読む速さは鍛えられるか——タイムド・リーディングと読解速度の実証
学習の場で、読む速さを上げれば読解は伸びる、という話が出ることがあります。タイムド・リーディングを積めば本番が楽になる、とも思う。速読のコースを終えれば級が上がる、とも思う。三つの声は、同じ「速さ」に見えます。見え方と、研究が述べている層が同じかは、別です。
Chang は、外国語としての英語の学習者に対するタイムド・リーディング活動の効果を、速度と理解と認識の側から見ています [1]。論文の表題は “The effect of a timed reading activity on EFL learners: Speed, comprehension, and perceptions” です。2010年の報告です。扱うのは、台湾の大学生 84 名に、13 週間のタイムド・リーディング活動を通常カリキュラムへ組み込んだ実験です。英検リーディングの本番速度や、級別の合格ラインそのものを測った研究ではありません。台湾の大学生であり、英検の級の名簿ではない、ということを、この回は最初に言います。後でもう一度言います。英検にそのまま当てはまる、とは書きません。29 wpm と 25% と .63 を、英検の級や得点には換算しません。
Chung と Nation は、スピードリーディングコースの結果を、速度のグラフの側から見ています [2]。論文の表題は “The Effect of a Speed Reading Course” です。2006年の報告です。扱うのは、韓国の、外国語としての英語の学習者向けに、統制語彙の範囲内で行った 9 週間のコースです。英検の多読や速読対策の公式を、直接測った研究ではありません。韓国の学習者であり、英検の公式教材ではない、ということを、この回は最初に言います。後でもう一度言います。英検にそのまま当てはまる、とは書きません。最初の 10 テキストと、少なくとも 20 テキストを、「10 本読めば本番が変わる」という文にはしません。
結論を先に言います。読解流暢性を育てるため、13 週間のタイムド・リーディング活動を通常カリキュラムに組み込み、読解速度の向上を目指した、と2010年の報告は述べています [1]。タイムド・リーディングを行った学生は、読解速度が平均 29 wpm(25%)、理解が .63(4%)向上した、とも述べています [1]。実験群では 2 時点間の差は統計的に有意だったが、統制群ではそうではなかった、とも述べています [1]。英語学習者にとって流暢に読むことは重要な目標である。読解流暢性を育てる一法はスピードリーディングコースである、と2006年の報告は述べています [2]。速度増加の算出法を変えてもほぼ全学習者が読解速度を向上させ、一部は大幅に。増加の多くは最初の 10 テキストで起きるが、少なくとも 20 テキスト読むことでさらに得られる余地がある。多くの学習者は急激なジャンプや長いプラットーではなく徐々に速度を上げた、とも述べています [2]。平均 29 wpm(25%)、と、速読すれば英検が取れる、は違います。有意だった実験群と、そうではなかった統制群を並べることと、コースを積めば級が上がる、も違います。最初の 10 テキスト、と、10 本で本番が変わる、も違います。どちらも、英検リーディングの速さの手順書ではありません。
先に、この回がしないことも言っておきます。一次証拠は、台湾の大学生に対する 13 週間のタイムド・リーディングと、韓国の学習者に対する 9 週間のスピードリーディングコースです。英検リーディングの本番速度・級別の合格ラインを、一次資料としては扱いません [1]。29 wpm と 25% と .63(4%)を、英検の級や得点に換算しません。速読すれば英検が取れる、とも断定しません。統制群では 2 時点間の差は統計的に有意ではなかった、という記述を、消して書くことはしません [1]。10 本読めば本番が変わる、とも単純化しません。統制語彙の範囲内で行った 9 週間のコースを、英検の公式にはしません [2]。一次試験の時間圧力の話は、すでに別稿があります。この回では再説明しません。語彙カバー率の話も、すでに別稿があります。再説明しません。睡眠、運動、教室環境も、軸にしません。この回の軸は、タイムド・リーディングの前後テストと、スピードリーディングコースの経時変化を、同じ重さで置くことです。受験者の読む速さを、準備不足だとは決めつけません。学習者の遅さを、欠点の証明にもしません。
1. 読む速さと本番の速さは、同じ「速さ」ではない
学習者が「読む速さ」と呼ぶものの中には、いくつかの層が混ざります。授業の中で時間を区切って読む活動。統制語彙のテキストを重ねるコース。試験場の冊子を、制限時間の中で処理すること。層が混ざったまま、「速くせよ」と言うと、どの場の、どの測定の話なのかが見えなくなります。
Chang が置いているのは、通常カリキュラムに組み込んだタイムド・リーディング活動です [1]。英検の級別の制限時間そのものではありません。置いているのは、読解流暢性を育てるための、13 週間の活動です。活動があることと、速く読めば点が上がる、という口語の助言は、最初から違います。違うものを、同じ「速さ」という言葉で結ぶと、授業の活動が本番の公式に見えます。見せません。
Chung と Nation が置いているのも、スピードリーディングコースです [2]。英検の多読や速読対策の公式ではありません。流暢に読むことを目標に据えたコースと、当日の分針の手順は、層が違います。層が違うものを、一次の時間配分の手順に溶かすことはしません。時間配分の話は、すでに別稿があります。この回では再説明しません。
英検の一次に、読む速さが載ります。載ることと、2010年のタイムド・リーディングが測っている教室が同じであることは、別です。別である、を、本番では速さは関係ない、と読むこともしません。関係がある、と著者が書いているのは、外国語としての英語の学習者における読解速度と理解の側です。側があることと、英検の制限時間が同じ式であることは、違います。違う、を、この回の入口に置きます [1] [2]。
学習者本人が読むときの形も、同じ範囲に置きます。「遅く読んだから、自分は力が足りない」。その物語を、この二つの報告は支えていません。支えていないことと、遅さが無い、は、また別です。流暢性の話があることと、向き不向きの判定であることは、層が違います。層を混ぜて、本人を責める文にはしません。
2. 一次証拠は台湾の大学生と、韓国のスピードリーディングコースである。英検ではない
入口のあと、対象を固定します。ここでも、最初に限界を言います。2010年は台湾の大学生 84 名です。2006年は韓国の、外国語としての英語の学習者です。どちらも、英検そのものの研究ではありません。
- Chang が分けたのは、実験群と統制群である。参加者は大学生 84 名である。
- Chung と Nation が報告したのは、統制語彙の範囲内で行った 9 週間のコースである。
台湾の大学生、です。英検の公開会場ではありません。13 週間の、通常カリキュラムへの組み込みです。公開試験の一回ではありません。対象が大学生である、という位置です。位置を、中高生や社会人を含む英検受験者全体の一般法則にはしません。一般法則にすると、台湾の教室の前後テストが、英検の級の証明に見えます。見せません [1]。
韓国の学習者、です。外国語としての英語です。英検ではありません。対象がコースの内側である、という位置は、公開会場の外側にあります。外側であることと、無関係、は違います。違う遠さを、英検の対応表にはしません。対応表が無い以上、台湾と韓国は、その名前のまま使います [2]。
統制語彙、という語も、2006年の入口です [2]。読解を妨げる語彙的困難に直面しないよう、統制語彙の範囲内で行う必要がある、と著者らは書いています。範囲内、です。英検の語彙表そのものではありません。語彙カバー率の話は、すでに別稿があります。この回では再説明しません。別稿の層を、ここに厚くやり直すことはしません。やり直さない、を、語彙は関係ない、と読むこともしません。関係がある、と著者が書いているのは、流暢性のコースを語彙的困難が中断しないようにする、という設計です。設計があることと、級の見出し語の数が決まることは、違います。違う、がこの節の上限です [1] [2]。
3. 13 週間のタイムド・リーディングを、通常カリキュラムに組み込んだ
対象の隣に、Chang は、活動の形を置きます [1]。ここでも、英検の速読講座ではありません。
- 読解流暢性を育てるため、13 週間のタイムド・リーディング活動を通常カリキュラムに組み込み、読解速度の向上を目指した。
- 検査は読解速度・理解の前後テストと、活動終盤の最終レポートによる受講者の認識であった。
13 週間、です。通常カリキュラムに組み込む、です。組み込む、という語が正確です。カリキュラムの外側で速読だけを積む、という書き方ではありません。外側の講座に読み替えると、著者が書いていない実施の形が生まれます。生まれた形を、英検対策の時間割の顔で出すことはしません [1]。
読解速度の向上を目指した、です。目指した、という語も正確です。英検の級の向上を目指した、という記述ではありません。記述でない目標を、合格点の対応表に読み替えることはしません。対応表は、この回が使う範囲にはありません。無い表を、次の級へ移る時期の規則として配ることはしません。次の級の話は、すでに別稿があります。この回では再説明しません。
前後テスト、です。読解速度と理解です。活動終盤の最終レポート、です。受講者の認識です。認識と、公開試験の得点は、層が違います。層が違うものを、同じ「伸びた」という言葉で結ぶと、最終レポートが本番の保証に見えます。見せません。著者が置いているのは、速度と理解の前後テストと、認識の最終レポートです。置いてある検査と、英検の一次点は、別です [1]。
流暢性、です。育てるため、です。ため、という語は、活動の目的です。目的があることと、その目的が英検の採点基準であることは、別です。別である目的を、当日の大問の名前に読み替えることはしません。読み替えない、が、この節の上限です。
4. 実験群は平均 29 wpm(25%)と理解 .63(4%)が向上した。統制群では有意ではなかった
形のあと、Chang は結果を置きます [1]。結果の主語が、英検の級ではなく、読解速度と理解である、という位置を外しません。
- タイムド・リーディングを行った学生は、読解速度が平均 29 wpm(25%)、理解が .63(4%)向上した。
- 実験群では 2 時点間の差は統計的に有意だったが、統制群ではそうではなかった。
平均 29 wpm(25%)、です。wpm は、1 分あたりの語数の単位として、著者が置いた名前です。名前があることと、英検の大問の語数がこの単位であることは、別です。別である単位を、級の得点差に換算する対応表は、ありません。対応表が無い以上、29 wpm は、その数字のまま使います。25% も、その数字のまま使います。無い換算を、合格点の動きにはしません [1]。
理解が .63(4%)向上した、です。.63 と、4% です。著者が並べた二つの書き方です。並べてあることと、理解の尺度の中身が英検の読解点であることは、別です。別である向上を、一次の何点分、として足すことはしません。足すと、著者が書いていない点数の物語が生まれます。生まれた物語を、根拠の顔で出すことはしません。
実験群では統計的に有意、統制群ではそうではなかった、です。両方です。片方だけを採って、タイムド・リーディングをすれば伸びる、という文にはしません。片方だけを採って、統制群は無意味だ、という文にもしません。著者が並べたのは、2 時点間の差が、実験群では有意であり、統制群ではそうではなかった、という対比です。対比を消して、速読すれば英検が取れる、という断定に潰すことはしません [1]。
タイムド・リーディングを行った学生、です。実験群の側です。大学生 84 名を、実験群と統制群に分けた、という入口の続きです。続きであることと、英検の受験者全体がこの分け方であることは、別です。別である分け方を、公開会場の座席表にはしません。座席表にすると、台湾の教室の有意差が、日本の級の証明に見えます。見せません。
5. 自信と、教師の指導なしに読んだ量への感銘は、最終レポートの認識である
速度と理解の隣に、Chang は、認識を置きます [1]。認識を、得点の別名にはしません。
タイムド・リーディングを行った学生は読解に自信が持てるようになり、教師の指導なしにこれだけ読んだことに感銘を受けた。
自信が持てるようになり、です。読解に、です。英検の級に自信が持てるようになった、という記述ではありません。記述でない自信を、合格の予感の顔で出すことはしません。出すと、最終レポートが、一次の保証に見えます。見せません [1]。
教師の指導なしにこれだけ読んだことに感銘を受けた、です。感銘、です。量、です。指導なしに、です。著者が置いているのは、活動終盤の最終レポートによる受講者の認識です。認識である、を、入口に残します。残したまま、公開試験の得点へは降ろしません。降ろさない、がこの節の上限です。
上限であることと、認識は捨ててよい、と読むこともしません。捨ててよい、と読むと、自信と感銘が、どうでもよい話に見えます。見せません。残る報告は、タイムド・リーディングを行った学生の認識です。認識と、英検の一次点は、別です。別である認識を、当日の自己評価の正解にはしません。自己評価の話は、すでに別稿があります。この回では再説明しません [1]。
これだけ読んだ、という量の感覚も、最終レポートの言葉です。言葉があることと、何テキスト読んだかの個数がこの回の一次資料にあることは、別です。個数の話は、次の報告の層です。Chang の層と、Chung と Nation の層を、同じ「量」で溶かすことはしません。溶かさない。それが、二つの報告を並べる前の約束です。
6. スピードリーディングコースは統制語彙の範囲内で 9 週間。グラフ分析である
2010年の前後テストの隣に、2006年のコースを置きます [2]。隣に置く、を、同じ助言だ、とは言いません。ここでも、最初に限界を言います。韓国の、外国語としての英語の学習者向けの、統制語彙のスピードリーディングコースです。英検の多読・速読対策の公式に、そのまま当てはめません。
- 英語学習者にとって流暢に読むことは重要な目標である。読解流暢性を育てる一法はスピードリーディングコースである。
- 英語学習者向けには、読解を妨げる語彙的困難に直面しないよう統制語彙の範囲内で行う必要がある。
- 9 週間のコースの結果を報告する。速度読解のグラフ分析である。
重要な目標、です。一法、です。一法、という語が正確です。唯一の方法、ではありません。唯一に上げると、著者が書いていない順位が生まれます。生まれた順位を、英検対策の勝者の顔で出すことはしません [2]。
統制語彙の範囲内、です。読解を妨げる語彙的困難に直面しないよう、です。よう、という語は、設計の理由です。理由があることと、英検の語彙リストがこの範囲であることは、別です。別である範囲を、級の見出し語の枚数に読み替えることはしません。語彙カバー率の数値の話は、すでに別稿があります。この回では再説明しません。再説明しない、を、語彙の困難は無視してよい、と読むこともしません。無視してよい、と読むと、統制語彙の条件が消えます。消すと、コースの前提が、どんなテキストでも同じ、に見えます。見せません [2]。
9 週間、です。グラフ分析、です。前後テストの群間比較、という書き方ではありません。Chang が置いたのは、実験群と統制群の、2 時点間の差です [1]。Chung と Nation が置いているのは、速度読解のグラフです。グラフと、群間の有意差は、同じ「伸び」という言葉で結びたくなる。結びは、分かりやすい。分かりやすい結びは、測っている層が同じだ、という前提を、黙って置きます。この回は、その前提を置きません。並べる。溶かす、ではない。
Crossref に DOI が無い報告です。無い、を、報告が弱い、という文にはしません。弱い、という新しい判定を足すことはしません。足さない判定と、英検の公式である、という読み替えは、どちらもこの回の外です。外である位置を、入口に残します [2]。
7. 増加の多くは最初の 10 テキスト。少なくとも 20 テキスト。徐々に、である
コースの形のあと、著者らはグラフの読みを置きます [2]。読みの主語が、本番の級ではなく、速度の上がり方である、という位置を外しません。
- 速度増加の算出法を変えても、ほぼ全学習者が読解速度を向上させ、一部は大幅に。
- 増加の多くは最初の 10 テキストで起きるが、少なくとも 20 テキスト読むことでさらに得られる余地がある。
- 多くの学習者は急激なジャンプや長いプラットーではなく、徐々に速度を上げた。
ほぼ全学習者、です。一部は大幅に、です。算出法を変えても、です。変えても、という語が正確です。一つの計算法だけが勝者だ、という書き方ではありません。勝者にすると、著者が書いていない算出の順位が生まれます。生まれた順位を、学習記録の正しい測り方の顔で出すことはしません [2]。
最初の 10 テキスト、です。増加の多く、です。多く、です。全部、ではありません。少なくとも 20 テキスト読むことでさらに得られる余地がある、です。余地、です。保証、ではありません。10 と 20 を、「10 本読めば本番が変わる」という文に翻訳することはしません。翻訳すると、グラフの段階が、公開試験の手順に見えます。見せません。著者が書いたのは、最初の 10 で多くが起き、少なくとも 20 でさらに余地がある、という読みです。読みがあることと、英検の過去問を 10 回解け、という個数の命令は、別です。過去問の話は、すでに別稿があります。この回では再説明しません [2]。
急激なジャンプや長いプラットーではなく、徐々に、です。多くの学習者、です。全員、ではありません。徐々に、を、毎日少しずつやれ、という生活の命令に翻訳することはしません。翻訳すると、グラフの形が、家庭の時間割に見えます。見せません。著者が置いているのは、上がり方の観察です。観察と、当日の加速の命令は、別です。加速の話は、時間圧力の別稿の層です。この回の層は、コースの経時変化です。層を混ぜない。
少ない時間投資でスピードリーディングを実施すると、外国語学習者にとって非常に良いリターンがある、とも著者らは書いています [2]。非常に良いリターン、です。少ない時間投資、です。何分、という数字は、この回が使う範囲にはありません。無い分数を、1 日何分、として足すことはしません。足すと、著者が書いていない生活の規則が生まれます。生まれた規則を、根拠の顔で出すことはしません。非常に良いリターン、を、英検合格の保証に読み替えることもしません。読み替えると、コースの実施が、級の証書に見えます。見せません。
8. 二つの研究を並べる。速読すれば英検が取れる、にはしない
ここまでを一度だけ表にします。新しい数値は足しません。
| 側 | 著者が述べていること |
|---|---|
| 2010年の対象 | 台湾の大学生 84 名。13 週間のタイムド・リーディング。英検リーディングの本番速度そのものではない [1] |
| 2010年の速度と理解 | 平均 29 wpm(25%)、理解 .63(4%)。英検の級・得点への換算はしない [1] |
| 2010年の有意差 | 実験群では 2 時点間の差は統計的に有意。統制群ではそうではなかった。速読すれば英検が取れる、ではない [1] |
| 2010年の認識 | 読解に自信。教師の指導なしに読んだ量への感銘。最終レポートである。本番の得点ではない [1] |
| 2006年の対象 | 韓国の、外国語としての英語の学習者。統制語彙。9 週間。英検の公式ではない [2] |
| 2006年のグラフ | ほぼ全学習者が向上。一部は大幅。増加の多くは最初の 10 テキスト。少なくとも 20 テキストで余地。徐々に [2] |
| 2006年のリターン | 少ない時間投資で非常に良いリターン。分数も、英検合格の保証も、出てこない [2] |
| 英検の級と本番速度 | この二つの報告からは決まらない。速読すれば取れる、も、10 本で本番が変わる、も、出てこない |
表の読み方は、上下の勝敗ではありません。上段の2010年は、前後テストと、統制群との対比と、最終レポートの認識です。中段の2006年は、グラフの経時変化と、10 と 20 の余地です。下段の英検の級は、どちらの報告にも無い層です。無い層を、表の空欄のまま置きます。
29 wpm と、最初の 10 テキストを、平均した新しい方針は、作りません。測っている層が違います。一方は、実験群と統制群の、2 時点間の差です。他方は、速度読解のグラフです。近い「速さ」を、同じ量の反復としては読めません [1] [2]。
学習の場での見え方に一度だけ引き直します。新しい数値は足しません。読む速さを上げれば本番が楽になる、という声。2010年の報告は、平均 29 wpm(25%)と理解 .63(4%)を書き、同時に、統制群では有意ではなかった、とも書いています [1]。2006年の報告は、増加の多くは最初の 10 テキストだ、と書き、少なくとも 20 テキストで余地がある、とも書いています [2]。引き直した結果として出てくるのは、当日の速さの命令ではありません。教室の活動と、コースのグラフを、英検の級の手順に溶かさない、という確認の形です。
一次の時間圧力の話は、すでに別稿があります。この回の二つの報告は、その話ではありません。タイムド・リーディングと、スピードリーディングコースです。別稿の層を、ここに厚くやり直すことはしません。語彙カバー率も、軸にしません。睡眠や運動を、速さの代わりに置くこともしません。置く軸は、教室の実証があることと、英検の手順にはしないことです [1] [2]。
9. 【反証】この回が言えないこと
第一に、一次証拠は二篇です。Chang の2010年と、Chung と Nation の2006年です [1] [2]。英検リーディングの本番速度・級別の合格ラインを、一次資料として測った研究ではありません。合否も、級の得点差も、この二つの報告は述べていません。英検そのものの研究ではない、ということを、ここで再度言います。英検にそのまま当てはまる、とは書きません。
第二に、2010年は台湾の大学生 84 名、13 週間です。中高生や社会人を含む英検受験者全体ではありません。通常カリキュラムへの組み込みです。公開試験の一回ではありません。84 名を、級の名簿に一般化することはできません [1]。
第三に、平均 29 wpm(25%)と理解 .63(4%)を、英検の級や得点に換算することはできません。換算表は、この報告からは出てきません。出ない表を、合格点の動きとして足すことはしません。29 wpm を、本番の制限時間の秒数に読み替えることもしません [1]。
第四に、実験群では 2 時点間の差は統計的に有意、統制群ではそうではなかった、です。速読すれば英検が取れる、という断定にはなりません。有意、は、級の保証ではありません。統制群の記述を消して、実験群だけを残す書き方もしません [1]。
第五に、自信と感銘は、活動終盤の最終レポートによる受講者の認識です。公開試験の得点ではありません。読解に自信、を、合格の予感にはできません。教師の指導なしに読んだ量への感銘を、自学だけで足りる、という文にもできません [1]。
第六に、2006年は韓国の、外国語としての英語の学習者向けの、統制語彙の 9 週間です。英検の多読・速読対策の公式ではありません。グラフ分析です。実験群と統制群の前後テストではありません。DOI が Crossref に無い報告であることも、公式であることの根拠にはなりません [2]。
第七に、増加の多くは最初の 10 テキスト、少なくとも 20 テキストで余地、を、「10 本読めば本番が変わる」にはできません。多く、です。余地、です。保証ではありません。徐々に、を、毎日の命令にもできません。少ない時間投資で非常に良いリターン、の分数は、この回が使う範囲にはありません [2]。
第八に、二つの研究を合成して、新しい数値を作ることはできません。29 wpm と 10 テキストを平均した速さの方針も、この回からは出てきません。当日を速さの勝負として書くことも、していません。
第九に、一次試験の時間圧力、語彙カバー率、過去問の再テスト効果、級別のロードマップは、この回では再説明していません。すでに書いた話だからです。必要でも、参照に留めます。睡眠、運動、食事、教室環境を、この回の軸にもしていません。
第十に、この回は、受験者の読む速さを間違っていると決めつけていません。準備が足りない、という責めの文にもしていません。学習者の遅さを、欠点だとも書いていません。著者らが述べたのは、台湾の大学生に対するタイムド・リーディングと、韓国の学習者に対するスピードリーディングコースです。研究があることと、受験生を責めることは、別です [1] [2]。
10. 実務——試験場と出願で使える3つの確認
- 平均 29 wpm(25%)や理解 .63(4%)を、英検の級や得点に換算していませんか。速読すれば英検が取れる、と断定していませんか。Chang によれば、タイムド・リーディングを行った学生は、読解速度が平均 29 wpm(25%)、理解が .63(4%)向上しました。実験群では 2 時点間の差は統計的に有意でしたが、統制群ではそうではありませんでした [1]。有意、です。対比、です。級の保証ではありません。換算表は出てきません。面談の前に、断定に上げていないか、を一度だけ言い直す、という確認です。
- 台湾の大学生 84 名・13 週間の活動を、英検の速読対策の公式に読み替えていませんか。最終レポートの自信を、本番の得点にしていませんか。2010年は、通常カリキュラムに組み込んだタイムド・リーディングです。検査は前後テストと、活動終盤の最終レポートによる認識です。台湾の大学生です。英検の級の名簿ではありません [1]。無い公式を、当日の手順にしない。時間圧力の話は、別稿です。この回の層は、教室の流暢性の活動です。層を混ぜない、という確認です。
- 最初の 10 テキストを、「10 本読めば本番が変わる」と単純化していませんか。少なくとも 20 テキストの余地と、徐々に、を消していませんか。Chung と Nation は、統制語彙の範囲内で 9 週間のスピードリーディングコースを報告しました。増加の多くは最初の 10 テキストで起きますが、少なくとも 20 テキストでさらに余地があります。多くの学習者は徐々に速度を上げました [2]。韓国です。グラフです。英検の公式ではありません。換算表は、この報告からは出てきません。出ない、を、確認の答えにします。
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まとめ
- Chang は、外国語としての英語の学習者に対するタイムド・リーディング活動を、速度と理解と認識の側から見た。台湾の大学生 84 名。13 週間を通常カリキュラムに組み込んだ。英検リーディングの本番速度・級別の合格ラインそのものではない [1]。
- タイムド・リーディングを行った学生は、読解速度が平均 29 wpm(25%)、理解が .63(4%)向上した。実験群では 2 時点間の差は統計的に有意。統制群ではそうではなかった。速読すれば英検が取れる、という断定にはしない。級や得点への換算もしない [1]。
- 読解に自信が持てるようになり、教師の指導なしにこれだけ読んだことに感銘を受けた。活動終盤の最終レポートによる認識である。本番の得点ではない [1]。
- Chung と Nation は、統制語彙の範囲内で行った 9 週間のスピードリーディングコースを報告した。韓国の、外国語としての英語の学習者である。英検の多読・速読対策の公式へはそのまま当てはめない [2]。
- ほぼ全学習者が読解速度を向上させ、一部は大幅。増加の多くは最初の 10 テキスト。少なくとも 20 テキストで余地。徐々に。10 本読めば本番が変わる、という単純化にはしない。少ない時間投資で非常に良いリターン、の分数も、合格の保証も、出てこない [2]。
- 二つの研究を並べると、教室のタイムド・リーディングと、コースのグラフには実証がある。英検の級への読み替えも、当日の速さの手順も、この研究からは出てこない。時間圧力と語彙カバー率は再説明しない。当日を速さの勝負にはしない。受験者の読む速さを準備不足と決めつけない。
出典
本文中の番号に対応します。書誌を確認し、抄録に直接あたったものだけを挙げています。結論に反する記述も、同じ基準で載せています。
- 【タイムド・リーディングと読解速度・理解】Chang, Anna C-S (2010). The effect of a timed reading activity on EFL learners: Speed, comprehension, and perceptions. Reading in a Foreign Language, 22(2), 284–303. DOI: 10.64152/10125/66837
- 【スピードリーディングコースと経時変化】Chung, Mihwa; Nation, Paul (2006). The Effect of a Speed Reading Course. English Teaching, 61(4), 181–204.
