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勉強のやる気が出る待ち受けや名言は効くか—ロック画面に置く一行の選び方|武蔵野個別指導塾

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名言で上がった気分は机に着く前にしぼむ。ロック画面には「数学ワーク30ページの1問目」のような次の作業を自分で書き、読んだら伏せ、勉強の終わりに書き換えていく。

勉強のやる気を上げる待ち受けや名言は、それだけではほとんど効きません。言葉で上がった気分は、机に着いて最初の問題を選ぶ前にしぼんでしまうからです。効かせたいなら、ロック画面には他人の名言ではなく、自分の字で「次にやる事」を一行だけ置きます。「数学のワーク30ページの1問目を解く」のように教科と場所と最初の動きまで書き、読んだらスマホを伏せる。そして勉強を終えるたびに、その一行を次の分へ書き換えます。

よくあるのは、翌朝に英単語の小テストを控えた夜9時半、気持ちを上げようとスマホで名言の画像を探して3枚保存し、そのまま画面の下に出てきた動画を見始めてしまう、という場面です。単語帳は机の上で開いたままです。どれを待ち受けにするか見比べていたはずが、気づけば11時を回っている。保存した3枚の言葉は、どれも胸に響いていました。けれど単語帳は、開いたページから1枚もめくられていません。

なぜそうなるのか

名言そのものが悪いわけではありません。言葉に心が動くのは、本人の中に変わりたい気持ちがあるからです。それでも名言や待ち受けが勉強につながらないのには、中高生の家庭学習の相談を受けていて何度も出会う、はっきりした理由があります。

上がった気分は、机に着くまでもたない

名言を読んで胸が熱くなるのは本当です。問題は、その熱と、手が動き出す瞬間とのあいだに距離があることです。スマホを置き、椅子を引き、ノートを開き、どの問題から始めるかを決める。この短い道のりのどこかで、気分はしぼみます。体感でいえば、飲み物を取りに台所へ行って戻ってくるくらいの間に、いつもの夜の重さが戻ってきます。待ち受けはスマホの中にあり、勉強は机の上にある。二つの場所が離れているぶん、途中で消える余地も大きくなります。

名言には「どこを開くか」が書いていない

名言の多くは、努力や継続や未来についての言葉です。読めば励まされますが、今夜どの教科の何ページを開けばよいかは、一字も書いていません。読んだ人が自分で「では何をするか」に訳さないと、手は動かない。この訳す一手間が、部活と学校で疲れた夜の頭には重いのです。やる気はあるのに、次の一手が決まらない。その状態で言葉だけが熱いと、かえって動けない自分のほうが目立ってしまいます。

探して保存する作業が、勉強の代わりになる

名言の画像を探す、見比べる、保存する、ロック画面に設定する。この作業は手が動き、終わりがはっきりしていて、すぐに目に見える形が残ります。だから、勉強の準備を一つ済ませたような満足が先に来ます。満足はそこで使い切られ、肝心の単語帳には回ってきません。しかも探している画面のすぐ隣には、おすすめの画像や動画が並んでいます。準備のつもりで開いた画面が、そのまま夜の行き先になってしまうのは、このためです。

ロック画面は、スマホを開く入口に立っている

ロック画面を見るのは、スマホを手に取ったときです。名言を見るために手に取れば、その画面には時刻と一緒に通知も並びます。名言の真下に友達からの通知が出れば、目はそちらへ移ります。勉強のために置いたはずの画面が、スマホを開くきっかけを一つ増やしている。ここが待ち受けのいちばんの落とし穴です。

図1のように、名言を見たあとの道は二つに分かれます。上は気分だけが先に進み、画像の保存から動画へ流れていく道です。下は、次の作業を書いた一行を読んで、そのまま1問目に手が届く道で、言葉が合図として働いています。

図1 名言で上がった気分が動画へ流れる道と、一行から1問目へ進む道

二つの道を分けるのは、言葉の立派さではありません。読んだ直後の自分に「次の動き」を渡せているかどうかです。言葉が胸に刺さるかどうかより、言葉のあとに手が向かう先が決まっているかどうかが、夜の机を左右します。

今夜からの手順

ロック画面と名言を、気分を上げる道具から、手を動かす合図に作り替えます。今夜から始められる順に並べました。

1. 保存した画像は消さずに、勉強の時間の外へ移す

集めた名言の画像を消す必要はありません。気に入った言葉があるのは悪いことではないからです。ただし、ロック画面からは外し、画像の保存先に勉強とは別のアルバムを作って移します。眺めるのは勉強が終わったあとか、週末の決まった時間だけにします。新しく探すのは週に1回、10〜15分までと決めておくと、探す作業が勉強の前に割り込みません。手放すのは画像ではなく、「勉強の前に名言を見る」という順番のほうです。

2. 一行を自分で書く—教科、場所と量、最初の動き

ロック画面に置く一行は、自分で書きます。型は三つの部品でできています。教科、開く場所と量、最初の動きです。「数学のワーク30ページの1問目を解く」「理科のプリントの表を隠して上から3行言う」「社会の教科書45〜47ページを読み、太字に線を引く」。どれも、読んだ瞬間に何を机に出せばよいかが決まります。

長さは、ロック画面の時刻の下に収まる20字前後までが目安です。長くなるときは、量のほうを削ります。今夜の勉強を全部書く必要はありません。書くのは最初の1問か最初の1ページだけで足ります。1問目に手がつけば、2問目へは同じ机の上で続けられるからです。

書かない言葉も決めておきます。「がんばる」「やる」「終わらせる」「集中する」は気持ちの言葉で、動きの言葉ではありません。こうした言葉が一行に入ったら、名言と同じ働きしかしないと考えて、ページと問題番号に置き換えます。

3. 励ましの言葉を置きたいなら、自分の一言に作り直す

どうしても励ましの言葉を置きたい人は、一行の下に、自分で書いた短い一言を添えます。条件は一つ、その言葉も動きにつながっていることです。「読んだら伏せる」「1問目だけ先に」「眠い夜は半分でいい」。他人の名言を写すのではなく、自分の口から出る言葉にします。自分で書いた言葉は、書いた夜の場面ごと思い出せます。誰かの名言は、どこまでいってもその人の場面の言葉のままです。

4. 一行は「スマホを伏せる合図」にする

ロック画面の一行は、読んだら終わりではありません。読んだら画面を下にして、手の届かない側へ置きます。右手でペンを持つなら、スマホは左奥か、机の後ろの棚へ。部屋の外の充電器に差してから戻ってくる形でもかまいません。勉強の時間だけ通知を止める設定も、ここで入れておきます。

同じ一行を紙にも書きます。付箋に書いてノートの表紙の内側か、机の前の壁に貼ります。紙の一行が本命で、スマホの一行はその控えです。紙なら、スマホを手に取らなくても読めます。学校にスマホを持って行けるか、休み時間に使えるかは学校によって違うので、学校の決まりを確かめてください。使えない場所では、紙の一行が働きます。

5. 勉強の終わりに、次の一行を書いてから閉じる

この手順の中心はここです。一行を書き換えるのは、勉強を始める前ではなく、終わったときです。今夜、数学のワークを30ページから32ページまで進めて終えたなら、閉じる前に「数学ワーク33ページの1問目」と書き換える。どこで止めたかを覚えているうちに書けば、1分もかかりません。

翌日、スマホを手に取ったとき、次の作業はもう決まっています。始める前に「何からやろう」と考える時間がなくなり、その時間に気分がしぼむこともありません。図2のように、一行は「終わりに次を書く」「スマホを手に取る」「読んで伏せる」「1問目を解く」の順で回ります。解き終えたら、また次を書くところへ戻ってきます。

図2 勉強の終わりに次の一行を書き、読んで伏せて1問目へ進む流れ

この輪のどこかが切れると、一行はただの飾りに戻ります。いちばん切れやすいのは、終わりに書く一手です。疲れた夜ほど、閉じる前の1分を惜しまないでください。

6. 1週間、一行を読んで机に着けたかに印をつける

カレンダーか手帳に、毎日一つだけ印をつけます。一行を読んで、そのまま机に着けた日は丸、読んだけれどスマホを開いた日は三角です。1週間たったら並びを見ます。三角が3日続いていたら、まず疑うのは、一行が大きすぎるか、置き場所が悪いかです。量を半分にする、教科をいちばん手をつけやすいものに変える、スマホを置く場所を部屋の外にする。直すのは一つずつにして、次の1週間でまた見ます。

学年と時期で変わるところ

中学1年生には、スマホを持ち始めて間もない人もいます。ロック画面の設定そのものを家の人と一緒に決めるのは自然なことですが、一行の中身は本人が書きます。家の人が書いた一行は指示に見えて、読み流されやすいからです。中1は教科が一気に増え、何をすればよいかが決まらないことが多いので、一行には学校のワークの「次のページ」をそのまま書くのがいちばん迷いません。

中学2年生は、部活や委員会で帰宅後の時間が短くなりがちです。一行は、帰ってから夕食までの間に片づく量、20〜30分で終わる量に絞ります。一行の作業が済んだら、そこから先は机の上で次を決めればよい。一行は入口の役だけでかまいません。

中学3年生になると、入試までの残りの日数を待ち受けに出したくなる時期が来ます。都立高校なら、第一次募集の学力検査がある2027年2月21日(日)が一つの目印です。日数が減っていくのを見て背筋が伸びる人もいれば、焦りだけが募って手が止まる人もいます。日数を置くなら、その下に今日の一行を添えて、数字を見たらすぐ手を動かせる形にします。数字を見るたびに胸が苦しくなるなら、日数は外して一行だけに戻します。

高校生は、一回の勉強の単位が大きくなります。英語の長文1題、数学の大問1つ、というように、一行に時間の目安を足すと使いやすくなります。「英語長文1題を20分で」といった形です。共通テストの本試験が2027年の1月16日(土)と17日(日)に控える高3の秋からは、科目が多くて一行を何本も置きたくなりますが、ロック画面に置くのは一本だけにします。並べると、どれから始めるかを選ぶ手間が戻ってきます。

時期でも変わります。ふだんの日は、学校の宿題の次にやる一つを一行にします。定期テストの2週間前からは、範囲表を見て、次にやる行をそのまま一行に写します。テスト前は一日の勉強が長くなるので、朝と夜に一回ずつ書き換えてかまいません。夏休みや冬休みのような長期休みは、スマホを手に取る回数が増えるぶん、ロック画面の効き目も逆効果も大きくなります。休みの日は一行の頭に時刻を入れて、「10時 数学ワーク33ページの1問目」のように、始める時刻ごと決めておきます。

よくある失敗と直し方

一つ目は、一行が大きすぎる失敗です。「数学を終わらせる」「英語をがんばる」と書いてしまう。大きな一行は、読んでも最初の動きが決まらないので、名言と同じ働きしかしません。読んだあとに「で、どこから」と考える時間が生まれ、その間に気分はしぼみます。直し方は、開くページと最初の1問まで縮めることです。「数学を終わらせる」なら「数学ワーク30ページの1問目」に、「英語をがんばる」なら「英語の教科書の新出単語を5つ書く」に、というふうに、気持ちの言葉を机の上に出す物の名前へ置き換えます。読んでから5秒で、机の上に何を出すかが決まるかどうかで確かめます。

二つ目は、同じ一行を2週間置きっぱなしにする失敗です。毎日目にする物は、数日で景色になります。しかも作業がとっくに終わっているのに一行が残っていると、ロック画面がうその予定を言い続けることになります。直し方は、手順の5のとおり、勉強の終わりに書き換えることです。書き換えを忘れて寝てしまった日は、朝の支度のついでに一行だけ直します。

三つ目は、名言探しが勉強の前の儀式になる失敗です。「もっと心に刺さる言葉があるはず」と探し始めると、探す作業には終わりがありません。今夜の3枚が、明日には5枚になります。直し方は、探すのを勉強の後に回すことです。保存は1回に1枚まで、ロック画面の画像を替えるのは週に1回まで、と数で区切ります。

図3は、三つの失敗と直し方を左右に並べたものです。どれも、言葉を増やす方向ではなく、一行を小さく、新しく、勉強の後ろへ回す方向に直しています。

図3 一行が大きい、書き換えない、名言探しが儀式になる失敗と直し方

よくある質問

短い名言なら効きますか

短い言葉は覚えやすく、ふとしたときに思い出せるよさがあります。ただ、短くても「何をするか」が書いていない点は同じです。短い名言を残したいなら、その後ろに次の作業を足して、「言葉、それから1問目」という順にします。例外は試験の当日の朝です。当日はやる事が時間割で決まっているので、手順の一行はいりません。気持ちを落ち着かせる短い言葉だけを置く使い方は、この日に限っては理にかなっています。

勉強のためにホーム画面の壁紙も変えたほうがいいですか

変えなくてかまいません。ホーム画面は、スマホを開いたあとに見る場所です。そこまで来た時点で、もう勉強の外に一歩出ています。壁紙を勉強らしい写真にすると、スマホを触っている時間に「勉強の準備をしている」気分が混ざり、やめどきがぼやけます。壁紙は好きな写真のままにして、勉強の時間はロック画面の一行で引き返す、と役を分けるほうが迷いません。志望校の写真を置く人もいますが、受験が近づいて見るたびに苦しくなるなら、それは外してよい合図です。

ロック画面の一行は、いつやめればいいですか

1週間の印で丸が続き、一行を見なくても机に着ける日が増えてきたら、やめどきです。そのときは紙の一行だけを残し、ロック画面は好きな写真に戻してかまいません。定期テストが終わった週も、一度休んでよい時期です。次のテストの2週間前から、また一行を置き直します。ずっと置き続けるより、要る時期だけ置くほうが、一行が景色になりません。

保護者が手を貸すなら

お子さまが名言の画像を集めていても、笑ったり取り上げたりしないでください。言葉を探すのは、本人の中に変わりたい気持ちがある印です。声をかけるなら、夕食のときに一度だけ「明日の一行、何にした」と聞く程度で足ります。答えが「まだ」なら、それで終わりにします。ロック画面をのぞいて確かめることもしません。画面の中は本人の持ち物です。手を貸せるのは、冷蔵庫の横や机の前に、紙の一行を貼れる場所を作ることです。一行が書けない日が続くのは、何から手をつければよいかが本人にも見えていないときです。責めずに、範囲表を一緒に眺めてください。やる気の出ない日が何週間も続き、眠りや食事まで乱れているようなら、一行の工夫で扱うことではありません。本人と話したうえで、学校や医療機関に相談してください。

個別指導で確かめること

一行に書くページが決められない生徒は、どこまでが終わっていて、どこからがわからないのかが、自分でも見えていないことがよくあります。授業では、学校のワークと範囲表を並べて、本人が「次はこの1問」と指でさせるところまで戻って確かめます。ワークのどこが空欄のままか、丸つけが済んでいるかまで一緒に見れば、次の一行は本人の口から出てくることが多いものです。次の一行を書く力は、今の自分の位置がわかって初めて身につきます。

まとめ

保存した名言の画像は、取っておいてかまいません。あの夜に足りなかったのは4枚目の名言ではなく、単語帳のどのページを開くかを書いた、自分の字の一行でした。今夜、単語帳を閉じる前に、明日開くページを書いておく。それが、次にスマホを手に取る自分への渡し物になります。胸を熱くする言葉はアルバムへ、手を動かす言葉はロック画面へ。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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