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暗記のコツは音読か—社会と理科の教科書を声に出すときの区切り方と、読む回数|武蔵野個別指導塾

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社会と理科の教科書は1段落を意味の切れ目で区切り、用語を強めて2回読んだら閉じて言う。回数は数えず、止まった区切りだけ読み直せば、黙読を重ねるより早く覚え残しの場所が見えてきます。

暗記のコツは音読か。社会と理科の教科書に限れば、答えは「声に出すだけでは足りないが、黙読より覚え残しはずっと見つけやすい」です。1段落を意味の切れ目で区切り、用語を強めて2回読み、教科書を閉じて言ってみる。ここまでを1組にして、言えずに止まった区切りだけを読み直します。読む回数は数えず、閉じて言えたかどうかで終わりを決めます。図や表、計算は声ではなく、指と手で覚えます。

よくあるのは、中学2年の理科で消化と吸収のページを3回黙読したのに、教科書を閉じたら何も言えなかった、という場面です。デンプン、消化酵素、ブドウ糖、柔毛。読んでいる間はどの言葉にも見覚えがあり、目は3回とも最後の行までたどり着きました。ところが閉じてノートに向かうと、最初の一言が出てきません。「3回も読んだのに」と思うのは当然です。けれど、3回とも同じ読み方をしていたのなら、同じ所を3回素通りしただけかもしれません。

なぜそうなるのか

1つ目の理由は、黙読では目が字の上を滑ることです。教科書の用語は、漢字の形に見覚えがあると、意味を言えなくても「読めた」と感じます。消化と吸収のページなら、「消化酵素」という4文字を見た瞬間に知っている気がして、その前後にある「何が」「何によって」「どうなるのか」を飛ばしてしまう。3回読んでも、3回とも同じ所で滑ります。黙読が悪いのではなく、黙読には止まる場所がないのです。

2つ目は、声に出すと1語ずつ口を通るので、止まる場所ができることです。教室で社会や理科の教科書を声に出して読んでもらうと、黙読では素通りしていた語の前後で、声がつかえることがよくあります。言いにくい用語、読み方に自信のない漢字、意味がつながらない文の切れ目。声が止まった所が、まだ覚えていない所です。さらに自分の声を耳で聞くので、文の終わりの「分解される」「吸収される」のような、されるのかするのかの違いまで確かめられます。理科の説明は、この文の終わりの部分にしくみが書かれていることが多いのです。

3つ目は、声に出しても、閉じて言う段がなければ黙読と同じ所で終わることです。音読を何回くり返しても、「最後まで読めた」で手を止めれば、覚えたかどうかはわかりません。わかるのは、教科書を閉じて、自分の口だけで言ってみたときです。消化と吸収のページで止まった中学2年に足りなかったのは、声よりも先に、閉じるという一手でした。

4つ目は、音読が向かない物もあることです。消化管の図を見ながら「口、食道、胃、小腸、大腸」と読み上げても、どこで何が起きるかという位置は頭に入りにくい。雨温図のようなグラフ、行と列で並ぶ表、電流と電圧の計算も、声に乗せると形が消えます。音読が効くのは、文で書かれた説明、とくに「何が何によってどうなる」という順番を覚えるときです。図1のように、黙読、音読、閉じて言う、の3つは、それぞれ見える所が違います。

図1 黙読・音読・閉じて言うの3つで、見えてくる所の違い

図1の上の段の黙読は、目が文の最後まで進むので「読めた気」になります。真ん中の音読では、用語の所で声が止まり、覚え残しの見当がつきます。下の段の閉じて言うで初めて、言えない区切りが緑と赤に分かれて見えます。暗記のコツを音読に求めるなら、真ん中の段で止めずに、下の段まで進むことです。

今夜からの手順

今夜やるのは、見開き全部ではなく段落1つからです。図2の①から④が1段落の中の順番で、5と6はその外側の決まりです。①から④を回すと、1段落に3〜5分かかります。

図2 1段落を音読する4つの段と、言えるまで戻る線

1. 区切る:1段落を選び、意味の切れ目に線を入れる

まず、今夜覚える段落を1つ選びます。選ぶ基準は、太字や色のついた用語が2つ以上入っている段落です。用語が1つもない段落は、読んで流れをつかめば足ります。

選んだら、鉛筆で意味の切れ目に縦の線を入れます。切れ目の目安は「何が」「何によって」「どうなる」の3つで、1文を2つか3つに分けるくらいです。説明のために短く書き直した文で試すと、こうなります。

デンプンは/だ液にふくまれる消化酵素のはたらきで分解され/さらに小腸の壁の消化酵素などによって/ブドウ糖になる。ブドウ糖は/小腸の柔毛から吸収される。

線を入れるのに、教科書の文をノートへ写す必要はありません。教科書に直接、薄く入れれば十分です。書き込みを残したくない教科書なら、ページの端に付箋を貼り、区切りの数だけ短い線を引いておきます。

2. 用語を強めて2回読む

区切りごとに一息で読みます。用語の所だけ、少しゆっくり、少し強く。上の文なら「デンプン」「消化酵素」「ブドウ糖」「柔毛」の4つです。強める語が読むたびにぶれないように、読む前に用語を鉛筆で丸く囲んでおきます。

声に出すのは2回までです。1回目は、線の位置で本当に意味が切れているかを確かめながら読みます。切れ目がおかしければ、ここで線を引き直します。2回目は、区切りと区切りのつなぎ目を意識して、「デンプンが、だ液の消化酵素で、分解されて」という順番を口に通します。

社会でも同じです。地理の地形の段落なら、こう区切れます。

扇状地は/川が山地から平地に出るところに/運ばれてきた土砂が積もってできた/扇のような形の土地。

強める語は「扇状地」と「土砂」です。社会の用語は、説明の中にある場所や形の言葉、ここでは「山地から平地に出るところ」と「扇のような形」と組にして言えると、問題の文が言い換えられていても答えにたどり着けます。

3. 閉じて言う

2回読んだら、教科書を閉じます。ページに指をはさんだままにせず、表紙を上にして机の端に置きます。そして、区切りの順番に、声に出して言ってみます。

言い方は教科書どおりでなくてかまいません。「デンプンは、だ液の中の消化酵素で分解されて、小腸のほうの消化酵素でブドウ糖になって、柔毛から吸収される」と言えれば、つながりは入っています。こだわるのは用語だけです。「柔毛」を「じゅうもう」と読めているか、「消化酵素」を「消化液」と言い間違えていないかを確かめます。

言い終えたら教科書を開き、言えた区切りの線の上に小さな丸、止まった区切りの線の上に小さな点を書きます。点の数が、この段落の覚え残しの数です。

4. 止まった所だけ読み直す

点のついた区切りだけを、もう1回声に出して読みます。段落の頭から全部は読み直しません。読んだらすぐに閉じて、今度はその区切りの前後をつなげて言います。言えたら、点の上に丸を重ねます。

これを、点がなくなるまでくり返します。読む回数を先に決めるのではなく、閉じて言えたかどうかで止めどきを決める。これがこの手順の芯です。1段落にかかる時間は、さきほどの3〜5分が目安です。5分を過ぎても同じ区切りで止まるなら、読み方より意味の問題で、用語の意味がわかっていないことが多い。教科書の前のページや図に戻るか、その区切りに印をつけて、翌日、先生に聞くことの欄へ書き移します。

1回の音読は15〜20分、3〜4段落で区切ります。それ以上続けると、声が文をなぞるだけになり、止まる場所がまた消えていきます。区切ったら、ワークの問題やノートの整理に移ります。

5. 声の大きさと時間帯を、家族と決めておく

家族のいる家で毎晩声を出すには、先に決め事が要ります。声の大きさは3つの段で使い分けます。

3つ目でも、口を動かしている限り、黙読よりは止まる場所が残ります。それでも夜遅くは気になる、という家もあるでしょう。その場合は、声を使う勉強を家族が起きている時間に寄せ、遅い時間は書く勉強や問題を解く勉強に回します。時間帯を決めるのは、声を出す側が遠慮しすぎて口を閉じてしまわないためでもあります。

長く読むと喉が疲れます。15〜20分で区切るのは、そのためでもあります。喉の痛みやかすれが何日も続くときは、家の人に話して、医療機関に相談してください。

6. 次の日の最初に、開かずに言う

次の日の勉強の最初に、前の晩の段落を、教科書を開かずに言ってみます。かかるのは1〜2分です。言えなかった区切りがあれば、そこだけ手順の3と4をやり直します。ひと晩たっても言えた段落が、本当に覚えた段落です。前の晩の点の位置と、次の日に止まった位置が同じなら、その区切りは自分にとっての難所なので、ノートの端に用語だけ書き出しておきます。

学年と時期で変わるところ

中1は、小学校より教科書の文が長くなり、1段落に用語が2つ3つ入るようになります。最初の数週間は、手順の1の「区切る」に時間をかけてかまいません。線を入れる場所に迷うのは、文の組み立てを読み取る練習になっている証拠です。

中2は、理科で消化と吸収、電流、天気の変化のように、しくみを順番に説明する単元が続きます。社会の歴史も、原因と結果をつなぐ文が長くなります。「何が何によってどうなる」の区切りが最も生きる学年で、ここまでの手順をそのまま使えます。

中3は、公民の言葉の説明や、理科のイオンのように、目に見えないものを言葉で説明する単元が増えます。用語の意味を説明する1文を、閉じて言えるかどうかがそのまま答案に出ます。受験の総復習の時期には、3年分の教科書を全部音読し直す時間はありません。各単元の段落を閉じて言ってみて、言えない段落だけを音読します。

高校生は、生物基礎や地理総合、歴史総合、公共のように、文がさらに長く、抽象的な言い方が増えます。段落全体を音読するより、用語の意味を説明する文と、原因と結果をつなぐ文の2つに絞って区切るほうが、15〜20分の中で多くの段落を回せます。通学の電車や自習室など、声を出せない場所で勉強する時間も増えるので、口の中で唱えるやり方と、閉じて言う段だけを残す工夫が要ります。

時期によっても変わります。ふだんは、授業があった日に、その日の段落を1つだけ。テスト前は、範囲の段落を順に閉じて言ってみて、「言える」「言えない」に仕分けてから、言えない段落だけを音読します。定期テストがいつ来るかは学校ごとに違うので、学校の予定表の日付から逆に数えて、仕分けをする日を先に決めておきます。長い休みは、前の学期の範囲を1日3〜4段落ずつ進めます。1回15〜20分で終わる量なので、休みの間に家族の予定が入る日でも途切れにくいはずです。

よくある失敗と直し方

「10回読む」と決めて、数えながら読む

回数を決めると安心しますが、頭は回数を数えるほうに向きます。3回目あたりから口が文を覚えてしまい、声だけが流れて、用語の所でも止まらなくなります。10回読み終えたことが、覚えたことの代わりになってしまうのです。

直し方は、声に出すのを2回で止めて、閉じて言うことです。記録するなら、読んだ回数ではなく、閉じて言えた区切りの数を書きます。「4区切りのうち3つ言えた」と書いておけば、次の日にどこから始めればいいかも決まります。

図や表、グラフまで声に出して読む

消化管の図の名前を上から順に読み上げたり、表の数字を端から読んだりする。声は出ているので勉強した気になりますが、図の位置関係や、表の行と列の関係は、声にすると消えてしまいます。定期テストでは、図の中の記号を示して、その部分の名前やはたらきを聞く問いがよくあります。読み上げただけでは、記号と名前が結びつきません。

直し方は、1ページの中で覚え方を分けることです。図3のように、本文は声に出して読む、図は指でなぞって言う、表やグラフは見出しを残して隠す、計算は解いて確かめる、と分けます。

図3 教科書の1ページを、声で覚える所と指や手で覚える所に分ける

図3の2段目の「指でなぞって言う」は、消化管の図なら、口から順に指で道をたどりながら、「ここでだ液の消化酵素がはたらく」と、場所とはたらきを組にして言うやり方です。3段目の「見出しを残して隠す」は、表の行と列の見出しだけを見せて中身を紙で隠し、書いて埋めます。語句の漢字を手で書いて覚えるやり方は、特集「勉強のやり方の細かい悩み」の「青ペンで書きなぐる勉強法は中学生に合うか—書いて覚えるときの回数と、隠して思い出す一手間」に、語を隠して思い出す手順として書いてあります。

すらすら読めるようになったら、覚えたことにする

何度か読むと、文の流れを口が覚え、つかえずに読めるようになります。それを覚えた合図だと思いがちですが、すらすら読めるのは、目の前に文があるからです。問題では、文の順番を入れ替えたり、「小腸の内側のひだの表面にある、小さな突起を何というか」のように、説明の側から用語を聞いたりします。

直し方は、閉じて言う段で、段落を問いの形に変えて答えてみることです。「ブドウ糖はどこから吸収されるか」「デンプンを最初に分解する消化酵素は、何にふくまれているか」。自分で問いを作れない区切りは、まだ意味がつながっていない区切りです。そこに点をつけて、手順の4に戻ります。

よくある質問

音読で暗記するコツは、速く読むことですか

最初の2回は、速さより区切りです。速く読むと、用語の所でも声が止まらなくなり、止まる場所を作るという音読のよさが消えます。ただし例外があります。次の日以降、すでに閉じて言えた段落を見直すときは、速く読んでかまいません。確かめるだけなら1段落を数十秒で読み、そのまま閉じて言えれば次の段落へ進みます。速さは、覚えるときではなく、覚えた段落の点検に使うものです。

読んで暗記するコツは、声を出せない場所でも使えますか

使えます。区切りの線を入れることと、閉じて言うことは、黙読でもできるからです。電車や図書館のように口を動かすのもためらう場所では、指で区切りをなぞりながら目で読み、閉じたら、ノートの端に用語だけを書き出します。声の代わりに、手で止まる場所を作るわけです。ただ、家で声を出せる15〜20分まで、外での黙読で全部置きかえるのはおすすめしません。用語の読み方の間違いは、声に出したときにしか見つかりにくいからです。

音読は、いつやめて次の勉強に移ればいいですか

テストの範囲の段落のうち、閉じて言える段落が大半になったら、音読をやめてワークや問題集に移ります。問題を解いて間違えた用語があれば、その用語が出てくる段落にだけ戻り、もう一度手順の3と4をやります。音読は覚えるための入口で、点を取る練習は問題の側でします。逆に、範囲の半分以上がまだ言えないままテストの前日が近づいているなら、全部を音読するのはやめて、教科書の太字の用語と、それを説明する1文だけに絞ります。

保護者が手を貸すなら

家で声を出して勉強していると、家族には気になることもあります。「静かにやって」と言う前に、声を出してよい時間帯と場所を、お子さまと一緒に決めてください。夕食の前後はふつうの声、家族が寝た後は口の中で、と決めておけば、その都度言わずに済みます。

手を貸すなら、聞き役がいちばんです。お子さまが教科書を閉じて言うとき、教科書を受け取って、区切りの順に目で追いながら聞きます。直すのは用語の言い間違いだけにして、言い回しの違いは直しません。終わったら「どこで止まった?」と一言聞けば、お子さまは自分で点をつけられます。何回読んだかを数えたり、毎晩聞き役をしたりする必要はありません。頼まれた日に、数分だけ耳を貸す。そのくらいの距離が、声を出し続けやすい距離です。

個別指導で確かめること

閉じて言えない区切りは、その用語を前の単元や小学校の言葉まで戻って説明できるかで確かめ、消化酵素なら「消化」と「分解」の違いから、扇状地の土砂なら川が山から何を運ぶのかから聞き直します。声が止まった所と、意味がわかっていない所が同じなのか別なのかで、次の晩に読み直す区切りが変わるからです。

まとめ

消化と吸収のページを3回黙読して何も言えなかった夜に要るのは、4回目の黙読ではありません。デンプンからブドウ糖、柔毛までを区切って2回読み、教科書を閉じて、自分の口だけで言ってみることです。閉じた教科書の前で声が止まった一語こそ、今夜の机で覚える一語です。

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