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中1と中2の内申は都立入試に関係ないのか—数えられない成績が中3の評定に残すもの|武蔵野個別指導塾

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都立の調査書の教科の欄に載るのは中3の評定だけで、中2の5も2も点に入りません。それでも学力検査の出題は3年分の内容からで、社会なら授業時数の約7割が中1から始まる分野です。

都立高校の入試で点になる調査書の教科の欄には、中3の評定しか書かれません。都教委の令和9年度の実施要綱(今の中3が2027年に受ける入試)では、2026年12月31日現在の第3学年の評定と観点別評価を書く決まりで、中1と中2の通知表の数字は推薦でも一般でも点に入りません。ただし学力検査の出題の範囲は中学校学習指導要領の内容で、中1と中2で習う単元もその内側にあります。

場面 中1・中2の成績の扱い
都立の調査書点(推薦・一般) 教科の欄は中3の評定だけ。中1・中2の評定は載らない
都立の学力検査 出題の範囲は学習指導要領の内容。中1・中2の単元も入る
調査書の諸活動の記録 3年間続けた活動や、各学年の特筆すべき活動を書ける。点にはしない
私立の推薦・併願優遇 どの学年の成績を見るかは、学校ごとの募集要項と入試相談で確かめる

よくあるのは、中2の3学期、学年末テストの範囲表が配られた日の夕食で、息子が「都立の内申って中3だけなんでしょ。今のテストはどうせ関係ない」と言い出す場面です。調べてみると、たしかに調査書に中2の数字を書く欄はありません。親は言い返す材料をなくし、範囲表をテーブルの端に寄せます。けれど、息子の言い分が当たっているのは半分までです。数字は調査書に載らなくても、中2で覚えた式や語は、4月からの中3の教室へそのまま持ち込まれます。

都立の調査書に書かれるのは中3の評定だけ

都立高校に出す調査書は、中学校長が作ります。令和9年度の実施要綱では、まず中学校が中3の生徒全員の成績一覧表を作り、教科ごとの観点別学習状況の評価(A・B・C)と5段階の評定を書き込みます。基準の日は2026年12月31日です。調査書の「各教科の学習の記録」はこの一覧表と必ず一致させる決まりなので、調査書に並ぶ9教科の評定は、どれも中3の評定です。中1の評定を書く欄も、中2の評定を書く欄もありません。推薦の調査書点も、第一次募集の調査書点も、この中3の評定から出します。観点別評価を点にする7校でも、使うのは中3の観点別評価です。

「何年生の成績からか」と聞かれたら、答えは中3です。要綱は、3学期制の学校には中3の1学期と2学期の成績を、2学期制の学校には前期の成績と後期の12月31日までの学習状況を、それぞれ十分参考にするよう求めています。どちらの制度でも、評定の材料が集まり始めるのは中3の4月で、締めは12月の末です。図1のように、中1と中2の2年間は調査書の教科の欄の外にあり、中3の1年のうち4月から12月までが評定に入ります。

図1 調査書の評定に入る時期と、学力検査の出題の範囲が届く3年間

中3の冬には、この中身が紙になって家庭に届きます。令和9年度は、中学校が2027年1月15日(金)までに「調査書記載事項通知書」で保護者に知らせる決まりです。そこに印刷されるのは中3の評定と観点別評価、総合的な学習の時間の内容と評価、諸活動の記録などで、中2の学年末についた5や2はどこにも出てきません。ですから「中1・中2の通知表の数字は都立の調査書点にならない」という言い方は、要綱のとおりで誤りではありません。つまずきやすいのは、そこから「だから中2の勉強は関係ない」まで一気に飛ぶところです。数字が消えることと、学んだ中身が消えることは、まったく別の話です。

1020点のうち、中1と中2の学習が入りこむ場所

全日制の第一次募集は、原則として学力検査と調査書点を7対3で合わせます。5教科の学力検査は1教科100点の500点満点で、これを1.4倍して700点の側に置きます。中3の評定から出す調査書点が300点の側で、そこへ ESAT-J の結果が最大20点加わり、総合得点は1020点です。図2のように並べると、中3の評定だけで決まるのは300点の側で、700点の側は3年分の内容から出る問題で決まるとわかります。

図2 7対3の学校の総合得点1020点の内訳と、3年分の内容が届く部分

700点の側に何が出るかは、実施要綱の問題作成の節に書かれています。出題の範囲は中学校学習指導要領に示されている内容により、一部の領域に偏らないように問題を選ぶ、という方針です。その学習指導要領は、数学なら「第1学年」「第2学年」「第3学年」と学年ごとに内容を分けて示しています。理科なら第1分野も第2分野も、7つの内容を中1に2つ、中2に2つ、中3に3つと割り当てています。中1と中2の単元は、出題の範囲の外ではなく内側にあります。

社会で数えてみます。学習指導要領は、中1と中2で地理的分野と歴史的分野を並行して学び、中3で歴史的分野と公民的分野を学ぶことを原則とし、授業時数を地理115、歴史135、公民100単位時間と決めています。合計350のうち、中1から始まる地理と歴史が250で約71.4%、中3だけで学ぶ公民は100で約28.6%です。偏らない出題を方針にする検査で、地理と歴史を中3の夏から始めて間に合わせるのは、時間の計算からして無理があります。

点の重さも確かめておきます。たとえば中1で習う比例の小問が1つ5点なら、700点の側では5×1.4で7点です。700点は1020点の約68.6%、調査書点の300点は約29.4%なので、総合得点のおよそ7割は3年分の内容から出る問題で決まります。ESAT-J も同じ向きです。今の中3は令和8年度に実施する回(本試験は2026年11月22日(日))を受け、その結果を令和9年度の入試で使います。音読、図を見てのやり取り、意見と理由を話す問題で口から出す英語も、多くは中1と中2で覚えた文の形で組み立てます。

令和9年度の別表には、受検者ごとに7対3と10対0の両方で計算し、高い方を選考に使う学校が北園・武蔵野北・深沢の3校あります。10対0の比率では調査書点の重さが0になるので、そこで効くのはなおさら3年分の中身です。

中3の評定は中1・中2の単元の上でつけられる

中3の評定は、要綱では中3の学年の学習指導要領の目標に照らして、どこまで実現できたかを表すものとされています。中2の評定を足したり引いたりする仕組みはありません。けれど中3の単元の多くは、中1と中2の単元を使わないと解けないように組まれていて、学習指導要領自身がそのつながりを書き込んでいます。

数学の関数は3年続きの単元です。中1で比例と反比例を表・式・グラフで表し、中2で一次関数を学び、中3の関数 y=ax² では「表,式,グラフを相互に関連付けて考察し表現すること」が求められます。図3のように、中3で新しく出てくるのは y=ax² という形で、表を作って点を打つ手つきは中1から、変化の割合を読む見方は中2から持ち越されます。方程式も同じ並びです。中2の連立方程式は中1の一元一次方程式と結びつけて解き方を考えるよう書かれ、中3の二次方程式は因数分解や平方根の考えを基にして解きます。中1の移項で符号を落とす癖が残ったまま中3に上がると、二次方程式の答えが合わない原因は中3の単元ではなく、式変形の最初の1行にあります。

図3 数学の関数と方程式が中1から中3へ積み上がる順番

理科では、中2の「化学変化と原子・分子」で化学式と化学反応式を書けるようになり、中3の「化学変化とイオン」でイオンを表す式を使います。中2で原子の記号があいまいなまま中3に入ると、イオンの単元の入り口で手が止まりやすくなります。社会の公民も、学習指導要領が地理と歴史の基礎の上に学習を進めると定めている分野です。

実技の教科にも同じ考え方があります。美術は、中2と中3では中1で身に付けた力を柔軟に生かすことを基本にし、技術分野は中3で、それまでの学習を踏まえてまとめて考える問題を扱います。中3の作品や製作の評価は、中1から積んできた道具の使い方や発想の練習の上に乗ります。

中1と中2の通知表の数字は消えても、そこで身につかなかった単元は、中3の定期テストの答案や提出物に形を変えて現れます。中3の評定は中3の学習で決まります。そして、その中3の学習がどこまで進むかは、中1と中2の積み上げに大きく左右されます。

私立の推薦・併願優遇と、中学校の校内推薦は学校ごとに確かめる

ここまでの話は都立の調査書の決まりです。私立高校の推薦や併願優遇でどの学年の成績を見るかは、都立の要綱では決まりません。東京私立中学高等学校協会の説明では、私立の入試相談は12月15日以降の数日間に中学校の先生と私立高校の間で行われ、資料になるのは内申と観点別評価、実技、特別活動、出欠などの記録で、偏差値は使いません。相談で伝えられるのは合格の可能性で、確約や内定ではありません。基準とする成績が中3のものだけか、中1や中2まで含めるのか、何教科で数えるのかは、学校ごとの募集要項と入試相談で決まります。基準の数字を学校ごとに見比べたいときは、塾のサイトの「私立高校の推薦・併願優遇の基準と偏差値 一覧(東京・神奈川・埼玉・千葉)」が入口になります。

中2のうちにできるのは、志望しそうな私立の前の年度の募集要項を1校だけ開き、基準の欄が「どの学年の」「どの教科の」評定を指しているかの書き方をつかんでおくことです。自分の年度の要項が出たら、同じ欄をもう一度読み直します。

都立の推薦にも、学校ごとに確かめる所が1つあります。推薦を受けるには中学校長の推薦が要り、校長は校内の推薦委員会などの審査を参考に推薦する生徒を決めます。その審査で何を見るかは、都の要綱には書かれていません。中1や中2の様子が話題になるかどうかも含めて、中学校ごとに違います。中3の三者面談で、校内推薦の審査で何を見るのかを担任の先生にそのまま聞くのが、いちばん確かな方法です。

都外の公立高校を受けるときは、その県の教育委員会の要綱を読んでください。ここで書いた「中3の評定だけ」は、東京都立の令和9年度の決まりです。

中1と中2のうちにしておくこと

数字が数えられない2年間は、裏を返せば、点を気にせず穴を埋められる2年間です。中3の4月に評定の材料が集まり始める前に、しておきたいことは次の5つです。

1つ目は、通知表の観点の欄を読むことです。多くの通知表では、評定の横に知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度の3つの観点が A・B・C で並びます。評定が同じ3でも、どの観点に C が付いたかで戻る先は変わります。知識・技能なら用語や計算の土台から、思考・判断・表現なら問題文を式や図に直す練習から始めます。

2つ目は、定期テストと単元テストの答案を学年ごとに綴じて残すことです。中3の1学期に二次方程式でつまずいたとき、中1の答案を開けば、移項や分配法則のどこで点を落としていたかがすぐに見つかります。捨てた答案からは、戻る先が探せません。

3つ目は、春休みに戻る単元を決めることです。中2の教科書の目次を開き、図3の関数や方程式のように中3へ続く単元と、理科の化学反応式のように中3の単元が前提にしている所に印を付けます。全部をやり直す必要はありません。印の付いた単元の基本問題を、時間を計って解き直せば足ります。

4つ目は、提出物を自分で管理する型を作ることです。中3の評定は、テストだけでなく提出物と授業での取り組みからも材料を集めます。締切を自分の手帳に書く、出した日に印を付ける、という型を中2の3学期のうちに試しておけば、中3の4月を練習なしで迎えずに済みます。

5つ目は、委員会や部活、検定の記録を日付つきでメモしておくことです。調査書の諸活動の記録には、中学校3年間の継続的な活動も書けます。点にはなりませんが、中3の冬に自己PRカードの「中学校生活の中で得たこと」を書くとき、思い出せない活動は書けません。

この5つとは別に、英語では教科書の本文を声に出して読む習慣を今のうちに付けてください。ESAT-J の最初の問題は音読で、中1の教科書の本文を読むときと同じ口の動かし方の延長にあります。読めない語は、意味も覚えにくいものです。

よくある質問

中2の成績が悪いと、中3の評定も低めにつけられるのですか

要綱は、中3の評定を第3学年の目標に照らした実現状況として書くよう定めていて、中2の評定を持ち越す決まりはありません。中3の評定の主な材料は、中3の4月からの定期テスト、提出物、授業での取り組みです。中2で2だった教科を中3で上げれば、上げた分がそのまま調査書に書かれます。評価の観点や材料の配分は学校や教科で違うので、年度の初めに配られる評価の説明の紙か、教科の先生の話で確かめてください。

今の中2が受ける入試の決まりは、もう出ていますか

ここで書いた日付と決まりは、令和9年度入試、つまり今の中3が受ける入試のものです。今の中3の年は、日程が中3の5月(2026年5月28日)に、実施要綱が中3の9月(2026年9月17日)に都教委から公表されました。中2のいま読めるのは、1学年上の要綱です。自分の年度の要綱が出たら、評定の時期と調査書の記載事項の節をもう一度読んでください。

中1や中2の部活や委員会のことは、都立の調査書に書かれますか

教科の欄とは別の「諸活動の記録」に書けます。要綱は、顕著な成果のある活動だけでなく、中学校3年間の継続的な活動や、各学年の特筆すべき活動も記入できるとしています。書くのは所見を除いた客観的な事実で、学級担任や教科担任だけでなく関係する先生の意見を合わせ、校長が確かめます。ただし都立の調査書点は教科の評定から出すので、この欄に点を足す仕組みは要綱にありません。

中2の学年末テストは、どこまで本気で勉強すればいいですか

目安は「中3の単元につながる所は解き直しまで仕上げる」です。範囲表の単元を中2の教科書の目次と照らし、関数や方程式、化学反応式のように中3で使う単元が入っていれば、点を取ったあとも間違えた問題をもう一度解きます。学年末の評定は都立の調査書には載りませんが、その答案は中3の春に戻る先を探す地図になります。

確かめる順番

今週、家庭で次の順に確かめてください。

  1. 中2の通知表をお子さまと一緒に開き、観点別評価で B や C が付いた観点を教科ごとに書き出す。
  2. 中2の教科書の目次に、中3へ続く単元(関数、方程式、化学反応式など)の印を付ける。
  3. 中1と中2の定期テストの答案を学年ごとにまとめ、間違えた問題の単元名を表紙に書く。
  4. 中3の4月、各教科の最初の授業で配られる評価の説明の紙を保管する。無ければ教科の先生に、評定の材料が何かを聞く。
  5. 都立の推薦を考えているなら、中3の三者面談で校内推薦の審査で何を見るかを担任の先生に聞く。
  6. 私立の推薦や併願優遇を考えているなら、志望校の募集要項で、基準がどの学年のどの教科の評定かを読む。
  7. 自分の年度の都立の実施要綱が出たら、評定の基準の日と調査書の記載事項の節を読み直す。

個別指導で確かめること

武蔵境の教室では、中3の単元で解けなかった問題を1問ずつ中2と中1の単元へさかのぼり、どの学年のどの1行で手が止まったかを答案を見ながら確かめます。戻る先が中1の比例なら表を作るところから、中2の化学反応式なら原子の記号を書くところから始め直します。中2の3学期に持ってきてもらう物は、範囲表と、中1からの答案の束の2つです。

まとめ

息子の「どうせ関係ない」は、通知表の数字については要綱どおりの正解で、学んだ中身については外れです。調査書の教科の欄は中3の4月から12月の評定しか受け取りませんが、学力検査の700点の側は3年分の単元を受け取り、その中3の評定も中1と中2の上でつけられます。中2の通知表の数字は調査書に載らずに消えても、中2で覚えた一次関数と化学反応式は、中3の2月の答案用紙まで手放せない道具として残ります。

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