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不登校の中学生の英語の勉強方法—教科書の音声から戻り、抜けた文の形を一つずつ埋める|武蔵野個別指導塾

休んでいた中学生の英語は、中2の続きでなく中1の教科書の目次から戻ります。単元ごとの基本の文を音声で聞いて○△×を付ければ戻る所が決まり、抜けた文の形を1日1つずつ埋めていけます。
休んでいた中学生の英語は、いまの学年の教科書の続きからではなく、休み始めたころの教科書の目次まで戻って始めます。英語は、前の単元で身につけた文の形を次の単元が部品として使う教科なので、抜けた形が一つあると、その先の頁がまとめて読めなくなるからです。戻る所は、目次の単元ごとに基本の文を1つずつ音声で聞き、意味が言えるかどうかで○△×の印を付けると見えてきます。今日の最初の一手は、中1の英語の教科書を机に出し、最初の単元から印を付けていくことです。15分たったら、途中でも鉛筆を置いてかまいません。
よくあるのは、中1の2学期から学校を休み始めた子供が、中2に上がった春の昼に自分から英語の教科書を開き、最初の頁で手が止まる、という場面です。教室では新しい学年の単元がもう始まっています。頁には見たことのない語がいくつも並び、目に入るのは会話の場面の絵だけです。しばらく眺めたあと、教科書は閉じられ、机の端に寄せられます。親から見れば「せっかく開いたのに」と思う瞬間ですが、子供の側では、どこからわからないのかが見えないまま止まっています。
英語の頁で手が止まるとき、子供の側で起きていること
英語の勉強方法を決める前に、止まった理由を分けておきます。理由は一つではありません。よくある中身を四つに分けて書きます。どれか一つに当てはめるためではなく、お子さまの様子にいちばん近いものを探すつもりで読んでください。
前に覚えた文の形が、次の単元の部品になっている
英語は、前の単元で覚えた文の形を土台にして、次の形を組み立てます。be動詞の文を知っていると、be動詞のあとに ing の形を続けて「いま〜しているところ」を言う文に進めます。その be動詞を過去の形の was や were に替えると、「そのとき〜していたところ」の文になります。一般動詞の文も同じで、「私は毎朝走る」が言えて初めて、主語が「彼」になったときに動詞の終わりに s が付く形や、「走らない」「走りますか」と言い換える形を学べます。
図1のように、どの段も下の段を部品にして積み上がっています。だから中1の後半の形が一つ抜けたまま中2の頁を開くと、一つの文の中に知らない部品がいくつも入り、意味が取れなくなります。止まったのは根気が足りないからではなく、部品が足りないからです。

耳から入っていた英語が、休んでいるあいだ止まっている
教室の英語の授業では、先生の声や教科書の音声を聞き、まわりの声に合わせて読む時間が毎回のようにあります。休んでいるあいだは、その音がまるごと止まります。音を知らない語は、文字を見ても読み方の見当がつきません。声に出せない語は意味とも結びつきにくく、頁は読めない字の並びに見えてきます。自己流の読み方で覚えた語は、あとで音声を聞いたときに、同じ語だと気づけないこともあります。
わかる所とわからない所の境目が見えない
最初の頁で止まった子供は、全部がわからないわけではありません。一つの頁の中に、読める文と読めない文が混ざっています。ところが、どこまでがわかってどこからがわからないのかを区切る手がかりがないと、頁全体が一つの大きな「わからない物」に見えます。境目が見えなければ、どこまで戻ればいいかも決められず、手はそこで止まります。
遅れが、実際の量より重く見えている
中2のクラスが進んでいる単元と、自分が止まっている単元のあいだにどれだけの距離があるのかを、子供は確かめないまま「ずっと遅れている」と感じていることがあります。学習指導要領が中学の3年間で足す新しい語は1600〜1800語程度で、小学校の語の上に積む形です。中1の2学期から中2の春までに出てきた新出語は、そのうちの一部にすぎず、3年分をやり直すわけではありません。この距離を目次の印で目に見える形にすると、ぼんやりした重さが、目次の何行分という具体的な長さに置き換わります。
家でできる手順—目次の印から、書く3文まで
手順は、目次で戻る所を決める日と、抜けた形を一つずつ埋める日に分かれます。1日の時間は15分から始め、慣れてきたら20分まで延ばします。時刻は、昼食の前など、お子さまが起きていて頭が動いている時間に決めて、毎日同じにします。朝起きられない日が続いたり、頭やおなかの痛みが強かったりと、体や気持ちの不調が前に出ている時期は、英語の手順より先に医療機関や学校のスクールカウンセラーに相談してください。
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前の日に、中1の英語の教科書と音声を用意します。中2に上がると、中1の教科書は本棚の奥に片付けたり、学校のロッカーに置いたままになったりしています。手元に無ければ、担任に連絡して借りられるか聞きます。いまの教科書には、頁にある二次元コードや学校の端末から本文の音声を聞けるものがあります。どこから聞けるかは、教科書の初めの頁の案内か、英語の先生に確かめます。音声を流す機械と、印を付ける鉛筆を、教科書と一緒に机の上に置いておきます。
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1日目は、目次で戻る所を決めます。目次に並ぶ単元を、中1の最初から順に見ていきます。単元ごとに、基本の文を1つ選びます。単元のまとめの欄に囲みで載っている文があればそれを使い、無ければ本文の最初の文で足ります。まず音声を流す前に英文を読み、意味を日本語で言ってみます。言えなければ音声を1回聞き、もう一度意味を言います。印は次の三つです。
- ○ 音声を聞く前に読めて、意味が言える
- △ 音声を聞けば意味がわかるが、自分では読めない
- × 音声を聞いても意味が取れない
印は目次の単元名の横に鉛筆で書きます。図2のように、最初に×が付いた単元が戻る所です。その手前にある△の単元は、次の手順の音声だけで戻せます。15分で目次の半分しか見られなければ、そこで止めて、翌日に続きを見ます。親は横で印を書き取る役にとどまり、合っているかどうかは、お子さまが口にした意味で決めます。

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2日目からは、毎回の最初の5分を、教科書の音声で耳から戻る時間にします。戻る単元の本文を、四つの段で聞きます。
- 1回目は、文字を見ずに聞く
- 2回目は、文字を指でなぞりながら聞く
- 3回目は、1文ずつ止めて、音声のすぐあとに続けて読む
- 4回目は、音声と同時に重ねて読む
3回目で詰まる文があれば、その文に入っている形が、次の手順で埋める候補です。声は小さくてかまいません。家族のいる居間で声を出しにくければ、口の形だけ動かしても、1回目から3回目までは進みます。△の単元は、この5分を何日か続けるうちに○へ変わっていきます。
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次の5分で、抜けた文の形を1つ埋めます。×の単元の基本の文を1つ取り出し、決まった順で確かめます。たとえば He walks to school.(彼は歩いて学校へ行く)が基本の文なら、まず音声で聞いて意味を言います。次に主語を They に替えて言い、動詞の s が消えることを口で確かめます。続けて He doesn’t walk to school. と否定の文に、Does he walk to school? と疑問の文に言い換えます。1日に扱う形は1つだけです。2つ目の形に進むのは、前の日の形を、音声なしで翌日にもう一度言えたときにします。
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単語は、戻った単元の新出語だけを、その日の範囲にします。本文の下や横の欄に載っている語です。学年の語を全部並べた一覧を覚えようとしたり、別の単語の本を買い足したりはしません。本文を音声と一緒に読めるようになるのに要る語に絞ると、その単元の終わりが見えます。単語だけの時間は、1日を20分に延ばしたときに足す5分に入れ、それまでは音声の5分の中で、新出語を本文と一緒に読むだけで足ります。
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最後の5分で、書く練習を3文します。書くのは、口で言えるようになった文だけです。1つの形につき、教科書の基本の文を見て写す1文、主語か語を替えて自分で作る1文、否定か疑問に変えた1文の3文で終えます。書き終えたら、音声をもう一度流して、声に出して読みながら見直します。つづりの間違いは親が赤で直さず、教科書の語と並べて、お子さまが自分で見つけるのを待ちます。
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終わったら、記録を1行だけ残します。ノートの端か1枚の紙に、日付・単元の名前・その日の形・印の変わり方を書きます。「単元7、主語が he のときの s、×から△」くらいの短さで足ります。続けていくと、この紙がそのまま、学校の先生に家での勉強を見せる材料になります。
英語の机の横で言い換える言葉
教科書を開いた子供の横で、親が口にしやすい言葉と、その言い換えを六つ並べます。どれも、言い換えたほうが翌日にまた教科書が開く、という理由で選んでいます。
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「中2なんだから、中2の教科書から始めなさい」→「中1の目次に印を付けて、最初の×から始めよう」 学年の頁から始めると、抜けた部品のせいでまた同じ所で止まります。「やっぱりできない」という経験が一つ増えるだけです。始める場所を自分の印で見つけると、中1に戻ることを、後ろへ下がることではなく近道として受け取れます。
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「声に出して読んでごらん」→「先に音声を1回聞こう。読むのはそのあとで、小さい声でいいよ」 音を知らないまま読ませると、詰まるたびに、読めない自分を確かめる時間になります。先に聞いておけば、読む前に音の手がかりが一つ手に入ります。
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「こんな簡単な所もわからないの」→「ここに×が付いたね。今日はこの形1つだけにしよう」 戻る所が中1の最初の単元のすぐ近くになることもあります。責める言葉は、次に教科書を開く手を重くします。×は失敗の印ではなく、始める場所の印として扱います。
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「単語くらいは全部覚えておきなさい」→「この単元の本文に出てくる語だけにしよう」 範囲の決まっていない全部には終わりがありません。終わりが見える量だと、明日も手をつけられます。
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「どこがわからないのか言ってごらん」→「この文は、音声で聞いたら意味が言えた?」 境目が見えていない子供に「どこが」と聞いても、答えようがありません。一文を指して、聞いたら言えたかどうかを尋ねれば、はいかいいえで返せて、その返事がそのまま印になります。
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「いつになったら学校に追いつくの」→「今日は△が一つ○になったね」 追いつく時期は、誰にも約束できません。昨日と変わった所を印で言葉にすると、子供は自分の進み方を自分の目で確かめられます。
英語に戻る家でやりがちな三つのずれ
親が文法の先生役になる
教科書の囲みの文を指しながら、親が文法の決まりを最初から説明する場面です。説明が長くなるほど、子供は聞く側に回り、口も手も動かない時間が増えます。親の言い方と学校の先生の言い方が違うと、どちらが正しいのか迷う材料にもなります。直し方は、親の役を、音声を流す・印を書き取る・記録を見る、の三つに絞ることです。決まりの説明は教科書の欄と学校の英語の先生に任せ、家では「言えたか」「書けたか」だけを確かめます。
早く取り戻そうと、1日に何単元も進む
調子のよい日に、×の単元を三つも四つもまとめて進める場面です。前の形が口に残る前に次の形が重なり、翌日には二つの形が混ざります。主語が he のときの s と過去の形が一つの動詞に両方付く、といった混ざり方が出てきて、×が△に変わらないまま、進んだ単元の数だけが増えます。直し方は、1日1つの形を守り、翌日に音声なしで言えたら次へ進むことです。調子のよい日は新しい形を足さず、△の単元の音声を1本多く聞く日にします。
書く練習を、頁の丸写しにする
「書けば覚える」と考えて、本文の頁をノートに丸ごと写させる場面です。頁の丸写しは時間がかかるうえ、写しているあいだは意味を考えなくても手が進みます。手が疲れて終わった日の翌日は、教科書を開く腰が重くなります。直し方は、図3のように、書くのを1つの形につき3文までにすることです。写す1文、替える1文、否定か疑問の1文で手を止め、残りの時間は音声で読むほうに回します。

不登校の英語でよく聞かれる三つの質問
中1に戻っているあいだ、学校から届く中2のプリントはどうすればいいですか
届いたプリントは捨てずに、1枚ごとに単元の名前を書いて、ひとまとめにしておきます。中2の単元の文の形が、いま戻っている中1の形の上に乗っているかを見て、部品がそろったところで解きます。提出の期限があるものは、担任か英語の先生に、いまは中1の単元に戻っていることを伝えたうえで、出し方を相談します。中2の本文の音声だけは1日1本流しておくと、部品がそろったときに耳が先に追いついています。
家でした英語の勉強は、成績に入りますか
令和6年8月に国が決まりを整え、休んでいた中学生が家で積んだ学習も、学校が認めれば、成績をつけるときに考えに入れてよいことになりました。認めるかどうか、どんな記録をどう見るかは在籍している学校が決めることで、家や塾から約束できる話ではありません。手順7の1行の記録と、書いた3文のノートを持って担任に一度見てもらい、どう扱うかを学校から聞いてください。
不登校のあいだの勉強は、英語だけ先に始めてよいですか
始めてかまいません。英語は前の形を次の形が使う教科なので、戻る所を早めに決めておくと、学校の授業に出る日が来たとき、耳と口の準備ができています。ただ、数学も前の単元を次の単元が使う教科です。英語の15分が続くようになったら、数学をいつ足すかを、お子さまと担任と一緒に決めてください。どの教科から始めるかは家ごとに違ってよく、英語から始めることに後ろめたさを持つ必要はありません。
英語の先生と担任、相談先に確かめること
学校(担任・英語の先生)に、そのまま聞ける質問です。
- 中1の英語の教科書が手元に無いのですが、借りられますか。
- 教科書の本文の音声は、家のどの機械から、どう聞けますか。学校の端末でも聞けますか。
- クラスはいまどの単元にいて、次の単元の小テストはいつ、どの範囲ですか。
- 英語のプリントやワーク、単元の小テストを家に届けてもらい、解いた物を見てもらうことはできますか。
- 家で付けている1行の記録は、どんな形で出せば見てもらえますか。
- 欠席中に家でした英語の学習を、成績の評価でどう扱うかの考え方を教えてください。
国の通知には、学習の遅れを心配した保護者から進級のときの補充の指導を求められたら、学校は柔軟に応じるように、という一節があります。中2に上がったばかりの春は、通知が書く進級の時期そのものです。プリントや小テストを頼むことに、遠慮はいりません。
学校の中で相談できるのは、担任のほかにスクールカウンセラーです。武蔵野市に住んでいる家庭は、市の教育支援センターで教育相談を受けられます。市のスクールソーシャルワーカーは家に来て話を聞き、市の学びの場であるチャレンジルーム(原則として小4から中3まで)や、市内の不登校の中学生が過ごすむさしのクレスコーレの見学にもつないでくれます。三鷹や小金井など隣の市に住む家庭は、その市の教育委員会がもっている教育相談に声をかけてください。東京都教育相談センターは都が開いている相談先で、高校生の年ごろまでの子の保護者が、不登校や学校生活のことを話せます。都内の学校に籍があれば、住まいが都の外でも相談の対象です。
1対1の授業で英語の何を確かめるか
1対1の授業では、最初の回に、家で付けた目次の印を一緒に見直します。×の単元の基本の文を講師が日本語で言い、生徒が英語で言い返す形で確かめます。すると、抜けている部品がbe動詞と一般動詞の区別なのか、主語で変わる動詞の形なのか、過去の形なのかが、一文ごとに見えてきます。戻るのは、口で言えなくなる所までで、そこが中1の最初の単元になることもあります。
学校から届いたプリントと家の1行の記録も持ってきてもらい、学校の進み方と家の勉強の順番が食い違っていないかを並べて見ます。家での音声の5分が、授業のない日にも一人で続けられる形になっているか、そこまでを確かめます。
目次の印から始める英語のまとめ
最初の頁で止まった手が次に動く場所は、中2の頁ではなく、中1の目次で最初に×が付いた単元にあります。音声で耳を戻し、形を1日1つずつ埋め、書くのは3文で止める。その繰り返しで、×は△に、△は○に変わっていきます。目次の余白に並んだ鉛筆の印が、遅れという重さを、歩いて戻れる距離に変えてくれます。
「落ち着いている」は、「学んでいる」ではない。
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