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共通テストの途中退室—試験中にトイレや体調で席を立つと、その科目と追試験はどうなるか|武蔵野個別指導塾

試験中に手を挙げて席を立っても、休養室で続きを解く道はありません。令和8年度の受験上の注意の例では、解答開始の合図の前に申し出たかで追試験の対象の科目が一つずれるので、申し出る線は前の晩に決めておきましょう。
試験の最中でも、手を挙げて監督者に知らせ、その指示を受ければ席を立つことはできます。ただ、外に出たあとで別の部屋に移って続きを解く道はなく、令和8年度の受験上の注意では、抜けていた時間の分だけ終わりを延ばすこともしないとされていました。追試験のほうは、同じ令和8年度の例で、監督者が解答開始を指示する前に申し出た科目からが対象になり、指示の後に申し出た科目は外れて次の科目からになります。体調に不安のある朝は、席に着いて合図を聞く前に、申し出るかどうかを決めておくことが、その後を左右します。
席を立つ場面ごとに、どの年度のどの文書に書かれた決まりかを添えて並べます。
| 席を立つ場面 | 決まり | 書かれている文書 |
|---|---|---|
| 入室の締め切りから試験の終わりまで | 試験室から出られない。どうしても出たいときは挙手して監督者の指示に従う | 令和9年度 受験案内 48ページ |
| 一時退室が認められたあと | 休養室などの別の場所で解くことはできない | 令和9年度 受験案内 48ページ |
| 理科・地歴公民を2科目で登録した人の130分 | 第1と第2の間の10分は出られない。第1解答科目だけ解いて出ることもできない | 令和9年度 受験案内 8ページ |
| 席を外していた時間 | その分の試験時間は延びない | 令和8年度 受験上の注意 |
| 追試験の対象になる科目 | 解答開始の指示の前の申し出ならその科目から、後ならその科目は外れて次の科目から | 令和8年度 受験上の注意 9 |
よくあるのは、2日目の朝からお腹の具合がおかしく、理科の試験室の前まで来て足が止まる、という場面です。2科目を登録していれば、9時30分から11時40分まで同じ机に向かうことになります。途中でトイレに立ったら時間はどうなるのか、いっそ今日の理科は受けずに追試験へ回せるのか。答えが出ないまま廊下で迷っているうちに、扉の向こうでは問題冊子を配る準備が進んでいきます。
試験室を出られないのは、入室の締め切りから試験の終わりまで
令和9年度の受験案内は、試験当日の注意事項の最初の項目で、受験者の入室が締め切られてから試験が終わるまで、試験室から出られないと定めています。具合が悪い、トイレに行きたいといった理由でどうしても出たいときは、手を挙げて監督者に知らせ、その指示に従います。認められて一時的に外へ出たとしても、「休養室などでの受験はできません」と書かれています。保健室のような部屋で横になりながら続きを解く仕組みは、はじめから用意されていないということです。
締め切りの時刻そのものは、令和9年度の分がまだ出ていません。受験案内は、入室終了の時刻を12月上旬にセンターのサイトへ載せる受験上の注意で示すとしています。目安になるのは令和8年度の受験上の注意で、2日目の理科は、2科目を登録した人が9時まで、1科目の人が10時10分までに入室を終える決まりでした。この時刻で数えると、2科目の人は11時40分までの160分、1科目の人は90分、手を挙げないかぎり席に着いたままになります。令和9年度も同じ時刻だとは限らないので、12月の文書で自分の行を確かめてください。
2科目を登録した人には、もう一段の決まりがかかります。理科や地理歴史・公民を2科目で受ける場合は、解く順に第1解答科目と第2解答科目に分けて各60分で解き、間に答案を回収する時間を挟んだ130分を一つの試験時間として扱います。令和9年度の受験案内は、この間の10分にトイレなどで一時退室することはできず、第1解答科目だけを受けて途中で退室することもできないとしています。当日になって1科目だけに減らすこともできません。図1のように、2科目の人の130分は、間の10分も含めて一続きの時間です。

時間の延長の扱いも見ておきます。令和8年度の受験上の注意は、一時退室していた時間の分の延長を認めないとし、間の10分にやむを得ず出た場合でも、第2解答科目の始まりを遅らせたり時間を延ばしたりはしないとしていました。たとえば5分席を外せば、その5分はそのまま解答の時間から消えます。
席を立つときに置いていく物の決まりもあります。配られた問題冊子は、その試験時間が終わるまで試験室の外へ持ち出せず、持ち出せば不正行為になる、と令和9年度の受験案内にあります。トイレの中で冊子を見直す、ということはできません。
1日目の英語のリスニングは事情が少し違います。令和8年度の受験上の注意では、やむを得ない一時退室を認めることはあっても、問題音声は止められないとされていました。令和9年度の受験案内には、体調不良などで退室が必要な受験者が出たとき、監督者が周りの受験者に中断を指示することがあり、中断を指示された人は試験の後の再開テストを受けられる、とも書かれています。
令和9年度の追試験は2027年1月23日(土)・24日(日)に行われ、出題の方法と試験時間は本試験に準じます。会場は原則として全国を2つの地区に分けて置かれるので、原則として都道府県ごとに置かれる本試験の試験地区より、ずっと大きな区切りです。追試験について、さらに追試験や再試験が用意されることはありません。
自分の2日目のどこで席を立てないかは、登録内容と受験票で決まる
同じ2日目でも、席を立てない時間の長さは人によって違います。それを決めるのは、出願のときに自分で登録した内容です。
まず、共通テスト出願サイトのマイページで、理科と地理歴史・公民を何科目で登録したかを見ます。理科を2科目にした人は9時30分から、1科目の人は10時40分から始まり、間の10分の決まりがかかるのは2科目の人だけです。令和9年度は出願内容を訂正できる期間が10月16日に終わっているので、いまの高3と既卒生にとって、この登録は動かせない前提として扱います。
次に、令和9年度の受験票を2026年12月4日(金)10時から取得できるので、指定された試験場と、登録した受験教科の表示をそこで確かめます。令和8年度の受験上の注意では、試験室の位置は当日、試験場の入口の掲示などで確かめる形でした。トイレの場所は、入室を終える前に自分の足で見ておくしかありません。
三つめは、12月上旬にセンターのサイトに載る令和9年度の受験上の注意です。共通テストの受験上の注意はページの多い文書ですが、席を立つ場面のために読む所は三か所に絞れます。2日目の自分の科目の入室終了の時刻、一時退室の段落(延長の扱いが令和8年度と同じ書き方か)、追試験の対象になる科目の段落(解答開始の指示の前と後で分ける書き方が残っているか)です。令和8年度の文と並べて読み、違う所に線を引くと見落としが減ります。受験上の注意は当日いるのか、と聞かれることもあります。令和9年度の受験案内は、受験票を取得するときに受験上の注意もダウンロードしてよく読むよう求めています。一方で、令和8年度の受験上の注意の末尾にある当日の所持品の欄に、受験上の注意そのものは挙がっていませんでした。持っていくかどうかより、前の晩までに読み終えているかが大事です。
四つめは、志望校の募集要項です。2日目の理科・数学①・数学②・情報のうち、出願先がどの科目をどう使うかを書き出しておくと、当日の朝に「この科目を落とすと何が困るか」がすぐに見えます。理科を使う出願先があるなら、具合の悪いまま理科を受けて答案が崩れるのと、追試験に回すのとでは、重みが違ってきます。逆に出願先が使わない科目なら、登録した教科でも当日に試験時間の単位で取りやめることができ、0点ではなく受験しなかった扱いになる、と受験案内のよくある質問にあります。ただ、追試験は申し出れば受けられる物ではありません。令和9年度の実施要項は、追試験の受験は大学が所定の基準で申請の事由を審査して許可するとしています。
最後が、自分の体の記録です。過去問を本番と同じ時刻に解いた日に、何分たったころに集中が切れたか、どの大問のあたりで席を立ちたくなったかを書き残しておきます。令和8年度の時刻で数えた160分や90分を、いまの自分の体がどう過ごすかは、この記録にしか書かれていません。
いまの高2が受けるのは令和10年度試験(2028年1月15日(土)・16日(日))です。公表済みの出題方法等には2科目のときに第1・第2を各60分で解く形が示されていますが、時間割の時刻や退室の決まりを載せた受験案内はまだ出ていません。
本番までの2か月で、席を立つ場面の段取りを決めておく
本番までにそろえる段取りを、時期の順に並べます。お子さま本人がやることと、保護者が一緒に決めることが混ざっているので、家族で一度読み合わせてください。
- 11月のうちに、自分の2日目の「出られない時間」を紙に書く。登録した科目数から理科の始まりの時刻を写し、入室終了の欄は空けておきます。12月に令和9年度の受験上の注意が出たら、そこに時刻を書き入れます。
- 過去問を、2日目の時刻どおりに解く日を一度つくる。朝食、家を出る時刻、トイレに行く時刻まで本番の朝とそろえ、理科を9時30分(1科目なら10時40分)から解き始めます。たとえば2科目の人が第1解答科目の途中で10分席を外すと、60分のうち解けるのは50分です。時計を見ながら一度これを体で知っておくと、本番で「行くか、こらえるか」の判断が速くなります。
- 2026年12月4日(金)10時以降に令和9年度の受験票を取得し、試験場を確かめる。12月上旬に令和9年度の受験上の注意が載ったら、一時退室の段落と追試験の対象の段落に印をつけます。
- お腹の病気などで通院していて、出願の後に症状が出たり重くなったりした人は、受験上の配慮の申請を考える。令和9年度の受験案内は、出願後の不慮の事故等(発病や症状の悪化を含む)による受験上の配慮の申請の期間を、2026年12月10日(木)から2027年1月12日(火)17時までとしています。申請の理由が出願の後に起きた物に限られ、試験の直前の申請では希望どおりに対応できないことがある、とも書かれています。受験案内の配慮の説明では、続けて治療の要る消化器の病気なども対象の例に挙がり、座席を試験室の出入口の近くにすることや、トイレに近い試験室で受けることが例に並んでいます。何が認められるかは、センターの審査で決まります。かかりつけの医師にも早めに相談してください。
- 前の晩に、朝の具合で「申し出る」と決める線を家族で話しておく。「家を出る時点で熱がある」「駅に着くまでにトイレへ二度寄った」のように、目で見てわかる形にしておくと、当日の朝に言い合いにならずに済みます。令和8年度の受験上の注意では、許可のない保護者は試験場に入れないとされていたので、外で待つ人との連絡の取り方も決めておきます。お腹を冷やしたくない人はひざ掛けを持っていき、試験開始の前に監督者に申し出て、許可を得てから使います(令和9年度の受験案内)。
- 当日、試験室の前で迷ったら、解答開始の指示が出る前に監督者か試験場の係の人に申し出る。令和9年度の受験案内は、発熱やせきがあるなど体調が万全でないときは無理に受けず、追試験を申請するよう求めています。令和8年度の受験上の注意では、試験場に着いてから具合が悪くなった人は、監督者や試験場の担当者に申し出て指示を受けることになっていました。
図2のように、申し出が解答開始の指示の前か後かで、追試験の対象になる科目が一つずれます。令和8年度の例に当てはめると、2日目の最初の理科で、解答開始の指示の前に申し出たなら、理科から後ろの科目が追試験の対象になりえます。指示の後なら理科は外れ、次の数学①からです。どちらの場合も、受けられるかどうかは審査で決まります。

試験の途中でこらえられなくなったら、黙って手を挙げ、監督者の指示を待ちます。問題冊子は机に置いたまま出て、戻ったら残り時間を時計で確かめてから続きに入ります。終わりの時刻は動かないものとして、戻った後の分を数えてください。
朝の不調で家を出るのが遅れたときの決まりも、ここで一段落だけ確かめておきます。令和9年度の受験案内では、試験開始から20分以内の遅刻なら受験できます。ただ、理科を2科目登録した人が遅刻して入れる限度は9時50分で、それまでに入室しないと第2解答科目も含めてその試験時間を受けられません。1科目の人は10時40分の開始から20分、つまり11時までが限度です。1日目のリスニングだけは、17時20分の開始までに入室していないと受けられません。
「抜けた分は延長される」は誤り—途中退室のまわりの思い込み
一つめは、席を外した分はあとで時間を延ばしてもらえる、という思い込みです。令和8年度の受験上の注意は、一時退室していた時間の分の延長を認めないとしていました。令和9年度の受験案内も、一時退室が認められても休養室などでは受験できないと書いています。外に出ている間も時計は進み、続きを別の部屋で解く仕組みもありません。
二つめは、2科目の間の10分がトイレ休憩だ、という思い込みです。この10分は答案を回収するための時間で、令和9年度の受験案内は、この間に一時退室はできないと書いています。2科目の人が気兼ねなくトイレに行けるのは、入室の締め切りの前までだと考えておくほうが安全です。
三つめは、途中で具合が悪くなって抜けても、その科目は追試験で受け直せる、という思い込みです。途中退室と追試の関係で、いちばん食い違いが大きいのがここです。令和8年度の受験上の注意の例では、監督者が解答開始を指示した後に申し出た科目は追試験の対象にならず、次の科目からになります。理科を半分解いてから抜けたら、その理科は追試験では取り戻せません。さらに、追試験を許可された科目は本試験では受けられない、と同じ文書にあります。とりあえず本試験を受けて、だめなら追試験、と両方を手元に残す道は無いと覚えておいてください。
図3は、試験室の中でできることとできないことを、令和9年度の受験案内の書き方で並べた物です。

図3の最後の行も、思い込みが混ざりやすい所です。2科目を登録した人が、自分の判断で第1解答科目だけ解いて帰る、という形はとれません。途中で具合が悪くなったときは、ほかの時間と同じく手を挙げて、監督者の指示を待ちます。
確かめる先と聞き方
途中退室と追試験の扱いは、年度ごとの文書の数行で決まります。12月から1月にかけて、次の順で開いて、自分の場合に当てはまる行を探してください。
- 令和9年度の受験上の注意(12月上旬にセンターのサイトに掲載): 2日目の自分の科目の入室終了は何時か。一時退室の段落に、延長を認めないという一文があるか。追試験の対象の段落が、解答開始の指示の前と後で分ける書き方のままか。
- 令和9年度の受験案内の48ページと53ページ: 退室の決まりの全文と、追試験の対象者の書き方(病気やけがに、インフルエンザや風邪などが含まれていること)。
- 同じ受験案内の47ページ: 出願後の不慮の事故等による受験上の配慮の申請の期間と、申請できる理由の範囲。
- 志望校の募集要項: 2日目の理科・数学①・数学②・情報のうち、出願先で使う科目と、その使い方。
- 高校の先生: 当日の朝に具合が悪いとき、学校へ誰がどう連絡を入れるか。
- 受験票に書かれる問い合わせ先の大学と、受験案内の裏表紙にあるセンターの窓口: 2科目の130分の途中で具合が悪くなったときの後半の扱いのように、文書を読んでも自分に当てはめにくい点。令和8年度の受験上の注意では、試験場と追試験の申請についての問い合わせ先は受験票に書かれた大学、試験全般はセンターとされていました。
個別指導で確かめること
塾では、過去問を2日目の時刻どおりに解いた日の答案と、時間の記録を並べて見ます。何分目で手が止まったか、席を立ちたくなったのがどの大問のあたりだったかを一緒に書き出し、理科を2科目にした人は、第1解答科目と第2解答科目の答案を分けて、後半で崩れていないかも確かめます。12月の受験上の注意の時刻を写した紙と、マイページで確かめた登録科目数のメモも、同じ机の上で見直し、本番の朝に席を立つかどうかを決める線が紙に書けているかを確かめます。
まとめ
試験室では手を挙げれば席を立てますが、時間は延びず、別の部屋で続きを解くこともできません。追試験の対象は、令和8年度の例では申し出が解答開始の指示の前か後かで一つずれます。12月に令和9年度の受験上の注意が出たら、一時退室と追試験の二つの段落だけは家族と一緒に読んでください。途中退室で戻らないのは抜けていた時間で、追試験で戻らないのは、合図の後に申し出た科目です。
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