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英単語が読めないときの覚え方—ローマ字読みの癖を直し、音から入る手順|武蔵野個別指導塾

said をサイドと読んでしまう中学生へ。文字を隠して音声を3回聞き、まねして言えてから文字を見て、ずれる所に丸をつける。単語帳のカタカナは鉛筆で小さく振り、音声と同じように言えた日に消してください。
英単語が読めないまま覚えているなら、覚える順番を逆にしてください。文字を見る前に音声を聞き、まねして言えるようになってから文字を見て、読み方が文字とずれる所に丸をつけます。中学生なら教科書の音声、高校生なら単語帳か辞書の音声で足ります。単語帳にカタカナを振る癖は、今日からやめなくてかまいません。振るのは音声を聞いた後だけ、ずれる所だけに減らし、音声と同じように言えた日に消します。ローマ字読みは、聞き取り、つづり、強く読む位置の3か所でつまずきを生みます。直すなら、新しく覚える語から音で入る順に切り替えるのが、いちばん早い道です。
よくあるのは、中2の生徒が単語帳の英語の上に、赤ペンで細かくカタカナを振っている場面です。come の上には「コメ」、said の上には「サイド」。意味を赤いシートで隠して確かめようとした瞬間、赤いカタカナも一緒に消えて、said の所で口が止まります。本人は「読み方を忘れないように書いた」と言います。けれども振ってあるのは、音声を聞いて写した音ではなく、文字を1つずつローマ字として読んだ音でした。単語帳はこんなに丁寧なのに、そこに書かれた読み方のほうが、英語の音から遠ざかっていたのです。
ローマ字読みで覚えた語が、聞いても書いても役に立たない理由
ローマ字は、日本語の音を英語の文字で書き表すための決まりです。ka と書けば「カ」、ko と書けば「コ」と、文字と音の組み合わせがほぼ1つに決まっています。子音のあとには「ん」を除いて必ず母音が付き、語のどこを強く読むかという決まりもありません。小学校でこの決まりを身につけた生徒は、知らない英単語に出会うと、その決まりのまま文字を音にします。pen や desk のように、ローマ字のつもりで読んでも本当の音とあまり離れない語があるので、癖はなかなか外れません。
ところが英語の文字は、ローマ字ほど素直ではありません。come の o は「オ」ではなく、口を軽く開けた「ア」に近い音になり、最後の e は読みません(目安の音はカム)。said の ai は2文字で1つの「エ」の音を作ります(目安はセッド)。women の o は「イ」に近い音で(目安はウィミン)、foreign の g は読みません(目安はフォーリン)。同じ o でも語によって音が変わり、書いてあるのに読まない文字があり、2文字で1つの音を作る組み合わせがある。ローマ字の決まりでは、このどれも拾えません。
この食い違いが、3つの場面で表に出ます。1つ目は聞き取りです。頭の中に「コメ」という音で入っている語は、先生が come と言っても、リスニングの音声で流れても、頭の中の音と照らし合いません。教室では、紙に書いて意味を答える小テストなら正解できる語なのに、音声で流すと手が止まる、という形で見えます。
2つ目はつづりです。先生が英語を読み上げて書かせる形の小テストでは、聞こえた音から語を探します。ローマ字読みで覚えた生徒は、聞こえた音と頭の中の音が別の物なので、知っているはずの語にたどり着けません。つづりを覚えるためにわざとローマ字のように唱えるやり方もありますが、それは書くときの合図にとどめ、読み方として覚えないことです。
3つ目は強く読む位置です。英語の語には、いちばん強く読む音のかたまりが1つあります。hotel は ho-TEL、guitar は gui-TAR と、どちらも後ろを強く読みます(大きく書いた所が強く読む所です)。カタカナ語の「ホテル」「ギター」の調子で言うと、強さが英語と違う所に来ます。museum は mu-SE-um、idea は i-DE-a で、どちらも真ん中が強い所です。強く読む位置がずれた音で覚えると、正しい音を聞いても同じ語だと気づきにくくなります。
もう1つ見落とされやすいのは、読めない語は口に出して確かめられない、という点です。言えない語は、目で眺めて覚えるしかなくなります。小テストの前に教科書を開いて、口を閉じたまま頁を眺めている生徒の単語帳を見ると、読み方の手がかりが何も書いていないか、ローマ字読みのカタカナが振ってあることがよくあります。
図1のように、文字から入るとローマ字読みの「コメ」が先に頭に残り、あとで聞いた音とつながりません。音から入れば、音声をまねして言えた音に文字があとから結びつくので、聞いた音と書いた文字が同じ1つの語になります。読めない語を直すときに順番から変えるのは、このためです。

文字を隠して音から入る手順と、読み方の調べ方
新しく覚える語は、次の順番で進めます。たとえば中2が平日に1日10語を覚えるなら、1語90秒で15分が教室で最初に勧める形です。部活のある日に15分が取れないときは、語の数を減らしても、手順は削らないでください。90秒で言えるようにならない語は、手順1と2をもう1周してから4に進みます。順番を守ることのほうが、数をこなすことより先です。
- 文字を手か紙で隠し、音声を3回聞きます(20秒)。教科書の語なら教科書の音声、単語帳の語なら単語帳に付いている音声、どちらも無ければ辞書の音声を使います。この段階では、意味も見ません。
- 音声を止めて、聞いたとおりに3回まねして言います(20秒)。小さな声でかまいませんが、口は必ず動かします。頭の中で唱えるだけでは、自分がどう言っているのかが自分の耳に届きません。
- 強い所で、指で机を1回たたきながらもう一度言います(10秒)。どこで指を下ろすか迷ったら、音声をもう一度聞きます。ここまで、文字はまだ隠したままです。
- ここで初めて文字を見ます。いま言った音と文字を見比べ、ローマ字のつもりで読むと音がずれる所に、鉛筆で丸をつけます(25秒)。said なら ai、foreign なら読まない g の所です。強く読む母音の上には小さな点を打ちます。
- 英語を言ってから日本語の意味を言う、を2回します(15秒)。ここまでで1語が終わります。
- 翌日、音声を流す前に、文字を見て自分で1回読みます。そのあと音声を聞いて比べ、同じように言えていたら丸の横に小さな印をつけます。
- 週の終わりに、印がついていない語だけを集め、1から5をもう一度通します。
| 順番 | すること | 目で見る物 | 時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 音声を3回聞く | 何も見ない(文字は隠す) | 20秒 |
| 2 | 音声を止めて3回まねして言う | 何も見ない | 20秒 |
| 3 | 強い所で机をたたいて言う | 何も見ない | 10秒 |
| 4 | 文字を見て、ずれる所に丸と点 | 文字 | 25秒 |
| 5 | 英語と意味を続けて2回言う | 文字と意味 | 15秒 |
| 合計 | 1語ぶん | 90秒 |
図2のように、最初の3つは文字を隠したまま進め、文字を見るのは4つ目からです。表の「目で見る物」の欄で、上の3行が「何も見ない」になっているのが、この手順の芯です。文字を先に見ると、目が勝手にローマ字読みを始めます。音声を聞いて口が動いたあとなら、文字は「いま言った音の書き方」として目に入るので、ずれる所がはっきり見えます。

読み方のわからない語の調べ方
読み方のわからない語は、音声と発音記号の2つで調べます。先に使うのは音声です。電子辞書や辞書のアプリには、見出しの近くに音声を鳴らす印が付いているものが多く、紙の辞書しか無いときは、教科書や単語帳の音声で同じ語を探します。音声が手に入るなら、発音記号を読む前に音声を聞いてください。
発音記号は、全部を覚えてから使う物ではありません。まず探すのは、強く読む位置の印です。強く読む母音の記号の上に右上がりの小さな印を付ける辞書と、強く読む音のかたまりの前に、上のほうに短い縦線を付ける辞書があります。どちらの形かは、辞書の初めにある使い方の頁に書いてあります。次に、手順4で丸をつけた所にあたる記号だけを、辞書の初めにある記号の表で引きます。1語で引く記号は1つか2つで足ります。記号の一覧を頭から覚えようとすると、肝心の語を口に出す時間がなくなります。
| 調べる物 | 1番目に見る所 | 2番目に見る所 | 向いている語 |
|---|---|---|---|
| 教科書の音声 | 新出語の音声 | 本文の音読の音声 | 定期テストの範囲の語 |
| 単語帳の音声 | 見出しの語の音声 | 例文の音声 | 単語帳で覚える語 |
| 電子辞書・辞書のアプリ | 音声を鳴らす印 | 強く読む位置の印 | 教科書にも単語帳にも無い語 |
| 紙の辞書 | 強く読む位置の印 | 丸をつけた所の記号 | 音声が使えないときの語 |
カタカナを振る癖と、読めない語でよくある4つのつまずき
1つ目は、音声を聞く前に自分の読みでカタカナを振ってしまうことです。聞く前に振ったカタカナは、ローマ字読みをそのまま紙に固定します。冒頭の said の「サイド」がこれにあたります。振るのは、手順2でまねして言えた後だけ、と決めてください。音声を聞く前は鉛筆を置いておく、という小さな決まりで、このつまずきはかなり減ります。
2つ目は、語の全部の上にカタカナを振ってしまうことです。カタカナは、「ン」を除くと、子音だけの音を書けません。desk を「デスク」と書いた時点で、最後の「ク」に英語にない「ウ」の母音が混ざります。全部をカタカナにすると、英語の音ではなくカタカナの音を覚えることになります。振るのは丸をつけた所の上に1〜2字だけにし、said なら ai の上に小さく「エ」と書いて、それ以外は文字のまま読みます。赤ペンもやめて鉛筆にします。赤いシートで消えると確かめの最中に頼る物がなくなって慌てますし、赤ペンでは言えるようになっても消せないからです。

図3のように、左の単語帳では said の上に「サイド」、hotel の上に「ホテル」と、赤ペンで語の全部にカタカナが振ってあります。右では、said の ai を丸で囲んで小さく「エ」とだけ書き、hotel は強く読む e の上に点を打っただけです。読み方を思い出す手がかりは残したまま、カタカナの量が減り、音声と比べて言えたら消せる形になっています。
3つ目は、強く読む位置を気にせず、平らに読んでしまうことです。丸だけをつけて点を打たないと、音は合っていても強さが抜けたまま固まります。点を打った語は、言うたびに点の所で机をたたきます。手の動きと口の強さがそろうと、点を見なくても強い所で声が大きくなります。
4つ目は、言えるようになってもカタカナを消さずに残してしまうことです。残ったカタカナは、次に見たときにまた目を引き、文字を読む前にカタカナを読ませます。手順6の翌日の確かめで音声と同じように言えた語は、その場で消しゴムで消してください。週の終わりに、消えたカタカナの数を数えます。まだ残っている語が、音で入り直す必要のある語です。
確かめの問題
問1 次の2語は、どちらもローマ字読みで覚えると困る語です。それぞれ、ローマ字読みと本当の音がずれるのは、どの文字の所ですか。
-
- break(壊す)ローマ字読みは「ブレアク」、目安の音は「ブレイク」
- (2) island(島)ローマ字読みは「イスランド」、目安の音は「アイランド」
問2 volunteer(ボランティア)と event(行事)を辞書の音声で聞き、強く読む位置を確かめます。音のかたまりは、volunteer が vol・un・teer、event が e・vent です。それぞれ、何番目のかたまりを強く読みますか。
問3 ある生徒は enough(十分な)を覚えるとき、文字を見てすぐに「エノウグ」と何度も声に出して練習し、最後に音声を聞きました。この覚え方の順番のどこを、どう直すとよいですか。2つ答えてください。
答えと考え方
問1 (1) は ea の所です。2文字で「エイ」の音を作ります。カタカナを振るとしても、ea の上に小さく書くだけで足ります。(2) は is の所です。i を「アイ」と読み、s は読みません。ローマ字の決まりには、書いてあるのに読まない文字がないので、s に丸をつけて覚えます。
問2 volunteer は3番目の teer、event は2番目の vent を強く読みます。volunteer は最初の vol にも少し強さがありますが、いちばん強いのは teer です。どちらも、強く読む母音の上に点を打ち、点の所で机をたたきながら言います。
問3 1つ目は、文字を見る前に音声を聞く順番に変えることです。2つ目は、自分の読みで何度も言うのをやめ、音声を止めてまねして言ってから文字を見ることです。自分の読みで練習した回数だけ、ローマ字読みの音が固まってしまいます。enough は gh を「フ」と読み、後ろの nough を強く読む語なので(目安の音はイナフ)、文字から入るとずれがいっそう大きくなります。
保護者が家でできること
家でできるのは、正しい発音を教えることではありません。お子さまが自分で音声と比べる場面を、1日に1回つくることです。保護者の方が英語の読み方を知らなくてもかまいません。正解は音声が持っています。
声のかけ方は、「どれか1語だけ読んで聞かせて」で十分です。お子さまが読んだら、そのあと一緒に音声を聞き、「同じだった?」と聞きます。違っていたかどうかを決めるのは、お子さま本人です。違ったと言ったら、文字のどこがずれていたかを指でさしてもらいます。ここまでで1分もかかりません。
確かめ方としては、単語帳のカタカナを見るのが手がかりになります。赤ペンで語の全部に振ってあるなら、音声を聞く前に振っている見込みが高いです。鉛筆で小さな字が1つ2つなら、手順どおりに進んでいます。週末に「今週消えたカタカナはいくつ?」と聞けば、お子さまが自分で数えて答えます。
言わないほうがよい言葉もあります。「カタカナなんか振っちゃだめ」と言うと、お子さまは振るのをやめる代わりに、読み方を確かめること自体をやめてしまいます。「そのカタカナ、音声を聞いてから書いた?」に言い換えてください。「読めなくても意味がわかればいいでしょう」も避けたい一言です。「読めると、聞いたときにも気づけるね」と言えば、読む練習の理由がそのまま伝わります。読み間違いを笑うのもやめてください。笑われた語ほど、お子さまは声に出さなくなります。
個別指導で確かめること
読めない語が多い生徒には、まず中1の教科書の語をいくつか声に出して読んでもらい、ローマ字読みが残っているか、強く読む位置が平らになっていないかを耳で確かめます。読まない文字や、2文字で1つの音を作る組み合わせなど、つまずく型が決まっていれば、その型の語を集めて音から入り直すところまで戻ります。単語帳の続きに進むのは、その型の語が音声を流さなくても言えるようになってからです。
まとめ
読めない英単語は、覚える力の足りなさではなく、文字から入る順番が生んだ問題です。文字を隠して音声を聞き、まねして言い、そのあとで文字のずれに丸をつける。カタカナは鉛筆で小さく振り、言えた日に消す。赤いシートを重ねても声が止まらない単語帳になったとき、come はもう「コメ」には戻りません。
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