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【地学基礎】造岩鉱物を図解で総まとめ—有色鉱物・無色鉱物とケイ酸塩の結晶|武蔵野個別指導塾

桃色のカリ長石がなぜ無色鉱物なのか。SiO₄ 四面体のつなぎ方の図と、Si と O の比を数える例題で、6 つの造岩鉱物を見分ける筋道を手に入れましょう。
よくあるのは、冬期講習の初日の教室で、最初に配られた確認テストの 1 問目から手が止まるという場面です。「次のうち有色鉱物でないものを選びなさい」という問いにカリ長石の写真が添えてあり、石はうっすら桃色をしています。色がついているのだから有色鉱物だろうと考えて外すと、それが正解でした。となりの選択肢のかんらん石は緑がかっていて、こちらは本当に有色鉱物です。
つまずきの原因は、鉱物の名前と見た目の色を一対一で暗記しようとすることにあります。造岩鉱物は、ケイ素と酸素がつくる小さな四面体のつなぎ方と、そこへ入り込む元素で整理できます。この単元を終えると、鉱物と岩石を定義で区別でき、6 種類の造岩鉱物の色・形・割れ方を 1 つの筋道で説明でき、Si と O の比や固溶体の組成を自分の手で計算できるようになります。
この単元で押さえること
- 鉱物と岩石: 鉱物は組成がほぼ決まった天然の結晶で、岩石はその粒の集まりです。石英は鉱物、花こう岩は岩石です。
- 地殻の元素: 質量で数えると、酸素とケイ素だけで約 4 分の 3 を占めます。造岩鉱物の骨組みがこの 2 つである理由です。
- SiO₄ 四面体: ケイ素 1 個を酸素 4 個が囲む形で、造岩鉱物に共通する部品です。
- つなぎ方: 四面体が独立、1 本鎖、2 本鎖、層状、立体網目と組み方を変え、かんらん石から石英までを分けます。
- 有色鉱物と無色鉱物: Fe と Mg を含むかどうかで分かれ、見た目の色では決まりません。
- 固溶体: 大きさの近い原子が結晶の同じ席で入れ替わり、組成が連続的に変わります。かんらん石の Mg と Fe が代表です。
前の単元の火成岩の分類表に並ぶ名前の中身をここで確かめ、次の単元で日本列島のマグマや地殻を元素の言葉で読む準備をします。
基本の考え方
鉱物は粒、岩石は粒の集まり
鉱物は、天然に産する無機質の固体で、化学組成がほぼ一定か決まった範囲に収まり、原子が規則正しく並んだ結晶になっているものです。岩石は、その鉱物の粒が集まってできています。花こう岩をルーペでのぞくと、透明に近い石英、白い斜長石、桃色がかったカリ長石、黒い黒雲母の粒がかみ合っています。石英には SiO₂ という化学式を書けますが、花こう岩という岩石に 1 つの化学式は書けません。この違いが見分けの基準です。
「原子の並びまで決まっている」という条件も大切です。ダイヤモンドと石墨はどちらも炭素だけでできていますが、原子の並び方が違うので別の鉱物です。逆に、溶岩が急に冷えてできた火山ガラスは、原子の並びに規則がなく結晶ではないため、鉱物に入れません。なお、チャートのようにほぼ 1 種類の鉱物からなる岩石もありますが、それでも無数の結晶の粒が集まったものなので、鉱物そのものとは呼びません。
地殻の元素と SiO₄ 四面体
地殻をつくる元素を質量の割合で並べると、図1の左側のようになります。酸素が約 47%、ケイ素が約 28%、アルミニウムが約 8%、鉄が約 5%、カルシウムが約 4%、ナトリウムとカリウムがそれぞれ約 3%、マグネシウムが約 2% です。細かい値は資料によって少し違い、下位の順番が入れ替わることもありますが、酸素とケイ素が飛び抜けて多いことは変わりません。丸めた値なので足すと 100 になりますが、実際にはほかの元素もわずかに含まれます。

酸素とケイ素だけで約 75% を占めるのですから、地殻の鉱物の多くがこの 2 つを骨組みにしているのは自然なことです。その骨組みの単位が、図1の右側の SiO₄ 四面体です。ケイ素原子 1 個を中心に、酸素原子 4 個が正四面体の頂点に並びます。酸素のほうがずっと大きいので、4 個の酸素のすき間に小さなケイ素が収まっていると考えてください。この骨組みをもつ鉱物をケイ酸塩鉱物と呼びます。
電荷を数えると、この四面体が単独では落ち着かない理由がわかります。イオンとして見るとケイ素は +4、酸素は -2 なので、四面体 1 個では +4 − 8 = -4 です。そこで四面体どうしが頂点の酸素を共有して余分なマイナスを減らしたり、Fe²⁺ や Mg²⁺ などの陽イオンが入り込んで電荷を補ったりして、結晶全体の電荷を 0 にしています。どの頂点をどれだけ共有するかで、鉱物の骨組みが決まります。
つなぎ方の順に並べた 6 つの造岩鉱物
岩石をつくる主な鉱物を造岩鉱物といいます。地学基礎で覚える 6 つを、四面体のつなぎ方の順に並べると次の表になります。へき開とは、結晶が特定の面に沿って平らに割れやすい性質のことです。
| 鉱物 | つなぎ方 | 色の例 | 形の例 | へき開 |
|---|---|---|---|---|
| かんらん石 | 独立 | 黄緑色 | 短柱状・粒状 | ほとんどない |
| 輝石 | 1 本鎖 | 緑〜黒色 | 短柱状 | 2 方向(ほぼ直角) |
| 角閃石 | 2 本鎖 | 緑褐〜黒色 | 長柱状 | 2 方向(約 60 度で交わる) |
| 黒雲母 | 層状 | 黒〜褐色 | 六角板状 | 1 方向 |
| 長石 | 立体網目 | 白色・灰色・桃色 | 柱状 | 2 方向(ほぼ直角) |
| 石英 | 立体網目 | 無色・白色 | 六角柱状 | なし |
長石には斜長石とカリ長石があります。割れ方は骨組みの弱い面に従います。黒雲母が薄くはがれるのは、四面体の層と層の間の結びつきが弱いからです。輝石と角閃石は鎖と鎖の間で割れ、鎖の太さが違う分だけへき開の交わる角度も変わります。石英は四面体がどの方向にも強く結ばれているので、へき開がなく、割れ口は不規則な曲面になります。ただし同じ立体網目でも長石にはへき開があるので、つなぎ方だけで割れ方を決めつけないでください。
有色鉱物と無色鉱物
Fe と Mg を含む鉱物を有色鉱物(苦鉄質鉱物)、ほとんど含まない鉱物を無色鉱物(ケイ長質鉱物)と呼びます。かんらん石、輝石、角閃石、黒雲母の 4 つが有色鉱物で、石英と長石が無色鉱物です。苦鉄質の「苦」は酸化マグネシウムの古い呼び名である苦土から来ており、Mg を指します。Fe を含むと暗い色になりやすく、重い原子が入る分だけ密度も大きくなります。無色鉱物の密度は約 2.6〜2.8 g/cm³、有色鉱物の多くは約 3 g/cm³ 以上です。
固溶体
かんらん石の化学式は (Mg,Fe)₂SiO₄ と書きます。カッコの右下の 2 は、Mg と Fe を合わせて 2 個という意味です。Mg²⁺ と Fe²⁺ は電荷が同じで大きさも近いため、結晶の同じ席に入れ替わって入ることができます。そのため、Mg だけの Mg₂SiO₄ から Fe だけの Fe₂SiO₄ まで、骨組みを保ったまま組成が連続的に変わります。このような鉱物を固溶体といいます。輝石、角閃石、黒雲母でも同じように Mg と Fe が入れ替わります。
斜長石も固溶体で、Ca に富む CaAl₂Si₂O₈ から Na に富む NaAlSi₃O₈ まで連続します。Ca²⁺ と Na⁺ は電荷が違いますが、Si⁴⁺ と Al³⁺ の入れ替わりが同時に起こって全体の電荷が釣り合います。鉱物の定義に「決まった範囲に収まる」と書いたのは、この連続した変化があるからです。
例題で解き方を確かめる
例題1 用語の見分け
次の a〜f のうち、鉱物でないものをすべて選びなさい。
a 石英、b 花こう岩、c 黒雲母、d 火山ガラス、e 玄武岩、f 斜長石
- まず、1 つの化学式(固溶体の式を含む)で表せるものを拾います。鉱物は組成がほぼ決まっているので、式が書けることが手がかりになるからです。石英は SiO₂ で、黒雲母と斜長石も固溶体の式で書けます。
- 次に、何種類もの鉱物の粒が集まったものを除きます。岩石は鉱物そのものではないからです。花こう岩と玄武岩がこれに当たります。
- 最後に、残った物質に結晶の規則があるかを確かめます。定義の最後の条件が「原子が規則正しく並ぶ」ことだからです。火山ガラスには規則がないので鉱物ではありません。
答え: b、d、e
例題2 図の読み取り
図2は、四面体のつなぎ方を示した模式図です。立体網目だけは斜めから見ており、ほかは真上から見ています。真上から見た図では、三角形の頂点が底面の酸素、中心の点がケイ素で、ケイ素の真上に 4 つ目の酸素が重なっています。この図から、1 本鎖の輝石と層状の黒雲母について、Si と O の数の比を求めなさい。

- 四面体 1 個に注目して、オレンジ色の頂点を数えます。オレンジ色は隣の四面体と共有している酸素で、この数が骨組みの違いそのものだからです。1 本鎖は 2 個、層状は 3 個です。
- 共有している酸素を 1 個につき 2 分の 1 個と数えます。1 個の酸素が 2 つの四面体に属しているので、丸ごと 1 個と数えると二重に数えてしまうからです。
- 共有していない酸素を 1 個のまま足して、Si 1 個あたりの O の数を出します。真上に重なった酸素を忘れないためにも、頂点は全部で 4 個と確かめます。1 本鎖は 2 + 2 × 1/2 = 3、層状は 1 + 3 × 1/2 = 2.5 です。
- 比の形に書きます。問いが比を求めているうえ、化学式と照らして確かめられるからです。黒雲母の 1:2.5 は、Si₂O₅ と書いても同じ比です。
答え: 輝石は Si:O=1:3、黒雲母は Si:O=1:2.5
同じ数え方で 5 種類を並べると次の表になります。2 本鎖は、頂点を 2 個共有する四面体と 3 個共有する四面体が同じ数だけ並ぶので、共有の平均は 2.5 個です。共有していない分が 1.5 個なので、1.5 + 2.5 × 1/2 = 2.75 となります。
| つなぎ方 | 共有する頂点 | Si 1 個あたりの O | Si:O | 鉱物 |
|---|---|---|---|---|
| 独立 | 0 個 | 4 | 1:4 | かんらん石 |
| 1 本鎖 | 2 個 | 3 | 1:3 | 輝石 |
| 2 本鎖 | 平均 2.5 個 | 2.75 | 1:2.75 | 角閃石 |
| 層状 | 3 個 | 2.5 | 1:2.5 | 黒雲母 |
| 立体網目 | 4 個 | 2 | 1:2 | 石英、長石 |
黒雲母と長石では四面体の中心の Si の一部が Al に置き換わっているので、Si と Al を合わせた数で比を数えます。たとえばカリ長石 KAlSi₃O₈ は、Si と Al の合計 4 に対して O が 8 で、1:2 です。
例題3 固溶体の計算
原子量を O=16、Mg=24、Si=28、Fe=56 とします。Mg₂SiO₄、MgFeSiO₄、Fe₂SiO₄ のそれぞれについて、ケイ素をすべて SiO₂ として数えたときの質量の割合を、整数の % で求めなさい。
- 式全体の質量(式量)を計算します。割合の分母になるからです。Mg₂SiO₄ は 24 × 2 + 28 + 16 × 4 = 140 です。同じように、MgFeSiO₄ は 24 + 56 + 28 + 64 = 172、Fe₂SiO₄ は 56 × 2 + 28 + 64 = 204 です。
- SiO₂ 1 個分の質量を計算します。どの式も Si は 1 個なので、分子は共通の値になるからです。28 + 16 × 2 = 60 です。
- 分子を分母で割ります。60 ÷ 140 = 0.428…で約 43%、60 ÷ 172 = 0.348…で約 35%、60 ÷ 204 = 0.294…で約 29% です。
- 結果がもっともらしいかを、物質の中身から確かめます。Si の個数は変わらず、Mg より重い Fe が増えて分母だけが大きくなるので、割合が下がるのは筋が通っています。
答え: Mg₂SiO₄ は約 43%、MgFeSiO₄ は約 35%、Fe₂SiO₄ は約 29%
図3のように、Fe の割合が増えるほど SiO₂ の質量の割合は下がっていきます。線がゆるく曲がっているのは、分母が変わる分数の形をしているからです。かんらん石の組成が変わるだけで 10 ポイント以上も動くことを、目で確かめてください。火成岩の分類で使う SiO₂ の量も、このようにケイ素をすべて SiO₂ として数えた値です。

例題4 論述
有色鉱物を多く含む岩石は、無色鉱物を多く含む岩石に比べて黒っぽく、密度が大きく、SiO₂ の質量の割合が小さい傾向があります。この 3 つの理由を、鉱物に含まれる元素に触れて説明しなさい。
- 問われている性質を、色、密度、SiO₂ の割合の 3 つに分けます。採点では 1 つずつの理由が見られるので、文にまとめる前に要素を書き出します。
- 色と密度は Fe から説明します。有色鉱物と無色鉱物を分ける元素が Fe と Mg で、暗い色と重さの主な原因が Fe だからです。
- SiO₂ の割合は、ほかの元素が占める分から説明します。例題3で見たように、Fe や Mg が質量を占める分だけ SiO₂ の割合が下がり、Si と O だけでできた石英が多い岩石では逆に上がるからです。
- 1 つの答案にまとめ、最初の問いの 3 点すべてに答えているかを読み返します。書き忘れがあると部分点にとどまるからです。
答え: 有色鉱物は Fe や Mg を多く含むので暗い色で密度が大きく、その元素の分だけ SiO₂ の質量の割合が小さくなる。
まちがえやすいところと直し方
誤り1 見た目の色で有色と無色を分ける
誤った書き方: 「カリ長石は桃色なので有色鉱物である」。
どこが違うか: 有色鉱物と無色鉱物の区別は、Fe と Mg を含むかどうかで決まります。図4で Fe と Mg の列を縦に追うと、上の 4 つの鉱物には印があり、斜長石、カリ長石、石英には印がありません。カリ長石の桃色はごく少量の不純物によるもので、骨組みをつくる元素とは関係がありません。反対に、有色鉱物でも Mg に富むかんらん石は色がかなり薄いことがあります。色のもとは主に Fe だからです。「無色」は透明という意味でもなく、斜長石は白く、石英も岩石の中では灰色に見えます。

正しい書き方: 「カリ長石は Fe や Mg をほとんど含まないので無色鉱物である」。
誤り2 固溶体を混ぜ物と考える
誤った書き方: 「(Mg,Fe)₂SiO₄ は Mg が 2 個と Fe が 2 個入った鉱物である」「かんらん石の固溶体は、Mg の鉱物の粒と Fe の鉱物の粒が混ざったものである」。
どこが違うか: カッコの右下の 2 は Mg と Fe の合計です。例題3の MgFeSiO₄ なら、Mg が 1 個で Fe が 1 個です。合計が 4 個だと、Mg²⁺ と Fe²⁺ の電荷が +8 になり、SiO₄ の -4 と釣り合いません。また、固溶体は 2 種類の粒を混ぜたものではなく、1 つの結晶の中の席を Mg と Fe が分け合っている状態です。顕微鏡で見ても、Mg の粒と Fe の粒に分けることはできません。
正しい書き方: 「かんらん石は、Mg と Fe の合計を 2 に保ったまま割合が連続的に変わる固溶体である」。
誤り3 石英には SiO₄ 四面体がないと考える
誤った書き方: 「石英の化学式は SiO₂ なので、SiO₄ 四面体からできていない」。
どこが違うか: 化学式は原子の数の比を示すだけで、つながりの形までは教えてくれません。石英でも、ケイ素 1 個は酸素 4 個に囲まれています。その 4 つの頂点がすべて隣の四面体と共有されているので、例題2の数え方で 4 × 1/2 = 2 となり、比が 1:2 になるのです。
正しい書き方: 「石英は SiO₄ 四面体のすべての頂点が共有された立体網目の骨組みをもち、Si:O=1:2 なので化学式は SiO₂ になる」。
用語のまとめ
- 鉱物: 天然に産する無機質の固体で、組成がほぼ決まり、原子が規則正しく並んだ結晶。
- 岩石: 鉱物の粒が集まったもの。岩石全体を 1 つの化学式では書けません。
- 造岩鉱物: 岩石をつくる主な鉱物。かんらん石、輝石、角閃石、黒雲母、長石、石英の 6 つを覚えます。
- ケイ酸塩鉱物: SiO₄ 四面体を骨組みにもつ鉱物。
- SiO₄ 四面体: ケイ素 1 個を酸素 4 個が正四面体の形で囲んだ単位。
- 有色鉱物(苦鉄質鉱物): Fe と Mg を含む鉱物。暗い色で密度が大きい傾向があります。
- 無色鉱物(ケイ長質鉱物): Fe と Mg をほとんど含まない鉱物。白っぽく密度が小さい傾向があります。
- 固溶体: 大きさの近い原子が同じ席で入れ替わり、結晶の骨組みを保ったまま組成が連続的に変わる鉱物。
- へき開: 特定の面に沿って平らに割れやすい性質。
- かんらん石: (Mg,Fe)₂SiO₄。四面体が独立し、黄緑色。
- 輝石: 1 本鎖で短柱状。へき開は 2 方向でほぼ直角。
- 角閃石: 2 本鎖で長柱状。へき開は 2 方向で約 60 度。
- 黒雲母: 層状で、1 方向に薄くはがれます。
- 斜長石: Ca に富むものから Na に富むものまで連続する固溶体。白色〜灰色。
- カリ長石: KAlSi₃O₈。白色〜桃色でも無色鉱物です。
- 石英: SiO₂。立体網目で、へき開はありません。
練習問題
練習1 次のうち、無色鉱物をすべて選びなさい。かんらん石、斜長石、黒雲母、石英、輝石、カリ長石、角閃石
練習2 ある鉱物は黒色で六角形の板のような形をしており、1 方向に薄くはがれます。鉱物名と四面体のつなぎ方を答え、薄くはがれる理由を 1 文で説明しなさい。
練習3 地殻の質量の割合を酸素 47%、ケイ素 28% とし、原子量を O=16、Si=28 とします。地殻に含まれるケイ素原子 1 個あたりの酸素原子の数を小数第 1 位まで求め、例題2の表の Si:O の比と比べて何がいえるかを述べなさい。
練習4 Mg を 1.5 個、Fe を 0.5 個含むかんらん石について、例題3と同じ原子量を使い、ケイ素をすべて SiO₂ として数えたときの質量の割合を整数の % で求めなさい。
答えと解説
練習1 斜長石、石英、カリ長石。Fe と Mg をほとんど含まないものを選びます。桃色に見えることがあってもカリ長石は無色鉱物です。
練習2 黒雲母、層状。四面体の層と層の間の結びつきが弱く、その面に沿ってはがれるからです。
練習3 約 2.9 個。酸素は 47 ÷ 16 = 2.9375、ケイ素は 28 ÷ 28 = 1 なので、ケイ素 1 個あたりの酸素は約 2.9 個です。これは表の 1:2 から 1:4 の範囲に収まるので、地殻の酸素の大部分がケイ酸塩鉱物の骨組みに使われているという見方と矛盾しません。
練習4 約 38%。式量は 24 × 1.5 + 56 × 0.5 + 28 + 64 = 156 で、60 ÷ 156 = 0.384…です。Fe の割合が 25% にあたるので、図3の横軸 25 の位置を読んだ値とも合います。
次の単元へのつながりと確かめ方
火成岩の分類表で岩石の黒っぽさを示す色指数は、ここで学んだ有色鉱物の体積の割合です。分類表に並ぶ有色鉱物の順、かんらん石、輝石、角閃石、黒雲母は、四面体の共有が増えていく順と一致しています。斜長石は、Ca に富むものが苦鉄質の岩石に、Na に富むものがケイ長質の岩石に多く含まれます。日本列島の単元でマントルのかんらん岩と地殻の花こう岩を比べるときも、かんらん石が主の岩と、石英や長石が目立つ岩という見方が土台になります。
家で 5 分あれば、確かめは 2 通りできます。片方は、5 種類のつなぎ方を裏紙に三角形で描き、共有する頂点に丸をつけて Si 1 個あたりの O の数を書き込むことです。もう片方は、図4を隠して 7 つの鉱物に含まれる元素を言ってみることです。保護者の方は、お子さまに「カリ長石はなぜ桃色なのに無色鉱物なの」と聞いてみてください。答えに Fe と Mg が出てくれば筋道が通っています。個別指導では、つなぎ方の図で止まる場合、鉱物名から離れて原子の電荷と化学式の読み方へ戻り、O の数え方を 1 つずつ確かめています。
まとめ
造岩鉱物の表は丸暗記の相手に見えて、実は 1 枚の設計図です。ケイ素 1 個と酸素 4 個の同じ部品を、離して置くか、鎖にするか、板にするか、立体に組むか。その選び方で割れ方が決まり、そこへ鉄とマグネシウムが入るかどうかで色と重さが変わります。桃色のカリ長石に迷ったら、見るべきは石の色ではなく、中にある元素です。
花こう岩のかけらの白と黒は、四面体のつなぎ方と 2 つの元素が書き残した地球の文字です。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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