法政大学の総合型選抜 完全対策2027年度——学部ごとに名前の違う入試を、全部ひらく

【3分でわかる要約】高校生のみなさんへ

① 法政の総合型選抜は、学部ごとに名前が違います。 「自己推薦入学試験」「英語外部試験利用自己推薦入学試験」「公募推薦入学試験」「グローバル体験公募推薦入学試験」「分野優秀者入学試験」「SA自己推薦入学試験」「まちづくりチャレンジ自己推薦入学試験」「キャリア体験自己推薦入学試験」「商業学科等対象公募推薦入学試験」——同じ大学の中で、これだけ名前が違います。

② 多くが「専願」です。 要項に繰り返し「この方式は専願です。『合格した場合は入学を確約できる者』を出願資格とします。」と書かれています。立教・中央・成城・國學院が併願可なのとは正反対です。

③ 評定の基準は3.2〜4.2と幅があります。 スポーツ健康学部のアスリート系が3.2、人間環境学部・国際文化学部が3.5、文学部・現代福祉学部が3.8、スポーツ健康(理数系)・キャリアデザイン(商業学科等対象)が4.0、経営学部グローバル体験が4.2

④ 評定を問わない方式もあります。 法学部と文学部の英語外部試験利用自己推薦入学試験、理工学部の公募推薦入学試験、グローバル教養学部(GIS)の自己推薦などには、評定の記載がありません(要確認)。

⑤ ほぼ全方式が2段階選考です。 第一次=書類審査、第二次=小論文+面接、または面接のみ。第一次に合格した者のみ第二次を受けられます。

⑥ 出願は9月下旬〜10月上旬です。 理工学部・経営学部・現代福祉学部が9月22日〜10月2日、文学部・法学部・国際文化学部が9月29日〜10月9日。早稲田・立教・中央(9月1日〜)より3〜4週間遅い。9月組の準備が終わってから取りかかれます。

⑦ 法学部国際政治学科の英語基準は英検CSE2304です。 準1級の合格ラインに近い水準。理工学部は複数学科の併願が認められません。

この記事について

本記事は、法政大学が公開している2027年度の各入学試験要項PDFの原本にあたって作成しています。

一次情報で確認できなかった項目には「要確認」と明記し、出典を示します。推測で埋めることはしません。

1. 学部×方式の対応表

法政の総合型選抜は、学部ごとに設計されています。まず全体像を掴んでください。

学部 方式名 募集人員 評定
文学部 自己推薦入学試験 学科により3名/10名/20名 3.8以上(学科により4.0以上)
文学部 英語外部試験利用自己推薦入学試験 5名 記載なし(要確認)
法学部 英語外部試験利用自己推薦入学試験 5名 記載なし(要確認)
経営学部 グローバル体験公募推薦入学試験 若干名 4.2以上(経営戦略学科)
経営学部 The Global Business Program 10 students 記載なし(要確認)
経済学部 Institute for Global Economics and Social… 30 students 記載なし(要確認)
国際文化学部 分野優秀者入学試験 10名 3.5以上
国際文化学部 SA自己推薦入学試験 30名 3.5以上
人間環境学部 自己推薦入学試験 20名 3.5以上
人間環境学部 Sustainability Co-creation Programme 10 students 記載なし(要確認)
現代福祉学部 まちづくりチャレンジ自己推薦入学試験 10名 3.8以上
現代福祉学部 グローバル体験公募推薦入学試験 2名 記載なし(要確認)
キャリアデザイン学部 キャリア体験自己推薦入学試験 20名 記載なし(要確認)
キャリアデザイン学部 グローバル体験公募推薦入学試験 3名 記載なし(要確認)
キャリアデザイン学部 商業学科等対象公募推薦入学試験 2名 4.0以上
スポーツ健康学部 自己推薦入試(アスリート・トップアスリート系) 15名 3.2以上
スポーツ健康学部 自己推薦入試(理数系) 10名 4.0以上
理工学部 公募推薦入学試験 学科により若干名 記載なし(要確認)
情報科学部 自己推薦入学試験 9名 記載なし(要確認)
グローバル教養学部(GIS) 自己推薦入試(春入学S基準) 7名 記載なし(要確認)
グローバル教養学部(GIS) 自己推薦入試(春入学A基準) 33名 記載なし(要確認)
グローバル教養学部(GIS) Fall Admission for Entry in September 10 places 記載なし(要確認)

※「記載なし(要確認)」は、当塾が確認した要項本文に評定の条件が見当たらなかったものです。評定要件がないことを保証するものではありません。出願前に必ずご自身で要項をご確認ください(出典:法政大学 入試情報サイト https://nyushi.hosei.ac.jp/ )。

この表から分かること。

第一に、グローバル教養学部(GIS)の枠が大きい。 春入学A基準33名、S基準7名、秋入学10 places。合計50名規模です。

第二に、国際文化学部のSA自己推薦が30名。 SAはStudy Abroadの略で、国際文化学部の必修留学プログラムに関連する方式です。

第三に、経済学部のIGESS(Institute for Global Economics and Social Sciences)が30 students。 英語で学位を取るプログラムです。

第四に、理工学部は「若干名」で人数が公表されていません。

2. 法政最大の特徴——「専願」

2-1. 要項の記述

法政の多くの方式には、次の一節があります。

3.専願について<br>この方式は専願です。「合格した場合は入学を確約できる者」を出願資格とします。

文学部自己推薦、経営学部グローバル体験公募推薦、国際文化学部分野優秀者入学試験——いずれも同じ文言です。

理工学部の公募推薦はこう書かれています。

(2)本学部で学ぶことを強く希望し、合格した場合には入学を確約できる者。なお、複数学科の併願は認めない。

2-2. これが意味すること

法政に出願するなら、法政が第一志望でなければなりません。

本記事のシリーズで扱ってきた大学と比べると、性格がはっきりします。

大学 併願の扱い
法政 専願(多くの方式)
慶應 専願(法FIT、文自主応募ほか)
上智 専願・1学科のみ
成蹊 専願
明治 農学部系は専願/文・国際日本・総合数理は「合格したら入学前提」
立教 併願可
中央 併願可(さらに入学手続の延期あり)
成城・國學院 併願可
早稲田 専願ではない(地域探究・社会科学部とも)

法政・慶應・上智・成蹊が「専願グループ」、立教・中央・成城・國學院・早稲田が「併願グループ」という整理になります。この2グループを混ぜて出願すると、両方受かったときに約束を破ることになります。

2-3. 専願であることの利点

裏を返せば、本気で法政を目指す受験生にとっては有利です。「とりあえず出しておく」層が入ってこないぶん、志望度の高さが正当に評価されます。

そして法政は9月下旬〜10月上旬出願なので、9月上旬に出願する大学(早稲田・立教・中央・明治理工)の書類を仕上げてから取りかかれます。併願する場合の実務負担は分散できます。

3. 選考の構造——全方式が2段階

法政のほぼ全方式が、同じ構造をとっています。

入学試験には、第一次選考と第二次選考があり、第一次選考に合格した者のみ、第二次選考を受けることができます。

第一次選考=書類審査。中身は方式により異なります。

  • 文学部自己推薦:調査書、志望理由書
  • 法学部 英語外部試験利用:調査書、志望理由書、英語外部試験のスコアを証明する書類、英語以外の外部試験のスコアを証明する書類
  • 理工学部 公募推薦:推薦書、調査書、志望理由書等
  • 経営学部 グローバル体験:推薦書、調査書、志望理由書、留学先の成績証明書、英語外部試験のスコア証明書
  • 現代福祉学部 まちづくりチャレンジ:調査書、志望理由書、入学推薦書、補足資料、英語外部試験スコア証明書類

「推薦書」「入学推薦書」が必要な方式があります。自己推薦という名前でも、学校からの推薦書を求められる場合があるので、要項の提出書類を必ず確認してください。

第二次選考は、大きく2つのパターンです。

  • 小論文+面接:文学部自己推薦、経営学部グローバル体験、現代福祉学部まちづくりチャレンジ
  • 面接のみ:理工学部公募推薦、国際文化学部分野優秀者

4. 学部別の詳細

4-1. 文学部 自己推薦入学試験——評定3.8〜4.0

募集人員は学科により3名・10名・20名。評定は3.8以上(学科により4.0以上)。

出願資格は(1)〜(3)の条件をすべて満たす者。(1)は学歴要件で、

① 高等学校または中等教育学校を卒業5年以内、もしくは2027年3月までに卒業見込の者。<br>② 通常の課程による12年の学校教育を修了、もしくは2027年3月までに修了見込の者。<br>③ 学校教育法施行規則第150条の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者

「卒業5年以内」という条件は珍しい。既卒者にも門戸が開かれています。

専願です。

選考

【第一次選考】書類審査(調査書、志望理由書)<br>【第一次選考合格発表日】2026年11月6日(金)10:00<br>【第二次選考】①筆記試験「小論文」面接

日程:出願期間 2026年9月29日(火)〜10月9日(金)(締切日消印有効。海外からの出願は締切日までに大学必着)/第一次選考合格発表 11月6日(金)10:00

4-2. 文学部・法学部 英語外部試験利用自己推薦入学試験——英語で勝負

文学部と法学部に、それぞれ募集5名の枠があります。

法学部国際政治学科の英語基準が具体的に確認できました。

(1) 以下の①〜⑧の英語外部試験資格をいずれか1つ以上取得していること。<br>① 実用英語技能検定 CSE2.0スコア 2304点以上(公益財団法人日本英語検定協会主催)<br>② TOEFL iBT(TOEFL iBT Paper Editionを含む)ほか

英検CSE2304は、準1級の合格基準(2304)と同じ数値です。つまり実質的に準1級レベルが要求されます。

第一次選考の書類審査について、要項はこう書いています。

第一次選考では、提出された書類に基づいて選考を行います。外部試験によって示された語学力を重視します。志望理由書は、地球規(模の……)

「語学力を重視します」と明言されているので、スコアが高いほど有利になると読めます。

4-3. 理工学部 公募推薦入学試験——複数学科の併願は不可

募集人員は各学科とも若干名。

(2)本学部で学ぶことを強く希望し、合格した場合には入学を確約できる者。なお、複数学科の併願は認めない。

学科を1つに絞る必要があります。

選考

【第一次選考】書類審査(推薦書、調査書、志望理由書等)<br>【第一次選考合格発表日】2026年11月20日(金)10:00<br>【第二次選考】面接 試験日 2026年11月29日(日) 場所 小金井キャンパス

第二次選考は面接のみです。小論文がありません。そのぶん、書類と面接の比重が高い。

日程:出願期間 2026年9月22日(火)〜10月2日(金)/第一次選考合格発表 11月20日(金)/第二次選考 11月29日(日)

法政の方式のなかでは最も遅い日程です。

4-4. 経営学部 グローバル体験公募推薦入学試験——評定4.2

経営戦略学科のみ、次の2条件が加わります。

6.【経営学部経営戦略学科のみ】<br>高等学校もしくは中等教育学校後期課程(前期課程は含まない)3年1学期(前・後期制の場合は前期)までの調査書の全体の学習成績の状況が4.2以上の者。※ただし、留学中の評価は算入しない。

5.【経営学部経営戦略学科のみ】<br>TOEFL iBT 61点以上(2026年1月20日以前受験者:旧スコア形式)もしくは3.5以上(2026年1月21日以降受験者:新スコア形式)、IELTS(Academic Module)Overall band 5.0以上TOEIC L&R+TOEIC S&W 980点以上実用英語技能検定準1級

評定4.2は、法政のなかで最も高い水準です。そして英語も準1級相当。「グローバル体験」という名のとおり、留学経験が前提の方式です(第一次選考の書類に「留学先の成績証明書」が含まれます)。

専願です。

選考

第1次選考:書類審査(推薦書、調査書、志望理由書、留学先の成績証明書、英語外部試験のスコア証明書)<br>第2次選考:①筆記試験「小論文」9:30〜10:30、②面接 11:00〜

日程:出願期間 2026年9月22日(火)〜10月2日(金)/第1次選考合格発表 10月29日(木)10:00/第2次選考試験日 11月8日(日)/第2次選考合格発表 11月17日(火)10:00/入学手続締切日 11月24日(火)

4-5. 現代福祉学部 まちづくりチャレンジ自己推薦入学試験——評定3.8

福祉コミュニティ学科、募集10名。評定3.8以上(既卒者は卒業後に発行された調査書)。

英語外部試験は「任意」です。

(6) 英語外部試験のスコアを証明する書類(原本)(任意)<br>以下に該当する英語外部試験のスコアがあれば、1つを選んで、証明する書類(原本)を提出してください。いずれの試験も出願開始日より遡って2年以内に受験したものに限ります。

持っていれば出す、という扱い。必須ではありません。

選考

【第一次選考】書類審査(調査書、志望理由書、入学推薦書、補足資料、英語外部試験スコア証明書類)<br>【第一次選考合格発表日】2026年10月29日(木)10:00<br>【第二次選考】①筆記試験「小論文」面接

「入学推薦書」と「補足資料」が提出書類に含まれます。補足資料は、まちづくりに関する活動歴を示すものと考えられます(要確認)。

日程:出願期間 2026年9月22日(火)〜10月2日(金)

4-6. 国際文化学部——2つの方式

分野優秀者入学試験(10名)

  • 評定3.5以上。「高等学校在学中に一定期間留学した場合は、留学中の評価は算入しない」「出願時点で3年1学期の成績が確定していない場合は、評価に算入しない」
  • 英語は出願資格(4)の①〜⑦のいずれか。例:TOEFL iBT 62点以上(旧スコア形式)もしくは3.5以上(新スコア形式)
  • 専願
  • 第一次選考=書類審査/第一次合格発表 2026年11月6日(金)10:00/第二次選考=面接
  • 出願期間 2026年9月29日(火)〜10月9日(金)

要項には強い注意書きがあります。

※ 出願期間までに必要書類を提出できない場合、他の受験生と公平を期すため、原則として出願を受け付けることはできません。出願期間に間に合うよう、余裕を持って必要書類をご準備ください。

SA自己推薦入学試験(30名)

  • 評定3.5以上
  • 国際文化学部のSA(Study Abroad)プログラムに関連する方式。募集30名と、法政の総合型のなかでも大きな枠です

4-7. スポーツ健康学部——2系統

自己推薦入試(アスリート・トップアスリート系)15名:評定3.2以上——法政で最も低い評定水準です。競技実績の要件が別途あります。

自己推薦入試(理数系)10名:評定4.0以上——スポーツ健康学部に「理数系」の枠がある点が特徴的です。

4-8. キャリアデザイン学部——3方式

  • キャリア体験自己推薦入学試験 20名——キャリアデザイン学部らしい、体験を評価する方式
  • グローバル体験公募推薦入学試験 3名
  • 商業学科等対象公募推薦入学試験 2名:評定4.0以上——商業科の生徒向け

4-9. グローバル教養学部(GIS)——英語で学ぶ学部

  • 自己推薦入試(春入学S基準)7名
  • 自己推薦入試(春入学A基準)33名
  • Fall Admission for Entry in September 10 places

S基準とA基準に分かれており、A基準が33名と大きい。GISは英語による学位取得プログラムなので、英語力が中心の要件になります(詳細は要確認)。

4-10. 英語学位プログラム

  • 経営学部 The Global Business Program(GBP)10 students
  • 経済学部 Institute for Global Economics and Social Sciences(IGESS)30 students
  • 人間環境学部 Sustainability Co-creation Programme(SCOPE)10 students

いずれも英語で学位を取得するプログラムです。IGESSの30 studentsは規模が大きい。出願要件はSAT・IB・英語スコアなどが中心と考えられます(要確認/出典:法政大学 入試情報サイト)。

4-11. 情報科学部 自己推薦入学試験——二次は「数学」の筆記

コンピュータ科学科ほか、募集9名。

英語外部試験は「提出推奨」で、基準スコアがありません。

(3)英語外部試験のスコアを証明する書類(コピー可・提出推奨)……1通<br>指定されている英語外部試験いずれか1つのスコアを証明する書類を提出してください。(出願の基準となるスコアなし。複数のテスト結果提出も可

「基準スコアなし」かつ「複数提出可」という珍しい設計です。持っているものを全部出してよい。

選考

【第一次選考】書類審査(調査書、志望理由書等)<br>【第一次選考合格発表日】2026年11月20日(金)10:00<br>【第二次選考】筆記試験(数学)、面接<br>試験日 2026年11月29日(日)/場所 小金井キャンパス

二次に「数学」の筆記試験があります。情報科学部志望なら、数学の学力対策が総合型対策の中心になります。

日程:出願期間 2026年10月13日(火)〜10月23日(金)(締切日消印有効)

法政のなかで最も遅い出願です。他大学の9月組が終わってから、じっくり準備できます。

4-12. キャリアデザイン学部 キャリア体験自己推薦入学試験——「体験」を軸に

キャリアデザイン学科、募集20名。法政の総合型のなかでも大きめの枠です。

評定3.8以上。ただし重要な例外があります。

なお、社会人(高等学校や専門学校等の卒業後に就労等を経て、現在大学で学びたいと考えている者)であり、高等学校もしくは中等教育学校を卒業後5年が経過している場合は、この限りではない。

卒業後5年経過した社会人には評定要件が適用されません。キャリアデザイン学部らしい設計です。

出願資格の中心は「キャリア体験」です。

3 高等学校時代またはそれ以降に培ったキャリア体験や実績をアピールできる者<br>文化・学校活動(個人、クラブ、地域での実績)、実用英語技能検定(不合格でCSEスコアのみの提出は認めません)・TOEFL iBT・IELTS(Academic Module)……

資格は「キャリア体験の例」として位置づけられており、選択可能です。英検で示してもよいし、クラブ活動や地域活動で示してもよい。

ただし注意:英検は「不合格でCSEスコアのみの提出は認めません」。立教や成城が「合否を問わない」のとは逆で、合格していることが必要です。

専願です。

選考

【第一次選考】書類審査(調査書、志望理由書等)<br>【第一次選考合格発表日】2026年11月6日(金)10:00<br>【第二次選考】①筆記試験「小論文」面接<br>試験日 2026年11月15日(日)/場所 法政大学市ケ谷キャンパス

日程:出願期間 2026年9月29日(火)〜10月9日(金)

4-13. 人間環境学部 自己推薦入学試験——二次に「英語」がある

人間環境学科、募集20名。評定3.5以上。

(3) 本学部を第一志望とし、合格した場合は入学を確約できる者。

選考

【第1次選考】書類審査(調査書、志望理由書)<br>【第1次選考合格発表日】2026年11月6日(金)10:00<br>【第2次選考】選考方法 ①筆記試験「小論文」「英語」、(②面接)

二次の筆記に「英語」が含まれます。小論文だけの学部が多いなかで、人間環境学部は英語も課します。出願時に英語資格を求めない代わりに、当日の英語試験で測る設計と読めます。

日程:出願期間 2026年9月29日(火)〜10月9日(金)(締切日消印有効)

4-14. 国際文化学部 SA自己推薦入学試験——外国語の評定4.0

国際文化学科、募集30名。法政の総合型で最大級の枠です。

評定の条件が2段構えです。

(4) 次の①と②をともに満たしていること。<br>①3年1学期(前・後期制の場合は前期)までの調査書の全体の学習成績の状況が3.5以上であること。<br>②「外国語」教科のいずれかの言語(英語・中国語など、複数の言語を学んでいる場合は1言語の評定平均を算出)の学習成績の状況が4.0以上の者。ただし、調査書における教科の区分が外国語科目以外でも、外国語科目に相当すると判断される場合(は……)

全体3.5かつ外国語4.0。そして英語に限定されていません。中国語など他の言語で4.0を取っていれば、それで満たせます。第二外国語を学んできた生徒に有利な設計です。

専願です。

選考

【第一次選考】書類審査 ※出願時に提出された「調査書」「自己推薦書」により書類審査で合否判定を行います。<br>【第一次選考合格発表日】2026年11月6日(金)10:00

一次は調査書と自己推薦書の2点だけで判定されます。書類が少ないぶん、自己推薦書の完成度がすべてです。

日程:出願期間 2026年9月29日(火)〜10月9日(金)

4-15. グローバル教養学部(GIS)——S基準とA基準は「両方受験できる」

春入学S基準7名、A基準33名。

英語スコアの扱いが独特です。

④ 英語外部試験スコアの提出<br>以下のいずれかの英語外部試験スコアを提出すること。ただしスコア・級は問わない。<br>a. 実用英語技能検定(英検) b. TOEFL iBT c. IELTS(Academic)……

「スコア・級は問わない」。提出はするが、基準がない。情報科学部と同じ発想です。

そして重要なQ&Aがあります。

S、A基準の両方を受験することは可能か。両方を受験することは可能です。出願書類は、各出願要項で定められている出願期間内に提出してください。

S基準とA基準は併願できます。法政のなかで、この2つだけは重複出願が明示的に認められています。

選考方法

7.選考方法(書類審査)<br>出願書類(調査書、Personal Statement等)をもとに、学部で定める基準にしたがって、総合的に評価し選考します。ただし、上記に加え、対象者を指定して英語でのオンライン面接を行う場合があります。<br>■ 面接日 2026年12月6日(日)<br>■ 面接に関する連絡 面接の詳細は対象者へ2026年12月4日(金)23:59までに大学よりE-mailで連絡

原則は書類選考のみで、必要に応じて英語のオンライン面接が追加されます。そして面接の連絡が2日前。急に呼ばれる可能性があるので、12月上旬は空けておいてください。

提出書類にPersonal Statement(英語の志望理由書)が含まれます。

4-16. 英語学位プログラム——出願は年明け

経済学部の IGESS(Institute for Global Economics and Social Sciences)30 students は、他の方式とまったく違う日程で動きます。

Application Period: February 22, 2027 to March 5, 2027(初日10:00amからオンライン出願)<br>Announcement of First Screening Results: April 23, 2027<br>Announcement of Interview Details: May 7, 2027<br>Zoom Connection Test: May 12 or 13, 2027<br>Online Interview(以下、要項参照)

出願が2027年2月下旬〜3月上旬。一般選抜が終わったあとです。9月出願の総合型に間に合わなかった受験生にも、まだ道が残っているということになります(ただし9月入学かどうかは要項でご確認ください/要確認)。

英語スコアについては、

TOEFL iBT又はIELTSの公式スコア提出。No recommended score is set for the English proficiency tests, but applicants must have sufficient English proficiency to participate in classes taught in English.<br>TOEFL ITP・TOEFL iBT Home Edition・MyBest(スコアは不可)

推奨スコアは設定されていないが、英語で授業を受けられる力が必要、という書き方です。

プログラム間の併願ルールも明記されています。

Applicants may apply to only one of the following programs: GBP, SCOPE, or IGESS. However, applicants may apply to both GIS and one of these programs.

GBP(経営)・SCOPE(人間環境)・IGESS(経済)は1つしか出せない。ただしGIS(グローバル教養)とは併願できる。

選考:書類選考 → Zoomによるオンライン面接(一次合格者のみ)

5. 日程の全体像——法政は「9月組の後」

学部・方式 出願期間 一次発表 二次選考
理工学部 公募推薦 9/22(火)〜10/2(金) 11/20(金)10:00 11/29(日) 小金井
経営学部 グローバル体験 9/22(火)〜10/2(金) 10/29(木)10:00 11/8(日)
現代福祉学部 まちづくりチャレンジ 9/22(火)〜10/2(金) 10/29(木)10:00 要項で確認
キャリアデザイン学部 各方式 要項で確認 要項で確認 要項で確認
文学部 自己推薦 9/29(火)〜10/9(金) 11/6(金)10:00 要項で確認
法学部 英語外部試験利用 9/29(火)〜10/9(金) 要項で確認 要項で確認
国際文化学部 分野優秀者 9/29(火)〜10/9(金) 11/6(金)10:00 面接

法政の出願は9月22日または9月29日から始まります。

これは重要な実務上の意味を持ちます。早稲田(地域探究・社会科学部=9/1〜9/10)、立教(自由選抜=9/1〜9/10)、中央(法チャレンジ・国際経営/文学部自己推薦=9/1〜9/7)、明治(理工=9/3〜9/7、国際日本=9/7〜9/10)が9月上旬に集中するのに対し、法政は3〜4週間遅い。

つまり、9月組の出願が終わってから、法政の書類に取りかかれます。ただし法政は専願なので、9月組に専願校(慶應・上智・成蹊・明治農学部系)を含めているなら、そもそも法政と併願できません。

併願グループ(立教・中央・成城・國學院・早稲田)に9月に出しておき、法政は出さない——あるいは法政一本に絞る。この二択になります。

6. 書類で何を書くか

6-1. 法政は「志望理由書」が全方式で必須

確認できたすべての方式で、第一次選考の書類に志望理由書が含まれています。そして第一次選考は書類だけで判定されます。

志望理由書が第一次の通過を決める、と考えてください。

6-2. 「専願」であることを、書類で示す

法政の多くの方式は専願です。ということは、「なぜ法政でなければならないのか」が問われているということです。

弱い答え:「MARCHの中で校風が合うと思いました」「自由な学風に惹かれました」 強い答え:「◯◯先生の△△という研究に触れ、自分が持っている□□という問いを、この方法論で扱えると考えました。法政の◇◇というカリキュラムでなければ、この問いは扱えません」

「他大学ではだめな理由」を書けるかどうかが、専願方式の核心です。

6-3. 原体験を、学問領域へ接続する

強い志望理由書には必ず原体験があります。ただし体験を書くだけでは作文で終わります。そこから一般化し、学問的なテーマへ昇華させる階段を上ってください。

「自分の身のまわりでこういうことが起きた」→「これは◯◯という構造の問題ではないか」→「その構造は◯◯学でこう論じられている」→「しかしまだ論じられていない部分がある」。

現代福祉学部のまちづくりチャレンジは、この構造がそのまま方式名になっています。自分の地域の課題を、福祉とまちづくりの言葉で語れるか。キャリアデザイン学部のキャリア体験自己推薦も同様に、体験を学問に接続する設計です。

6-4. 先行研究とリサーチギャップ、そして自分のRQ

ここまで書ける受験生はほとんどいません。だから差がつきます。志望学部の教員がどんな研究をしているかを、CiNiiやJ-STAGEで調べてください。「ここまでは分かっている。しかしここは分かっていない」というリサーチギャップを見つけ、「だから私はこれを問いたい」というRQ(リサーチクエスチョン)を立てる。

6-5. 「推薦書」が必要な方式がある

自己推薦という名前でも、提出書類に推薦書入学推薦書が含まれる方式があります(理工学部公募推薦、経営学部グローバル体験、現代福祉学部まちづくりチャレンジ)。

学校の先生に書いてもらう書類は、依頼から受け取りまで2〜3週間かかります。出願が9月22日からなら、8月中に依頼してください。

6-6. 英語スコアの有効期限

現代福祉学部の要項には「いずれの試験も出願開始日より遡って2年以内に受験したものに限ります」とあります。高1で取ったスコアが失効していないか確認してください。

そして「1つを選んで」提出する方式が多い。複数持っていても、出せるのは1つです。どれが最も有利かを、各学部の基準に照らして判断してください。

6-7. 生成AIで書いたものは、面接で崩れる

法政は全方式で面接があります。理工学部と国際文化学部に至っては第二次選考が面接のみです。書いたものと本人が乖離していれば、その場で分かります。

7. 小論文をどう準備するか

法政で小論文を課すのは、文学部自己推薦、経営学部グローバル体験(9:30〜10:30/60分)、現代福祉学部まちづくりチャレンジなどです。

60分で書く型

経営学部の例では60分。次の配分が現実的です。

  1. 問われていることを一文で書く(3分)
  2. 立場を決め、理由を2つ書き出す(7分)
  3. 反対の立場の言い分を1つ書き出す(3分)
  4. 構成メモ(5分)
  5. 書く(35分)
  6. 読み返す(7分)

3を飛ばさないでください。自分の立場だけを述べた小論文は、どこかで独りよがりになります。反対の立場を一度引き受けたうえで、それでもこう考える、と書けるかどうかで評価が変わります。

学部の学問から逆算する

法政の小論文は、出題範囲が明示されていない方式が多い。その場合、その学部の学問が何を問う学問なのかから逆算するのが正攻法です。

  • 文学部:テキストをどう読み、どう解釈するか
  • 経営学部(グローバル体験):留学経験を、経営やビジネスの言葉でどう説明するか
  • 現代福祉学部:地域と福祉の課題をどう捉え、どう解決するか

練習の頻度

週1本、60分で書く。書いたら必ず第三者に読んでもらう。自分では気づけない飛躍が、必ずあります。法政は出願が9月下旬なので、7月から始めれば10〜11月の二次選考までに十分な本数を積めます。

8. 面接で何を聞かれるか

法政は全方式で面接があり、理工学部・国際文化学部は面接のみで二次選考が完結します。

聞かれることの中心

  1. なぜこの学部・学科なのか(他学部・他大学ではない理由)
  2. その関心はどこから来たのか(原体験)
  3. 入学後に何を学び、どう深めたいのか(学修計画)

そして法政は専願なので、4つ目が加わります。

  1. なぜ法政でなければならないのか

これに答えられない受験生が多い。「専願です」と出願資格に書いてあるということは、この問いが必ず来るということです。

面接のみの学部は、書類の深掘りになる

理工学部公募推薦と国際文化学部分野優秀者は、二次が面接だけです。つまり書類に書いたことが、そのまま面接の全論点になります。

志望理由書に書いたことは、すべて口頭で説明できる状態にしておいてください。書いた文章の背景・根拠・具体例を、聞かれたときに即答できるか。書きっぱなしにしないことが、唯一の対策です。

英語で聞かれる可能性

グローバル教養学部(GIS)、経営学部GBP、経済学部IGESS、人間環境学部SCOPEは英語による学位プログラムです。面接が英語で行われる可能性が高い(要確認)。志望する場合は、英語で志望理由と学修計画を述べる練習をしてください。

9. どの方式で戦うか——判断の順序

第一に、専願を受け入れられるかで決める。

法政の多くの方式は専願です。法政が第一志望でないなら、出願すべきではありません。併願したいなら、立教・中央・成城・國學院・早稲田のほうが適しています。

第二に、評定で振り分ける。

現在の評定 出せる方式
3.2以上 スポーツ健康学部(アスリート系)
3.5以上 上記+人間環境学部 自己推薦、国際文化学部(分野優秀者・SA)
3.8以上 上記+文学部 自己推薦(学科により)、現代福祉学部 まちづくりチャレンジ
4.0以上 上記+文学部(学科により)、スポーツ健康学部(理数系)、キャリアデザイン学部(商業学科等対象)
4.2以上 上記+経営学部 グローバル体験(経営戦略学科)

評定の記載が確認できなかった方式(法学部・文学部の英語外部試験利用、理工学部公募推薦、情報科学部、GIS、英語学位プログラム)は、評定以外の要素で勝負する方式と考えられます。

第三に、武器で選ぶ。

  • 英語が強い → 法学部・文学部の英語外部試験利用自己推薦(英検CSE2304クラス)、GIS、GBP、IGESS、SCOPE
  • 留学経験がある → 経営学部・キャリアデザイン学部・現代福祉学部のグローバル体験公募推薦、国際文化学部SA自己推薦
  • 地域活動の実績がある → 現代福祉学部 まちづくりチャレンジ
  • キャリア体験がある → キャリアデザイン学部 キャリア体験自己推薦
  • 理系の学力がある → 理工学部 公募推薦、情報科学部 自己推薦、スポーツ健康学部(理数系)
  • 競技実績がある → スポーツ健康学部(アスリート系)
  • 商業科で学んできた → キャリアデザイン学部 商業学科等対象公募推薦

法政の総合型は、「何かに特化した経験」を持つ受験生のための入試です。方式名がそれを表しています。

10. 時期別ロードマップ

高校1〜2年生

法政の評定要件は3.2〜4.2。まず評定を守ることが選択肢の数を守ります。

そして法政は「体験を評価する」方式が多い。留学、地域活動、キャリア体験、競技、商業系の資格——これらは高3から始めても間に合いません。高1・高2で何かに踏み込んでおくことが、法政の総合型の前提になります。

英語で戦うなら、法学部国際政治学科の英検CSE2304(準1級相当)が目標水準です。高2のうちに到達しておきたい。

高校3年生 4〜7月

志望学部と方式を決め、要項を自分で読む。専願であることを家族と確認してください。法政に決めるということは、他の専願校を諦めるということです。

推薦書が必要な方式なら、この時期に先生へ依頼の相談をしておく。

8月

志望理由書を書く。第三者のレビューを2人以上から受ける。推薦書を正式に依頼する(出願は9月22日から)。小論文の練習を開始(週1本)。

9〜10月

出願(理工・経営・現代福祉は9/22〜10/2、文・法・国際文化は9/29〜10/9)。書類の不備は致命的なので、締切直前ではなく早めに提出してください。国際文化学部の要項は「出願期間までに必要書類を提出できない場合、原則として出願を受け付けることはできません」と明記しています。

11月

第一次選考の結果発表(10/29、11/6、11/20)と第二次選考(11/8、11/29ほか)。並行して一般選抜の学力対策を継続します。専願なので、不合格だった場合に備えて一般選抜の準備を止めないでください。

9-2. 法政の英語基準を、一覧で比べる

法政は方式ごとに英語の扱いがまったく違います。「基準なし」から「準1級相当」まで4段階あると整理できます。

段階 方式 内容
① 提出不要/任意 現代福祉学部 まちづくりチャレンジ 英語外部試験のスコア証明は任意。あれば1つ提出
② 提出必須・基準なし 情報科学部 自己推薦 基準となるスコアなし。複数提出も可(提出推奨)
② 提出必須・基準なし グローバル教養学部(GIS) スコア・級は問わないが提出は必須
② 提出必須・基準なし 経済学部 IGESS 推奨スコアは設定されていないが、英語で授業を受けられる力が必要
③ 中位の基準 国際文化学部 分野優秀者 TOEFL iBT 62点以上(旧)/3.5以上(新)ほか
③ 中位の基準 経営学部 グローバル体験 TOEFL iBT 61以上/IELTS 5.0/TOEIC L&R+S&W 980/英検準1級
④ 高い基準 法学部 英語外部試験利用自己推薦 英検CSE2304以上(準1級の合格基準と同値)

②の「提出必須だが基準なし」というグループが特徴的です。情報科学部・GIS・IGESSは、スコアの高低で足切りせず、提出させたうえで総合評価に使う設計です。「英検を持っていないから出せない」ということはありませんが、「持っていても低ければ評価に影響しうる」とも読めます。

そしてキャリアデザイン学部だけは「不合格でCSEスコアのみの提出は認めません」——合格実績が必要です。同じ大学の中で、合否を問う方式と問わない方式が混在しています。必ず志望方式の要項で確認してください。

9-3. 二次選考の中身を、一覧で比べる

学部・方式 二次選考の内容
文学部 自己推薦 小論文+面接
経営学部 グローバル体験 小論文(9:30〜10:30)+面接(11:00〜)
現代福祉学部 まちづくりチャレンジ 小論文+面接
キャリアデザイン学部 キャリア体験 小論文+面接(11/15・市ケ谷キャンパス)
人間環境学部 自己推薦 小論文+「英語」+面接
情報科学部 自己推薦 筆記試験(数学)+面接(11/29・小金井キャンパス)
理工学部 公募推薦 面接のみ(11/29・小金井キャンパス)
国際文化学部 分野優秀者 面接のみ
グローバル教養学部(GIS) 書類審査のみ(必要に応じて英語オンライン面接 12/6)
経済学部 IGESS 書類選考+Zoomオンライン面接

この表が、法政対策の設計図です。

  • 書くのが得意 → 文学部・経営・現代福祉・キャリアデザイン(小論文)
  • 数学が得意 → 情報科学部(数学の筆記)
  • 英語の筆記も要る → 人間環境学部
  • 話すのが得意 → 理工学部・国際文化学部(面接のみ)
  • 書類で勝負したい → GIS(原則書類審査のみ)

理工学部と情報科学部は同じ小金井キャンパス・同じ11月29日ですが、理工は面接のみ、情報科学部は数学の筆記があります。同じ理系でも準備が違います。

10-2. 法政を第一志望にする、という決断

法政の総合型を受けるということは、多くの場合「法政を第一志望にする」という決断を意味します。専願だからです。

この決断を、いつ・どうやってするか。3つの観点を挙げます。

① 学びたいことが、その学部にあるか

法政の総合型は方式名が学部の個性を表しています。まちづくりチャレンジ(現代福祉)、キャリア体験(キャリアデザイン)、SA(国際文化)、グローバル体験(経営・キャリアデザイン・現代福祉)、分野優秀者(国際文化)。

これらは「何となく大学に行きたい」層に向けた入試ではありません。すでに何かに踏み込んでいる受験生を想定しています。自分の高校時代の蓄積が、どの方式名に一致するか——それが最初の判断材料です。

② 一般選抜で、その学部に届きそうか

専願で総合型に出すということは、総合型で決めにいくということです。もし一般選抜でより上位の大学に届く学力があるなら、専願はもったいない。逆に、一般選抜では厳しいが総合型なら勝負できる材料がある場合、専願のリスクは相対的に小さくなります。

7月までに、模試の結果と手持ちの実績を並べて判断してください。

③ 家族の合意があるか

専願は「受かったら必ず入学する」という約束です。学費、通学、進路——家族と合意しておく必要があります。11月に合格が出てから相談するのでは遅い。

10-3. 併願する場合の組み立て方

法政が専願である以上、併願設計には制約があります。ただし方法はあります。

パターンA:法政一本+一般選抜

法政の総合型に出願し、不合格なら一般選抜で勝負する。最もシンプルで、約束を破るリスクがありません。

法政の出願は9月22日または9月29日から、二次は11月8日〜11月29日、結果は11月〜12月。一般選抜まで2か月あります。総合型の準備をしながら学力対策を止めないことが条件です。

パターンB:併願可の大学と、時期をずらして組む

9月上旬に併願可の大学(立教の自由選抜、中央の特別入試、早稲田の地域探究・貢献入試や社会科学部全国自己推薦、成城、國學院)に出願し、9月下旬〜10月に法政に出願する。

ただし、法政に合格した場合は入学を確約する必要があるため、他大学の結果を待つことはできません。法政の合格発表(11月〜12月)の時点で、他大学の総合型の結果も出ていることが多いので、実務上は「先に結果が出たほうに従う」形になります。

この組み方をするなら、出願前に順位を決めておいてください。「どこでもいいから受かりたい」で専願校に出すのは、約束の問題として避けるべきです。

パターンC:英語学位プログラムを後ろに置く

経済学部IGESSは出願が2027年2月下旬〜3月上旬です。9月〜11月の総合型がすべて不調でも、まだ出願できます。GBP・SCOPE・IGESSは1つしか出せませんが、GISとは併願可能です。

英語力に自信があるなら、この日程は覚えておく価値があります。

11-2. 提出書類の実務——法政で落ちないために

推薦書は8月中に依頼する

理工学部公募推薦、経営学部グローバル体験、現代福祉学部まちづくりチャレンジには推薦書・入学推薦書が必要です。学校の先生に書いていただく書類は、依頼から受け取りまで2〜3週間かかります。出願が9月22日からなら、8月中の依頼が必要です。

調査書の記載時点

法政の多くの方式は「3年1学期(前・後期制の場合は前期)まで」の調査書を求めます。既卒者は「卒業後に発行された調査書」。

そして留学中の評価は算入しないという規定が複数の方式にあります(経営学部グローバル体験、国際文化学部分野優秀者)。留学経験がある場合、評定の計算方法が変わるので、学校に確認してください。

締切直前の提出は避ける

国際文化学部の要項の警告を再掲します。

※ 出願期間までに必要書類を提出できない場合、他の受験生と公平を期すため、原則として出願を受け付けることはできません。出願期間に間に合うよう、余裕を持って必要書類をご準備ください。

書類に不備があった場合、期間内に修正できなければ出願不可です。締切の1週間前を自分の締切にしてください。

海外からの出願

複数の方式に「海外からの出願は締切日までに大学必着」という注記があります。国内は消印有効ですが、海外は必着。日数が違います。

11. よくある誤解

誤解1「法政の総合型は併願できる」——多くの方式が専願です。「合格した場合は入学を確約できる者」が出願資格です。

誤解2「自己推薦だから推薦書は要らない」——理工学部公募推薦、経営学部グローバル体験、現代福祉学部まちづくりチャレンジには推薦書・入学推薦書が必要です。

誤解3「理工学部は複数学科に出せる」——「複数学科の併願は認めない」と明記されています。

誤解4「総合型だから学力は関係ない」——文学部・経営学部・現代福祉学部は小論文を課します。

誤解5「英語スコアはいつのものでも使える」——「出願開始日より遡って2年以内」という制限があります。

誤解6「法政は9月1日出願」——法政は9月22日または9月29日からです。早稲田・立教・中央より3〜4週間遅い。

12. 生徒向けチェックリスト

  1. 法政が第一志望ですか(多くの方式が専願です)
  2. 志望学部の方式名を正確に把握していますか
  3. 自分の評定(3年1学期まで)の正確な数値を知っていますか
  4. 志望方式の評定基準を確認しましたか(3.2〜4.2の幅があります)
  5. 推薦書が必要な方式ですか(必要なら8月中に先生へ依頼)
  6. 英語スコアは出願開始日から遡って2年以内ですか
  7. 複数のスコアがある場合、どれが有利かを比較しましたか
  8. 志望理由書に「なぜ法政でなければならないか」を書けていますか
  9. 出願期間(9/22〜または9/29〜)を確認しましたか
  10. 志望学部の先生の論文を1本でも読みましたか

13. 最後に

法政大学の総合型選抜は、学部ごとに名前も設計も違う入試です。「自己推薦」「公募推薦」「分野優秀者」「グローバル体験」「まちづくりチャレンジ」「キャリア体験」「SA」——方式名そのものが、その学部が何を評価するかを表しています。

そして多くが専願です。これは「本気の受験生だけ来てほしい」という意思表示だと読めます。裏を返せば、本気で法政を目指す受験生にとっては、志望度の高さが正当に評価される入試でもあります。

各入学試験要項は法政大学の入試情報サイト(https://nyushi.hosei.ac.jp/ )から入手できます。必ずご自身の目で、志望学部・方式の要項を確認してください。本記事で「要確認」と記した項目は、当塾が一次情報から確定できなかった箇所です。

そのうえで、どの方式に出すか、何をどう準備するか迷ったら、ご相談ください。

法政の総合型選抜を、どの方式で戦うか——武蔵野個別指導塾

法政大学の総合型選抜は学部ごとに名前も設計も違い、そして多くが専願です。「合格した場合は入学を確約できる者」が出願資格。つまり法政を第一志望にするという決断が、出願の前提になります。

裏を返せば、本気の受験生にとっては志望度の高さが正当に評価される入試です。方式名(まちづくりチャレンジ/キャリア体験/SA/グローバル体験/分野優秀者)がそれぞれの学部の評価軸を表しており、自分の高校時代の蓄積がどれに一致するかが出発点になります。

当塾では、方式の選定から志望理由書・自己推薦書、推薦書の依頼段取り、学部別の二次対策(小論文/数学/英語/面接のみ/英語オンライン面接)まで対応しています。専願かどうかの判断も、模試の結果と手持ちの実績を並べて一緒に整理します。

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