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模試の判定が下がったときの見方—前回より下がった原因を4つに分ける|武蔵野個別指導塾

B判定からD判定に落ちても、原因は範囲・顔ぶれ・目安・失点の4つに分けられます。2枚の成績表を並べる7つの手順と1週間の直しの表で、直す点を自分の失点だけに絞ってください。
判定が下がった成績表は、伏せる前に、下がった分を4つに仕分けてください。模試の範囲が広がった、受けた人の顔ぶれが変わった、志望校の目安が変わった、自分の失点が増えた、の4つです。点がほぼ同じなのに判定だけが落ちたなら、顔ぶれと目安から疑います。点そのものが落ちたなら、範囲と失点から疑います。前の3つは確かめて印をつければ済み、手を動かして直すのは失点だけです。前回と今回の成績表と、今回の問題と解答解説を机に並べれば、仕分けは45分ほどで終わります。
よくあるのは、高2の冬、B判定からD判定に落ちた成績表を机に伏せたまま、別の教科のワークを開いているという場面です。文字が2つ下がったと知った時点で、自分の点も平均点も、まだ一度も読まれていません。伏せた紙は、次の模試の申し込みが来るまで裏返されないこともあります。けれども、その1枚と問題を並べれば、どの科目のどの大問で何点を落としたのかが全部わかります。下がった理由をいちばんよく知っているのは、伏せられたその紙です。
判定の文字は、自分の点とまわりの点と志望校の目安で決まる
判定の文字は、自分の点だけで決まるものではありません。模試は、自分の成績を志望校の目安と比べ、その差の大きさを文字に置きかえています。目安が点で示されるのか偏差値で示されるのか、文字がどんな区切りで決まるのかは模試ごとに違うので、受けた模試の成績表の説明欄で確かめます。押さえておきたいのは、文字を動かす物が3つあることです。自分の点、まわりの点、そして志望校の目安です。
この3つのどれが動いても、文字は動きます。だから、前回より下がった原因は次の4つに分けられます。
- 範囲:模試の出題範囲が広がり、まだ授業で習っていない単元や、手薄な単元の大問が入った。
- 顔ぶれ:受けた人が入れ替わったり、まわりの点が上がったりして、同じ点でも偏差値が下がった。
- 目安:志望校の欄の書き方が前回と違った。または、模試の側が目安を見直した。
- 失点:習った範囲で、計算の誤りや時間切れなど、自分で落とした点が増えた。
図1のように、範囲と失点は自分の点を下げ、顔ぶれはまわりの点を押し上げ、目安は比べる相手の位置を動かします。どれか1つが動くだけで、文字は下がります。

4つのうち、範囲と顔ぶれと目安の3つは、自分の勉強ぶりとは別のところで判定を動かします。範囲から見ていきます。模試の範囲は模試の側が決めるもので、学校ごとの授業の進み方に合わせて作られてはいません。冬の回には、学校によってはまだ授業が届いていない単元が入ることがあります。習っていない単元の大問で点が取れないのは、勉強が足りないからではなく、まだ教わっていないからです。ただし、学校で習い終えた単元なら話は別で、そこで落とした点は失点の側に入れます。範囲が広がると、前回まで点を稼いでいた得意な単元の大問が小さくなる、ということも起きます。
顔ぶれは、偏差値という数の性質から来ます。偏差値は、平均点からどれだけ上か下かを、点の散らばりを物差しにして表した数です。同じ点でも、平均点が高い回ほど偏差値は低く出ます。回によって受ける人は入れ替わり、学校で全員が受ける回もあれば、申し込んだ人だけが受ける回もあります。問題が易しくなって平均点が上がることもあります。どちらの理由であっても、自分の点が止まったまま平均点が上がれば、偏差値は下がります。
目安は、志望校の欄から来ます。前回は第1志望に文学部を書き、今回は同じ大学の別の学部を書いていたなら、目安そのものが別の物に替わっています。書き方を変えたつもりがなくても、書き間違い1つで別の学部の判定が出ていることがあります。書き方が同じでも、模試の側が目安を見直すことがあります。目安が上がれば、自分の点が同じでも差は広がります。
最後の失点だけが、自分の勉強でじかに減らせる部分です。計算や写しの誤り、解き方が出てこなかった設問、時間が足りずに手をつけられなかった大問。ここは次の模試までに減らせます。下がった分を全部失点として扱うと、まだ習っていない単元を急いで独学で埋めにいったり、動かせない平均点を相手に落ち込んだりして、本当に直せる点に回す時間が削られます。教室で成績表を見るとき、点を読む前に4つの箱を用意するのはそのためです。
前回と今回の成績表を並べ、下がった分を4つの箱に仕分ける
用意するのは、前回と今回の成績表、今回の問題と解答解説、赤と青のペンです。仕分けは次の7つの手順で進めます。時間は、教室で生徒と一緒に進めるときの目安です。
- 判定の欄を紙で隠し、2枚の成績表を左右に並べます(1分)。文字が先に目に入ると、点を読む前に気持ちが決まってしまうからです。判定は、手順7で最後に一度だけ見ます。
- 志望校の欄を見比べます(3分)。大学名、学部、学科まで1字ずつ指でたどります。前回と違う書き方になっていたら、「目安」の箱に印をつけます。同じなら、目安の数字が成績表に載っている模試では前回の値と並べ、上がっていれば同じく印をつけます。目安がどこにどう載るかは模試ごとに違うので、説明欄で確かめます。
- 出題範囲を見比べます(5分)。範囲は模試の案内で確かめます。今回から加わった単元に青で線を引き、その単元を学校で習ったかを、教科書の目次と授業のノートで確かめます。習っていない単元の大問があれば、「範囲」の箱に印をつけます。
- 科目ごとに、点の差と偏差値の差を並べます(5分)。点がほとんど動いていないのに偏差値だけが下がった科目は、「顔ぶれ」の箱に印をつけます。解答解説などに設問ごとの正答の割合が載っている模試なら、多くの人が取れた設問を自分が落としていないかも見ます。落としていれば、その設問の点は失点の箱に入れます。
- 今回落とした点を、大問ごとに4種類に分けます(20分)。答案を1問ずつ見て、落とした点を「習っていない単元」「計算や写しの誤り」「解き方が出ない」「時間切れ」に振り分け、点数を書き出します。習っていない単元の分は範囲の箱へ、残りの3種類は失点の箱へ入れます。
- 失点の箱に入った点だけで、次の1週間の直しを割り振ります(10分)。範囲・顔ぶれ・目安の箱に入った分は、ここでは扱いません。
- 最後に判定の欄を見ます(1分)。4つの箱の中身を知ったあとで文字を見ると、なぜ下がったのかを自分の言葉で言えます。
図2のように、前の4つの手順は並べて確かめるだけで、手を動かして直すのは手順5と6で取り出した失点だけです。

たとえば、各科目100点満点の模試で、前回(秋)と今回(冬)を並べると次のようになったとします。標準偏差は、どの科目も前回と今回で同じ(英語14点・数学20点・国語16点)とした例です。
| 見る所 | 前回(秋) | 今回(冬) | 差 | 入れる箱 |
|---|---|---|---|---|
| 英語の点 | 68 | 67 | -1 | |
| 英語の平均点 | 54 | 60 | +6 | |
| 英語の偏差値 | 60.0 | 55.0 | -5.0 | 顔ぶれ |
| 数学の点 | 62 | 45 | -17 | |
| 数学の平均点 | 50 | 47 | -3 | |
| 数学の偏差値 | 56.0 | 49.0 | -7.0 | 範囲と失点 |
| 国語の点 | 60 | 62 | +2 | |
| 国語の平均点 | 56 | 54 | -2 | |
| 国語の偏差値 | 52.5 | 55.0 | +2.5 | 入れない |
| 3教科の合計点 | 190 | 174 | -16 | |
| 志望校の欄 | 第1志望の学部 | 前回と1字も同じ | なし | 入れない |
| 判定 | B | D | 2つ下がった | 手順7で見る |
英語は点が1点しか下がっていないのに、偏差値は5下がりました。前回は平均点より14点上で、14点は標準偏差1つ分なので偏差値は60.0です。今回は平均点より7点上で、標準偏差の半分なので55.0です。下がった5のほとんどは、平均点が6点上がった側から来ています。数学は逆で、平均点が3点下がっているのに、自分の点は17点下がりました。まわりのせいではないので、落とした点の中身を見に行きます。今回の数学で落とした55点を手順5で仕分けると、習っていない単元の大問が20点、計算や写しの誤りが14点、「解き方が出ない」が13点、時間切れが8点でした。範囲の箱に20点、失点の箱に35点が入ります。
ここで並べたのは、同じ模試の前回と今回です。主催の違う模試どうしは問題の形も受ける人も違うので、この表に並べて差を出すことはしません。
手順6では、失点の箱の35点と、手順4で見つかった、英語で多くの人が取れていたのに落とした設問を、次の1週間に割り振ります。たとえば部活のある高2が平日の夜に進めるなら、次のような形です。
| 曜日 | やること | 時間 |
|---|---|---|
| 月 | 計算や写しの誤りの14点を、答えを見ずに解き直し、誤った行に赤で印をつける | 25分 |
| 火 | 解き方が出なかった13点を、解説を読んでから閉じ、何も見ずに解き直す | 30分 |
| 水 | 時間切れの8点の大問だけを、時間を計って解く | 20分 |
| 木 | 英語で、多くの人が取れていたのに落とした設問を解き直し、落とした理由を1行で書く | 25分 |
| 金 | 月曜から木曜に解き直した設問を、もう一度何も見ずに解く | 30分 |
| 土 | 習っていない単元を学校でいつ習うかを、授業の予定表で確かめて手帳に書く | 5分 |
| 日 | 金曜にまた解けなかった設問だけを解く | 20分 |
毎日の時間が取れない週は、金曜の解き直しを土曜に回し、日曜を休みにして構いません。大事なのは、範囲の箱の20点をこの1週間に入れないことと、金曜にもう一度何も見ずに解く日を残すことです。
判定が上がらないまま続いたとき
2回、3回と判定が上がらないときは、文字ではなく、毎回の失点の箱の点数を並べます。仕分けを毎回続けていれば、失点の箱の点だけを取り出せます。たとえば失点が1回目37点、2回目36点、3回目38点と、ほとんど減っていないなら、直し方そのものを疑います。よくあるのは、解説を読んでうなずいたところで直しを終えていて、何も見ずに解き直していない場合です。符号の写し間違いのような同じ種類の誤りが、毎回同じくらいの点数ぶん出ていないかも見ます。
失点の箱が減っているのに判定が上がらないなら、範囲・顔ぶれ・目安のどれかが動き続けています。高2から高3にかけては範囲が回ごとに広がるので、教室でもよく見る形です。その場合は、習っていない単元を学校で習い終える時期を確かめ、その後の模試で、範囲の箱に入れていた点が失点の箱へ移ってくるかを見ます。
志望校を変えるかどうかは、判定の文字だけで決めることではありません。決めるのは本人と家族です。成績表から言えるのは、何が動いて文字が下がったのか、というところまでです。
下がった分を全部「自分のせい」にすると、直す点がぼやける
判定が下がった後のつまずきは、だいたい次の4つに分かれます。
1つ目は、判定の文字だけを見て、成績表を伏せてしまうことです。伏せたままの1週間は、何も直されないまま過ぎていきます。こう変えます。成績表が届いたら、判定の欄を紙で隠し、点と平均点から読みます。手順1のとおり、文字は最後に見ます。順番を入れ替えるだけで、紙を伏せる理由がなくなります。
2つ目は、下がった分を全部失点として扱い、全科目を一からやり直そうとすることです。全科目のやり直しは時間ばかりかかり、本当に落とした設問にたどり着く前に次の模試が来ます。こう変えます。図3のように、数学で落とした55点を仕分けると、今週の机で直すのは失点の35点だけで、範囲の20点は学校で習うまで置いておけます。直す点数が数字で決まれば、1週間の表に収まります。35点ぶんの設問の番号を表の横に書き写しておくと、どこまで解き直したかも目で追えます。

3つ目は、習っていない単元の点を、すぐに独学で埋めにいくことです。焦って先に進むと、習った範囲の取りこぼしが手つかずのまま残ります。こう変えます。まず、その単元を学校でいつ習うかを授業の予定表で確かめます。習う時期が次の模試より後なら、その単元は次の回でも範囲の箱に入ると割り切り、失点の箱を先に空けます。担任から学校の進み方が受験に間に合わないと聞いている場合は話が別で、そのときは先取りの計画を別に立てます。
4つ目は、判定を戻したくて、次の回に志望校の欄の書き方を変えてしまうことです。欄の書き方が変われば目安も替わり、前回と比べる物差しがなくなります。こう変えます。第1志望の書き方は前回と1字も変えずにそろえます。別の学部の判定も見たいなら、志望校を何校か書ける模試では、別の欄に足します。目安が動いたのかどうかを確かめたい回ほど、第1志望の欄は前回の写しのように書いておく必要があります。
確かめの問題
問1 たとえば、ある科目で、前回は自分の点が79点、平均点が61点でした。今回は自分の点が79点、平均点が70点でした。標準偏差は2回とも12点です。前回と今回の偏差値をそれぞれ求め、4つの原因のうちどれを先に疑うかを答えてください。
問2 判定が3回続けてDのままの高2がいます。毎回の仕分けで失点の箱に入った点は、たとえば1回目41点、2回目33点、3回目26点でした。この並びから言えることと、次に確かめることを答えてください。
問3 たとえば、今回の英語で落とした点は43点でした。内訳は、まだ授業で習っていない文法の単元の大問で11点、習った語の意味の取り違えで9点、最後の長文の大問に手をつけられなかった分が23点です。次の1週間で直すのはどれで、合わせて何点ですか。
答えと考え方
問1 前回は平均点より18点上です。18 ÷ 12 = 1.5 なので、偏差値は50に15を足して65.0です。今回は平均点より9点上で、9 ÷ 12 = 0.75 なので、50に7.5を足して57.5です。点は同じで平均点だけが9点上がっているので、先に疑うのは顔ぶれです。そのうえで、正答の割合が載っている模試なら、多くの人が取れた設問を落としていないかを確かめます。
問2 失点の箱が41点、33点、26点と毎回減っているので、直し方は合っていると読めます。判定が上がらないのは、範囲・顔ぶれ・目安のどれかが動き続けているからです。次に確かめるのは、毎回の範囲の箱に何点入っていて、その単元を学校でいつ習い終えるかと、志望校の欄の書き方が3回とも同じかどうかです。
問3 直すのは、語の意味の取り違えの9点と、時間切れの23点で、合わせて32点です。文法の単元の11点は範囲の箱に入れ、学校で習ってから扱います。時間切れの23点は、大問ごとに使う時間を先に決めてから、時間を計って解き直します。
保護者が家でできること
成績表が届いた日の夜に、お子さまが紙を伏せていたら、その場で裏返させないでください。文字が下がった直後は、何を聞かれても言い訳をするか黙るかになりがちです。声をかけるのは、お子さまが仕分けを終えた後の、翌日か翌々日で十分です。
聞くなら、文字ではなく仕分けの結果を聞きます。「範囲と顔ぶれと目安と失点、どれがいちばん大きかった」「失点の箱は何点だった」。答えが数字で返ってくれば、仕分けは済んでいます。返ってこなければ、成績表と問題を一緒に机に並べるところまで付き合ってください。中身を読んで仕分けるのは、お子さまの手です。
言わないほうがよい言葉もあります。「前はBだったのに」は、話を文字の比べ合いに戻してしまいます。「勉強が足りないからだ」は、範囲や目安で下がった分まで本人のせいにします。「判定なんて気にしなくていい」は、失点の箱の点数からも目をそらさせます。言い換えるなら、「どこで何点落としたか、わかった」「直す点はいくつあった」です。
志望校を変えるかどうかを、1枚の成績表が届いた夜に決めないでください。決めるのは本人と家族で、そのための材料は、何回かの模試の失点の並びと、本人の気持ちです。
個別指導で確かめること
教室では、仕分けで失点の箱に入った設問を、生徒にその場でもう一度解いてもらいます。手が止まった行が、高1や中学で習った単元の計算や文法なら、模試の範囲ではなく、そこまで戻って確かめます。範囲の箱に入れた点は、学校で習う時期を生徒と一緒に予定表で確かめ、その後の回で失点の箱へ移っていないかを、次の成績表が届いた日に見ます。解き直しで一度も手が止まらなかった設問は、その場で失点の箱から外します。
まとめ
判定の文字は、自分の点とまわりの点と志望校の目安が動いた結果で、どれが動いたのかは成績表の数字に全部出ています。数字を4つの箱に仕分け、直す点を失点の箱に絞れば、冬の1週間にやることは表1枚に収まります。伏せたD判定の1枚を仕分けてみれば、英語は平均点が上がった分、数学は今週の机で直せる35点と学校の授業を待つ20点でした。
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