家庭の二言語は学習を妨げるか——継承語が学業を損なう関連はなし|武蔵野個別指導塾が薦める学習の仕方

家庭と学校の言語が異なるときの結果は、学習環境と測る力によって変わります。日系アメリカ人の大学生の研究では、日本語の力と英語や学業の力に有意な関連がありませんでした。家庭では、会話と読み書きの力を言語ごとに確かめます。

家では親の母語でよく話すのに、学校の文章題になると黙り込みます。親は「家でも日本語だけにした方がよいのだろうか」と考えます。答案を見て、家庭の言葉を変えるべきか悩む保護者へ、まず結果の読み分けを示します。会話、読解、教科の成績を別々に確かめます。

家庭で受け継ぐ言語を継承語と呼びます。今回の研究には、海外で日本語を保つ子どもや、家庭と学校で異なる言語を使う子どもが登場します。日本に暮らす子どもの全教科を直接調べた研究と置き換えず、どの力が測られたかをたどります。

1. 論文を役割で並べる

Shibata(2004)は、日系アメリカ人の大学生を調べ、日本語の力と英語の力、日本語の力と全体の学業成績の間に有意な関連を認めなかったと報告します [1]。自己申告に基づき、日本語の口頭・書記の力、英語の試験、高校の成績の関係を調べた研究です。この調査では、日本語の力が英語や学業を損なう関連は見られませんでした。

Dixonほか(2024)は、移民家庭の読み書きの習慣と二言語の読み書きの発達を検討した研究をまとめ、同じ言語の習慣と力には正の関連が多く見られると報告します [2]。言語をまたぐ関連は中立または負が多いが、多くは一時点の測定でした。少数の縦断研究は、第一言語の発達が第二言語の達成を犠牲にする必要はないと示唆します。

Nagほか(2018)は、低・中所得国の読み書きの研究をまとめ、家庭と学校で同じ言語を使う利点は、文脈によって変わると報告します [3]。国、年齢、学年、測定する力によって傾向が異なりました。家庭の本、家庭での学習支援、大人の読み書きの活動も検討しています。

Shenほか(2021)は、中国系オーストラリア人の子どもの中国語の力と中国人としての認識を調べ、継承語を保つために家庭と地域の支援や学ぶ機会が必要だと報告します [4]。これは学校の全体の成績を比べる研究ではなく、継承語の学習と自己認識を考える補助の証拠です。

2. 家庭の言語をやめれば成績は上がるのか?

Shibataの研究では、日本語の力と英語の力や学業成績の間に有意な関連がありませんでした [1]。日本語が高いほど成績が高いとも、日本語を保つほど成績が低いとも示されていません。有意な関連がないという結果を、家庭の言語を変える処方に使いません。

Dixonほかのレビューも、同じ時点で見つかった言語間の中立・負の関連を、そのまま家庭への推奨にすることを退けます [2]。学校の教育内容、社会経済的な条件、移住先での居住期間なども関係しえます。

言語の力は、同じ言語の中でも技能ごとに読みます。日系アメリカ人の研究では口頭と書記の力、中国系オーストラリア人の研究では聞く力などの技能が扱われています。家庭では、会話が続いた場面、文章を読んだ場面、語を書いた場面をそれぞれ思い出してもらいます。家庭でよく話すという経験を、学校の教材の読解へどうつなぐかを具体的に考えます。[1][4]

日本語の研究に参加したのは31人の日系アメリカ人の大学生で、口頭・書記の日本語の力と英語の試験、高校の成績を自己申告から調べています。二言語の読み書きのレビューは28件の研究をまとめています。大学生の技能間の関連と、移民家庭での読み書きの習慣の関連を区別すると、どの言語のどの活動を支えるかという問いを、測った内容に沿って置けます。[1][2]

3. 会話ができれば、読み書きもできるのか?

Shenほかの研究では、中国語の技能のうち、聞く力を除く技能に幅広い成績差が見られました [4]。同じ継承語でも技能をまとめて扱わない方がよいです。家庭で会話が成立することだけを見て、読み書きにも同じ手応えがあると判断しません。

Dixonほかは、家庭での読み書きの習慣が、同じ言語の読み書きの発達と関連する結果を多く整理しています [2]。家庭で一方の言語を話しているという情報だけでは、どの言語で本を読み、どの言語で書いているかが見えません。親が見たいのは、二言語か一言語かという札より、本人が実際に使える力です。

たとえば教材の短い段落を読んだあと、内容を口頭で説明し、重要な語を自分で書いてもらいます。説明できる部分と、書くと止まる部分を分けます。家庭の言語でも同じ内容を説明してもらえば、何が見えていないかを話し合う材料になります。

家庭での読み書きの習慣は、どの言語で行った活動かを確かめます。同じ言語の習慣と力に正の関連が多かったというレビューを読む際も、家庭の会話、読書、書く活動を区別します。子どもが読む本や学校の文章を取り出し、説明しやすい言語で内容を話してもらいます。そのあとに学校の課題で使う語を確認すると、理解の説明と語の使い方を並べて見られます。[2]

4. 学校と家庭の言葉が違うとき、何を支えるか?

Nagほかのレビューは、家庭と学校の言語の断絶を、複数の条件が重なる問題として捉えます [3]。家族が不安や無力感を抱きながら助けたいと思うこと、支援を受けたあとに自信が増すことも整理されています。家庭と学校の言語が同じかどうかだけで、保護者がどこまで支えられるかを決めません。

家にある本、家庭での学習支援、大人が読み書きを使う場面が、このレビューの検討対象でした [3]。日本の家庭に置くなら、子どもが読む教材を親と共有し、親が分かる言語で内容を話せる場を残します。学校で必要な語や文章の読み方は別に確認します。家庭の言語を守ることと、学校の言語を学ぶことの両方を、具体的な活動として扱いましょう。

Dixonほかのレビューでは、第一言語には一般により多くの支援が必要でした [2]。Shenほかも家庭と地域の支援、資源、学習機会を挙げます [4]。家庭で話しているから十分と決めず、読む・書く機会があるかを確かめます。

家庭と学校の言語の違いを扱うレビューは、本、学習支援、大人の読み書きの活動も検討しています。保護者が支えたいと思いながら不安や無力感を抱く経験も、支援の文脈として整理されています。家庭では、親が共有できる教材と、子どもが学校で必要とする語を話題にします。継承語を学ぶ機会と学校の読み書きの課題を、それぞれ具体的な活動として確かめます。[3][4]

【反証】この回が言えないこと

日系アメリカ人の大学生の結果を、日本の小学生の受験へそのまま当てはめることはできません。有意な関連がない結果は、継承語を保つことによる成績改善の証明でもありません。二言語なら認知能力が高まるという主張も、今回の研究には含めません。[1]

言語間の中立・負の関連の多くは一時点の測定です。家庭の言語をやめる推奨へ置き換えません。低・中所得国の結果を日本の全家庭で同じ効果とせず、家庭での読解や語の確認も検証済みの二言語指導法とは呼びません。[2][3][4]

実務——家でできる 3 つの確認

まず、家庭の言語と学校の言語で、話す、読む、書く場面を分けて確認します。「二言語ができる」というまとめ方で、教材を読めない箇所を隠しません。

次に、教材を閉じ、内容を本人の言葉で説明してもらいます。武蔵野個別指導塾が採用するアクティブリコールを、何が説明できるかの確認に置きます。説明する言語だけで評価せず、学校の課題に必要な語を使えるかも確かめましょう。

最後に、日をあけて同じ語や内容をもう一度説明します。塾は間隔反復と完全1対1を採用しています。本人が説明に使った言葉と、学校の課題で必要な語を、個別の授業へつなぎます。学習の相談は武蔵境の中学受験対策で受け付けます。教科の言葉の読み分けは日常の意味と教科の意味を分ける学習も参照してください。

よくある質問

Q. 家庭では日本語だけにした方がよいですか?

今回の研究は、家庭を日本語だけにする効果を示していません。家庭での会話と学校の文章の読解を分け、本人が説明しやすい言語でも内容を聞きます。[2]

Q. 家庭の言語を保つと、学校の成績が上がりますか?

日系アメリカ人の大学生では、日本語の力と学業の力に有意な関連がありませんでした。英語の力との関係も調べ、同様に有意な関連は認められませんでした。[1]

Q. 会話は得意なのに読むのが苦手です。矛盾ですか?

会話と読み書きは別の技能なので、それぞれ確認します。会話で説明できる内容と、文章で読める内容、書ける語を取り出します。継承語の研究でも、技能によって成績の分布が異なりました。[4]

出典

  1. The Effects of Japanese Heritage Language Maintenance on Scholastic Verbal and Academic Achievement in English(Setsue Shibata、2004、Foreign Language Annals)
  2. The relationship of home language and literacy practices to biliteracy development among immigrant bilingual children: A review of studies from 2014 to 2023(L. Q. Dixonほか、2024、Literacy)
  3. Home language, school language and children's literacy attainments: A systematic review of evidence from low‐ and middle‐income countries(Sonali Nagほか、2018、Review of Education)
  4. Heritage language maintenance and identity among the second-generation Chinese-Australian children(Chun-Xuan Shenほか、2021、Bilingual Research Journal)

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