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【中学保健】感染症と環境を図解で総まとめ—予防の 3 原則・熱中症・水と空気|武蔵野個別指導塾

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手洗いと予防接種は3つの対策のどれに入るのか。見分けの手順を例題で確かめ、教室の二酸化炭素のグラフ、熱中症の手当ての流れ、水の行き先まで図で追えます。

よくあるのは、体育が終わった校庭のベンチで、水筒を片手に保健のプリントを開いたまま手が止まる、という場面です。「手洗いは感染経路、予防接種は抵抗力」までは言えるのに、「感染した人が学校を休むのはどの対策か」と聞かれると答えが出てこない。プリントの次の欄には熱中症、換気、上水道と下水道まで並んでいて、ばらばらの暗記がいくつもあるように見えてきます。

けれどもこの範囲は、どれも「害になるものがどこから来て、どの道を通って体に届くか」という同じ形で読めます。読み終えるころには、対策を 3 つに分け、二酸化炭素のグラフを読み取り、水とごみの行き先を順に説明し、具合の悪い友人を前に何を先にするかを言えるようになります。

この単元で押さえること

前の単元で学んだ睡眠や食事の話はそのまま「抵抗力」に入り、ここで身につけた見方は、このあと学ぶ医薬品の使い方や地域の保健の話にもつながります。

基本の考え方

感染症は「もと・道・体」の 3 つで読む

病原体とは、病気の原因になる小さな生物などのことで、細菌やウイルスが代表です。たとえば結核の原因は細菌、インフルエンザの原因はウイルスです。病原体が体に入って定着し増えることを感染、せきや熱などの症状が出ることを発病といい、感染してから発病するまでの期間を潜伏期間といいます。感染しても症状が出ない人もいるため、本人が気づかないまま周りへ広げてしまうことがあります。発病するかどうかは、入ってきた病原体の強さや量と、受ける側の体の抵抗力との関係で変わります。

感染症の対策を考えるときは、図1のように 3 つの箱を横に並べます。病原体を出すもとの「発生源」、体まで届く道の「感染経路」、そして受ける体の「抵抗力」です。どこか 1 か所にはたらきかければ、感染は起こりにくくなります。

図1 発生源・感染経路・抵抗力の3つの対策と具体例

消毒だけは分け方に注意が必要です。病原体そのものを減らす点から発生源の対策に入れる説明と、手やものを介する道を断つ点から感染経路の対策に入れる説明があるので、テストでは授業のプリントの分け方に合わせてください。

予防接種は、毒性を弱めたりなくしたりした病原体やその成分などをワクチンとして体に入れ、前もって免疫をつくるしくみです。免疫とは、一度入ってきた病原体を体が覚えていて、次に入ってきたときにすばやく対応するはたらきのことです。すべての感染症にワクチンがあるわけではなく、接種のあとに熱が出るなどの副反応が起こることもあるので、受けるときは医師の説明を聞き、保護者と相談して決めます。

熱中症は熱の出口がふさがれて起こる

先に、いちばん大事なことを書きます。呼びかけへの反応がおかしいとき、自分で水分をとれないときは、ためらわず 119 番で救急車を呼び、近くの大人に知らせてください。ここから先の説明は、その判断の代わりにはなりません。

体には、環境の変化に合わせて調節する力(適応能力)があります。暑いときは皮膚の血管を広げて熱を外へ逃がし、汗が蒸発するときに熱を奪わせて体温を保ちます。ただしこの力には限界があります。活動に適した温度や湿度の範囲は至適範囲と呼ばれ、ここを大きく外れるほど体への負担が増えます。気温が高いと熱が逃げにくく、湿度が高いと汗が蒸発しにくく、風がないと体のまわりに熱がとどまります。汗で水分と塩分を失い続けると体温の調節がうまくいかなくなり、めまい、筋肉のけいれん、頭痛、吐き気、意識の乱れなどが起こることがあります。こうした障害をまとめて熱中症と呼びます。

予防の柱は、のどが渇く前からのこまめな水分と塩分の補給、帽子や風通しのよい服装、日陰での休憩、急に暑くなる時期に少しずつ体を慣らすこと、そして前の晩の睡眠と朝食です。室内や曇りの日でも起こるので、気温の数字だけで安心しないようにしましょう。目安の 1 つが暑さ指数(WBGT)で、気温に加えて湿度や日ざし、地面からの熱も入れて求めます。運動の指針の例を次の表に示します。学校や大会の決まりがあるときは、そちらに従ってください。

暑さ指数 区分 運動の目安
31 以上 運動は原則中止 特別な場合を除いて運動をやめる
28 以上 31 未満 厳重警戒 激しい運動をやめる
25 以上 28 未満 警戒 積極的に休憩をとる
21 以上 25 未満 注意 運動の合間に積極的に水分と塩分をとる
21 未満 ほぼ安全 適宜、水分と塩分をとる

空気・水・ごみは入れかえと流れで守る

空気の成分はおよそ窒素 78%、酸素 21% で、二酸化炭素は約 0.04% しかありません。ところが人が集まる部屋を閉めきると、呼吸で吐き出された二酸化炭素が増えていきます。同時に水蒸気やほこり、病原体を含むしぶきも部屋にたまるので、二酸化炭素の濃度は空気の汚れ具合を知る目安になります。教室では 0.15% 以下(1,500 ppm 以下と同じ意味です)が望ましいとされています。

換気のこつは、風の入口と出口をつくることです。窓を 1 か所だけ開けるより、向かい合う窓や、窓とドアを開けるほうが空気はよく入れかわります。感染経路の欄に換気が出てくるのは、この入れかえで、空気中をただよう病原体も一緒に外へ出せるからです。

一酸化炭素は名前が似ていますが、まったく別の気体です。炭や燃料が不完全燃焼すると発生し、色もにおいもありません。血液の中で酸素を運ぶヘモグロビンと強く結びついて、酸素を運べなくします。頭痛やめまいから命にかかわる中毒まで起こるので、ストーブなど燃焼する器具を使う部屋では換気を欠かしません。

水はおとなで体重の約 60% を占め、1 日に約 2.5 L が体を出入りします。栄養を運ぶ、いらないものを尿として出す、汗で体温を調節する、どれも水のはたらきです。飲み水は、川やダムの水を浄水場で沈でん、ろ過、消毒して基準に合わせ、水道管で家庭へ送ったものです。使った水やし尿は下水道を通って下水処理場へ入り、微生物のはたらきで汚れを分解して消毒してから、川や海へ戻されます。処理をしなければ病原体を含む水がまた飲み水に混ざりかねないので、下水の処理は感染経路を断つ対策でもあります。

ごみは、分別、収集、焼却や資源化、最終処分場での埋め立て、の順に処理します。生ごみを放っておくとハエやネズミが増え、衛生を悪くします。焼却すれば量が減り病原体も減らせますが、埋め立てる場所には限りがあります。そこで、ごみを減らすリデュース、繰り返し使うリユース、資源として再生するリサイクルの 3R が必要になります。

例題で解き方を確かめる

例題1

次のア〜エは、感染症の 3 つの対策のどれに当たりますか。

  1. それぞれの行動が「何に」はたらきかけているかを書き出します。アは病原体を出している人、イは手についた病原体、ウとエは自分の体です。「休む」「洗う」といった動作の見た目で分けると迷うので、相手を先に決めます。
  2. 相手を図1の 3 つの箱に当てはめます。もとの人なら発生源、途中の道なら感染経路、受ける体なら抵抗力です。箱は 3 つしかないので、相手が決まれば行き先も 1 つに決まります。
  3. イの手洗いについて、「手についた病原体が口や鼻へ運ばれる道を断つ」と理由を確かめます。理由まで言えれば、問題の言い回しが変わっても同じ答えを出せます。

答え:ア 発生源、イ 感染経路、ウ 抵抗力、エ 抵抗力

例題2

図2は、授業中の教室の二酸化炭素濃度を、読み取りの練習用に模式化したグラフです。A は窓を閉めたまま、B は 20 分から 25 分まで窓を開けた場合で、実際の値は人数や部屋の広さで変わります。(1)A が基準の 0.15% に達するのは何分後ですか。(2)50 分の時点で、B は基準を超えていますか。(3)このグラフからいえることを 1 文で書きなさい。

図2 窓を閉めたままの教室と途中で換気した教室の二酸化炭素濃度
  1. 赤い点線が 0.15% の高さにあることを確かめます。軸の単位と基準の線を先に見ておくと、読み違いが減るからです。
  2. A の線が赤い点線と交わる点から真下へたどり、横軸を読みます。交わるのは 40 分のところです。線をたどる動作を入れるのは、目分量で近くの目盛りを読むのを防ぐためです。
  3. B の線の 50 分の点を見ます。0.10 より少し上で、0.15 には届いていません。問われているのは基準の上か下かなので、細かい値が読めなくても答えは決まります。
  4. A と B で差が生まれたのは、緑の帯の 20 分から 25 分の間だと確かめます。原因の区間を指せると、(3)の文に「換気」という語が自然に入ります。

答え:(1)40 分後 (2)超えていない(約 0.11%) (3)途中で換気すると濃度が下がり、授業の終わりまで基準を超えずにすむ。

例題3

図3を見て、浄水場と下水処理場のちがいを、入ってくる水と出ていく先に注目して説明しなさい。

図3 水源から浄水場と家庭を通り下水処理場から川や海へ戻る水の流れ
  1. 図3の矢印を水源から指でたどります。名前を丸暗記するより、水がどこから来るかを見たほうが取り違えないからです。
  2. 浄水場について、入る水は「川やダムの水」、出ていく先は「家庭」と書き出します。問いが指定した 2 つの注目点をそのまま見出しにすれば、答えの向きがずれないからです。
  3. 下水処理場について、入る水は「家庭で使った水」、出ていく先は「川や海」と書き出します。同じ形で並べると、ちがいが 1 文にまとまるからです。
  4. 処理の中身を足します。沈でん・ろ過・消毒と、微生物による分解を入れると、説明が具体的になります。

答え:浄水場は川やダムの水を沈でん・ろ過・消毒して飲める水にし家庭へ送る施設で、下水処理場は家庭で使った水を微生物で分解し消毒して川や海へ戻す施設である。

例題4

風の弱い、蒸し暑い曇りの日の部活動中に、友人が「めまいがする」と言って座りこみました。呼びかけにははっきり答え、飲み物も自分で持てます。(1)このときすることを順に書きなさい。(2)曇りなのに熱中症が起こる理由を、汗に触れて説明しなさい。

  1. 最初に反応を確かめます。ここで答えられなければ 119 番が先になり、手順全体が変わるからです。問題文の「はっきり答え」がその判断の材料です。
  2. 反応があるので、近くの大人に声をかけ、涼しい場所へ移して衣服をゆるめ、首・わきの下・足のつけ根を冷やします。太い血管が通るところを冷やすと、血液ごと冷やせるからです。
  3. 自分で飲めることを確かめて、水分と塩分をとらせます。飲めない人に無理に飲ませると、むせて気道に入るおそれがあるので、この確認を飛ばしません。
  4. そのあとも様子を見て、よくならなければ受診します。自分たちだけで判断を終わらせないためです。
  5. (2)は問題文の「蒸し暑い」「風の弱い」を拾います。湿度が高く風が弱いと汗が蒸発しにくいという、基本の考え方で見た条件にそのまま当たるからです。

答え:(1)大人に知らせて涼しい場所へ移し、衣服をゆるめて体を冷やし、水分と塩分をとらせ、よくならなければ受診する (2)湿度が高く風が弱いと汗が蒸発しにくく、熱が体から逃げにくいから。

まちがえやすいところと直し方

予防接種を感染経路の対策に入れてしまう

二酸化炭素と一酸化炭素を入れかえてしまう

熱中症にはまず水を飲ませればよいと考える

図4 熱中症が疑われるときに反応を確かめてから進む手当ての流れ

用語のまとめ

用語 意味
病原体 病気の原因になる細菌やウイルスなど
感染 病原体が体に入って定着し、増えること
発病 感染のあと、症状が出ること
潜伏期間 感染してから発病するまでの期間
発生源 病原体を出すもと。対策は治療や出席停止など
感染経路 病原体が体に届く道。飛沫、接触、空気、経口など。対策は手洗いや換気など
抵抗力 病原体に負けない体の力。対策は睡眠、栄養、運動、予防接種
予防接種 ワクチンで前もって免疫をつくること
免疫 一度入った病原体を覚えて、次にすばやく対応するはたらき
適応能力 環境の変化に合わせて体を調節する力。限界がある
至適範囲 活動に適した温度や湿度の範囲
熱中症 暑さで体温の調節や水分と塩分のバランスがくずれて起こる障害
暑さ指数(WBGT) 気温、湿度、日ざしや地面からの熱を入れて求める目安
二酸化炭素 空気中に約 0.04%。教室の基準は 0.15% 以下で、汚れの目安
一酸化炭素 不完全燃焼で発生。無色無臭で、血液が酸素を運ぶのをさまたげる
浄水場 沈でん、ろ過、消毒で飲める水をつくる施設
下水処理場 使った水を微生物で分解し、消毒して川や海へ戻す施設
最終処分場 燃やしたあとの灰などを埋め立てる場所
3R リデュース(減らす)、リユース(繰り返し使う)、リサイクル(資源として再生する)

練習問題

練習1 次のア〜ウは、発生源・感染経路・抵抗力のどれに対する対策ですか。ア 栄養のバランスのよい食事をとる イ せきが出るときに口と鼻をおおう ウ 感染した人が早めに受診して治療を受ける

練習2 部活動の前に測った暑さ指数が 29 でした。基本の考え方の表で区分を答え、どのように行動すればよいかを 1 つ書きなさい。

練習3 次の文の(ア)〜(ウ)に入る語や数を答えなさい。空気中の二酸化炭素は約(ア)% で、教室の基準は(イ)% 以下である。また、燃料が不完全燃焼すると(ウ)が発生する。

練習4 (1)次のごみの処理を順に並べなさい。ア 焼却 イ 分別 ウ 最終処分場での埋め立て エ 収集 (2)買い物に袋を持って行き、レジ袋をもらわないことは、3R のどれに当たりますか。

答えと解説

練習1の答えは、ア 抵抗力、イ 感染経路、ウ 発生源です。アは受ける体を整える行動、イはしぶきの広がる道を断つ行動、ウは病原体を出すもとへの対応です。

練習2の答えは、厳重警戒で、激しい運動をやめることです。29 は「28 以上 31 未満」の行に入ります。こまめに休憩して水分と塩分をとることも合わせて書けると、なおよい答えになります。

練習3の答えは、ア 0.04、イ 0.15、ウ 一酸化炭素です。0.04 は外の空気の値、0.15 は教室の上限と、場所を付けて覚えると混ざりません。

練習4の答えは、(1)イ→エ→ア→ウ、(2)リデュースです。(1)は家庭で分けてから運ばれ、燃やした灰が埋められるという順です。(2)はごみになるものをもともと出さない行動なので、繰り返し使うリユースではありません。

次の単元へのつながりと確かめ方

感染経路を断つ考え方は、家庭科の食中毒の予防でそのまま使えます。理科で学ぶ呼吸と血液のはたらきを重ねると、一酸化炭素がなぜ危険なのかも 1 本の筋で説明できます。家で 5 分あれば、次の 2 つで確かめられます。

保護者の方は、お子さまに「今の手洗いはどの対策か」と聞いていただくだけで確かめになります。個別指導では、用語が言えるかどうかの前に、その対策が何にはたらきかけているのかを生徒自身の言葉で説明してもらい、説明が止まったら病原体が体に入るまでの道に戻って確かめます。

まとめ

ウイルスも、体にこもる熱も、教室の二酸化炭素も、目には見えません。それでも、どこから来てどの道を通るかは、紙の上に 1 本の線で描けます。線が描ければ、断つ場所は自分で選べますし、覚える量も線の本数まで減ります。校庭のベンチで水筒を開けたら、今日の暑さと、さっきさわったボールから口までの道を線にしてみてください。見えない相手は、線を引かれた時点でもう半分負けています。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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