t)/100 gとなります。
流入する純水には食塩が含まれません。したがって、「入る量−出る量」という収支から、食塩の質量の変化率を次のように表せます。
S′(t)=−0.02S(t)
S(0)=10
微分方程式とは、未知の関数とその導関数との関係を表す方程式です。この例の解は、時間の関数S(t)のうち、考える時間の範囲で微分可能で、式と初めの条件を満たすものを指します。S(0)=10のように、出発時点の状態を指定する条件を初期条件と呼びます。
このモデルの解は、指数関数expを使ってS(t)=10exp(−0.02t)と表せます。expは自然対数の底eを底とする指数関数の表記で、自分自身が導関数になる性質を持ちます。合成関数の微分を使えば、このS(t)を微分した結果が−0.02S(t)になり、t=0で10になることも確かめられます。
中学の濃度問題では、食塩の質量は一定でした。こちらでは食塩も流れ出るため、一定なのは水槽の体積です。同じ「濃さを薄める」という言葉でも、何が出入りするかで式は変わります。大学で一般化されるのは、前後の量を比べる考え方を、各時刻の変化率に適用し、時間全体の推移を求めるところです。
ただし、式を満たすことと、実物の水槽をよく表すことは別々に調べます。数学の検算では、求めた関数を微分方程式に代入します。現象の検証では、時刻ごとに濃さを測り、モデルから得た予測と比べます。水槽の場所によって濃さが違えば、「どこも同じように混ざっている」という仮定を見直す必要があります。
例えば、混ざりにくい部分を別の区画として扱えば、食塩の質量を区画ごとに置き、区画間で移る量も式に加えることになります。変数は増えますが、観測した違いを表せる可能性が生まれます。反対に、目的に必要な精度が得られていれば、細部をすべて加える必要はありません。何を予測したいかによって、必要な細かさを選びます。
この収支の考え方は、水処理などの工学につながります。設備の中に物質がどれだけ残るかを調べるには、入る量、出る量、内部で変化する量を区別します。複雑な設備でも出発点は、濃度の文章題で食塩そのものを追った考え方です。
中学から大学まで続く往復の道
三つの段階に共通するのは、「対象を読む、数量の関係を表す、数学で調べる、対象に戻す」という往復です。中学で求めた水300gも、高校で求めた切り取り長さも、大学で求めた時間の関数も、式の外にある問いへ返して初めて意味を持ちます。
変わるのは、その往復を自分で受け持つ範囲です。中学では文章が必要な条件を整理してくれることが多く、数量の関係を読み取る練習に集中できます。高校では定義域や最大・最小の判断が加わり、いくつもの選択肢を見渡します。大学では観測とのずれから仮定へ戻り、モデル自体を作り直すことが課題になります。
ここで、式が長くなることだけを進歩と考える必要はありません。短い一次式でも、何を一定としたかがはっきりしていれば役立ちます。複雑な式でも、変数が何を表すか曖昧なら、結果の使い道を判断できません。説明できる範囲と使える範囲をそろえる姿勢が、どの段階にも通っています。
また、計算の誤りと仮定のずれは、直し方が違います。計算の誤りなら式の変形を確認しますが、停止時間を落としたなら、正しい計算を繰り返しても到着時刻は合いません。答えが合わないときに、どこへ戻るべきかを選べることも、数学の力です。
つながりを使った学び方
文章題を解き直すときは、最初に求める量を一文で書いてみてください。「時間を求める」から一歩進めて、「停止時間も含めた到着までの時間を分で求める」と書けば、答えに含めるものが明確になります。目的を言葉にする作業は、大学のモデル作りにもそのままつながります。
次に、登場する数量を、名前と単位を組にして整理します。濃度なら、食塩の質量と食塩水の質量を別に書き、前後で何が変わるかを添えます。式が出てこないときは、文字を増やす前に、量の区別を見直しましょう。簡単な図に量の名前を書き込む方法でもかまいません。
その次に、式の根拠を短い言葉で残します。「食塩の質量が同じ」「底面の両側を切る」「入る量から出る量を引く」といった説明です。解答の式を写す場合も、この一言を自分で補います。同じ数字が並んでいても、関係を説明できるかどうかで、別の問題への使いやすさが変わります。
最後に、答えを条件へ戻し、条件を一つ変えた場合も考えます。水を足したのに濃くなっていないか、切り取る長さが紙の幅を超えていないかを確認します。続けて「途中で止まったら」「紙の寸法が変わったら」と問いを動かすと、残る関係と作り直す部分を区別できます。
塾で講師が受け持つのは、立式に至る説明を聞き、量の読み違い、関係の選び違い、計算の誤りを分けて扱うことです。正しい式が出たときも、文字の意味や条件の説明を確かめます。間違いを消す前のノートには、どの関係を考えたかが残っているので、修正の出発点として使えます。
家庭では、お子さまが考えを言葉にする時間を持てます。解法を先回りして示すより、「この文字は何の量なの」と一つ尋ね、説明を待ってみてください。保護者が難しい式を解く必要はありません。答えが何を意味するのかを聞くことが、計算と生活の言葉を結ぶ会話になります。
よくある質問
文章を読むのが苦手でも取り組めますか
取り組めます。文章全体を一度に式へ変えようとせず、まず求める量、次に与えられた量を分けて読んでみてください。その後で、両者を結ぶ関係を一つ探します。文の順番と計算の順番が一致しない問題もあるので、図や表へ並べ直して考えてかまいません。
現実を単純にしてもよいのでしょうか
何を調べるかに合わせて単純にします。箱の容量を考えるとき、紙の色を式に入れる必要は通常ありません。一方、厚さが寸法に大きく影響するなら考慮します。省いた条件を書き留めておけば、結果が合わなかったときに戻る場所が明確になります。
計算が得意になるまでモデル作りは待つべきですか
今知っている計算から始められます。一定の速さを置くことや、濃度のもとになる全体を決めることもモデル作りです。計算の練習と並べて、なぜその式なのかを説明してみてください。使える数学が増えるにつれて、時間の変化や最適な選択も扱えるようになります。
文章題を前にしたとき、最初の目標を「正しい公式を思い出すこと」だけに絞る必要はありません。何を知りたいのか、何を同じと考えたのかを書き出すところから、式への道が開けます。答えを出した後には、元の問いにその答えで応じられているかを確かめます。
文章題の指導で、武蔵野個別指導塾の講師が読み取るのは、答えと、その隣にある「なぜこの式なのか」という説明です。量を選んだ理由から結果の確かめ方まで言葉にできた一問は、この先に出会う、まだ式のない問いを考える足場になります。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
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