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高校生のバイトを親が許す前に決めること—成績、帰る時刻、テスト前の休み方、辞めどき|武蔵野個別指導塾

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友だちと同じ店で働きたいと高1に頼まれた日曜に、返事より先に紙へ書く四つの約束があります。午後10時から午前5時の法律の線、家に着く時刻の逆算、辞めたいと言われた夜の返し方まで、許す前の段取りが一枚の紙に収まります。

高校生のお子さまにバイトを頼まれたら、許すか許さないかの返事より先に、四つの約束を紙に書いてください。成績の条件は評定の数ではなく「提出物を期限に出す」「欠点を取らない」といった行動で決め、帰る時刻は勤務が終わる時刻ではなく家に着く時刻で決めます。テスト前の休みはシフトの希望の締め切りより前に申し出ると決め、辞めどきは、辞めたくなったときに誰が何を言うかまで決めておきます。今夜の最初の一手は、生徒手帳のアルバイトの項を、親子で一緒に開くことです。

よくあるのは、日曜の昼食の席で、高1が箸を止めて「友だちと同じコンビニで働きたい」と切り出す場面です。友だちとはもう話がついていて、入りたい曜日も、店までの道も頭の中にできあがっている。親のほうは、高校で最初の定期テストの答案を見たばかりで、勉強が回るのかが気になっています。その場で「だめ」と言えば話は終わりますが、子供は引かず、次の日曜にまた同じ話が始まります。その場で「いいよ」と言えば、あとで成績が下がったとき、何を決めていたのかを示す物が家に一つも残りません。

許す前に知っておく三つの決まり—法律、学校、家

バイトの決まりは、図1のように三つの層に分けると整理がつきます。法律は雇う側が守る線、学校の決まりは生徒が守る線、家の約束は親子で決める線です。説得の話し合いが堂々めぐりになるのは、この三つが混ざっているときです。「法律で夜まで働けるんだから」という子供の言い分と、「うちは21時まで」という親の言い分は、実は別の層の話をしています。どの層の話なのかを先に分けるだけで、言い合いはずっと短くなります。

図1 バイトの決まりは法律・学校・家の三つの層に分かれる

まず法律です。18歳未満の人の働き方について、労働基準法は雇う側にいくつかの義務を課しています。家で知っておきたいのは二つです。一つは、雇う側が、18歳に満たない人の年齢を証明する戸籍証明書を職場に備えておかなければならないこと(第57条)。採用のときに年齢のわかる書類を求められることがあるのは、この義務があるためです。何をいつまでに出すかは勤め先に聞き、書類は親子で一緒にそろえてください。もう一つは、18歳未満の人を午後10時から午前5時までの間に働かせてはならないこと(第61条)。この条には例外の定めがあるので「原則として」と付けて覚えておき、その店の働き方に当てはまるかどうかは勤め先に確かめます。

どちらの条も、主語は雇う側です。法律は、この時間帯は働かせない、という線を雇う側に引いているのであって、親が何を許すべきかまでは決めていません。そして、この時刻の線は18歳になるまでのものです。高3の途中で誕生日が来れば、法律の上では時刻の線の外に出ます。家の約束を法律の線に寄りかからせておくと、18歳になったとたんに約束ごと消えてしまうので、家の側には家の理由で線を引いておきます。

次に学校です。アルバイトを許可制にしている学校、届け出だけでよい学校、禁止している学校、長い休みの間だけ認める学校と、形は学校によって違います。どれに当たるかは、生徒手帳の校則の頁を読み、わからなければ担任の先生に聞いて確かめます。手帳には「アルバイト」という言葉で書かれていないこともあるので、「校外活動」や「届け出」の項も一緒に読んでください。許可が要る学校なら、面接より前に手続きを済ませる順番になります。順番を逆にすると、始めたばかりの仕事を途中で止めることになりかねません。

最後が家の約束です。法律と学校の決まりは外側の枠で、その内側で何をどこまで許すかは家で決めます。家の約束は法律より厳しくてかまいません。午後10時という線があっても、それよりずっと早い帰宅を家の約束とするのは親子の自由です。この内側の層に入れる約束が、成績・帰る時刻・テスト前の休み方・辞めどきの四つです。

許すまでの一週間に、家でできる手順

  1. その場で返事をせず、一週間後に紙で聞く。切り出された日曜には、許すとも断るとも言わずに、「来週の日曜までに、紙1枚にまとめて見せて」と返します。紙に書いてもらうのは、店の場所と通う道、入りたい曜日と時刻、週に何日入りたいか、テスト前はどうするつもりか、なぜ働きたいか、の五つです。子供にとっては説得の材料づくりですが、親にとっては、働くことを子供がどこまで具体的に考えているかが見える紙になります。空欄が残っていても責めず、その空欄を次の話し合いの議題にします。

  2. 生徒手帳を親子で読み、学校の手続きは本人が聞く。紙を待つあいだに、生徒手帳のアルバイトの項を親子で開きます。許可や届けが要るなら、何を出すのか(用紙、保護者の記入欄、勤め先の名前など)を担任の先生に聞くのは、子供本人の役目にしてください。親が先回りして学校に電話をすると、働くのは自分だという感覚が子供の側に育ちません。学校の答えが「禁止」だったら、その時点で話はいったん止めます。

  3. 帰る時刻を、家に着く時刻から逆に決める。図2のように、帰る時刻は三つに分けて考えます。勤務が終わる時刻、店を出る時刻、家に着く時刻です。シフトの紙に書かれるのは勤務の終わりだけですが、片付けや着替えで店を出るのが遅れる日もあり、そこに帰り道の時間が足されます。家の約束は、いちばん後ろの「家に着く時刻」で決めてください。たとえば家に着くのを21時45分と決め、帰り道に30分、店を出るまでに15分かかるなら、入れるシフトは21時に終わるものまで、と逆算できます。平日と土日で時刻を変えるなら、両方を紙に書きます。

図2 家の約束は勤務の終わりでなく家に着く時刻で決める

翌朝の起きる時刻からも逆に数えます。学校のある日の前の晩に遅いシフトが入ると、削られるのは睡眠と、その晩の課題です。家に着いてから寝るまでに、夕食と風呂と明日の支度でどれだけかかるかを、子供と一緒に書き出してください。図2の赤い縦の線は法律が雇う側に引いた線で、家の約束はそれより手前に置いてかまいません。

  1. 成績の条件を、評定の数ではなく行動で書く。「評定が下がったら辞める」という約束は、気づくのが学期の終わりになります。通知表が手元に来たときには、もう何週間も崩れたあとです。条件は、毎週か毎回のテストで確かめられる行動にします。提出物を期限までに出す、定期テストで欠点を取らない、遅刻をしない、の三つから始めれば足ります。欠点が何点からかは学校ごとに違うので、生徒手帳か担任の先生の説明で確かめてから書き込みます。確かめ方も決めておきます。答案が返ってきたら、点数のよしあしにかかわらず全教科を親に見せる、という一行を足してください。

  2. 条件を破ったときの段取りを先に決める。条件を破ったら即辞める、という約束は、守れなかったときに親子とも引っ込みがつかなくなります。段を刻んでおきます。一度目はシフトの日数を減らして一か月様子を見る、二度目は休みを取って勉強を立て直す、それでも続くときは辞めるかどうかを話し合う、という順です。何をもって「破った」とするかは、紙に書いた行動の言葉のまま判定し、その場の気分で物差しを変えないことも約束に入れます。

  3. テスト前の休みの頼み方を、面接の前に決める。学校の年間の予定表を手に入れて、定期テストの週に印をつけます。シフトの希望には締め切りがあるので、テスト前に休むなら、その締め切りより前に店に伝えなければ間に合いません。面接では「テスト前は休みをもらえますか」「シフトの希望はいつまでに出しますか」を本人の口から聞かせてください。テストの何日前から休むかは家の約束に書き、休みを頼む一言も、一度声に出して練習しておきます。

  4. 辞めどきと、辞めるときの話し方を決める。辞めどきの合図を三つ書いておきます。条件を続けて破ったとき、朝起きられない日が続いたとき、本人が辞めたいと言ったとき、です。辞めると決めたら、店長に伝えるのは本人です。いつまでに申し出ればよいかは勤め先の決まりによって違うので、働き始める前に聞いておきます。連絡をせずに行かなくなる辞め方だけはしない、と約束の紙に書き入れてください。

  5. 紙を冷蔵庫に貼り、見直す日を書く。四つの約束を書いた紙の一番下に、見直す日を書きます。最初の見直しは、働き始めて一か月後か、最初の定期テストの答案が返った週の、どちらか早いほうです。勤め先から親の同意を書面で求められたら、その書面を読んでから署名し、家の約束の紙と一緒にしまっておきます。

言葉と場面の例

「バイトなんかしたら、成績が下がるに決まってる」と言う代わりに、「入りたい曜日に、いつもは何の勉強をしているか、書き出してみて」と返します。先回りの予言は、子供に「下がらないことを証明してやる」という反発を生みます。言い換えると、削れる時間を数えるのが子供自身の仕事になり、親は数えた結果を一緒に見る側に回れます。

「評定が4を切ったら辞めさせるからね」は、「提出物の期限を落としたら、シフトを減らす話をしよう」に変えます。評定の数は学期の終わりにしか見えず、下がった理由も教えてくれません。提出物の期限は週ごとに確かめられ、落としたのがどの教科のどの課題かも、その場でわかります。

子供が「法律で夜10時までは働けるんだから、いいでしょ」と言ってきたら、「その時刻は店が守る線だよね。家に着く時刻は、うちで決めよう」と返します。法律の話を否定する必要はありません。どの層の決まりなのかを指で示すように分けると、言い合いが「何時に家に着くか」という一つの問いに縮まります。

「友だちがやるなら、まあいいか」と許しかけたら、その前に「友だちが先に辞めたら、一人でも続ける?」と聞いてください。友だちと同じ店で働く楽しさは本物ですが、それだけが理由だと、友だちのシフトが変わった日に足が止まります。答えに詰まったら、紙の「なぜ働きたいか」の欄に、友だちのほかの理由を一つ書き足してもらいます。

テストが近づいて「テストなんだから、休めばいいじゃない」と言いそうになったら、「シフトの締め切りはいつ? その前に言えるように、予定表を見よう」と言い換えます。休むかどうかではなく、いつ頼むかが問題だからです。

辞めたいと言われた夜に「だから最初に言ったでしょう」と言うと、子供は次から本当のことを言わなくなります。「何がいちばんきつい? 店長に何て言うか、一緒に考えよう」と返せば、話は責める方向ではなく、辞め方を組み立てる方向へ進みます。

やりがちな三つのずれ

一つ目は、成績が下がった日に、バイトのせいだと決めつけて、その日のうちに辞めさせることです。下がった理由は、テストの範囲の勘違いかもしれないし、もともと苦手だった単元かもしれません。理由を見ないまま辞めさせても点は戻らず、決めておいた段取りを親が飛ばしたことで、次の約束も軽く扱われるようになります。直し方は、答案を並べて、知識が抜けていた問題、時間切れで手をつけられなかった問題、うっかり落とした問題に仕分けてから、図3の段の一段目に戻ることです。シフトの入った日の翌日に出す課題ばかり落ちているなら、減らすのはその曜日のシフトです。

図3 条件を破ったら答案で原因を見てから段を一つずつ上がる

二つ目は、友だちの家の約束と比べることです。子供が「あの子の家は何時でもいいって」と言い、親が「よその家はよその家」と返す。この往復は何も決めません。比べる言葉が出たら、冷蔵庫の紙に戻ってください。うちの約束は、うちの帰り道の長さと、うちの子の朝の起き方から決めたものだ、と紙の数字で示せば、よその家の話を持ち出す意味が薄れます。

三つ目は、勤め先とのやり取りを親が肩代わりすることです。シフトの相談の電話を親がかけたり、辞める連絡を親が入れたりすると、店は本人と話す機会をなくし、本人は自分の仕事を自分で動かす経験をなくします。直し方は、本人が言う言葉を親子で一緒に作り、声に出す練習まで付き合うことです。親が勤め先と話すのは、本人が伝えても話が進まなかったときに限り、そのときも何をどこまで言うかを本人と決めてからにします。

よくある質問

高校生が「バイトを辞めたい」と言ったら、親から店に連絡してよいですか

最初の連絡は本人からにしてください。親が先に電話をすると、店は本人がどう思っているのかを聞けないまま話を進めることになります。親の出番は、店長に伝える言葉を一緒に考えることと、いつまでに申し出ればよいかを本人が勤め先の決まりで確かめたかを聞くことです。本人が伝えても話が進まないときは、家で起きていること(眠れていない、課題が出せていないなど)を本人と整理し、何を言うかを決めてから、親が勤め先の責任者と話します。

学校がアルバイトを禁止しているのに、どうしても働きたいと説得されたら

学校の決まりの外で、親が働くことを許す形にはしないでください。決まりに外れて働いていたことがわかったとき、学校で困るのは子供本人です。「親は許したのに」と言っても、学校の決まりの話は変わりません。まず、なぜ働きたいのかを紙で聞き、その理由を本人から担任の先生に相談させます。長い休みだけ認める形や、届けを出せば認める事情があるのかは、学校が決めることなので、学校に聞いてみるのが筋です。

18歳の誕生日が来たら、帰る時刻の約束はなくしてよいですか

法律の時刻の線は18歳未満について引かれているので、18歳になればその線からは外れます。ただ、家の約束はもともと、睡眠と翌日の授業から逆に数えて決めたものです。誕生日を見直しの日にして、続けるか緩めるかを親子で話し合ってください。学校の決まりが18歳になって変わるかどうかは、生徒手帳で確かめます。

学校と勤め先で確かめること

担任の先生には、次のことを本人から聞いてもらいます。

勤め先の面接では、次のことを本人の口から聞きます。

働き始めてから子供の様子が大きく変わり、家の中だけで抱えきれないと感じたら、担任の先生に話してください。スクールカウンセラーのいる学校なら、その先生にも親から相談できます。東京都に住む家庭か、都内の高校に通う生徒の家庭なら、東京都教育相談センターにも親として相談できます。高校生の年代までの子供のことを、学校生活や子育ての悩みとして話せる窓口です。

個別指導で確かめること

1対1の授業では、最初の数分で、その週のシフトの日と、学校の提出物の期限を並べて見ます。シフトの翌日が期限の課題があれば、どこまで済んでいて何が残っているかを先に確かめ、残りをその日の授業で片づけるか、家でやる分として書き出します。答案が返った週は、落とした問題を一問ずつ見て、知識の抜けか時間切れかうっかりかを本人の口で言ってもらいます。そのうえで、どの曜日の勉強が削れていたのかを一緒に突き合わせます。

まとめ

日曜の昼食で切り出された話は、その場で白黒をつけなくても困りません。家に着く時刻と行動で書いた成績の条件、締め切り前に頼むテスト前の休み、本人の口から伝える辞め方を、一週間後に受け取る紙で確かめてください。四つがそろった紙の上には、許すかどうかの答えが、親子のどちらにも読める字でもう書かれています。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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