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記述模試の判定が悪く、共通テスト型はよいとき—答案の書き方で落とす点の探し方|武蔵野個別指導塾

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共通テスト型はA判定、記述型はD判定。その差の多くは答案の外に落ちています。戻ってきた答案の減点を4種類に分け、途中の式・訳の日本語・説明の言葉で消えた点を、書き直しで取り戻しましょう。

共通テスト型の模試でよい判定が出て、記述型の模試で悪い判定が出たなら、まず疑うのは理解の量ではなく答案の書き方です。記述式では、答えにたどり着く途中の式、英文の部品を1つずつ拾った日本語、理由を最後までつないだ説明の言葉が、それぞれ点になります。戻ってきた答案の失点を「知らなかった」「書き方」「時間」「うっかり」の4つに分け、書き方の失点が多ければ、書き直しの練習で取り戻せます。知らなかった失点のほうが多ければ、共通テスト型のよい判定も選択肢に助けられていた分があると見て、範囲の穴埋めを先にします。

よくあるのは、10月の終わり、成績表が2枚並んだ机の場面です。共通テスト型の模試はA判定、少し前に受けた記述型の模試はD判定。高3の生徒は「どっちを信じればいいんですか」と聞いてきます。記述型の答案を開くと、数学の大問は答えの数字が合っているのに点が半分しかなく、英語の和訳には、採点者の線が訳の途中に何本も引かれています。知らない問題で落とした点より、わかっている問題で削られた点のほうが多い答案です。

マーク式で取れて記述式で消える点は、答えの外側にある

同じ単元を問われても、マーク式と記述式では点になる場所が違います。図1のように、マーク式では「考える」から「選ぶ」へ進めば点に届きます。記述式では、考えたことを「書く」という段がもう一つ入り、採点者はその書かれたものだけを読んで点を付けます。頭の中で正しく考えていても、紙に書かれていない筋道は採点者には見えません。共通テスト型でA判定、記述型でD判定という差の多くは、この「書く」の段で消えています。

図1 マーク式と記述式で点になる場所の違いと、減点の起きる3か所

消え方には3つの型があります。1つ目は途中の式です。たとえば「y = x² − 6x + 11 の最小値を求めよ」という問題で、余白で平方完成をして、答案には「最小値 2」とだけ書く。マーク式なら 2 を塗れば満点です。記述式では、y = (x − 3)² + 2 と変形したことと、(x − 3)² は 0 以上なので x = 3 のときにいちばん小さくなることを書きます。それが無いと、答えが合っていても点が削られることがあります。共通テスト型の練習を重ねた生徒ほど、計算を手早く済ませて答えだけを残す手の動きが身についています。それはマーク式では長所で、記述式では失点の元になります。

2つ目は訳の日本語です。たとえば「The book that my teacher gave me was difficult to read.」を「先生が私にくれた本は難しかった」と訳すと、to read にあたる「読むのが」が抜けています。「先生が私にくれた本は、読むのが難しかった」と書いて、はじめて英文の部品がすべて日本語に写ります。意味はおおよそ取れていても、写っていない部品の分だけ減点されます。マーク式の和訳の問題なら、選択肢を見比べて近いものを選べば足ります。記述式では、英文のどの語にも日本語のどこかに居場所があるかを、書いた本人が確かめなければなりません。英語の語順のまま日本語を並べ、日本語として読めない訳になっている答案も、採点者が意味を取れなければ点になりません。

3つ目は説明の言葉の足りなさです。たとえば英語の長文で「筆者が驚いた理由を説明しなさい」と問われ、「雨が降ったから」とだけ書く。本文に「その町では夏のあいだほとんど雨が降らない」とあれば、点が付くのは「ほとんど雨の降らない季節なのに、雨が降ったから」まで書いた答案です。驚きは「ふだんと違う」ことから生まれるので、ふだんの側を書かなければ理由として閉じません。記述式の採点は、1つの答えをいくつかの要素に分け、要素ごとに点を置いていることが多いです。解説の冊子に採点の基準が載っていれば、どの要素に何点あったかが読めます。

マーク式の問題では、選択肢が言葉を用意してくれます。「ほとんど雨の降らない季節なのに」という言葉は、正解の選択肢の中にすでに書かれていて、生徒は見て選べば済みます。記述式では、その言葉を自分で組み立てなければなりません。共通テスト型の点がよいのは、内容を理解している証拠であると同時に、選択肢の言葉に助けられていた結果でもあります。どちらの割合が大きいかは、記述型の答案の失点を分けてみるまでわかりません。

2つの模試では受ける人の顔ぶれも違い、それが判定の文字を動かすこともあります。ただ、顔ぶれは自分では変えられません。変えられるのは自分の答案なので、まず答案の中で点が消えた場所を探します。

戻ってきた答案で、書き方で消えた点を拾い出す手順

記述型の模試は、採点された答案が成績表と一緒に、または答案の画像として戻ってくることがあります。戻ってきたら、次の順で仕分けます。図2は、そのうち仕分けと書き直しの流れを描いたものです。1科目ずつ、1回机に向かうあいだに手順の4まで終わらせるのが目安です。

図2 戻ってきた答案を仕分け、書き方の失点を書き直すまでの流れ
  1. 成績表より先に、答案と解説の冊子を机に出します(5分)。判定の文字を先に見ると、答案を「D判定の答案」として読んでしまい、どこで点が消えたかを探す前に、気持ちが沈みます。成績表は手順の4まで裏返しておきます。
  2. 満点でない設問すべてに印を付けて、数を数えます(15分)。減点の跡は3つで読みます。答えの横の部分点の数字、採点者が線を引いた部分、余白の短い指摘です。線が引かれた場所は、採点者が「足りない」か「違う」と見た場所です。跡の書き方や記号の意味は模試によって違うので、答案と一緒に届く説明か解説の冊子で確かめます。たとえば英語・数学・国語の3科目で、満点でない設問が 24 個見つかったとします。
  3. 1問ずつ、採点の基準か模範解答と見比べて、下の表の4つに分けます(1科目30〜40分)。分けるときの問いは1つです。「同じ問題を、時間を気にせずもう一度解いたら、満点の答案が書けるか」。書けないなら知らなかった失点、書けるなら残りの3つのどれかです。
  4. 「書き方」に入った失点を科目ごとに足し、「知らなかった」の合計と比べます(10分)。たとえば書き方の失点が英語 16 点、数学 22 点、国語 9 点で合計 47 点、知らなかった失点が合計 30 点なら、書き直しから始めます。逆に知らなかった失点のほうが多ければ、記述型のD判定は書き方ではなく範囲の穴を映していて、共通テスト型のA判定にも選択肢に助けられた分があると考えます。その場合は手順の5と6より先に、教科書の単元へ戻ります。ここではじめて成績表を表に返し、判定の文字と科目ごとの点を見ます。
  5. 書き方の設問を、解答を閉じて書き直します(1問10〜15分、1日に3問まで)。書き終えたら採点の基準を開き、要素ごとに自分の答案へ○か×を付けます。×の要素には、なぜ書かなかったのかを余白に一言で書きます。「頭の中で済ませた」「抜けに気づかなかった」「欄が足りないと思った」。この一言が、次の答案で手を止める合図になります。
  6. 1週間後、同じ設問を白紙から書きます(1問10分)。採点の基準の要素がすべて入っていれば、その設問は終わりです。1つでも抜けたら、手順の5に戻します。1回目の書き直しは直前に解答を見ているので、書けて当然です。1週間あけて書けるかどうかのほうが、本番の答案で書けるかどうかに近い確かめになります。
  7. 毎週、新しい記述の問題も解きます。模試の書き直しだけでは、同じ問題に慣れて終わるからです。下の2つ目の表は、高3の10月に平日の自習が4時間ほど取れる生徒で、塾が始めに組む1週間の例です。
失点の種類 答案に残る跡 次にやること
知らなかった 白紙、的外れの答え、使うべき公式や構文に気づいていない 教科書と問題集の該当の単元に戻る
書き方 答えは合っているのに部分点、訳の一部に線、理由が途中で切れている 採点の基準と見比べ、解答を閉じて書き直す
時間 最後の大問が空白、途中で式が止まっている 解く順と大問ごとの時間を決め直す
うっかり 計算の写し間違い、つづりの誤り、問われた形と違う答え方 見直しに使う時間を最初から取っておく
曜日 やること 時間の目安
月 模試の書き方の設問を3問書き直す 40分
火 過去問か問題集の記述を1問、最後まで書き切る 30分
水 模試の書き方の設問を3問書き直す 40分
木 新しい記述を1問書き切る 30分
金 書き直しの残りと、×が付いた要素の確かめ 40分
土 1週間前に書き直した設問を白紙から書く 40分
日 書いた答案を学校か塾の先生に1問見てもらう 20分

40分で3問が終わらないなら2問に減らし、書き方の設問が早く尽きたら、新しい記述の問題を1日1問に増やします。部活や学校の課題で平日の時間が取れない週は、月・水・土の3日だけを残します。どの形にしても、書き直しと白紙からの書き直しの間を1週間あける点だけは崩しません。

共通テスト型の判定のほうが悪いときは、時間と選び方を先に疑う

逆の形もあります。記述型はB判定なのに、共通テスト型はD判定。この形では、理解より先に、時間と選び方を疑います。

2027年1月16日(土)・17日(日)の共通テストの本試験で、英語のリーディングは80分で100点、リスニングは60分(解答に使うのはそのうち30分)で100点です。記述型の模試は1問ずつ考える時間がとれ、途中まで書けば部分点が付くこともあります。マーク式では途中まで考えた分が点になることはほとんどなく、決められた時間の中ですべての問題に答えを出さなければなりません。記述型で取れて共通テスト型で取れないなら、内容はわかっていても、時間の中で答えを出し切れていないか、似た選択肢の違いを読み落としているかのどちらかであることが多いです。

見るのは問題冊子の書き込みです。どの大問で書き込みが途切れているか、どの問題で迷って印を付けたか、自己採点の点と成績表の点が合っているかを確かめます。書き込みが最後の大問の手前で途切れていれば時間の失点、迷った印の問題で落としていれば選び方の失点、自己採点と点が合わなければマークのずれです。次に共通テスト型の問題を解くときは、大問を始めるたびに余白へ時刻を書いておくと、どこで時間が消えたかが紙に残ります。リスニングの点だけが低いなら、リーディングとは別に、音声を聞いて答える練習の時間を週の中に取ります。

志望校の配点で、2つの判定の重さを量る

どちらの判定を重く見るかは、志望校の配点で決まります。配点は大学・学部・方式で違い、年度で変わることもあるので、下の例Aと例Bのどちらに近いかは、受ける年の募集要項の配点の表を開くまでわかりません。共通テストのリーディングとリスニングをどの比で合わせるかも、大学ごとに募集要項に書かれています。ここでは重さの量り方だけを、作った数字で示します。

図3の例Aは、たとえば共通テストの満点の合計 800 点を 200 点に縮めて使い、記述式の個別試験を 400 点満点で採点する志望校です。合計 600 点のうち、個別試験が 400 点で3分の2を占めます。共通テストで 10 点落としても、合計では 10 × 200 ÷ 800 で 2.5 点しか減りません。個別試験の 10 点は、10 点のまま減ります。この志望校なら、記述型のD判定のほうがずっと重い知らせです。

図3 共通テストと個別試験の配点の比で、どちらの判定が重いかが変わる

例Bは、共通テストの 800 点をそのまま使い、個別試験が 200 点の志望校です。合計 1000 点のうち共通テストが5分の4を占め、共通テスト型のA判定のほうが重く効きます。それでも個別試験の 200 点は残るので、記述の練習をやめてよいわけではありません。重さに合わせて、週の中の時間の配分を変えます。

私立大学の一般選抜では、大学独自の問題がマーク式のところも、記述式のところもあります。併願する大学それぞれについて、問題の形を過去問で、配点を募集要項で確かめておくと、2つの模試の結果をどの大学に当てて読めばよいかが決まります。共通テスト型の判定が共通テストの点だけで出ているのか、記述型の判定が何と何を合わせて出ているのかは、2枚それぞれの成績表の説明欄に書かれています。D判定の1枚で志望校を動かすかどうかを決めるのは、模試ではなく、配点と答案を見た本人と家族です。

記述型のD判定のあとで、手が止まりやすい4つの場面

1つ目は、判定の文字だけを見て答案を開かないことです。D判定の紙を見た日は、答案を見たくなくなります。そのまま次の模試を待つと、同じ書き方で同じ点が消えます。答案は成績表より先に開く、と順番を決めておきます。1科目だけでも、その日のうちに手順の2まで進めれば、何が起きたかの見当はつきます。届いた日に全部をやろうとせず、英語なら英語の答案1枚に絞れば、開くまでの重さはずいぶん軽くなります。

2つ目は、模範解答を読んで「わかった」で終わることです。模範解答の言葉は読めば納得できますが、読めることと書けることは別の力です。書き方の失点は、読んで理解したあと、自分の手で書いてはじめて減ります。たとえば訳の問題なら、模範解答を読んだあとで紙を裏返し、英文だけを見て訳を書き直します。解答を閉じ、自分の言葉で書き、採点の基準の要素と1つずつ照らすところまでを1回と数えます。

3つ目は、自分の書き直しに甘く○を付けることです。「だいたい同じことを書いた」で○を付けると、要素の抜けが残ります。言葉が違っても中身が入っていれば○、中身が入っていなければ、どれだけ雰囲気が近くても×、と決めておきます。○か×かで迷ったら×にしておきます。×のほうが、次の書き直しで同じ要素を書き足すきっかけになるからです。迷う答案は、週に1問でよいので先生に見てもらいます。自分の目だけで採点していると、自分の書き癖は見えません。

4つ目は、記述が苦手だからと、マーク式の問題の量を増やして落ち着こうとすることです。マーク式の問題を解く量を増やすと、共通テスト型の点はさらに上がるかもしれません。それでも記述型の答案の書き方は1行も変わりません。志望校の配点で個別試験が重いなら、マーク式の量を少し削ってでも、1日1問は記述を書き切る時間を取ります。たとえばマーク式の問題を1日に2回分解いているなら、そのうち1回分を記述の1問と、その書き直しに置き換えます。

確かめの問題

問1 記述型の模試で、英文「My grandmother has lived in this town since she was ten.」を「祖母はこの町に住んでいる」と訳し、部分点だった。抜けている部分を指摘し、訳を書き直しなさい。

問2 たとえば、共通テストの満点の合計 600 点を 300 点に縮めて使い、記述式の個別試験を 300 点満点で採点する志望校があるとする。共通テストの合計を 36 点伸ばす場合と、個別試験で 20 点伸ばす場合では、合計点はどちらが多く増えるか。

問3 英文「She usually got up at seven, but that morning her alarm clock did not ring.」について、「彼女がその朝いつもの時刻に起きられなかった理由を説明しなさい」という設問に「寝坊したから」と答え、点が付かなかった。何が足りないかを答え、書き直しなさい。

答えと考え方

問1 since she was ten の「10歳のときから」が抜けています。has lived は、昔から今まで住み続けていることを表すので、「祖母は10歳のときから、ずっとこの町に住んでいる」と書き直します。英文の部品ごとに、日本語の側に居場所があるかを確かめると、抜けに気づけます。

問2 共通テストの 36 点は、合計では 36 × 300 ÷ 600 で 18 点です。個別試験の 20 点は 20 点のまま加わるので、個別試験で 20 点伸ばすほうが多く増えます。共通テストの点が縮めて使われるときは、縮める比をかけてから比べます。

問3 「寝坊したから」は、起きられなかったことを別の言葉で言い換えただけで、理由になっていません。英文に書かれた理由は、目覚まし時計が鳴らなかったことです。「その朝は目覚まし時計が鳴らなかったから」と書き直します。理由を問われたら、英文のどの部分が理由にあたるかを指で押さえてから書きます。

保護者が家でできること

2枚の成績表を見比べて「共通テストはAなのに、どうして記述はDなの」と聞くと、お子さまは答えられません。本人にもまだわからないからです。代わりに「戻ってきた答案で、いちばん点が削られていたのはどの問題だった」と、答案の中身を聞いてください。その一言が、答案を開くきっかけになります。

確かめ方は、点ではなく印の数です。手順の3で4つに分けた印を、種類ごとに数えて教えてもらいます。「書き方」の印が多かったと聞いたら、それは書けば戻る点が多いということなので、そのまま伝えてかまいません。1週間後に白紙から書き直した設問の数も、週末に一言だけ聞きます。毎日聞くと、点検される側の気持ちになって答えが短くなります。

言わないほうがよい言葉は3つあります。「A判定があるから大丈夫」は、記述の練習を後回しにする理由になります。「記述は捨てて共通テストで勝負したら」は、志望校の配点を見ないまま重さを決めてしまいます。「志望校を下げたほうがいいんじゃない」は、判定の文字だけで決める言葉です。志望校を動かすかどうかは、配点と答案の中身を並べたうえで、本人と家族が話し合って決めます。言い換えるなら「志望校の配点だと、どっちの模試が重いのか一緒に見てみよう」です。募集要項を一緒に開くことは、家でいちばん手を出しやすい手伝いです。

個別指導で確かめること

書き直した答案を講師の前で声に出して説明してもらい、「なぜその式を書いたか」「その訳の語はどの英単語から来たか」に答えられるかを確かめます。説明できない要素が残るなら、書き方ではなく理解の穴なので、その単元の教科書の例題まで戻って解き直します。途中の式が書けない場合は、計算を声に出しながら1行ずつ答案に書く練習を、講師の前で1問やってから帰ってもらいます。

まとめ

マーク式で取れて記述式で消えた点は、知らなかった点ではなく、頭の中にあったのに紙に出なかった点であることが多く、答案の線と部分点の数字がその場所を指しています。成績表を伏せたまま、まず答案の余白から書き直してください。A判定とD判定のあいだの距離は、書かれなかった一行の数でできています。

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