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英単語を英語から日本語で覚えるとき—訳語は言えるのに意味を説明できない悩み|武蔵野個別指導塾

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「寛大な」とすらすら言えたのに、その意味を聞かれて止まった中2の自習から、訳語をやさしい日本語と身近な動作に置き換え、合う場面と合わない場面の両方で説明できるようにする進め方をたどる。

訳語をすらすら暗唱できるのに、「その日本語はどういう意味」と聞かれると黙ってしまう。覚えていないのではなく、覚えた日本語の中身をまだ確かめていない状態です。まず試すのは、その訳語を小学5年生に通じる言葉へ言い換えられるかどうか。言い換えが止まるなら、単語帳の次の頁へ進む前に、訳語の側を開きます。下の表は、その場で見える反応と、次に開く場所の対応です。

その場で見えること 語の内側で起きていること 次に開く場所
訳語は言えるが、言い換えが止まる 訳語の日本語を知らない 国語辞典で訳語を引く
訳語の意味は言えるが、場面が出ない 語と自分の生活がつながっていない 一日の出来事から場面を一つ書く
場面は出るが、合わない例が出ない 語の境目を持っていない 反対の場面を書き足す

よくあるのは、自習の終わりに単語帳を閉じたところで、講師が「今の『寛大な』ってどういうこと」と聞き返すと、指が止まるという場面です。お子さまは「寛大な」と正しく言えていますし、本人にも覚えた手応えがあります。ところが説明を求められると、「寛大な、は、寛大な感じ」と同じ言葉に戻ってしまう。中2の自習では、この形のつまずきが表に出ます。訳語の暗唱は通るのに、説明が通らないのです。

この状態を「覚えていない」と片づけると、同じ頁をもう一周することになります。しかし実際に抜けているのは語の記憶ではなく、訳語として置いた日本語の意味です。頁を増やすより先に、置いた日本語を自分の言葉へ開き直す作業が要ります。

訳語が出てこないのか、訳語の中身が抜けているのか

切り分けは短い手順で済みます。単語帳を閉じて英単語だけを見せ、日本語を言ってもらいます。ここで言葉が出てこなければ語そのものの定着の問題で、訳語の説明より先に語を覚える段階になります。言葉が出たあとに、「その日本語を別の言葉で言うと何」と重ねて聞きます。二つ目の問いで止まったら、訳語の中身が抜けている型です。

訳語の中身が抜けている型にも、いくつかの層があります。第一は、訳語の日本語そのものを知らない場合です。「寛大な」「忍耐強い」「礼儀正しい」は、中学生が日常で使う頻度の高い言葉ではありません。単語帳の左に英語、右にこの日本語が並んでいると、右側が読めるだけで覚えた気になります。

第二は、訳語の意味はわかるが、その語を使う場面が浮かばない場合です。「礼儀正しい」の意味を説明できても、自分の一日のどこで起きるかが出てこないと、長文の中で出会ったときに訳語へ戻るまで時間がかかります。

第三は、場面は浮かぶのに、その語が合わない場面を言えない場合です。合う例だけを持つと、語の範囲が広がりすぎます。「寛大な」を「何でも許すこと」と捉えると、危険を止めない場面まで寛大と呼んでしまいます。

三つの層は、図1のように、訳語を言えたあとの反応で見分けられます。左から順に、言い換えが止まる層、場面が出ない層、境目が出ない層です。

図1 訳語を言えたあとにつまずく三つの層

図1の三つの層は、どれも単語帳の同じ一行から始まります。見分けるときに使う材料は、答案ではなく自分の口から出た言葉です。同じ語を三回続けて説明させ、二回目と三回目で言葉が変わるかどうかを見ます。毎回まったく同じ言い方に戻るなら、その言い方は暗唱であって、説明ではありません。

確かめる順序も決めておくと迷いません。英単語を見る、日本語を言う、その日本語を別の言葉にする、の三段階を一行ずつ紙に書きます。三段目が空欄になった語だけを、下に述べる手順へ回します。空欄の数を数えると、単語帳のどのあたりで説明が薄いかも見えてきます。

訳語を増やす話とは分けておきます。二つ目の訳語を足すのは、最初の訳語で説明が通ってからで間に合います。同じ語に訳語をいくつも並べると、どれも説明できないまま横に伸びるだけです。

訳語を自分の言葉に開き直す四つの手順

手順は四つで、一つ目から順に机の上で進めます。どれも単語帳の同じ一行に対して行い、頁をまたいでまとめて処理はしません。手順の途中で分からなくなったら、その場で印を付け、次の日の同じ時間に同じ場所から始めます。

一つ目は、訳語をやさしい日本語にすることです。国語辞典で訳語の側を引きます。「寛大」を引くと、心が広く、人の失敗をとがめだてしない、という趣旨の説明が出てきます。出てきた説明をそのまま写さず、自分の言葉で短くします。たとえば「人の失敗を大げさに責めない」まで縮めます。

ここで止まる場合の戻り先を決めておきます。国語辞典の説明に知らない言葉が残っていたら、その言葉をもう一度引きます。二度引いても短くできないときは、いったん「ゆるす」に近い語として鉛筆で印を付け、次の手順へ進みます。印は、あとで戻る場所の目印です。

メモは一行に四つの欄を作ると扱いやすくなります。英単語、やさしい日本語、動作、二つの場面、の四つです。欄が埋まらないまま次の語へ進むと、あとで同じ語をもう一度調べ直すことになります。

二つ目は、その語の動作を一つ決めることです。「寛大な」なら、友だちが消しゴムを借りたまま返さない場面で、返してと言わずに次の日も貸す、という動作になります。動作は手・足・口のどれかが動く形にします。体の動きにならない説明は、まだ頭の中だけの説明です。

抽象度の高い語でも、動作は置けます。「重要だ」なら、大事な書類に付箋を貼って机の真ん中に置く。「必要だ」なら、忘れると困る物を鞄の手前に移す。動作が決まらないときは、語を具体的な物に一度置き換えてから、その物を扱う手の動きを探します。

三つ目は、合う場面と合わない場面を一つずつ書くことです。「寛大な」が合う場面は、消しゴムを借りたままの友だちに次の日も貸す場面。合わない場面は、同じ友だちが三度目も返さないのに、危ない物を黙って渡し続ける場面です。合わない場面は、同じ人物のまま度を強くするか、場所を変えると作りやすくなります。

合わない場面を書く理由は、語の境目を作るためです。合う例だけを三つ並べても、語の外側がどこかはわかりません。外側が決まると、長文の中で語が本来と違う使われ方をしたときに気づけます。

四つ目は、何も見ずに説明を声に出すことです。英単語だけを見て、やさしい日本語、動作、二つの場面を順に言います。目安は三十秒です。声に出すのは、黙って読むと訳語の文字を見ながら説明できてしまうからです。文字を隠して声にする形にすると、説明の抜けた箇所がその場でわかります。

四つの手順は、図2のように一列に並びます。どこかで止まったら、その手順の直前へ戻ります。三つ目で止まったら二つ目の動作に戻り、動作が決まらなければ一つ目の言い換えへ戻ります。手順を飛ばして四つ目だけを繰り返しても、説明の材料が増えないまま声だけが滑ります。

図2 訳語を開き直す四つの手順

一日で仕上げる必要はありません。訳語の言い換えまでを一日、動作と二つの場面を次の日、声に出すのを三日目、という分け方でも同じ順序です。分けるときに気をつけるのは、前の日のメモを見ながら次へ進むことです。メモを見ずに最初から作り直すと、毎回違う説明になり、定着したかどうかを確かめられません。

手順が合わない語の見分けとやり直し

四つの手順を通しても説明が残らない語があります。そのときは、語を捨てるのではなく、手順のどこが合っていないかを見ます。合わない型は、大きく三つに分かれます。

一つ目は、訳語の日本語が難しすぎる場合です。「忍耐強い」を国語辞典で引いても、説明の中にさらに難しい言葉が並ぶことがあります。このときは、訳語を思い切って短い日本語に置き換えます。「忍耐強い」なら「長くがまんする」、「礼儀正しい」なら「あいさつと順番を守る」です。置き換えた日本語が幼く見えても、説明できることを優先します。

二つ目は、動作が決まらない場合です。「重要だ」「必要だ」「確実だ」のように、体の動きを伴わない語では、動作を作ろうとすると不自然な説明になります。このときは、語を物に置き換えます。大事な書類、忘れると困る物、間違えると困る手順、というように、物や手順の側から場面を作ります。動作ではなく、物の置き場所や扱い方が手掛かりになります。

三つ目は、場面が一つしか出ない場合です。合う場面だけが浮かぶ語は、境目がまだできていません。人物を変える、度を強くする、場所を変える、の順に試します。それでも出ないときは、その語の反対の語を辞書で引き、反対の語が合う場面を書いてから、裏返して考えます。

やり直しの順序も決めておきます。まず訳語の言い換えに戻り、次に動作、最後に場面です。順序を逆にして場面から作り直すと、訳語の意味が曖昧なまま場面だけが増え、別の語の場面と混ざります。

一つの語に時間をかけすぎないことも大切です。四つの手順を一回通して説明が残らない語は、いったん保留の頁を作って移し、別の日の最初に戻します。同じ日のうちに何度も作り直すと、言葉が固まる前に疲れだけが残ります。

合わない型と戻り先は、図3のように対応させておくと、机の上で迷いません。図3の左側で自分の止まり方に印を付け、右側の戻り先だけを開きます。三つの型に同時に当てはまる語は、いちばん上から順に直します。

図3 手順が合わないときの戻り先

できたかどうかの判断は、三日後に置きます。単語帳を閉じたまま、英単語を見て、やさしい日本語、動作、二つの場面を言えたら、その語は説明できる状態です。加えて、初めて見る短い文の中でその語が出てきたときに、場面に合うかどうかをその場で言えるかを見ます。ここまで通って、初めて単語帳の一行が使える形になったと判断します。

別の語で試す確認問題

ここまでの手順を、本文で扱っていない語で試します。次の三つの語について、訳語をやさしい日本語に直し、動作と二つの場面を添えてください。紙に書いてから、下の解答と照らします。

問いは三つです。問1 serious(真面目な)、quiet(静かな)、brave(勇敢な)の三つを、小学5年生に通じる日本語にしてください。問2 「真面目な」が合う場面を一つ、合わない場面を一つ書いてください。問3 次の説明に当てはまる語を、三つの中から一つ選んでください。「こわい場面でも、体が動く」

解答1は、真面目な→「ふざけないで、やるべきことをやる」、静かは「音が少ない」、勇敢なは「こわくても進む」です。三つとも、訳語より短い日本語になっていれば通ります。長くなったときは、国語辞典の説明をまだ写しています。

解答2の合う場面の例は、毎朝の提出物を忘れずに出す場面です。合わない場面の例は、授業中に友だちの話へ笑いながら入っていく場面です。合わない場面では、真面目なの度が弱まっていることを説明できれば十分です。解答3は brave です。こわいという条件を残したまま体が動く点が、勇敢なの中心です。quiet や serious では、こわい場面でも体が動くという条件を説明できません。

どの問いで止まったかによって、戻る場所が変わります。問1で止まったら国語辞典、問2の合わない場面で止まったら三つ目の手順、問3を外したら二つ目の動作です。答えを先に見てしまうと、どの手順が抜けているかがわからなくなるので、紙に書いてから照らしてください。

再挑戦は三日後です。三つの語を、何も見ずに説明してください。一つでも止まったら、その語だけを四つの手順でやり直します。全部通ったら、次は別の頁から三語を選び、同じ形で試します。

個別の席で見せてもらうもの

塾の席には、単語帳の該当頁、自分で書いたやさしい日本語のメモ、声に出した日付の記録、合わない場面が書けなかった語に付けた印を持ってきてください。質問は「この訳語を別の言葉にすると何」の一行で足ります。

講師は答案ではなく、どの手順で言葉が止まったかを見ます。訳語の言い換えで止まるのか、動作で止まるのか、場面の外側で止まるのかで、次に開く頁が変わります。

自習の机で単語帳を閉じる前に、いちばん説明しにくかった訳語を一つ選び、小学5年生に話すつもりで声に出してみてください。言葉に詰まったその一行が、次の自習で最初に開く場所です。訳語を言えたかどうかではなく、その訳語を別の言葉で指し示せるかどうかが、次の自習の出発点になります。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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