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共通テストの第1解答科目とは—2科目受けるときに先に解く科目で、大学の使い方が変わる|武蔵野個別指導塾

地歴公民か理科を2科目受けると、前半60分に解いた科目が第1解答科目です。1科目だけ使う大学はその点を優先して使うことがあるので、物理と化学のどちらを前半に置くかは、募集要項の理科の欄の書き方しだいです。
共通テストの第1解答科目とは、地理歴史・公民か理科を2科目受ける人が、130分の試験時間の前半の60分で解いた科目のことです。出願で登録したのは「その教科を何科目受けるか」までで、どの科目が第1解答科目になるかは、試験の当日に先に解いた順で決まります。大学が理科や地歴公民の点を1科目分しか使わないときは、この前半の科目の点を優先して使うことがあります。物理と化学のどちらを先に解くかは、出願先の募集要項を読んでから決める問題です。
前半と後半の区切りにかかわる行だけを、令和9年度の文書から拾うと次のとおりです。
| 決まり | 令和9年度の中身 | 文書 |
|---|---|---|
| 2科目と登録した人の時間 | 9時30分から11時40分までの130分で、解くのは60分ずつ | 受験案内 A3・実施要項 |
| 第1と第2の分かれ方 | 解いた順。前半の60分の答案が第1、後半の60分の答案が第2として採点される | 受験案内 よくある質問7 |
| 前半と後半のあいだ | 10分。トイレなどの一時退室はできない | 受験案内 A3 注4 |
| 大学に渡る点 | 大学の請求に応じて「第1と第2それぞれの点と合計点」か「第1の点」 | 受験案内 F4(3)・実施要項 14(3) |
| 1科目だけ使う大学 | 第1解答科目の点を優先して使うことがある | 受験案内 F4(3) |
よくあるのは、12月に入っても、2日目の理科で物理と化学のどちらを先に解くかを決めていない高3の場面です。過去問はその日の気分で順番を入れ替えてきました。力学で手が止まりそうな年は化学から、化学の計算が重そうな年は物理から。順番を尋ねると「当日の問題をめくってから決める」と返ってきます。その答えには、前半に置いた科目しか見ない出願先があるかもしれない、という確かめが抜けています。
前半の60分が第1解答科目になる—令和9年度の受験案内で決まっていること
いまの高3と既卒生が受ける令和9年度の試験では、地理歴史・公民が1日目の2027年1月16日(土)、理科が2日目の1月17日(日)に行われ、どちらも朝いちばんの時間割に入っています。受験案内の時間割では、2科目と登録した人は9時30分から11時40分まで、1科目と登録した人は10時40分から11時40分までです。130分のうち実際に解くのは120分なので、時刻を引き算すると、前半は9時30分から10時30分、あいだに10分を挟んで、後半は10時40分から11時40分になります。後半の始まりは、1科目の人の試験開始とちょうど同じ時刻です。図1は、この130分を分の長さに比例させて帯にしたものです。

図1の左側の60分が第1解答科目、右側の60分が第2解答科目です。実施要項と受験案内は、2科目を選ぶ場合は「解答順に第1解答科目及び第2解答科目に区分」すると書いています。第1と第2を分けるのは科目の名前ではなく、どちらを前半の60分で解いたかです。受験案内のよくある質問でも、2科目と登録した人は2科目分が採点され、前半の60分に解いた答案が第1、後半の60分の答案が第2として扱われると説明されています。いまの高2が受ける令和10年度試験も、公表済みの出題方法の文書では同じく解いた順に第1と第2を分けるとしています。
出願で決めたのは科目の数だけです。理科なら、出願のときに「1科目」か「2科目」かを登録し、当日はその数に従って、問題冊子に載った5科目から選んで解きます。第1解答科目という欄を出願サイトで埋めた記憶がないのは当然で、そもそもそういう登録の項目がありません。逆に、登録した科目数は当日変えられません。2科目と登録した人が当日1科目だけ受けて帰ることも、第1解答科目だけを解いて途中で退室することもできない決まりです。遅刻して入れる限度は9時50分で、これを過ぎると後半の第2解答科目も含めて、その試験時間は受けられません。
解答用紙の配り方も、前半と後半を分けています。センターの共通テストQ&Aによると、2科目の人には、前半の60分と後半の60分の解答が始まる前に、それぞれ1枚ずつ解答用紙が配られます。前半の用紙の解答科目欄には前半に解いた科目を、後半の用紙には後半の科目をマークします。前半の60分のあいだ、後半の科目の答えを書き込む用紙は机の上にありません。前半で早く解き終えても、その余った時間で後半の科目のマークを進めることはできない形です。
あいだの10分は、答案の回収などのための時間です。令和9年度の受験案内は、この10分にトイレなどで一時退室することはできないと書いています。令和8年度の受験上の注意では、この時間に問題冊子を開くこともできないとされていました。10分の過ごし方を含め、令和9年度の扱いは、12月上旬にセンターがサイトに載せる受験上の注意で確かめてください。
点の渡り方も決まっています。センターは、大学の請求に応じて、第1と第2それぞれの点とその合計点を出すか、第1解答科目の点だけを出すかのどちらかで成績を届けます。どちらの形で請求するかは大学が決めることで、受験者が選ぶものではありません。なお、2科目の合計点には段階表示が付きません。出願のときに成績の閲覧を希望した人がマイページで見る成績も、解いた順に第1と第2に分けて表示されます。
物理と化学のどちらを前半に置くか—志望校の募集要項で自分の答えを出す
令和8年度の受験上の注意には、2科目と登録した人へ向けて、志望大学の募集要項で「第1解答科目と第2解答科目の取扱いを確認の上」解く順を決めるように、という一文がありました。順番を決める材料は、受験者の好みではなく出願先の書き方にある、ということです。理科の第1解答科目を物理にするか化学にするかを決めるとき、読むものは三つあります。出願先ごとの募集要項、自分の受験票、自分の過去問の記録です。
募集要項では、共通テストで課す教科・科目の表の、理科の行と地歴公民の行を探します。そこで確かめるのは、その方式で理科を何科目使うかと、2科目受けた人の点をどう扱うかの二つです。扱いの説明は表の中に収まらず、表の下の注など、表の外の小さな字に書かれていることもあるので、表のまわりまで読みます。読んだ書き方は、次の三つの型のどれかに当てはめて整理します。
- 理科を2科目とも使う方式。第1も第2も点が届くので、順番によって使われる点が入れ替わることはありません。
- 理科を1科目だけ使い、2科目受けた人は第1解答科目の点を使う、と書いてある方式。前半に解いた科目しか合否に使われません。
- 理科を1科目だけ使うが、第1解答科目とは書いていない方式。別の決め方が書いてあればそれに従い、何も書いていなければ大学の入試の窓口に尋ねます。センターは第1と第2の両方の点を出すこともできるので、1科目だけ使う方式が第1の点だけを見るとは限りません。
同じ大学でも、方式ごとに課す科目の表が分かれていれば、型は方式ごとに読み分けます。理科の基礎の科目を前半に置き、後半に物理を解くといった組み合わせも共通テストの決まりの上ではできますが、大学によっては科目の組み合わせを制限していることがあるので、その欄も同じ頁で確かめます。地歴公民を2科目受ける人も、読み方は理科と同じです。
令和9年度の受験票は、2026年12月4日(金)10時からマイページで取り出せます。理科と地歴公民の備考欄に、登録した科目数が表示されます。理科の欄が2科目の登録になっていれば、第1と第2の区別が起きます。1科目の登録なら、当日はそもそも前半と後半がありません。令和9年度の科目数の登録と訂正の期間は10月で閉じているので、表示を見てから数を変えることはできません。ここで見るのは「自分は前半と後半を持つ受験者かどうか」という一点です。
三つめの材料が、過去問の記録です。過去3年分の本試験の物理と化学を時間を計って解いた点を、年ごとに並べます。見たいのは、平均してどちらが高いかと、年による上下がどちらで大きいかです。募集要項の型が2の方式を一つでも持っているなら、この記録が前半の科目を選ぶ根拠になります。
12月のうちに解く順を一つに決める手順
順番を決める作業は、紙1枚と募集要項の束があれば一晩で終わります。次の順で進めてください。
- 出願を考えている大学を、方式ごとに1行ずつ書き出します。列は「方式」「理科で使う科目数」「2科目受けたときの扱い(募集要項の言葉をそのまま)」「地歴公民の同じ欄」の四つです。言葉を言い換えずに写すのがこつで、「第1解答科目」と書いてあるのか、別の決め方が書いてあるのかで判断が分かれます。
- 1行ずつ、図2の分かれ道に当てはめます。2科目とも使う方式は、順番を気にせず、自分の解きやすい順でかまいません。1科目だけ使う方式は、「第1解答科目」の一語があるかを見ます。
- 一語があれば、その方式で使いたい方を前半に置くと決まります。書いていなければ大学の決め方を確認し、その答えも表に書き足します。
- 方式によって前半に置きたい科目が食い違ったときは、志望の順位が高い方式に合わせます。合わせられなかった方式のために、後半に回した科目の練習量も落とさないでおきます。
- 決めた順番で、残りの過去問を本番の時刻どおりに解きます。9時30分に前半の科目を始め、10時30分に鉛筆を置き、10分は席を立たずに座ったまま待ち、10時40分から後半の科目に入ります。解答用紙の解答科目欄に科目をマークする所まで、毎回やります。

図2の分かれ道を、ひとつの例で通してみます。たとえば、出願先の方式が三つあったとします。一つめは理科を2科目使う方式です。二つめは理科を1科目だけ使い、「2科目受けた場合は第1解答科目」と書いてあります。三つめも理科は1科目ですが、扱いの記載がありません。過去問の記録では、化学は3年とも点の上下が小さく、平均もわずかに物理を上回り、物理は年によって大きく揺れていました。一つめは順番を問いません。二つめは前半の科目しか届かないので、化学を前半に置くのが筋です。三つめは大学に尋ね、答えが第1解答科目なら同じ判断が通ります。こうして、迷っていた順番は「前半が化学、後半が物理」に一本化されます。
時間の使い方にも一言だけ触れておきます。前半と後半はそれぞれ60分で区切られ、前半で余った時間を後半へ持ち越すことはできません。先に見たとおり、令和8年度の受験上の注意では10分のあいだに問題冊子を開けなかったので、前半の手応えが悪くても、その10分は見直しではなく気持ちを切り替える時間になります。前半には点の上下が小さい方を置くという考え方は、この区切り方からも理にかないます。130分の中の細かな配分は、順番が決まってから詰めれば足ります。
保護者の方にお願いしたいのは、受験票が出たら、お子さまと一緒に備考欄の科目数と、書き出した表を並べて見ることです。「前半は化学」と本人が口に出せるかどうかを聞くだけで、決めたつもりのまま当日を迎える事態を防げます。
「得意な方を後に回せばいい」は危うい—第1解答科目のよくある思い込み
第1解答科目と第2解答科目をめぐる思い込みは、どれも前半と後半の区別を軽く見るところから生まれます。公式の決まりに照らすと、次のように答えが出ます。
一つめは、「第1解答科目は出願のときに登録してある」という思い込みです。出願で登録したのは科目の数だけで、どの科目を第1にするかは、当日の前半に何を解いたかで決まります。出願内容の控えを見返しても、物理か化学かは書かれていません。
二つめは、「大学は高い方の点を使ってくれる」という思い込みです。センターから大学への点の届け方には、第1と第2の両方と合計点を出す形と、第1の点だけを出す形があります。図3は、前半に物理、後半に化学を解いた例です。第1の点だけの形で請求する大学には、後半に解いた化学の点はそもそも届きません。高い方を使うかどうかは大学の決まりしだいで、受験者の側から当てにできることではありません。

三つめは、「得意な科目は後半に回し、手が温まってから解く方が点が伸びる」という思い込みです。1科目だけ使う方式が第1解答科目の点を優先する場合、後半に回した得意科目は合否に使われず、前半に置いた苦手な方の点で判定されることになります。手が温まるかどうかを考えるのは、どちらの点が届くかを確かめた後です。
四つめは、マークの思い込みです。令和8年度の受験上の注意では、理科の2科目の受験者が前半と後半の用紙に同じ科目をマークした場合、前半は通常どおり採点し、後半は0点(科目不明)として扱うとしていました。地歴公民で、選べない組み合わせを後半にマークした場合も同じ扱いでした。令和9年度の扱いは先に挙げた受験上の注意で確かめるとして、前半と後半で違う科目をマークする手順は、過去問の練習の段階から体に入れておきます。
確かめる先と聞き方
第1解答科目の扱いは、一つの文書にまとまっていません。受験票、受験上の注意、募集要項、大学の窓口に散らばっているので、前半の科目の点がどう扱われるかを、置き場所ごとに一つずつ拾っておきます。
- 受験票(令和9年度は2026年12月4日(金)10時からマイページで取得): 理科と地歴公民の備考欄に、登録した科目数が2と出ているか。
- 令和9年度の受験上の注意(センターのサイト・12月上旬から): 前半と後半の解答用紙の解答科目欄のマークの扱い、10分のあいだにしてはいけないこと、入室の締め切りの時刻。
- 志望校の募集要項(方式ごと): 理科と地歴公民で使う科目数と、2科目受けた人の点のうちどちらを使うか。表の下の注まで読む。
- 大学の入試の窓口(募集要項に書いていないとき): 「理科を2科目受けた場合、この方式ではどちらの科目の点を使いますか。第1解答科目ですか、それとも別の決め方ですか」。
- 高校の先生: 出願で登録した科目数と、受験票の表示が合っているか。
- 大学入試センターの問い合わせ先: 受験票の登録科目数の表示が、出願した内容と違っていたとき。令和8年度の受験上の注意では、直ちに電話で連絡するよう書かれていました。
個別指導で確かめること
塾では、物理と化学の過去問を本番と同じ順番と時刻で解いた答案を並べ、前半に置いた科目の点の上下と、10時30分の区切りで止まった小問の位置を一緒に見ます。あわせて、生徒が書き写した募集要項の言葉を原文と照らし合わせ、「第1解答科目」の一語を読み落としていないか、型を取り違えていないかを確かめます。解答用紙の見本に科目をマークする手つきも、隣で見ています。
まとめ
第1解答科目は、出願サイトのどこにも登録されず、当日どちらに先に鉛筆を向けたかだけで決まる科目です。そして、その一つの順番が、出願先によっては合否に使われる点そのものを選びます。130分の朝に最初に開く科目を、12月の机の上で選び終えておくこと。第1解答科目への備えは、その一点に尽きます。
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