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共通テストの6教科8科目とは—情報Ⅰが国立大学の原則に入った理由と、受ける科目の数え方|武蔵野個別指導塾

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英語はリーディングとリスニングを合わせて1科目、理科の基礎は二つの範囲で1科目。国立大学の原則6教科8科目を9つの枠で数え直し、情報Ⅰが加わった訳と要項で読む欄を並べています。

共通テストの6教科8科目とは、国立大学協会が国立大学の一般選抜について示した原則で、以前の「5教科7科目」に情報を足した数です。数えているのは高校の時間割に並ぶ科目ではなく、共通テストの出題科目で、英語はリーディングとリスニングを合わせて1科目、理科の基礎は二つの範囲を解いて1科目、数学は①と②で2科目になります。一人が受けられる出題科目は最大で9つあり、8はその枠を一つだけ空けた数です。公立大学と私立大学が何科目を使うかは、それぞれの大学の募集要項が決めます。

いま公表されている文書から、この問いに要る行だけを抜き出しました。

項目 決まっていること 文書
6教科8科目 国立大学の一般選抜の第一次試験で、原則として5教科7科目に情報を加えて課す。2024年度に行う入試(2025年1月の共通テストを使う入試)から 国立大学協会「2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度-基本方針-」(令和4年1月28日)
出題教科 国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語・情報の7つ。地理歴史と公民は出願の登録で合わせて1教科 大学入試センター 令和9年度 受験案内
情報 令和7年度試験(2025年1月)から出題。『情報Ⅰ』は60分100点 センター 令和8年度 実施結果の概要・令和9年度 出題教科・科目の出題方法等
受けられる科目の数 情報が加わってからは一人最大9科目 センター 令和8年度 実施結果の概要
いまの高2の試験 本試験は2028年1月15日(土)と16日(日)の令和10年度試験。出題方法は公表済みで、令和9年度と同じ中身 センター 令和10年度試験の頁・出題教科・科目の出題方法等

よくあるのは、高1の秋に配られた進路だよりの「国立大学は6教科8科目」という一行を、夕食の片づけのあとに読み返している場面です。国語、数学、英語と指を折っても、お子さまの時間割には現代の国語、言語文化、数学Ⅰ、数学A、英語コミュニケーションⅠと名前が並び、どこで区切っても8になりません。英語の聞き取りは別に数えるのか、数学は一つか二つか。お子さまに聞いても「先生がそう言っていた」としか返ってこず、高2の科目選択の希望調査の締め切りだけが近づいてきます。

数えているのは『』の出題科目—7教科と、一人9つまでの枠

8という数の正体は、大学入試センターの「出題教科・科目の出題方法等」の表の書き方を見ると見えてきます。表の下の備考には、二重かぎの『』が共通テストの出題科目、かぎの「」が高校の学習指導要領の科目を表すと書かれています。たとえば『数学Ⅱ,数学B,数学C』は、高校の三つの科目の名前を含んでいますが、共通テストでは1つの出題科目です。『歴史総合,日本史探究』も、高校の二つの科目を一つにまとめた1科目です。進路だよりの8は、この『』の数です。お子さまの時間割を数えても合わないのは、物差しが違うからです。

教科のほうは、令和9年度の受験案内に、国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語・情報の7教科と書かれています。ただし地理歴史と公民は同じ時間帯にまとめて行う試験なので、出願の登録では二つで一つの教科に数えます。この数え方にすると、情報を除けば5つ、情報を入れると6つです。国立大学協会の基本方針が言う「5教科」「6教科」の数は、この数え方とそろいます。

科目の枠には、教科ごとに上限があります。国語は『国語』の1つ。地理歴史と公民は合わせて6つの出題科目から2つまで。数学は、数学①で『数学Ⅰ,数学A』か『数学Ⅰ』のどちらか1つ、数学②で『数学Ⅱ,数学B,数学C』の1つ、合わせて2つまで。理科は5つの出題科目から2つまで。外国語は5つから1つで、英語の場合はリーディングとリスニングの二つの試験を原則として両方受けますが、数えるときは『英語』の1科目です。情報は『情報Ⅰ』の1つです。

図1のように、枠を足すと9になります。令和8年度の実施結果の概要にも、令和7年度から情報を出題したため受験者は最大9科目を受けられる、という注があります。6教科8科目は、6つの教科の欄をどれも使い、9つの枠のうち8つを埋める数え方です。空く一つの枠がどこになるかは、大学・学部の指定で決まります。

図1 6つの教科ごとの科目の枠と、合計9つの上限

数え方で迷いやすいのは、一つの出題科目の中で範囲を選ぶ2つの科目です。理科の基礎の科目は、名前に物理基礎から地学基礎まで四つの範囲が斜線でつながって並び、そのうち二つを解いて1科目と数えます。地理歴史・公民にも同じ形の『地理総合/歴史総合/公共』があり、こちらは三つのうち二つの範囲を解いて1科目です。名前に斜線が入っていたら、中で範囲を選ぶ科目の印だと覚えておくと、数え違いが減ります。

令和8年度の実施結果の概要では、8科目を受けた人は267,111人で、追試験・再試験を含めた受験者の57.6%でした。一方で情報の試験を受けた人は受験者の65.9%で、受験者の全員が情報を受けているわけではありません。

情報Ⅰが国立大学の原則に加わった訳

情報が共通テストに入った訳と、国立大学が情報を原則に入れた訳は、別々の文書に書かれています。

センターの「大学入学共通テストQ&A」は、共通テストに情報が入った経緯を三つ挙げています。高校の学習指導要領(平成30年告示)で「情報Ⅰ」が共通の必履修科目になったこと。国語・数学・英語のような基礎的な科目として『情報Ⅰ』を加えると、政府が閣議決定したこと。関係団体から意見が寄せられたこと。これらを踏まえて、文部科学省が「情報」を出題教科に決めました。

国立大学協会の基本方針(令和4年1月28日)は、大学の側の筋道を書いています。高校では2022年度から新しい学習指導要領が学年を追って始まり、「情報Ⅰ」が全ての生徒の学ぶ科目になった。共通テストに「情報」が加わるのは、センター試験の時代を含めて初めての教科の追加になる。国立大学でも、数理・データサイエンス・AIの教育が「文理を問わず」全ての学生の身に付けるべき教養として広がっている。だから情報の知識は、大学で学ぶための基礎的な力の一つとして扱われていく。この筋道の結論が、2024年度に行う入試から、国立大学は一般選抜の第一次試験で原則として6教科8科目を課す、という一文です。高校の基礎的な教科・科目の学習がどこまで身に付いたかを測るため、と目的も添えられています。

読み落としたくないのは二つです。一つは「原則として」という言い方で、例外を書く余地を残しています。もう一つは、この段が一般選抜について書かれていることです。学校推薦型選抜や総合型選抜で共通テストを使うときの科目までは、この一文では決めていません。

志望校の募集要項で、8の中身と空く枠を読む

お子さまの答えが書いてあるのは、志望校の募集要項の「大学入学共通テストの利用教科・科目」にあたる表です。呼び名は大学によって違い、選抜要項や入学者選抜の概要という名前で先に出ることもあります。読む前に、どの年度の試験の話なのかをそろえておきます。

いま大学のサイトで読める要項の多くは、いまの高3と既卒生が受ける令和9年度試験(2027年1月16日・17日)を使う、2027年4月入学の入試の物です。いまの高2が受けるのは令和10年度試験で、センターが公表しているのは試験の日付と、出題方法・問題作成方針だけです。この二つの文書は、令和9年度の物と年度の字のほかは同じ中身でした。いまの高1が受けるのは令和11年度試験(2029年4月入学の入試)で、こちらは公式の発表がまだありません。いま読める要項は、お子さまの年の見本として読むことになります。

見本が変わるときの手がかりもあります。文部科学省の令和9年度の大学入学者選抜実施要項は、共通テストを含む学力検査で課す教科・科目の変更が受験生の準備に大きく響くときは、2年程度前には予告・公表するとしています。大学のサイトの入試の変更点や予告の頁を、要項と一緒に見ておくと、見落としが減ります。

表の中で読む欄は、次の五つです。

  1. 教科と科目の数の書き方。「6教科8科目」のように数で書かれていることもあれば、教科ごとに使う科目だけが並んでいることもあります。
  2. 『情報Ⅰ』の行。全員が使うのか、ほかの科目と並んだ選択の一つなのか、使わないのか。配点も大学・学部ごとに違うので、数字は表のとおりに書き写します。
  3. 理科の行。物理・化学・生物・地学を何科目求めるか、基礎の科目を使えるか。
  4. 地理歴史・公民の行。何科目使うか、使えない科目が書かれていないか。2科目受けて大学が1科目だけを使うときは、第1解答科目を優先して使うことがあるので、その書き方も読みます。
  5. 学部・学科・日程の分かれ目。同じ大学でも、学科や前期日程・後期日程で表が分かれていることがあります。

国立大学の要項でも、原則の形とどこが違うかを探すつもりで読みます。原則である以上、表に書かれた科目の数がお子さまの答えで、進路だよりの一行より表の一行が先に来ます。

公立大学と私立大学は、国立大学協会の基本方針の外にあります。文部科学省の実施要項は、大学が共通テストで解かせる教科・科目を定めるときは、できるだけ多くの教科・科目から選んで解かせるのが望ましいとしていて、決めるのはそれぞれの大学です。科目の数を国立と同じだと思い込まずに、1校ずつ表を読みます。なお、いまの高3は令和9年度の出願内容の訂正が10月16日で締め切られているので、表と照らすのは登録済みの教科です。

9つの枠に鉛筆で書き込み、情報Ⅰを受けるかを決める

家で今日からできるのは、図1の枠を紙に写して、お子さまと一緒に埋めていく作業です。次の順で進めると、進路だよりの一行が、お子さまの科目選びの問いに置き換わります。

  1. 紙の左に、国語・地理歴史と公民・数学・理科・外国語・情報の6つを縦に書き、右に枠の四角を1・2・2・2・1・1個ずつ描きます。四角は全部で9つです。
  2. お子さまの時間割から、その枠に入る高校の科目を書き込みます。数学①の枠には数学Ⅰと数学A、地理歴史・公民の枠には習っている歴史総合や公共、というように、出題科目の名前と高校の科目の名前を線で結びます。情報Ⅰは高校の必履修科目なので、何年生で習うかを時間割で確かめます。
  3. 志望の候補を、国立・公立・私立に分けて3〜5校書き出し、それぞれの要項の表を見て、使う枠に丸を付けます。いまの要項は見本なので、丸は鉛筆で付けます。
  4. 情報Ⅰの枠をどうするかを、図2の分かれ道で決めます。
  5. 空く一つの枠がどこになるかを見て、高2の科目選択の希望と照らします。

たとえば理系に進むお子さまの一例として、『国語』『英語』『数学Ⅰ,数学A』『数学Ⅱ,数学B,数学C』『情報Ⅰ』『物理』『化学』と、地理歴史・公民から1つを受ける形を数えると8科目で、空くのは地理歴史・公民の2つ目の枠です。文系の一例として、国語・英語・数学の2つ・情報Ⅰに、地理歴史・公民から2つ、理科の基礎(二つの範囲で1科目)を受ける形を数えても8科目で、空くのは理科の2つ目の枠です。どちらも6つの教科を全部使っています。ただし、これは数え方を見るための例で、どの科目で8にするかを決めるのは大学・学部の表です。

図2 候補に国立大学があるかから、情報Ⅰの扱いを決める分かれ道

図2のように、最初の分かれ目は、志望の候補に国立大学があるかどうかです。あるなら、原則として情報Ⅰを含む6教科8科目が求められるので、受ける前提で準備を始め、要項の表で例外がないかを確かめます。ないなら、公立・私立の候補の要項で『情報Ⅰ』の行を探します。使う大学が一つでもあれば受ける側に、どれも使わないなら出願のときに決める側に回ります。高1の段階で候補が決まっていないお子さまは、国立大学を候補に残す前提で、左の枝から始めるのが無理のない順です。

出願のときに決める側でも、登録の決まりは知っておきたいところです。令和9年度の受験案内に沿って言うと、出願で登録しなかった教科は、当日に問題を解いても点が付きません。逆に、登録した教科の試験時間を当日見送っても、受験しなかったという記録になるだけで、0点が付くわけではありません。迷いが残るなら情報を登録しておく、という考え方が成り立つのはこのためです。ただし、お子さまが受ける年度の決まりは、その年度の受験案内が出てから確かめ直します。

時間の見積もりも、枠で数えると具体的になります。情報Ⅰの試験は60分で、令和9年度の時間割では2日目の最後に置かれています。情報Ⅰを受けると決めることは、2日目の夕方まで集中を切らさない練習を、高3の過去問の演習に入れると決めることでもあります。

最後に、見直す時期を家族の予定表に書いておきます。高2の科目選択の締め切りの前、高3になってお子さまの年の要項や予告が出たとき、出願の前の3回です。そのたびに、鉛筆の丸を消して付け直します。

6教科8科目で取り違えやすい四つのこと

一つ目は、8科目なら試験も8回、という思い込みです。図3のように、科目の数と試験時間の数はずれます。英語はリーディングの80分とリスニングの試験時間の2つを受けて1科目です。理科の基礎は、1つの60分の中で二つの範囲を解いて1科目です(図3では生物基礎と地学基礎を例にしました)。数学は数学①と数学②の2つの試験時間で2科目です。進路だよりの8は、試験の回数でも、解く範囲の数でもありません。

図3 英語・理科の基礎・数学で、試験時間の数と科目の数がずれる様子

二つ目は、6教科8科目はどの大学でも同じ、という思い込みです。この数を示したのは国立大学協会で、対象は国立大学の一般選抜です。しかも原則で、例外を書く余地が残されています。公立大学と私立大学の科目の数は、それぞれの大学が決めます。共通テストで情報が必要な大学を一覧で知りたい、という声はよく聞きますが、お子さまにとって確かな答えは、志望校の要項の表の一行です。

三つ目は、情報Ⅰは理系の人の科目、という思い込みです。国立大学協会の基本方針は、数理・データサイエンス・AIの教育を文系と理系を分けない教養として扱い、そのうえで情報を原則に加えました。センターのQ&Aも、国語・数学・英語と並ぶ基礎的な科目として『情報Ⅰ』を加えるという閣議決定を、出題の経緯の一つに挙げています。文系に進むお子さまでも、国立大学を候補に残すなら、情報Ⅰの枠は空けない前提で考えます。

四つ目は、7科目で足りるという古い数え方です。2024年度に行う入試より前、国立大学の原則は5教科7科目でした。共通テストの7科目を調べると、その時代の説明や、センターの出題教科が7つあるという話が混じって出てくることがあります。教科が7つ、以前の原則の科目が7つと、7が二つの意味で使われているので、書かれた日付と、何を数えた7なのかを確かめてから読みます。

確かめる先と聞き方

6教科8科目の中身を決めるのは、限られた文書と人です。9つの枠を書いた紙を手元に置いて、次の順に当たると、空く一つの枠が早く決まります。

個別指導で確かめること

塾では、お子さまの時間割と志望の候補の要項を並べた9つの枠の数え表を一緒に作り、空く一つの枠と、高2の科目選択の希望が食い違っていないかを見ます。情報Ⅰを受けるお子さまは、過去問を60分で解いた点を、ほかの科目と同じ得点の表に1行足して記録し、2日目の最後の60分でも同じ点が取れているかを、答案の書き込みの量と並べて確かめます。

まとめ

国語、英語、数学の二つ、情報Ⅰ、そして理科と地理歴史・公民。9つの枠のうち空くのは一つだけで、その場所を決めるのは志望校の表と、お子さまの科目選びです。進路だよりの「8」は、指を折って覚える数ではありません。この冬のうちに家族の机で、9つの四角を描いた紙に鉛筆で丸を付け、空く一つを指さしてください。

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