漢字の空書は効くか——手書きと同等、形の記憶は小さく優位|武蔵野個別指導塾が薦める学習の仕方

空中に字を書く練習は、文字学習を支えた研究があります。子どもの文字の読みと成人の漢字の形の記憶は、別の結果として読みます。家では指を動かしたあと、見本なしで形を再現できるか確かめます。

漢字の見本を見ながら、机の上で指が動いています。紙に書いていないから練習していない、と片づける前に、何を覚えているのかを見ておきます。空中に文字をなぞる空書は、文字の学習や思い出す場面で研究されています。

ただし、「指を動かす」ことと「漢字を書ける」ことは同じではありません。子どもが中国語の文字を読めるようになった研究と、日本語を学ぶ成人が漢字の形を覚えた研究では、対象も確かめ方も違います。空書を万能な覚え方にせず、形と読みを分けて取り入れます。

1. 論文を役割で並べる

子どもの学習を調べた論文として、Zhengye Xuほか(2020)は、中国の小学生の文字学習では空書と紙への手書きが、読むだけの条件や書く動きを見る条件より大きな学習効果を示したと報告しています。空書と手書きの条件間に差はありませんでした。学習後に確かめたのは文字の呼称であり、空書や手書きの条件では年齢による差も見られませんでした [1]。

漢字の形を直接扱う論文として、Margaret Thomas(2015)は、日本語を学ぶ成人の漢字の形の記憶で、空書に小さいが有意な優位があったと報告しています。複雑で新しい漢字を扱い、見るだけの条件や紙に繰り返し書き写す条件と比べました [2]。

指導への位置づけを論じる論文として、Margaret Thomas(2014)は、漢字を学び思い出すときの空書を取り上げています。紙への書き写しに対する小さいが有意な優位を示す先行研究を紹介しています。別の大規模な追試と数える論文ではなく、現象と指導上の意味を論じる役割で読みます [3]。

2. 紙に書かなくても同じように覚えられる?

子どもの研究では、空書と紙への手書きの学習効果に差がありませんでした。しかし、その確認は学習した文字を呼称する課題でした。字の形を書けたかは、呼称と別の課題として確かめます。学習手順も、書く動きの映像を見ながら指でたどる条件を含んでいました [1]。

家庭で確かめるのは、空書で形を確かめたあと、答案と同じように紙に再現することです。空書ができたから書字も確認済み、としません。見本のどの部分を思い出せたかを、紙に残った形で照らし合わせます。読みの確認と形の確認を、家庭で取り違えないために置きます。

小学校2年生144人と4年生150人を対象にした比較では、年齢、非言語的知能、認知・言語の技能をそろえて訓練条件を割り当てました。単に指を動かす子と動かさない子を観察した結果とは区別します。映像を使う条件では書かれる過程を共通して見せ、空書では人さし指で空中に、手書きでは紙にペンで書きました。視覚と運動に触覚が加わるかを切り分けた設計です。文字を呼称する評価に沿って、何を共通にし、何を変えたかを読みます [1]。

家では、形を見てたどるところと、見本なしで再現するところを区切ります。紙に書いた字を見本に重ねて、抜けた部分や違った部分を確かめます。最後に読みを尋ね、形を再現する確認と呼称する確認を別々に終えます。

3. 指を動かすだけで漢字が頭に入る?

成人の研究が比べたのは、複雑で新しい漢字の形を覚える条件です。空書の優位は小さいと報告されています。見本を見ながら正しい動きをしたことと、あとで形を思い出したことを区別します。

家で確かめるなら、見本を閉じて形を再現し、再び見本と照らします。できなかった部分を確認してから、空中でたどり直します。形を再現した結果から、次にたどり直す部分を選びます。正しい動作をしたという達成感だけで、記憶の確認を終えません。

日本語を第二言語として学ぶ成人N = 75は、複雑で新しい漢字の形を学ぶ条件を比べました。空書の指先は、文字全体だけでなく文字の一部の抽象的な形をたどる動きとして位置づけられています。書き慣れた文字を速く書く技能より、新しい形の記憶の正確さが評価の中心です。比較相手には見るだけの条件と紙に反復して写す条件がありました。空書の小さい優位は、この形の記憶という範囲に沿って受け止めます [2]。

初めて覚える漢字は、まず部品の位置やつながりを見ます。空中でたどったあとに見本を閉じ、どの部分まで思い出せたかを紙に示します。再び見本を開くときは、思い出せなかった部分に戻り、次にたどる場所を決めます。

4. 中高生の日本の漢字練習にも使える?

指導を論じる著者は、空書を漢字学習で使う方法のひとつとして位置づけています。日本語を学ぶ人が行う指先の動きを、文字の形を思い出す活動として捉えています [3]。

日本の家庭では覚えるべき漢字について、形・読み・使う語を別々に確認します。形の再現を終えたら、読みや使う語の確認へ進みます。空書を採用するかは、指を動かせたかより、あとで必要な形を再現できたかを見て考えます。覚えた形を、紙の上でも確かめます。

手書きからキーボード入力へ移る状況を、著者は空書を指導に取り入れる背景として論じています。指でたどる動きを認めることは、入力が増えた学習者にも運動感覚を伴う漢字の学習方法を残すという位置づけです。日本語の文字を学ぶときに、指先がどの部品をたどっているかを本人に尋ねる手がかりになります。これは授業への提案を述べる論文です。文字の意味や文章表現の効果を測った実験と取り違えず、形を覚える方法についての議論として読みます [3]。

家庭の漢字練習では、その字を読む、形を書く、語の中で使うという課題を並べます。空書をした日は、形を思い出す段階に注目して振り返ります。次の学習機会には、前の紙を見ずに同じ字を再現し、今も思い出せる部分を確認します。

【反証】この回が言えないこと

直接の実験は、中国語の文字を学ぶ小学生と、日本語を学ぶ成人が対象です。日本の中高生の定期試験で空書だけが優れるかは検証されていません。子どもの研究の呼称課題と成人の形の記憶を、同じ成果として合算できません。指導を論じる論文も、独立した新しい効果の証拠としては数えません [1][2][3]。

空書で国語の成績や漢字の意味の理解、作文の力が伸びるかは研究で調べていません。読みや形を確認する練習として扱い、必要な課題を別に確かめます。

これは形の記憶の比較であり、漢字の読み、語の意味、文章を書く力をまとめて測った結果ではありません [2]。教師が空書を学習方法のひとつとして認め、意識的に取り入れることを提案しています [3]。指の動きの大きさや速さの最適値は研究で調べていません。

実務——家でできる 3 つの確認

漢字帳を開いたら、今日はどの形を思い出すか決めます。空中でたどった指の動きと、紙に再現した字を照らし合わせます。読みを答える確認も添え、形と呼称の結果を分けてください。

  1. 見本の漢字を空中でたどり、どの部分をたどったか話します。指の動きと見本の形が対応しているかを見ます。
  2. 見本を閉じ、紙に形を再現します。読みの確認も別に行い、字の形を覚えたことと読めたことを混ぜません。
  3. 別の学習機会に見本なしで再び確かめます。前にたどれた事実より、今も再現できる部分とできない部分を見て練習を決めます。

完全1対1で指導する武蔵野個別指導塾では、見本を閉じて字を再現するアクティブリコールを扱います。間隔反復では、次の機会にも見本なしで形を確かめます。指がたどれた部分と、紙に書くと抜けた部分を見比べ、本人が戻る場所を選びます。

武蔵境の中学受験対策では、紙に残った再現と見本を並べ、思い出しにくい部品を相談の中心にします。読みや語の使い方も、別の課題として確かめます。

関連記事:漢字と語彙は「部品と組み立て」で覚える——形態素の指導は効く、ただし教えた部首の外には広がらない

よくある質問

Q. 空書だけで漢字テスト対策は十分ですか?

空書だけで漢字テストに十分かは研究で調べていません。テストで求められる課題に合わせ、形と呼称を点検します。

Q. 何回空中に書けばよいですか?

最適な空書の回数は研究で調べていません。抜けた部品を見本で確認してから、その部分をたどり直してください。

Q. 紙に書くより優れていますか?

成人の形の記憶には小さい優位があり、子どもの文字の呼称では手書きとの差がありませんでした。対象と課題に沿って比べます。

出典

  1. The influence of sensory-motor components of handwriting on Chinese character learning in second- and fourth-grade Chinese children.(Zhengye Xuほか、2020、Journal of Educational Psychology)
  2. Air Writing as a Technique for the Acquisition of Sino-Japanese Characters by Second Language Learners(Margaret Thomas、2015、Language Learning)
  3. A role for "air writing" in second-language learners' acquisition of Japanese in the age of the word processor(Margaret Thomas、2014、Journal of Japanese Linguistics)

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