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小学生の子供が勉強しない—宿題だけで終わる高学年の夕方を、どこから組み直すか|武蔵野個別指導塾

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玄関のランドセルと動画で始まる16時を、帰宅後15分・机の上の三つ・宿題のあとに足す10分の順で組み直す手順と、「あとで」や口ごたえへの返し方を、低学年との違いも添えて書いています。

宿題だけで終わる高学年の夕方は、勉強の量を足す前に、順番を三つ組み直します。帰ってから最初の15分、机の上に置く物、宿題のあとに足す1つです。勉強しないように見える小学生の夕方には、やる気の問題より先に、帰宅後の流れのどこにも勉強の入口が置かれていない、という形がよくあります。叱る回数を増やしても、入口はできません。今夜の最初の一手は、明日の帰宅後の最初の15分にすることを、お子さまと一緒に3行だけ紙に書くことです。

よくあるのは、ランドセルを玄関に置いたまま、小5がソファでタブレットの動画を見ている16時という場面です。連絡帳はランドセルの中で、今日の宿題がどのプリントなのか、まだ家の誰も知りません。声をかけると「あとで」、もう一度かけると「今やろうと思ってたのに」。夕食の前にようやく開いた算数のプリントは半分だけ埋まり、漢字ノートは白いまま食卓の端に寄せられます。この夕方の結末は、言い合いが始まるずっと前、16時の玄関でもう決まっています。

宿題だけで終わる夕方に、子供の側で起きていること

勉強しない小学生の夕方を一つの原因で説明しようとすると、手が打てなくなります。高学年の夕方で重なりやすい形を、四つに分けて見てください。一つだけのこともあれば、三つが同じ日に重なっていることもあります。

一つめは、帰ってから最初に触る物が勉強の側に無いことです。玄関でランドセルを下ろした手が、そのまま居間のタブレットに伸びる。動画は一本が終わると次が始まるので、終わりの区切りが子供の側にありません。最初の15分に何を触ったかで、そのあとの2時間の流れが決まりやすくなります。勉強を始める力が弱いのではなく、始める場所へ一度も戻ってこないまま、夕方が進んでいるのです。

二つめは、宿題が「終わらせる物」になっていて、その先が空白なことです。高学年になると、宿題を短い時間で片づける力はついてきます。ところが、早く終えた日に「じゃあ次はこれ」と追加が来る家では、宿題を遅らせる方が子供にとって楽になります。後回しは怠けではなく、早く終えると損をする、という学び方をした結果であることがあります。

三つめは、「自分で決めたい」が強くなる時期に入っていることです。小4から小6にかけて、言われたことに一度は反対してから動く、という様子が出てくることがあります。親の言う時刻が正しくても、自分で決めていない時刻には体が向きません。「あとで」は勉強を断る言葉というより、決める役を自分に戻してほしいという合図として聞くと、返し方が変わります。

四つめは、机の上が勉強を始められる形になっていないことです。前の日のプリント、読みかけのマンガ、充電器、消しかすの残った下敷き。勉強を始めるにはまず片づけから、となった時点で、最初の15分は片づけと言い合いに消えていきます。

図1のように、16時から夕食までの流れを横に並べると、勉強の入口になりうる所は三か所しかありません。帰宅後の15分、机の上、宿題が終わった直後です。この三か所に何も置かれていない夕方は、どれだけ声をかけても宿題だけで終わります。

図1 宿題だけで終わる夕方の流れと、入口になる三か所

家でできる手順—16時から夕食までを組み直す

組み直しは一晩で全部を変えません。下の順に一つずつ足していき、一週間たったら週末に見直します。図2は、組み直したあとの夕方の並びです。

  1. 前の晩に、帰ってからの最初の15分を3行で紙に書きます。書くのはお子さまです。「ランドセルを机の横に置く」「連絡帳と宿題を机に出す」「おやつを食べる」。親は「この3行なら毎日できる?」とだけ聞き、できないと答えた行は消します。紙は玄関の内側か、冷蔵庫の扉に貼ります。口で叱る代わりに、紙を指させるようにするための物です。

  2. 帰宅後の最初の15分は、「出すまで」で終わりにします。この15分では、まだ宿題を始めなくてかまいません。ランドセルを開けて、連絡帳と宿題を机に出し終えたら、それで15分の仕事は終わりです。始めることより出すことを先に習慣にすると、宿題の中身が机の上で見えるので、子供が自分で「今日は算数が多い」と量を読めるようになります。タブレットは、この15分のあいだは居間の充電の棚に置いたままにします。目に入る所にあると、出す前に手が伸びるからです。

  3. 机の上の物を三つにします。宿題、筆箱、宿題のあとに足す1つ(計算のプリント、漢字のノート、音読する国語の教科書のどれか)。それ以外は、机の下に置いた箱へ移します。片づけるのではなく、箱へ移すだけです。箱は一つで足り、中を整える必要もありません。机の上に三つしか無い形を、毎日16時15分に作れれば十分です。

  4. 宿題を始める時刻は、お子さまに選ばせます。「16時半と17時、どっちにする」と二つ出し、選んだ時刻をキッチンタイマーに合わせるのも本人です。親が見るのは、その時刻に机に向かったかどうかだけで、どれだけ進んだかは、この段階ではまだ問いません。

  5. 宿題が終わったら、足す1つを10分だけやります。計算、漢字、音読のどれかを曜日で回すと、何をやるかで迷いません。たとえば月・水・金は計算、火・木は漢字、土日のどちらかに音読。計算は、いま習っている単元の一つ前の計算を10問にして、かかった時間を紙の端に書きます。点数より時間を書く方が、次の日に縮んだかどうかが本人に見えます。漢字は、その週に習った字を5字、読みだけを見て書きます。音読は、国語の教科書のいまの単元を1ページ、台所にいる家族に聞こえる声で読みます。

  6. 足す1つが終わったら、そこから夕食までは好きにしてよいと決めておきます。タブレットも、このあとに充電の棚から戻します。早く終えた日に追加を出さないことは、手順の中でいちばん守りにくく、いちばん効く約束です。

  7. 学校の端末で出る宿題がある日は、宿題の画面と動画を同じ机で開かない、とだけ決めます。端末を使う宿題が終わったら、端末も充電の棚へ戻します。どの課題が端末で出るのかは、連絡帳か学校からの手紙で確かめてください。

  8. 宿題が後回しになった日は、夕食の前に5分だけ、どこまで進んだかを一緒に見ます。叱らずに「残りは夕食のあとと明日の朝、どっちでやる」と聞きます。寝る直前まで持ち越すと、疲れが次の日の16時に残ります。

  9. 週末に一度、紙の3行を一緒に見直します。守れた日に丸、守れなかった日は理由を一言だけ書きます(「友だちが来た」「習い事で遅くなった」)。決まりを変えるのはこの週末だけにして、平日に親の気分で変えないようにします。

図2 帰宅後15分、机の上の三つ、宿題のあとの1つの順

図2の並びのうち、最初の一週間は1から3までだけでかまいません。ランドセルが机の横に移り、机の上に三つが並ぶ夕方が続いてから、4と5を足します。全部を同じ日に始めると、どれが効いてどれが続かなかったのかが、親にも子供にも見えなくなります。

宿題のあとの1つを、計算・漢字・音読から選ぶわけ

足す1つを三つに絞るのは、どれも中学の勉強の土台にそのまま乗るからです。中学の数学は正負の数、文字の式、方程式と進みます。方程式は、両辺に同じ数をかける、分数を払うといった計算を何度も重ねて解くので、分数や小数の計算が止まると、考え方がわかっていても答えまで届きません。計算の10問は、中学の途中式を止めないための練習です。

漢字は、中学の理科と社会で効いてきます。教科書の用語は漢字で並び、読めない語が一つあると、その行の説明が丸ごと入ってこなくなります。小学校の漢字を読める・書けるまで戻しておくと、中学の教科書の1ページを読み終えるまでの時間が変わります。

音読を入れるのは、声に出して詰まる文は、黙って読んでも意味を取りにくいからです。国語の教科書の文を詰まらずに読めるかどうかは、算数の文章題でも、中学の英語の教科書を読むときでも同じように問われます。三つのどれから始めるかに迷ったら、お子さまがいちばん嫌がらない物を選んでください。続いた1つは、正しい順に並べただけの3つより先に効きます。

言葉と場面の例—低学年と高学年で変える言い方

言い換えは、同じ中身を、子供が自分で決める形に直すことです。低学年と高学年で変える所も入れて、六つ挙げます。

  1. 「いつまで動画見てるの」は、「この動画が終わったら、ランドセルを机の横に置こう。あと何分で終わる?」に変えます。責める問いには答えがありません。終わりの時刻を本人の口から言わせると、区切りが子供の側に生まれます。言った時刻に動けなかったら、そのときに「何分って言ってたっけ」と一言だけ返します。

  2. 「あとでって、いつなの」は、「じゃあ時計で決めよう。16時半と17時、どっち」に変えます。「あとで」を拒否として受けると、そこから言い合いが始まります。決める役を返してほしい合図として受け、二つの時刻から選ばせると、本人が決めた形のまま机に向かえます。

  3. 「わかってるって」「うるさいな」と口ごたえされたら、言い返さずに「わかってるなら、何時にやるかだけ教えて」と一つだけ聞き、その場を離れます。高学年の口ごたえに言い返すと、話は宿題から言い合いそのものに移ります。言い合いに勝っても、宿題は1問も進みません。聞くことを一つに絞り、答えが出たら引き下がる方が、次の日の16時が軽くなります。

  4. 低学年への「宿題やったの」は、「宿題、どれから出す?一緒に出してみよう」に変えます。小1から小3では、「やったか」と聞かれても、何から始めるかを自分で組み立てるところまで、まだ届いていないことがあります。出すところまで隣で一緒にやり、二週目からは親が手を出す所を一つずつ減らします。

  5. 高学年への「早く出しなさい」は、「出すところまでは自分でやって、出したら声をかけて」に変えます。小4から小6では、手伝いを引いていくことが言い換えの中身です。隣に座る代わりに、出し終えたという報告だけを受け取ります。親が見る物を減らすと、口ごたえの起きる場面そのものが減ります。

  6. 宿題が早く終わった日の「じゃあ次はこれもやって」は、「早かったね。あとは10分の1つだけで、そのあとは好きにしていいよ」に変えます。早く終えると追加が来る、と覚えた子供は、宿題を遅らせることを覚えます。足すのは決めておいた1つだけにして、早く終えた分は本人の時間として残します。

やりがちな三つのずれ

一つめは、量を足すことです。ドリルを買い足す、宿題のあとに2ページ足す。入口が無いまま量を足すと、宿題の後回しがさらに伸び、足した分は手つかずのまま机の下に積まれていきます。直し方は、量はそのままにして、順番を先に変えることです。足すのは10分の1つだけで、それも宿題が16時半か17時に始まるようになってからで遅くありません。

二つめは、罰としてタブレットを取り上げることです。取り上げると、勉強は「タブレットを奪う物」になり、勉強と動画が取り合いの関係になります。返してほしい一心で、宿題を雑に埋める日も出てきます。直し方は、取り上げる代わりに置き場所と順番を決めることです。宿題のあいだは充電の棚に置き、足す1つが終わったら戻す。本人がそれを守れたら、それ以上は口を出しません。

三つめは、日によって声のかけ方の基準が変わることです。機嫌のよい日は動画を見逃し、仕事で疲れた日に、たまっていた分をまとめて叱る。子供は決まりではなく親の顔色を読んで動くようになり、自分で始める力が育ちません。直し方は、紙に書いた3行だけを基準にすることです。言いたくなったら紙を指さし、紙に無いことは週末の見直しまで持ち越します。

図3のように、三つのずれはどれも、入口を作る前に結果だけを変えようとして起きます。左の三つを右の三つに置き換えると、16時に声をかける場面そのものが少なくなります。

図3 三つのずれと直し方、量と取り上げと日で変わる声

よくある質問

反抗期で勉強しない小学生は、何も言わずに放っておいた方がいいですか

放っておくのではなく、言う回数を減らして、言う中身を決めます。毎日口にするのは「何時にやる?」の一言だけにして、あとは紙の3行に任せます。何も言わない日が続くと、子供は見られていないと受け取り、言いすぎる日が続くと、言われるまで動かなくなります。決まった時刻に一言だけ、というのが間の取り方です。言い合いが毎晩続き、親の側がもう限界だと感じるときは、下の相談先に、親自身の話として相談してかまいません。

宿題は毎日やるのに、それ以外は何もしません。宿題だけで足りていますか

宿題を毎日終えていること自体は、夕方の土台ができているということです。そのうえで10分の1つを足すのは、中学に入ると、テストの範囲を自分で決めて回す勉強が出てくるからです。宿題の外に「自分で選んでやる10分」を小学生のうちに持っておくと、その切り替えが楽になります。いまの宿題の量で授業についていけているかどうかは、学校での様子と合わせて担任の先生に聞くのが確実です。

学童や習い事で、帰りが18時を過ぎる日があります。最初の15分はどうしますか

帰る時刻が変わっても、帰ってからの15分の中身は同じにします。ランドセルを机の横に置き、連絡帳と宿題を出すまでです。足す1つは、帰りの遅い曜日だけ翌朝の5分の音読に回すなど、曜日ごとに置き場所を変えてかまいません。帰りが遅い日に宿題も足す1つも全部やろうとすると、決まりそのものが重くなって続かなくなります。

学校と相談先で確かめること

担任の先生には、個人面談か連絡帳で、次のように聞けます。

勉強をしないだけでなく、学校へ行きたがらない朝が続く、寝つけない、食べる量が急に変わった、といった様子があるときは、勉強の手順より先に、担任やスクールカウンセラーに学校での様子を聞いてください。体の不調が続くなら、まず小児科などの医療機関です。家での関わり方を相談したいときは、武蔵野市にお住まいなら市の教育支援センターがあり、市内に住む幼児から思春期までの子供の相談を受けています。都内に住んでいるか都内の学校に通っていれば東京都教育相談センターにも相談でき、幼児から高校生の年齢までの子供と、その保護者が相談の相手です。武蔵野市の外にお住まいなら、住んでいる市の教育委員会の教育相談の窓口に問い合わせてください。

個別指導で確かめること

1対1の授業で最初に見るのは、計算と漢字が、どの学年まで戻ると止まらなくなるかです。小5なら、いま習っている単元の問題から始め、手が止まった所で、一つ前の学年の同じ種類の計算へ下ります。漢字は、教科書の文から習った字を拾って読めるかを確かめ、そのあとで書けるかを見ます。音読は、国語の教科書を1ページ読んでもらい、どの語で詰まるかを聞き取ります。

止まった場所がわかれば、家で足す1つの中身が決まります。計算なら何年生のどの計算を10問にするか、漢字ならどの学年の字から5字を選ぶか。夕方の組み直しは家で続けるものとして残し、授業で確かめるのは、その10分に何を入れるかまでです。

まとめ

勉強しない小学生の夕方は、子供の性格ではなく、16時の玄関と机の上の並びでできています。ランドセルの置き場所、机の上の三つ、宿題のあとの10分。まずは一週間、玄関に貼った紙の3行だけを続けてみてください。宿題を早く終えても追加が来ないとわかった子供は、「あとで」を、自分の時計の時刻に言い換え始めます。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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